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記録ID: 4099556
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
東海

【越美・奥美濃】三周ヶ岳〜三周ヶ岳北東尾根〜烏帽子山〜高丸(黒壁)

2022年03月20日(日) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
24.4km
登り
2,113m
下り
2,114m

コースタイム

日帰り
山行
13:30
休憩
0:00
合計
13:30
5:30
80
広野ダム
6:50
190
尾根取りつき
10:00
90
11:30
20
三周ヶ岳北東尾根の池記号のあるところ
11:50
120
根洞(コンド)谷を渡渉
13:50
80
15:10
60
高丸(黒壁)
16:10
40
P1252m
16:50
50
P1144m
17:40
80
岩谷林道に着地
19:00
広野ダム
天候 曇りのち晴れ
過去天気図(気象庁) 2022年03月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
広野ダムに駐車。雪解けが進んでおり,駐車スペースは十分ある。ダム湖岸道路及び岩谷林道は雪に埋もれており,まだ車での通行はできない。
コース状況/
危険箇所等
・雪は概ね締まっているが,気温が上がると沈み込むようになるため,ワカンくらいはあったほうがいい。また,今回は使わなかったが,何か所かクラストしている箇所もあったため,アイゼンもあったほうが安心。
・今季の多雪のためか,稜線上は随所で巨大な雪庇が出ており,雪庇側に寄りすぎないよう注意。
・金ヶ丸谷の源頭部は,雪に埋もれており,簡単に横断可能。今回のようなルートで三周ヶ岳に登る場合,越美国境稜線沿いに迂回するより楽に登ることができる(ただし雪質により雪崩注意)。
・三周ヶ岳北東尾根から烏帽子山北尾根に乗り移る際に,根洞谷を渡渉した。根洞谷はスネ程度の水深で渡渉可能。両岸が雪の壁のようになっており,這い上がるのがちょっと大変。今後,雪解けが本格化すると,雪代で増水すると思われるので注意が必要。また,雪の谷間への下降は,雪崩の危険があるので,雪の状態により慎重な判断が必要(特に降雪後は避けたほうが無難)。
・全体的に穏やかな尾根が続くが,越美国境稜線と高丸・烏帽子山の稜線のジャンクションピーク(P1252m)の東側は結構な急登で尾根も若干狭く,ここだけはワカンを脱いでキックステップで登った。
広野ダムに車を置いてスタート。広野ダム周辺の山々は雪解けが進み,黒い山肌がまだらに見えている。
広野ダムに車を置いてスタート。広野ダム周辺の山々は雪解けが進み,黒い山肌がまだらに見えている。
まだ雪深い岩谷林道を進む。ところどころ底雪崩が路上を覆っており,乗り越えながら進む(それほど危険な場面はない)。
まだ雪深い岩谷林道を進む。ところどころ底雪崩が路上を覆っており,乗り越えながら進む(それほど危険な場面はない)。
雪解けが進んだ斜面から迸る山水。春の訪れを感じさせる光景だ。
雪解けが進んだ斜面から迸る山水。春の訪れを感じさせる光景だ。
岩谷集落跡を越えたあたりで,越美国境稜線のP1144を目指すべく,適当な斜面から尾根に取りつく。まだ雪はつながっており,急登をワカンの爪を蹴り込みながら登っていく。
岩谷集落跡を越えたあたりで,越美国境稜線のP1144を目指すべく,適当な斜面から尾根に取りつく。まだ雪はつながっており,急登をワカンの爪を蹴り込みながら登っていく。
やがて美しいブナの尾根に。
やがて美しいブナの尾根に。
昨夜まで雪が降っていたらしく,霧氷が美しい。これくらいの標高の山では,これが今季見られる最後の霧氷になるかもしれない。
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昨夜まで雪が降っていたらしく,霧氷が美しい。これくらいの標高の山では,これが今季見られる最後の霧氷になるかもしれない。
立派なブナも多く,予想以上に良い尾根。
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立派なブナも多く,予想以上に良い尾根。
林道では春の息吹を感じたのに,山の上はまだまだ雪と氷の世界だ。
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林道では春の息吹を感じたのに,山の上はまだまだ雪と氷の世界だ。
越美国境稜線のP1144mに登り上げた。残念ながら,まだガスが取れない。こちらは北方向,カイドウの尾から美濃俣丸方面。
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越美国境稜線のP1144mに登り上げた。残念ながら,まだガスが取れない。こちらは北方向,カイドウの尾から美濃俣丸方面。
こちらは南方向の眺め。
こちらは南方向の眺め。
金ヶ丸谷の源頭部を横断して三周ヶ岳にダイレクトに取りつくため,適当な下降点を探しつつ稜線を南下。この辺りの越美国境稜線も,ブナが美しくとても良い雰囲気。
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金ヶ丸谷の源頭部を横断して三周ヶ岳にダイレクトに取りつくため,適当な下降点を探しつつ稜線を南下。この辺りの越美国境稜線も,ブナが美しくとても良い雰囲気。
ガスの流れるモノトーンのブナの森に心惹かれつつ,稜線を進んでいく。
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ガスの流れるモノトーンのブナの森に心惹かれつつ,稜線を進んでいく。
地図を見て,ここかなと思った箇所から金が丸谷の源頭部へとトラバース気味に下っていく。と,ガスが薄れ始め,霧氷のブナの森の向こうにちらりと青空が! 晴れてくれるといいなぁ。
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地図を見て,ここかなと思った箇所から金が丸谷の源頭部へとトラバース気味に下っていく。と,ガスが薄れ始め,霧氷のブナの森の向こうにちらりと青空が! 晴れてくれるといいなぁ。
金ヶ丸谷の源頭部に降り立った。流れは雪に深く埋もれ,静寂の雪の谷間となっている。金ヶ丸谷は何年か前に遡行したことがあるが,あまりにも風景が違い過ぎて,初めて来る場所のようだ。
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金ヶ丸谷の源頭部に降り立った。流れは雪に深く埋もれ,静寂の雪の谷間となっている。金ヶ丸谷は何年か前に遡行したことがあるが,あまりにも風景が違い過ぎて,初めて来る場所のようだ。
三周ヶ岳側の斜面に取りつく。なかなかの急登だが,こちらの斜面もブナが美しく,登りの辛さを忘れてしまうほど。
三周ヶ岳側の斜面に取りつく。なかなかの急登だが,こちらの斜面もブナが美しく,登りの辛さを忘れてしまうほど。
おおっ,また青空が! 天候は回復に向かっているようだ。
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おおっ,また青空が! 天候は回復に向かっているようだ。
もうすぐ三周ヶ岳の稜線。なんだかスキー場のゲレンデのようなすっきりした斜面だ。
もうすぐ三周ヶ岳の稜線。なんだかスキー場のゲレンデのようなすっきりした斜面だ。
振り返ると,横断してきた金ヶ丸谷の向こうに,越美国境稜線が見える。
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振り返ると,横断してきた金ヶ丸谷の向こうに,越美国境稜線が見える。
ついに三周ヶ岳の稜線に登り上げた。ガスにかすむ中,美しい雪稜となっているが…左側の樹林の様子からして,こりゃー相当,雪庇が出てるな。
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ついに三周ヶ岳の稜線に登り上げた。ガスにかすむ中,美しい雪稜となっているが…左側の樹林の様子からして,こりゃー相当,雪庇が出てるな。
こちらは南側(夜叉ヶ池方面)の様子。美しい雪稜が続く。
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こちらは南側(夜叉ヶ池方面)の様子。美しい雪稜が続く。
三周ヶ岳の山頂はすぐそこのはずなので,ガスにかすむ中を慎重に進む。どこからが雪庇なのかが判然とせず,大事を取ってかなり樹林側を進む。
三周ヶ岳の山頂はすぐそこのはずなので,ガスにかすむ中を慎重に進む。どこからが雪庇なのかが判然とせず,大事を取ってかなり樹林側を進む。
ガスで真っ白でわかりにくくて恐縮ですが,巨大雪庇のアップ。やはり今年は雪が多いんだな…。
2
ガスで真っ白でわかりにくくて恐縮ですが,巨大雪庇のアップ。やはり今年は雪が多いんだな…。
登ってきた稜線を振り返る。
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登ってきた稜線を振り返る。
三周ヶ岳山頂に到着。一番高いところは恐らく雪庇の上なので,その手前が山頂と言うことで。
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三周ヶ岳山頂に到着。一番高いところは恐らく雪庇の上なので,その手前が山頂と言うことで。
雪庇の隙間から覗く三周ヶ岳の東側斜面の様子。かなり急峻で,幾筋もの岩稜が剥き出しになっている。こりゃー落ちたらひとたまりもないな。
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雪庇の隙間から覗く三周ヶ岳の東側斜面の様子。かなり急峻で,幾筋もの岩稜が剥き出しになっている。こりゃー落ちたらひとたまりもないな。
さて,このまま三周ヶ岳の北東尾根へと進む。雪の北東尾根はどんな様子なのだろう。楽しみだ。
さて,このまま三周ヶ岳の北東尾根へと進む。雪の北東尾根はどんな様子なのだろう。楽しみだ。
無雪期は,三周ヶ岳北東尾根の三周ヶ岳寄りの区間は発狂しそうなくらいの激藪なのだが,深い残雪に覆われた今の時期は,同じ場所と思えないほどすいすいと進める。
無雪期は,三周ヶ岳北東尾根の三周ヶ岳寄りの区間は発狂しそうなくらいの激藪なのだが,深い残雪に覆われた今の時期は,同じ場所と思えないほどすいすいと進める。
おや,だいぶガスが取れてきた。これから進む三周ヶ岳北東尾根の眺め。
おや,だいぶガスが取れてきた。これから進む三周ヶ岳北東尾根の眺め。
眼下の根洞谷の眺め。これから約2時間後,この谷の真ん中のあたりを渡渉するわけですが…
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眼下の根洞谷の眺め。これから約2時間後,この谷の真ん中のあたりを渡渉するわけですが…
目指す烏帽子山が見えた。
目指す烏帽子山が見えた。
高丸の姿も。
三周ヶ岳を振りかえる。
三周ヶ岳を振りかえる。
下っていく三周ヶ岳北東尾根の向こうに,美濃俣丸と大河内山の姿が。今日は誰か登っているかな。
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下っていく三周ヶ岳北東尾根の向こうに,美濃俣丸と大河内山の姿が。今日は誰か登っているかな。
以前,夏に三周ヶ岳北東尾根を歩いた際に,ブナの森が美しかったので,雪のある時に歩いたら綺麗だろうなと思っていたのだが,思った通り素晴らしい霧氷の森が続く。
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以前,夏に三周ヶ岳北東尾根を歩いた際に,ブナの森が美しかったので,雪のある時に歩いたら綺麗だろうなと思っていたのだが,思った通り素晴らしい霧氷の森が続く。
立派なブナの老木。
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立派なブナの老木。
左右に深い谷を見下ろしつつ,時間が止まったかのような氷のブナの森を行く。
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左右に深い谷を見下ろしつつ,時間が止まったかのような氷のブナの森を行く。
ブナの散歩道。
もうすぐP998mの手前の池の箇所というところで,雲がちぎれ,青空が見え始めた。
もうすぐP998mの手前の池の箇所というところで,雲がちぎれ,青空が見え始めた。
もうすぐ池記号の箇所だ。一昨年の夏に来て以来。どんな風景だろうか。
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もうすぐ池記号の箇所だ。一昨年の夏に来て以来。どんな風景だろうか。
池の箇所に到着。…が,いかんせん雪が多すぎて,どこに池があるのか判然としないほど。この小さなくぼみが池の名残だと思うが…。もっと雪解けが進んだ頃に来たら,満々と水を湛えた池が見られたかもしれない。
池の箇所に到着。…が,いかんせん雪が多すぎて,どこに池があるのか判然としないほど。この小さなくぼみが池の名残だと思うが…。もっと雪解けが進んだ頃に来たら,満々と水を湛えた池が見られたかもしれない。
さて,今度は根洞谷を横断して烏帽子山の北尾根に取りつくべく,池の箇所から直接,南へと小さな枝谷を下降していく(一昨年の夏に来た際に登り上げた枝谷だ)。
さて,今度は根洞谷を横断して烏帽子山の北尾根に取りつくべく,池の箇所から直接,南へと小さな枝谷を下降していく(一昨年の夏に来た際に登り上げた枝谷だ)。
夏に来た時も感動したが,この枝谷沿いはトチノキの巨木がやたらと多い。
夏に来た時も感動したが,この枝谷沿いはトチノキの巨木がやたらと多い。
これとか。
これとかね。
根洞谷に向けて枝谷をどんどん下る。スキーで滑降したら気持ちよさそうな斜面だ。
根洞谷に向けて枝谷をどんどん下る。スキーで滑降したら気持ちよさそうな斜面だ。
もうすぐ根洞谷,というところで,やっと谷割れが出てきてわずかに水流が見えた。春だねえ。ちょっとだけ水を補給。
もうすぐ根洞谷,というところで,やっと谷割れが出てきてわずかに水流が見えた。春だねえ。ちょっとだけ水を補給。
ついに根洞谷の谷底に。両岸はまだまだ雪深く,雪の壁のようになっている。思ったより増水していなくて助かった。
ついに根洞谷の谷底に。両岸はまだまだ雪深く,雪の壁のようになっている。思ったより増水していなくて助かった。
雪を割って流れる根洞谷。こんな時期に根洞谷に入り込む物好きはなかなかいないと思うので,貴重な光景と思われます。
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雪を割って流れる根洞谷。こんな時期に根洞谷に入り込む物好きはなかなかいないと思うので,貴重な光景と思われます。
さてさて,お楽しみの(?)渡渉タイム。渡渉の仕方には様々な流儀があるが,今回は裸足になって正統派の渡渉。当然,水は死ぬほど冷たいが,膝位の水深で助かった。対岸の雪壁を裸足のまま四つん這いになって這い登り,靴を履きなおして一息ついた。
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さてさて,お楽しみの(?)渡渉タイム。渡渉の仕方には様々な流儀があるが,今回は裸足になって正統派の渡渉。当然,水は死ぬほど冷たいが,膝位の水深で助かった。対岸の雪壁を裸足のまま四つん這いになって這い登り,靴を履きなおして一息ついた。
しかし,これがあの,夏には緑あふれんばかりの根洞谷とは…。渡渉でかじかんだ足の指をもぞもぞさせつつ,雪に埋もれた谷や,その間を黒々と流れる渓流をしばらく眺めていた。
しかし,これがあの,夏には緑あふれんばかりの根洞谷とは…。渡渉でかじかんだ足の指をもぞもぞさせつつ,雪に埋もれた谷や,その間を黒々と流れる渓流をしばらく眺めていた。
谷間から見上げる空は,青空の割合が次第に多くなってきた。
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谷間から見上げる空は,青空の割合が次第に多くなってきた。
烏帽子山の北尾根に取りつき,登っていく。この尾根もブナやトチが美しい。
烏帽子山の北尾根に取りつき,登っていく。この尾根もブナやトチが美しい。
尾根芯は時折雪が切れている箇所もあるが,そうした箇所は藪が薄くて意外と歩きやすい。もしかしたら無雪期も気持ちよく歩けるかもしれない。
尾根芯は時折雪が切れている箇所もあるが,そうした箇所は藪が薄くて意外と歩きやすい。もしかしたら無雪期も気持ちよく歩けるかもしれない。
急登を登り上げ,緩斜面帯に乗った。烏帽子山はかつて東斜面に林道が敷設され伐採が入った(そのため,ぎふ100山からも外された)というイメージが強いが,この北尾根はどうやら伐採を免れたらしく,太いブナも散見される。
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急登を登り上げ,緩斜面帯に乗った。烏帽子山はかつて東斜面に林道が敷設され伐採が入った(そのため,ぎふ100山からも外された)というイメージが強いが,この北尾根はどうやら伐採を免れたらしく,太いブナも散見される。
次第に青空の面積が増え始めた。
次第に青空の面積が増え始めた。
青空の下,気持ちいいブナの尾根を登っていく。
青空の下,気持ちいいブナの尾根を登っていく。
振り返ると,辿ってきた三周ヶ岳北東尾根の向こうに,真っ白な美濃俣丸と大河内山の姿が。
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振り返ると,辿ってきた三周ヶ岳北東尾根の向こうに,真っ白な美濃俣丸と大河内山の姿が。
大河内山。
美濃俣丸。
何の申し分もない,晴れやかなブナの尾根。
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何の申し分もない,晴れやかなブナの尾根。
気持ちいいなぁ。
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気持ちいいなぁ。
標高が上がると,周囲の森は再び霧氷に包まれ始めた。青空に映えて美しい。
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標高が上がると,周囲の森は再び霧氷に包まれ始めた。青空に映えて美しい。
このようなのどかな平を挟みながら,烏帽子山の高みへと尾根は続く。
このようなのどかな平を挟みながら,烏帽子山の高みへと尾根は続く。
左手には蕎麦粒山,五蛇池山の姿も。
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左手には蕎麦粒山,五蛇池山の姿も。
あれは能郷白山…かな。
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あれは能郷白山…かな。
烏帽子山の山頂までもうすぐ。結構雪庇が出ている。
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烏帽子山の山頂までもうすぐ。結構雪庇が出ている。
烏帽子山の山頂に到着。雪に埋まってしまったのか,プレートは見当たらなかった。左手奥は蕎麦粒山。
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烏帽子山の山頂に到着。雪に埋まってしまったのか,プレートは見当たらなかった。左手奥は蕎麦粒山。
高丸へと続く雪稜の眺め。
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高丸へと続く雪稜の眺め。
さて,烏帽子山の山頂でしばらく休んだのち,稜線を西進して,今度は高丸を目指す。写真はコルに降りてから烏帽子山を振り返ったところ。さすが烏帽子と言うだけあって,なかなか屹立した山だ。
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さて,烏帽子山の山頂でしばらく休んだのち,稜線を西進して,今度は高丸を目指す。写真はコルに降りてから烏帽子山を振り返ったところ。さすが烏帽子と言うだけあって,なかなか屹立した山だ。
美しい雪稜漫歩が続く。再び雲が多くなってきたのが少し残念だが…
美しい雪稜漫歩が続く。再び雲が多くなってきたのが少し残念だが…
次第に高丸が近づいてくる。
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次第に高丸が近づいてくる。
高丸直下のコルから。地図上では比高100mちょっとのはずだが,結構急だなぁ…。さすが高丸というだけあって,堂々とした山容だ。
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高丸直下のコルから。地図上では比高100mちょっとのはずだが,結構急だなぁ…。さすが高丸というだけあって,堂々とした山容だ。
高丸直下の斜面は結構急な箇所もあり,雪面もクラストしていて硬く,慎重に登っていく。(池ノ又谷側からピストンした方がいらっしゃったらしく,高丸のいっこ東のピークから高丸までは,トレースがついていました。)
高丸直下の斜面は結構急な箇所もあり,雪面もクラストしていて硬く,慎重に登っていく。(池ノ又谷側からピストンした方がいらっしゃったらしく,高丸のいっこ東のピークから高丸までは,トレースがついていました。)
高丸山頂に到着。一昨年,夏に来たときは結構鬱蒼とした雰囲気だった記憶があるが,360°の展望のすっきりした雪の山頂となっている。
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高丸山頂に到着。一昨年,夏に来たときは結構鬱蒼とした雰囲気だった記憶があるが,360°の展望のすっきりした雪の山頂となっている。
高丸の北尾根の眺め。左手奥は三周ヶ岳。高丸の北尾根も,いつか歩いてみたいんだよなぁ…(またもや根洞谷の渡渉が必要になるが)
高丸の北尾根の眺め。左手奥は三周ヶ岳。高丸の北尾根も,いつか歩いてみたいんだよなぁ…(またもや根洞谷の渡渉が必要になるが)
高丸からの眺めを楽しんだのち,帰路に就くため,さらに稜線を西へ。高丸よ,さらば。
高丸からの眺めを楽しんだのち,帰路に就くため,さらに稜線を西へ。高丸よ,さらば。
越美国境稜線に向けて,稜線を西進。
越美国境稜線に向けて,稜線を西進。
この区間も,霧氷のブナの森が美しい。というか,今日歩いた尾根は,ほとんど全部当たりだったな。
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この区間も,霧氷のブナの森が美しい。というか,今日歩いた尾根は,ほとんど全部当たりだったな。
ブナブナ。
歩いてきた稜線と,高丸を振り返る。
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歩いてきた稜線と,高丸を振り返る。
時折青空がのぞくと,霧氷がさっと輝き渡って美しい。
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時折青空がのぞくと,霧氷がさっと輝き渡って美しい。
霧氷回廊。
越美国境稜線とのジャンクションピークであるP1252mは,ちょっと急。雪面も結構硬いため,ここは大事を取ってワカンを脱ぎ,ツボ足キックステップで登っていく。
越美国境稜線とのジャンクションピークであるP1252mは,ちょっと急。雪面も結構硬いため,ここは大事を取ってワカンを脱ぎ,ツボ足キックステップで登っていく。
ここからだと,越美国境稜線の雪庇の張り出し具合が良くわかる。なかなか立派な雪庇が続いておりますなぁ。
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ここからだと,越美国境稜線の雪庇の張り出し具合が良くわかる。なかなか立派な雪庇が続いておりますなぁ。
三周ヶ岳の雪庇もやっぱり大きい。登られる方,ご注意を。
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三周ヶ岳の雪庇もやっぱり大きい。登られる方,ご注意を。
両側が切れ落ちた狭く急な尾根を,慎重にキックステップを刻みながら登っていく。
両側が切れ落ちた狭く急な尾根を,慎重にキックステップを刻みながら登っていく。
高丸を振り返る。
高丸を振り返る。
右手の三周ヶ岳直下の斜面。黒い部分は全部岩です。三周ヶ岳は意外に岩盤の発達した山だ。
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右手の三周ヶ岳直下の斜面。黒い部分は全部岩です。三周ヶ岳は意外に岩盤の発達した山だ。
P1252mに立った。夜叉ヶ池方面の美しい雪稜。
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P1252mに立った。夜叉ヶ池方面の美しい雪稜。
帰りは往路を戻るため,越美国境稜線を北上。
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帰りは往路を戻るため,越美国境稜線を北上。
雪庇の尾根が続くため,なるべく西側寄りに歩いて行くが,西側斜面も結構切れ落ちていて,慎重を要する。
雪庇の尾根が続くため,なるべく西側寄りに歩いて行くが,西側斜面も結構切れ落ちていて,慎重を要する。
夜叉ヶ池・夜叉丸方面の美しい眺め。雪に埋もれた夜叉ヶ池の姿も遠く望まれた。
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夜叉ヶ池・夜叉丸方面の美しい眺め。雪に埋もれた夜叉ヶ池の姿も遠く望まれた。
歩いてきた稜線。
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歩いてきた稜線。
三周ヶ岳へと続く雪稜。しかし,帰路は越美国境稜線を忠実に辿るため,三周ヶ岳の手前で西に折れる。三周ヶ岳よ,さようなら。
三周ヶ岳へと続く雪稜。しかし,帰路は越美国境稜線を忠実に辿るため,三周ヶ岳の手前で西に折れる。三周ヶ岳よ,さようなら。
越美国境稜線沿いに急降下。
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越美国境稜線沿いに急降下。
霧氷のブナたちともお別れ。
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霧氷のブナたちともお別れ。
純白の稜線を何度も振り返りつつ下っていく。
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純白の稜線を何度も振り返りつつ下っていく。
往路の自分のトレースと合流。あとは岩谷林道まで,トレースを辿ればいいだけだ。
往路の自分のトレースと合流。あとは岩谷林道まで,トレースを辿ればいいだけだ。
沈んでいく夕日と追いかけっこするように,岩谷林道へと尾根を駆け下っていった。
沈んでいく夕日と追いかけっこするように,岩谷林道へと尾根を駆け下っていった。

装備

備考 ・ワカン+ピッケル。個人的には,低山であっても残雪期はストックよりピッケルのほうがいろいろな使い方ができて便利な気がする。アイゼンの必要性は感じなかったが,冷え込みで雪面が氷化したときのために持っていたほうが安心。

感想

 三周ヶ岳の北東尾根を初めて歩いたのは一昨年の6月。それ以来,深い渓谷に守られた離れ小島のようなこの尾根のことが何となく心に残っていて,いつか積雪期にも辿ってみたいと思っていた。といっても,ただ単にピストンするだけだと物足りないので,烏帽子山と高丸もつないでぐるりと周回してみることにした。金ヶ丸谷と並んで大好きな根洞(コンド)谷を雪深い時期に覗いてみるのも面白そうな気がした。
 三周ヶ岳の北東尾根は,夏に辿った時に思い描いていた通り,穏やかで美しいブナの雪尾根となっており,自分だけの静かな散歩を楽しむことができた。夏だと藪に阻まれて近づきにくいような斜面のブナやトチノキの大木も,自由に見て回れるのが嬉しい。ブナの幹の地衣類の複雑な迷彩模様や,トチノキの幹の入り組んだ縞模様は,積雪期には一層質感を増して,青空を背景にして立つオブジェのように見え,それを眺めて回るだけでも楽しい一日が過ごせた。
 根洞谷は金ヶ丸谷と合わせて好きな谷で,これまでも何度か歩いているが,雪のある時期に谷底に降り立つのは当然のことながら初めて。緑したたる夏の谷間の姿が全く想像できないような,モノトーンの世界だった。残雪期だからまだ何とかアクセスができるが(それとて雪崩の恐れがあり,本来は安全とは言いきれない),連日吹雪が続く厳冬期はどんな光景が広がっているのだろうと,渡渉で冷えた足を休ませながら,しばらく雪の川辺にたたずんでしまった。
 当然,烏帽子山や高丸も良い山だったが,今回辿ったどの尾根も,立派なブナの森が広がっていて,ハズレなしと言っていいくらいだった。特に,かつて山腹に林道がめぐらされ,植生の面では残念な感がある烏帽子山は,根洞谷に面した北面には素晴らしい樹林を残していた。この山域の良さ,奥深さを改めて実感した。
 稜線上は霧氷の花が一面に咲きみだれ,真冬のような風情だったが,山腹にはところどころ黒々とした地肌が覗いて,そうしたところからは澄んだ雪解け水が明るい水音を立てて流れ落ちていた。三周ヶ岳北東尾根では,静かな歩みの合間にも,木ずえを渡っていくヤマガラやヒガラのにぎやかな群れにいくつも出会った。行きつ戻りつしながらも,確実に前に進んでいく季節の移ろいを感じた山行だった。

※2020年6月に三周ヶ岳北東尾根を歩いた際の記録はこちら
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2402096.html

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