富士山(パラグライダーで河口湖畔へ下山)(事故)
- GPS
- 07:46
- 距離
- 28.6km
- 登り
- 1,585m
- 下り
- 3,029m
コースタイム
- 山行
- 4:53
- 休憩
- 2:43
- 合計
- 7:36
天候 | 曇り 南西/西南西の風 5-10m/s |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
復路:河口湖 -(バス)-> 新宿 |
コース状況/ 危険箇所等 |
吉田口登山道は上部に僅か(30mくらい?)に残雪がありノーアイゼンだとやや歩きづらかった。 |
写真
装備
個人装備 |
食料
ピッケル
ビバーク用品
パラグライダー装備
ヘッドライト
電子機器
|
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備考 | 17kg程度 |
感想
スバルライン五合目から富士山に登り、山頂からパラグライダーで河口湖畔の八木崎公園に降りました。最大の目的は達成できたものの離陸ミスで左足足首を負傷、ハーネスとズボンがズタボロになるという事故があり反省の多い山行となりました。
【企画】
当初は甲斐駒ヶ岳 or 八ヶ岳 or 岩手山で迷っていて富士山に行く予定はなかったのだが前日夜に飲み会があり前夜発ができなくなってしまった。当日朝発で登れてパラグライダーで降りられそうな山を検討し消去法で富士山に登ることにした。
9日23時の天気予報で午後の風速は
・日本気象協会「富士山 山の天気」では4300mで18m/s、3100mで20m/s
・天気とクラス:4300mで10m/s → 6m/s、3100mで2m/s
・windy.com:4300mで5m/s
と大きく割れていた。当時は日本気象協会が一番信頼できると思っていたので8割くらいの確率で強風で離陸できないだろうと思ったが、河口湖のウィンドプロファイラの実測値とwindy.comの予報にそこまで大きな乖離が無かったことからwindy.comの予報にもそれなりの信憑性があると判断し、またどちらが正しいのか実地で確かめようと考え、ダメ元で実施することにした。なお今回に関してはwindy.comが一番正確だった(山頂での自分の体感)。気象協会の18m/sとか20m/sというのはなんだったんだろう。
スバルライン五合目行きのバスは始発でも10:40に五合目に到着するので山頂到着は早くても15:30くらいになってしまう。そこから離陸適地を探したり離陸準備をしたりした挙げ句結局離陸できませんでしたとなると日の入り時点でまだ山頂にいるという軽い遭難みたいな感じになってしまうのが富士山日帰りパラグライダー(公共交通機関利用)の厄介なところである。前回は日の入り後に山頂から御殿場駅まで歩くという罰ゲームをやったのだが流石に同じことをまたやるのは芸がないということで今回は飛べなければ山頂でビバークし翌日スバルライン五合目に下ることにしてシュラフを持参した。
【アクセス】
スバルライン五合目行きのバスが河口湖駅9:40発なので新宿発・河口湖9:30着のバスに乗ったところ高速道路の渋滞で到着が遅れる見込みと伝えられ動揺。「五合目行きのバスに乗れなかったら富士急ハイランドにでも行くか。いやデカザックを持ってるから無理か」などと思い巡らせていたが9:37に河口湖駅に到着しギリギリ間に合った。
【登山】
登りのペースは悪くなかったが前日の飲み会+睡眠不足のせいかバスに乗っているときからかすかに頭痛があり山頂到着時にはかなり疲労していた。
【飛行】
南西の風なので富士宮口方面から離陸する予定だったが、結局吉田口山頂付近の微妙に平らになっている場所から離陸した。助走距離が足りず離陸直後に沈下して左足と左臀部を地面に強打した。翼が潰れることはなくそのまま飛び続けられたがさらにその直後にローターと思われる気流に叩かれて墜落しそうになった。なんとか地面から逃げることができ、予定通り追い風に乗って河口湖畔の八木崎公園に着陸し徒歩で河口湖駅に移動した。
左足首は軽い捻挫(医者に行くほどではない。普通に歩けるが走りたくはない)、臀部はほぼ無傷、ハーネスは左臀部に当たる部分がズタボロ、ズボンとタイツは左臀部が裂けていた。飛行中は装備の損傷には全く気づいておらず着陸後にハーネスを見て衝撃を受けた。ハーネスのコアのダイニーマ線が切断されていたら重大事故になっていた可能性がある。
→ 一晩経過し、左足首は普通には歩けない程度に痛みが出てきました。
【反省】
離陸直後に地面に接触した最大の要因は離陸場所が悪いこと(助走が短く安定した風が入らない)でローターに叩かれたのは山の風下側にいたからだと思うが、その場所を選んだ理由を考えると
・疲労と大気中の酸素濃度の低さで判断力が落ちていた
・山頂到着が15:30頃で、日の入り時間を意識して早く場所を確定させなければいけないというプレッシャーがあった
・富士山パラグライダーは3トライ目であり、さらに飛べないとビバーク必至で翌日未明から雨予報なのでリスクを取ってでも飛びたかった
・白山岳辺りを偵察した際に思ったより風が強く、富士宮口方面で正攻法で離陸するのは厳しいのではないか(富士山山頂は基本的にガレ場なので強風下で機体を操作すると翼やラインが痛む可能性が高いと考えた)と思い、地形的に局所的に微風になっている吉田口山頂付近の方がマシだと考えた
・吉田ルートを登っているときに頻繁に斜面を上昇する風が吹いていたので風向き的に富士宮口方面へ行く必要がないのではという先入観があった
・富士宮口方面から離陸する場合、河口湖へ飛ぶためにUターンする必要があり高度ロスで八木崎公園に届かなくなる可能性を考えていた
山岳フライトも意外と難しいなあと思わされた。
【その他】
富士山の圧倒的な高さと孤立峰という性質故に飛行中の眺めは素晴らしかった。普通の山で飛ぶ場合に尾根沿いを飛ぶことになり高度感が乏しいのとは対照的だと感じた。とは言えなんとなく飽きたと言うかモチベーションが下がりつつあったところに今回装備をたくさん壊してしまったのでしばらく登山はいいかなという気持ちになっている。
ありがとうございます。足首捻挫と臀部打撲で済みましたがかなり紙一重だった自覚があるので帰宅中は何がいけなかったのかどうすればよかったのかという思考で頭が一杯でした笑
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