置賜葉山〜朝日軍道〜大朝日岳〜狐穴小屋〜天狗角力取山
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- GPS
- 80:00
- 距離
- 46.2km
- 登り
- 3,768m
- 下り
- 3,551m
コースタイム
- 山行
- 3:27
- 休憩
- 0:53
- 合計
- 4:20
- 山行
- 9:45
- 休憩
- 1:31
- 合計
- 11:16
- 山行
- 9:56
- 休憩
- 0:59
- 合計
- 10:55
天候 | 6/9 雨のち曇り /10 曇り /11 曇りのち雨 /12 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス 自家用車
※長井駅は市役所、駅舎、銀行等の複合施設です。バスは雨宿りしたのでたまたま乗れました。ほとんどが自由乗降区間で最寄りバス停は『蔵京』ですが、登山口の入口まで乗せていただきました。 /12 とある方に大井沢で入浴後、道の駅西川まで乗せていただきました。ちなみに大井沢地区のバスの上り方向は朝7時台の2本で終了です。 道の駅まで行くと割といろいろなところまで行けます。西川町の新宿みたいなところでしょうか? 道の駅西川14:51(町営バス¥200)15:05 西川IC 15:35(高速バス山形行き)15:45 寒河江SA 20:50(高速バス仙台駅西口)22:20 仙台駅西口 22:45(WILLEREXPRESS\3500)翌6:15 バスタ新宿 |
コース状況/ 危険箇所等 |
◎全体的には虫の多さに驚きました。この前よりすごかった。プチ蜂おじさんになった気分でした。特に大朝日岳より南側 ・葉山山荘〜中沢峰 2年前より頭上の枝がかぶった気がしますが、刈り払いは相変わらず良好でした。 ・中沢峰〜御影森 ここは来年にも刈り払いしていただけたら嬉しい感じです。最低鞍部あたりが笹のボサが多いですが、歩けないほどではありません。 ・狐穴小屋〜天狗角力取山 高松峰から二ツ石山までヤセ尾根、ガレ場多くトラもあるが古いので注意。何年かで雪で削られて登山道付け替えなくちゃならない個所もあるのでは? 湯沢峰から小屋までが遠かった… ・天狗角力取山〜大井沢 竜ヶ岳の巻き道は雪が多く残っており、夏道が出ていないとガス時RFが難しいと思います。 |
その他周辺情報 | 大井沢 湯ったり館 ¥350 寒河江SA 湯チェリー ¥350 ここは絶対入浴すべきです。 |
写真
感想
2月末の爼山稜から帰ってきた3日ほど後、職場で縄跳びをしていると突然右ひざに力が入らなくなり、軽いジャンプさえできなくなってしまった。元々膝の治療をしていたが、こんなのは初めてだった。その明後日は息子とスキーの約束、大学生になっても一緒に出掛けようと言ってくれる息子、今回を逃したら来年以降一緒に出掛ける機会なんてないかもしれないと思うと『痛いからキャンセル』とは言えなかった。
まぁ、何とかなるんじゃないかくらいに思って出かけるも、テレマークターンに入ろうとひざを折っていくと、ツンという激痛が一瞬走る。痛くない姿勢を半日かけて模索、午後に『もうやめておけば?』なんて言われると、自分は『昭和なめんなよ』のリアクションを繰り返し、なんだかんだと1日滑ってしまった。当然、結果はよろしくなく、激痛が取れるまで1か月くらいかかってしまった。普通の通勤でさえ痛すぎて、息を止めなくては足がつけない日もあった。
これが年齢なのか?ダメになるの早すぎだろ!と自問自答の日々。この山から離れていた3か月、休みの日は治療するための休みだから無駄な時間ではないと言い聞かせたものの、自分から山をとってしまったら何も残っていない(家族からすればどうでもよいことなんですが…)ことに気づいてしまった。
と、前置きがかなり長くなってしまったのだけれど、何とか耐えられるだけの痛みにまで回復、いつもの6月は梅雨前の飯豊・朝日に交互で出かけている。ブナ林が見たい!この一念で朝日連峰に出掛けることにした。コースをどこにしようか?毎回悩むところ。なんせこの時期のアプローチは、マイカーでなければひたすらに町営バスを乗り継いだり、タクシーで1万円以上みたいな登山口ばかり。すると2年前に出掛けた置賜葉山から入山するのが一番楽勝・安上りであることに気づいてしまった。下山口が大井沢なら河川敷公園でキャンプ、温泉そして寒河江SAの湯チェリーと、前回同様このパターンが捨てきれなかったので天狗角力取山経由で大井沢というコースで臨んだ。
/9 夜行バスで山形に到着すると、駅前は結構な雨の降り方だった。正直なえる。ただ、ここまで来た以上、前に進むしかない状況。予報は午後から雨が止む予定、そして本日の予定は2年前、絶対に泊まってみたいと思った葉山山荘までだ。山形だと奥羽本線の電車本数が少ないから、とりあえず赤湯に出て長井線の状況を見た方がいいと判断し、とりあえず赤湯まで行ってみる。駅員に聞けば『温泉エリアは歩いて15分くらいかかるから、ここにいてもあまりメリットはないかもしれません。長井駅まで行けば近くに道の駅などもあって、そちらの方がいいのでは?』と言われたので、長井まで進んだ。
駅舎は鉄筋の立派なもので、市役所・銀行・売店等いろいろなものの複合施設だった。雨は相変わらずだったので、休憩スペースで仮眠することに。いい加減お尻がしびれてきて起きる(赤湯の待合室の方が寝やすそうな椅子だった。)と、乗ろうと思っていた電車はすでに行ってしまっていた。そこで思い出したことが…登山口方面を市営バスが走っており、その時間にちょうど良い感じになっていたので、それを利用させていただくことにする。マイクロやワンボックスのバスで、よく聞いて乗車しないと同じ方と見せかけてそうじゃないものもあったので注意が必要だ。
10:20白兎方面のバスに乗車、運転手は感じの良い方で、経路上、どこでも乗降が可能と言っていた。そして運賃は200円。『蔵京』というバス停近くの森林公園入口という縦長看板で降ろしてもらうと、ちょうど雨もほとんど止みとりあえず森林公園キャンプ場まで向かう。
キャンプ場に着くと、以前のように水場とかまどのある東屋で休憩する。無料でここが使えるなんてなんと素晴らしいことでしょう。また雨も降ってきたので給水後しばらく雨宿りする。そういえば今回、昨秋に買ったカッパを一度も着ていなかったので、性能チェックにはいい条件だろう。
霧雨になってきたので出パする。膝の調子はそれなり、3か月近所の公園だけのウォーキングだけだと体が重い。何も変わり映えしない樹林帯を進む。どのくらい歩けるものか、行けるところまで休みなしで行ってみようとチャレンジする。カッパの性能は良好でも自分の汗が大雨級で、シャツはビショビショ、カッパ内袖もビショビショ、新品の意味がどこまであるのか?いい加減限界が来たところが七合目の姥石で休憩する。
掘れた登山道を進み、ブナの丈も小さくなってきた頃、弥陀が滝の看板を過ぎてひと登りで鉾立水。台地状になったこの山の稜線近くでこの水の量が出ていることがすごい。給水して頂上に建つ葉山山荘へ向かう。頂上は樹林帯、小屋は貸し切りで、薪ストーブが素晴らしい。草刈り道具や鍋類もすごい。地元の方々がここで芋煮などを楽しんでいるシーンが思い起こされる。快適な一夜を過ごさせていただいた。どうもありがとうございました。
/10 なんでも今日は午後から晴れるらしい。2年前は青空にタムシバが映えていた尾根道は曇りで、本当に晴れるのか疑ってしまう。相変わらず設置されたプレートがうれしい。1200m台のこの稜線は羽虫の量がすごい。蜂おじさんになったんじゃないかくらい連れて歩いている。防虫ネットをかぶり、ネット越しにせっかくのブナ林の中を歩く。顔の前あたりに伸びた枝があり、少しだけ歩きにくくなっている。卯の花清水はじゃんじゃん出ていた。中沢峰から御影森山までは最低鞍部あたりは前回よりもヤブっぽい部分もあった。次に通る人たちのためにヤブになってもある程度わかるように目印をつけてきた。次はここを刈っていただけると嬉しいです。そして御影森山が意外につらい。やっと正規ルート?に戻り、時間とともに大朝日岳が見えてきた稜線を歩くが、虫の量は相変わらず、ひとたたき10匹という感じ。風がよく抜ける小Pでは羽虫も飛べないので大休止した。大沢峰の水場は雪渓の下だったので、卯の花清水で満水にしてきて正解だった。
でもここからが結構長い。平岩山を越え、高山帯になった稜線を高山植物を愛でながら大朝日岳に到着した。少し前までガスは切れていたけれど、日ごろの行いか、頂上に到着したときにガスってしまった。今日はもう15分で歩かなくてよい。小屋が貸し切りならうれしいと思っていたけれど、週末ではそうもいかず管理人含め10名、この管理人さんが面白い方で、お客を誘って小宴会を自ら主宰。8人でとても楽しい時間を過ごさせていただきました。この時に一緒だった大学時代の同級生という3人組には、大変な思いをして揚げてきた4合瓶日本酒を分けていただきました。ラジオで聞いた情報だったのに帰宅後確かめたところ、酒蔵の数TOP5に埼玉が入っているとか、山の名前を聞かれて袖朝日を違う山名で教えてしまったりと、まるで誤報を伝えてしまい大変失礼なことをしてしまったことをお詫びいたします。また山で会えたらうれしいです。
/11 今日は昼くらいから雨らしい。最高の稜線ルートは虫の襲来とともに始まった。ルート上には一部雪が残っており、西朝日までは雪の上を歩いた方が楽な個所もあった。竜門山で寒江山に雲がかかり始め、滝雲状になり始める。竜門小屋で思いのほか早く雨が降ってくる。こんな天気でも週末なので結構、人とすれ違う。日暮沢周回で上がってきているそうだ。雨と引き換えに羽虫が減ったことはうれしいけれど、折角東北まで来たのだから晴れている方が良かったな。
狐穴小屋前には大きな雪田が残っており、ガスった時には降りるところがわかりにくいかもしれない。水は木道になっているところの下をじゃんじゃん流れていた。天気も悪いので今回は以東岳に行くのはやめ。そしてできるならここでやめて、明日一日で大井沢まで下ってもいいかな?と妥協しそうになる。それほどに狐穴小屋の周りの雰囲気は素晴らしい。給水後、巻道から天狗方面へ進む。高松峰までは傾斜の緩い砂礫の道、晴れていれば最高の展望だったろう。八久和川も音が響くのみ。
高松峰からは一部ルートが崩壊しているヤセ尾根となる。トラロープはちょっと古いので注意。そして雨が本格的になってきた。唯一見晴台おぼしき所から以東&八久和川の連瀑帯が見えた。その後は見附川側が切り立った迫力のスラブ斜面となるが、雨と暑さで全く見る余裕もない。地図上でいくつかの山名があるのものの、わかったのは湯沢峰とその東側のPのみで、その山名プレートが自分が通過したと思っていたかなり後にでてくるのには参った。とにかく長かった。ここは秋がいいのかな?
もうじき登るのではと思わせてひたすらに下る登山道に、やっぱり狐穴小屋でやめておけばと何度も頭によぎった。そして雨なのに出没する羽虫にイライラしながら、ラストのきつい登りを終えると雪原になり、正面の景色が開けた。ガスっていたら登山道の取り付きがわかりにくいだろう。たまたまその先の雪渓下に天狗小屋が見えたので、雪渓をショートカットして下り始める。夏道がわからなくても水場になっている沢を下れば小屋に出られそうだ。すると小屋へのとっつきを見つけ、ようやく小屋に到着した。先着の単独行が一名、2016年ぶりのきれいな天狗小屋は快適そのものでした。新品カッパもまるで機能がわからないくらい濡れてしまったので、着替えてさっぱりして過ごす。岳人のバックナンバーが素晴らしい。ぜひ早着きしてして読みふけりたいものです。
/12 今日は元々河原のキャンプ場で終わりの予定、そして今まで一度も行ったことのない障子ヶ岳経由で下山のつもりだったが、ここまでくれば里心がつき、どうせ展望も見られないだろうことから、竜ヶ岳経由で下山することに。天狗角力取山に寄ると以東岳の山腹と、三方境付近を見ることができた。石畳の道を抜け、雨量計を通過しぬかるんだ道へ突入する。水場は途中に会った記憶もあったのでそのまま来てしまったけれど、竜が岳の巻道に下り始める直前に山腹が雪だらけなのを見てしまった。
山腹の雪のないところは水芭蕉やリュウキンカが満開で、羽虫たちがいなければなかなかのロケーション。おそらく水場だと思った沢が出ている雪渓で休憩、ガスっていたら夏道のつなぎがわかりにくいところだ。歩き始めてすぐに札のある正規の水場を通過、まったく雪がかぶっていなかった。
ルートはブナ林の下りからほぼ平坦な尾根歩きに変わり、飽きた頃に駐車場に到着。一刻も早くこの着ているものを沢で洗いたくて、障子ヶ岳方面の林道を合わせるところで川に降りてシャツの洗濯大会となった。
林道を1時間ほどで大井沢に到着、お昼のこの時間であれば何かの手段をとれば、仙台からの夜行バスで帰宅するのは可能な時間帯、とりあえずお風呂に入ることにする。濡れたものを建物脇に並べていいか確認に行くと、全然いいよとのこと。ついでに朝にしかない町営バスにも裏技があったりするのか確認すると、バス停に記載がなければないよと言われる。タクシー会社に聞いてみれば道の駅まで9000円と言われた。ぼってる。
あきらめてキャンプ場に行くつもりでお風呂の受付をすると『あと1時間したら道の駅まで行く用事があるから乗っけてあげるよ、ゆっくりお風呂入っておいで』と管理人さんがおっしゃってくれた。あそこまで行けば寒河江までは出られるから、その先はどうにかなるでしょということだった。ありがたくそのお誘いを受けさせて頂く。本当にどうもありがとうございました。
道の駅西川でもレジのお姉さんたちにバスのことで相談に乗っていただいたのですが、山形に来ると毎度思うことはとても人が暖かく、面倒見がよく、優しいということ。いろいろ聞いた後、寒河江駅行きで市民病院で降りた後、20分歩けば湯ーちぇりーとのことだ。お土産を購入しバス停に戻ると1台のバスがやってくる『西川IC行き』と書いてあり、聞いてみれば西川バスストップにも停車するとのこと。停車したバス停は高速バスバス停のすぐ真下、奇跡の乗り継ぎができた。
再び寒河江SAで下車、本日2度目の温泉『湯ーチェリー』へ向かう。そもそもこの施設があるから朝日連峰を選択したといっても過言ではない。かけ流しの広い温泉にゆっくり入浴、生ビール&夕飯まで済ませて仙台行バスを待った。周辺は公園や農産物直売所などが集中しており、早い時間ならいろいろ買い物ができそう。SAでも閉店前にサクランボが半額になり、お得な買い物をさせていただきました。
天気は今一つでしたが山形をしっかり楽しめたのかなと思います。よくぞ膝がもってくれたと感動もありつつ、かといってまるで影響がなかったわけでもなく、曲がりづらくなった膝と死ぬまで付き合っていくんだと考えると、そのうち山歩きができなくなってしまうのかなぁと、不安の方が大きくなったのは言うまでもない。歩けなくなってしまったら何が自分に残るのだろう?また山形行きたいけど、ホント膝痛い。
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