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Yamareco

記録ID: 5741715
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
日高山脈

中ノ峰・西川岳

2023年07月19日(水) ~ 2023年07月22日(土)
 - 拍手
GPS
80:00
距離
106km
登り
5,225m
下り
5,218m

コースタイム

1日目
山行
5:52
休憩
0:50
合計
6:42
5:45
56
美河林道ゲート
6:41
0:00
83
高見林道分岐
8:04
0:00
134
高見橋の分岐
10:18
11:08
79
千石トンネル
12:27
春別宿泊場
2日目
山行
9:20
休憩
0:57
合計
10:17
5:18
64
春別宿泊場
6:22
6:30
278
シュンベツ川渡渉点
11:08
11:42
128
中ノ峰
13:50
14:05
90
シュンベツ川渡渉点
15:35
春別宿泊場
3日目
山行
8:03
休憩
0:52
合計
8:55
5:30
58
春別宿泊場
6:28
6:48
62
千石トンネル
7:50
0:00
164
西川岳の北西面沢出合
10:34
11:06
120
13:06
0:00
79
西川岳の北西面沢出合
14:25
千石トンネル
4日目
山行
3:35
休憩
0:00
合計
3:35
5:20
77
千石トンネル
6:37
0:00
90
高見橋の分岐
8:07
0:00
48
高見林道分岐
8:55
美河林道ゲート
天候 7/19 曇り→雨
7/20 晴れ
7/21 晴れ
7/22 晴れ
過去天気図(気象庁) 2023年07月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車 自転車
三石ダムの奥にある美河林道ゲート〜コイボク林道の下降点手前まで片道約45kmは自転車使用


【コイボク林道へのアプローチ】
・美河林道ゲート〜(美河林道)〜高見林道分岐 約10km
崩れそうな所があるが四輪の通過もできそうな状態。ゲートから標高差250mの峠越え。

・高見林道分岐〜(高見林道)〜高見橋の先の分岐 約6.5km
4ヶ所で大きな崩落があり路面もかなり荒れている。徒歩以外は通行困難。

・高見橋の先の分岐〜(道道111号)〜千石トンネル手前の分岐 約18.7km
日高横断道路。部分的に林道規格の道になるが路面は綺麗に整備されている。

・千石トンネル手前の分岐〜(コイボク林道)〜春別宿泊場 約8.2km
崩れそうな所があるが四輪の通過もできる状態。清和橋から標高差250mの峠越え。

・春別宿泊場〜(コイボク林道)〜シュンベツ川への下降点 約2km
2ヶ所で大きな崩落があり、落石が多く路面もかなり荒れている。
美河林道のゲートから出発。
美河林道のゲートから出発。
美河林道の路面は悪くない状態だけど、四輪の通過がギリギリな所もあった。
美河林道の路面は悪くない状態だけど、四輪の通過がギリギリな所もあった。
森林事務所の看板を過ぎたあたりで峠を越える。
森林事務所の看板を過ぎたあたりで峠を越える。
つづら折りの激坂を下るとすぐに高見湖が見えてきた。
つづら折りの激坂を下るとすぐに高見湖が見えてきた。
高見林道の分岐を右へ。
右は高見橋〜道道111号、左は高見ダムの堤体に繋がっているが、どちらに進んでも大規模に崩れている。
高見林道の分岐を右へ。
右は高見橋〜道道111号、左は高見ダムの堤体に繋がっているが、どちらに進んでも大規模に崩れている。
1ヶ所目の崩落。
斜面に細い鹿道がうっすらと付いている。
1
1ヶ所目の崩落。
斜面に細い鹿道がうっすらと付いている。
2ヶ所目の崩落。
大量の土砂と倒木が流れ込んでいる。
2ヶ所目の崩落。
大量の土砂と倒木が流れ込んでいる。
3ヶ所目の崩落。
自転車で越えるにはここが一番厄介なポイント。
3ヶ所目の崩落。
自転車で越えるにはここが一番厄介なポイント。
落石防止ネットのワイヤーの上をトラバースするのが確実だった。
2
落石防止ネットのワイヤーの上をトラバースするのが確実だった。
4ヶ所目の崩落。
ここも薄い鹿道を伝って通過。
4ヶ所目の崩落。
ここも薄い鹿道を伝って通過。
高見橋を渡ると面倒な林道も終わり。
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高見橋を渡ると面倒な林道も終わり。
高見林道から道道111号へ。
「東の沢発電所方面→」に進む。
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高見林道から道道111号へ。
「東の沢発電所方面→」に進む。
路面は極上のフラットダート。
路面は極上のフラットダート。
東の沢橋を通過。下に見えるのはペテカリ山荘に続く東の沢林道。
東の沢橋を通過。下に見えるのはペテカリ山荘に続く東の沢林道。
コイボク橋。
東の沢林道の分岐からは道幅も広くなり、高規格な橋がいくつも続く。
1
コイボク橋。
東の沢林道の分岐からは道幅も広くなり、高規格な橋がいくつも続く。
橋の上は鹿のたまり場になっていた。
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橋の上は鹿のたまり場になっていた。
シビチャリ5号橋。
この橋から先は橋名板が付いていなかった。
シビチャリ5号橋。
この橋から先は橋名板が付いていなかった。
シビチャリ7号橋を渡ると再び道幅が狭くなるが、路面は良好。
1
シビチャリ7号橋を渡ると再び道幅が狭くなるが、路面は良好。
シビチャリ11号橋。
かつて架橋中に落橋事故が発生したとか・・・
シビチャリ11号橋。
かつて架橋中に落橋事故が発生したとか・・・
シビチャリ12号橋。
路面が敷かれていないので、対岸に渡るには下の点検路を歩かないといけない。ここは旧道から迂回した。
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シビチャリ12号橋。
路面が敷かれていないので、対岸に渡るには下の点検路を歩かないといけない。ここは旧道から迂回した。
最後の橋、映光橋を渡ると日高横断道路の終端が近づいてくる。
1
最後の橋、映光橋を渡ると日高横断道路の終端が近づいてくる。
千石トンネルに到着。
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千石トンネルに到着。
トンネルからは涼しい風が吹き出していて、夏場は最高の避暑地だ。
吸い込まれるようにトンネルの中へ・・・。
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トンネルからは涼しい風が吹き出していて、夏場は最高の避暑地だ。
吸い込まれるようにトンネルの中へ・・・。
感覚的に500m〜1kmくらい?進んだところで閉塞点に到着。
地下水が滴り落ちていて、足元には鹿の糞が大量に転がっていた。
2
感覚的に500m〜1kmくらい?進んだところで閉塞点に到着。
地下水が滴り落ちていて、足元には鹿の糞が大量に転がっていた。
コイボク林道を進み、清和橋を渡って峠越えへ。
コイボク林道を進み、清和橋を渡って峠越えへ。
コイボク林道から見下ろす映光橋。
コイボク林道から見下ろす映光橋。
路面には最近重機のキャタピラで踏み固めたような跡があり、意外と悪くない状態だった。
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路面には最近重機のキャタピラで踏み固めたような跡があり、意外と悪くない状態だった。
とはいえ、大雨が降れば一発で崩れそうなところは沢山あるが・・・。
とはいえ、大雨が降れば一発で崩れそうなところは沢山あるが・・・。
・799のコイボク峠に到着。「コイボク越線」の看板が転がっていた。
・799のコイボク峠に到着。「コイボク越線」の看板が転がっていた。
峠を下り、カシュツオマナイ沢への分岐の所にあった小屋で一泊。
2
峠を下り、カシュツオマナイ沢への分岐の所にあった小屋で一泊。
2日目。
コイボク林道をさらに先へ進む。路面は一気に悪くなった。
2日目。
コイボク林道をさらに先へ進む。路面は一気に悪くなった。
沢と出合う所で2か所崩落。自転車はこの手前でデポして歩くことにした。
沢と出合う所で2か所崩落。自転車はこの手前でデポして歩くことにした。
660m地点の下降点より。前方にガスに包まれた中ノ峰がうっすらと見えた。
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660m地点の下降点より。前方にガスに包まれた中ノ峰がうっすらと見えた。
シュンベツ川に下る小尾根には鹿道がはっきり付いている。
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シュンベツ川に下る小尾根には鹿道がはっきり付いている。
シュンベツ川に降り立った。
適当に渡渉して対岸の尾根に取り付く。
シュンベツ川に降り立った。
適当に渡渉して対岸の尾根に取り付く。
取り付きからしばらくは程々の笹藪。
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取り付きからしばらくは程々の笹藪。
明瞭な尾根筋に乗ると、藪の薄い快適な尾根に。
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明瞭な尾根筋に乗ると、藪の薄い快適な尾根に。
1000m付近からは背丈を越える濃密な笹藪に苦戦。
2
1000m付近からは背丈を越える濃密な笹藪に苦戦。
右手にシカシナイ山が見えてきて励みになった。
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右手にシカシナイ山が見えてきて励みになった。
激藪の中に鹿道を見いだせれば楽になる。
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激藪の中に鹿道を見いだせれば楽になる。
カムエク方面の眺望が開けてきた。
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カムエク方面の眺望が開けてきた。
頂上まで笹藪が続く。
頂上まで笹藪が続く。
中ノ峰(1341m)到着!
1917峰〜1903峰〜カムエク〜南西稜の・1821。
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中ノ峰(1341m)到着!
1917峰〜1903峰〜カムエク〜南西稜の・1821。
カムエク南西稜〜シカシナイ山。
あの稜線を無雪期に歩いてみたい。
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カムエク南西稜〜シカシナイ山。
あの稜線を無雪期に歩いてみたい。
三等三角点「中ノ峰」。
笹に埋もれていたので周辺をきれいにしておいた。
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三等三角点「中ノ峰」。
笹に埋もれていたので周辺をきれいにしておいた。
1年前に熱中症で倒れそうになったナメワッカ岳。
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1年前に熱中症で倒れそうになったナメワッカ岳。
鹿止内沢に続くコイボク林道のラインがくっきり見えるが、崩れているような・・・。
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鹿止内沢に続くコイボク林道のラインがくっきり見えるが、崩れているような・・・。
日高大山〜パンベツ山方面かな?
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日高大山〜パンベツ山方面かな?
3日目。
再びコイボク峠を越えて清和橋へ戻り、西川岳を目指す。
3日目。
再びコイボク峠を越えて清和橋へ戻り、西川岳を目指す。
コイボクシュシビチャリ川に入渓。
コイボクシュシビチャリ川に入渓。
河原に熊がウロウロ・・・。
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河原に熊がウロウロ・・・。
・599手前で西川岳の北西面の沢に入る。
・599手前で西川岳の北西面の沢に入る。
登りやすい小滝が続く。
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登りやすい小滝が続く。
快調に標高を上げて行くと、水流はすぐに細くなってきた。
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快調に標高を上げて行くと、水流はすぐに細くなってきた。
標高800mあたりで伏流し、その先は枯れ沢がひたすら続く。
標高800mあたりで伏流し、その先は枯れ沢がひたすら続く。
背後にはシカシナイ山の南東にある無名峰と、真っ直ぐな沢筋がよく目立つ。
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背後にはシカシナイ山の南東にある無名峰と、真っ直ぐな沢筋がよく目立つ。
枯れ沢は稜線手前まで続き、藪漕ぎもほとんどなし。
枯れ沢は稜線手前まで続き、藪漕ぎもほとんどなし。
南西稜・1821〜カムエク〜ピラミッド峰。
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南西稜・1821〜カムエク〜ピラミッド峰。
枯れ沢の上部からは急斜面の鹿道を辿るとすぐに稜線に出た。
枯れ沢の上部からは急斜面の鹿道を辿るとすぐに稜線に出た。
西川岳(1362m)到着。
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西川岳(1362m)到着。
カムエク〜1823峰の主稜線。
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カムエク〜1823峰の主稜線。
1839峰も間近に見えた。
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1839峰も間近に見えた。
三等三角点「西川」の周辺を整備。苔の乗り方が芸術的だった。
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三等三角点「西川」の周辺を整備。苔の乗り方が芸術的だった。
北側の尾根を下る。上部は薄い藪と鹿道で歩きやすい。
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北側の尾根を下る。上部は薄い藪と鹿道で歩きやすい。
大岩も出てきた。
大岩も出てきた。
下っていくと部分的にジャングルのような藪が鬱陶しくなり、登りで使った沢の出合の方へ下ることに。
下っていくと部分的にジャングルのような藪が鬱陶しくなり、登りで使った沢の出合の方へ下ることに。
800mから下はシダ系の草地で藪はそこまで濃くなかった。
800mから下はシダ系の草地で藪はそこまで濃くなかった。
コイボクシュシビチャリ川に戻ると、同じ場所で同じ熊?に再会。
ちょっと通らせてもらいますよ・・・
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コイボクシュシビチャリ川に戻ると、同じ場所で同じ熊?に再会。
ちょっと通らせてもらいますよ・・・
天然クーラーが効いて快適な千石トンネル前でテン泊。
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天然クーラーが効いて快適な千石トンネル前でテン泊。
4日目。
早朝の日高横断道路を下っていく。
4日目。
早朝の日高横断道路を下っていく。
高見林道の崩落も無事に越えて・・・
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高見林道の崩落も無事に越えて・・・
美河林道ゲートに帰還。
2
美河林道ゲートに帰還。

感想

日高の山の中でも最奥の位置にある中ノ峰と西川岳へ行ってみた。

日高横断道路〜コイボク林道までは徒歩だとどこから入ってもアプローチだけで丸1日では済まない距離があり、往復するなら何としてでも自転車を使いたい。一番簡単なのは静内ダムから道道111号を走れば良いのだけど、双川ダムと静内ダムのあの厳重なゲートを自転車で突破する度胸は無かった・・・。

そこで、もう一つのルートとして三石ダムの奥から峠を越えて高見湖に至る林道を使うことにした。このルートは途中に大規模な崩落があり、そこを自転車を担いで越えられるかがネックになる。


【1日目 7/19】
三石ダムの奥のゲートから自転車で出発。まずは美河林道の峠を越える。この林道は三石から高見湖へ繋がる道としてかつてはそこそこ整備されていた?らしい。しかし現在は高見湖南岸の高見林道が崩落だらけで不通になっていて、事実上どん詰まりの道になっている。そのせいか車が通った跡は少ないように感じた。

高見林道は4ヶ所で崩落していた。崩落地点を通過する時はまず重いザックを背負って通過し、そのあと空身で自転車を担いで通過する。落石防止ネットのワイヤーの上を自転車を担いでトラバースするのはかなりの重労働だったが、何とか突破できて良かった。

高見橋を渡って道道111号に出ると、それまでの荒れた林道とは打って変わって、超快適なフラットダートが続く。途中で電力関係と思われる車が2台抜いていったが、特に声をかけられることもない。日高横断道路の立派な橋梁群と千石トンネルを観察しながら進み、清和橋からさらに奥のコイボク林道へ。

コイボク峠に向かって登っていたところ、カーブを曲がった先で熊2頭とばったり遭遇。熊との距離は15mほど。2頭のうち1頭は少し小さかったので親子だった可能性が高い。ゆっくりと後ずさりすると、熊の方も「ゥ〜・・・」と小さく唸りながら林道下の斜面を下って行った。

コイボク峠から4km下った所の分岐には春別宿泊場と書かれた営林署?の古いプレハブ小屋があり、中ノ峰への前泊地として丁度良かったので使わせていただくことに。熊の脅威も雨の心配も無くてとても快適だった。


【2日目 7/20】
この日は中ノ峰へ。

春別宿泊場からコイボク林道を2kmほど進み、西側の小尾根を下ってシュンベツ川に下りる。この小尾根は登山道並みに明瞭な鹿道がついていて楽に歩けた。前日に雨が降っていたので心配だったが、シュンベツ川の水量は多くなく、膝下の水深で渡渉も特に問題無かった。

シュンベツ川を渡渉して中ノ峰の南尾根に取り付く。600mあたりで明瞭な尾根筋に乗ると、薄い笹藪の中に鹿道がそこそこあって登りやすい。快調に標高を上げて行ったが、1000m手前で尾根が広くなる所からは鹿道が消失し、背丈くらいの濃密な笹藪となってしんどい藪漕ぎが続く。

1200mあたりから激藪の中に薄っすらと鹿道を見いだせるようになり、少しだけ楽になった。最後の急斜面には笹の中にハイマツも混じってくる。藪を掴んで這い上がり、笹に覆われた平坦な頂稜を進むと中ノ峰のピークに到着。日高の山の中でも登頂記録が少なく、奥深いこの山に登れた達成感は大きかった。

カムエク方面の素晴らしい眺望を楽しんでから笹藪の尾根を下り、コイボク林道へ戻った。この日も快適な春別宿泊場で一泊。


【3日目 7/21】
この日は西川岳へ。

二晩お世話になった小屋を後にして、まずは自転車でコイボク峠を越える。清和橋まで下り、千石トンネルの脇に泊まり装備と自転車をデポしてからコイボクシュシビチャリ川に入渓。

広い河原を歩いていると50mほど前に熊がウロウロしていた。鈴の音は川の音にかき消されて聞こえていないようで、笛を強めに吹いたらこちらの存在に気付いた。熊は左岸の藪に待避してくれたので、そのまま通過した。

・599の300mほど手前から北西面の沢に入ってみる。この沢は出合からガレと小滝が続くが、すぐに伏流してあとはひたすら枯れ沢を辿るだけ。藪漕ぎも無く、頂上の少し西寄りの稜線まですんなりと到達。中ノ峰よりも呆気ない感じで登頂できてしまった。

西川岳からは部分的に藪っぽい北側の尾根を下り、川で水浴びをしてから荷物をデポしておいた千石トンネルに戻る。冷気が吹き出して快適なトンネル前をテン場にした。


【4日目 7/22】
この日は東側の沢か尾根からパンベツ山に登る予定だったが、沢足袋で尾根歩きしたのが悪かったのか、足の指先を微妙に痛めてしまったので中止。そのまま帰路につくことにした。

下り基調の道は自転車だとあっという間。鹿を蹴散らしながら快走して、千石トンネルから3時間半で帰着した。



【まとめ】
今回は行程の大部分が自転車での移動だった。長いアプローチさえ何とかなれば、登山自体はいつもの藪山といった感じだし、そこまで難しい所も無かったと思う。人間より熊に会う機会の方が多いくらいで、改めて日高の奥深さを実感した山行だった。

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