【南房作戦】鹿野山〜九十九谷〜石射太郎〜高宕山〜八良塚【己28.8*】
- GPS
- 07:04
- 距離
- 22.6km
- 登り
- 1,098m
- 下り
- 1,356m
コースタイム
- 山行
- 6:10
- 休憩
- 0:54
- 合計
- 7:04
天候 | 晴れ 後半雲広がる |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
復路:辻森バス停〜木更津駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
鹿野山周辺:舗装道路 九十九谷:急傾斜を下る。下った底は湿地帯。 石射太郎まで:展望の広がる静かな道 高宕山周辺:岩山 八良塚〜:急降下 |
写真
感想
低山というと道路など人の手が近くまで届いていたりするものだが、ゴルフ場など開発地が傍にあるとは思えないほどの静かで長閑な道が続く。高い山が無い房総で比較的高めの山を繋ぐので展望も良い。それだけに高宕観音の落書きは残念だった。
東京で何度か雨が降る。奥武蔵・奥多摩辺りでは積雪も幾許かしていることだろう。ということで雪の無い房総半島へ。人身事故により総武線電車が東京駅に来ないというアクシデントに見舞われたが、そこで諦めず京葉線に飛び乗り、無事、内房線佐貫町駅に降り立つ。
駅からはバス。他にはカップルが二組、マザー牧場で降り、私は鹿野山の一角、春日峰に近いバス停はどこだろうと、バス停の案内の度にブザーに手を伸ばす。最終的に降りた観測所前は春日神社の真前だった。
【鹿野山(春日峰〜熊野峰〜白鳥峰)】
春日峰も熊野峰もピークに到る道は無いようであり、代わりに春日神社、神野寺に参拝。移動は舗装道路で、まだ入山してすらいない感じである。最後の白鳥峰が最高峰で、これが鹿野山ということだろう。白鳥神社の奥を登っていくことができ、頂上では日本武尊を祀る。ようやく山を歩いている感が出てきた。この白鳥峰、ゴルフ場の中にポツンとある。鳥居前がゴルフ場の連絡通路になっていたのは驚いた。
【九十九谷】
白鳥神社の向かい側が九十九谷展望公園で、まさに九十九谷と言えるほど深く複雑な谷が眼前に広がる。そこから白渓山荘まで下って、そこから野道を谷に下りていくのだが、白渓山荘は休業または廃業しているようだ。
九十九谷へは、いくつかの細かい分岐があるが、いずれも、広い道よりも狭い道を選択。標識があるから大丈夫だろう。途中、さくらの広場と思しき空間に出たところで後ろからバキバキという音が急速に近づいてくる。何だと思ったらオートバイだ。どうもオフロードバイクの格好のルートにもなっているようだ。後ろから物音が近づいたらランナーではなくライダーの可能性があるので要注意だ。道も狭い。
谷底に到ると鹿野沢を渡るが、やや泥濘気味。上りはロープ付きの急登で、歩いて登るというよりはよじ登るといった感じだ。
途中、「頂上展望台」へ行く分岐があり、近くなら寄ってみようと、荒れた急登をピークまで上る。しかし、その先は藪となっていた。展望台とやらはもう少し先かしらと歩きにくい道を先に進むと、今度はピークを下り始めたので元の分岐に戻る。その際に今回初めての山人発見。そのくらい人は少ない。
かつて隠田だった谷津田はブッシュが酷いという話を聞いていたが、冬場だからか歩きにくくはない。今では木藪で埋もれたかつての田圃を見下ろしながら進む。
その先も細かい分岐やバイクの轍に注意深く歩を進めた。幸い、バイクは来ず。
【石射太郎】
石射太郎方面に直進したい場合は各分岐で細い方の道を選択すれば、ほぼ間違いない。また、細い道を選んだらピーク上で素晴らしい展望を得られるということもある。ただし、道が細いだけに、開けた所で展望に現を抜かしていると誤った方向に降りかねないので要注意だ。
石射太郎まで、あと1kmちょっとというところ、五叉路のような所がある。最初は右の広めの道を行くがどうも違う。手前に下る道でもあるまい。左側の間伐地に出る道も違う。これはどうしたことだと思ったところで、間伐地に出る直前に尾根へと上る細い道を発見。ロープが目印。ただ、道が合っているのだろうかという思いはずっとあって、関東ふれあいの道に合流した時にはホッとしたのであった。
石の名を冠するだけあって石射太郎は岩の山である。できたら特徴的な岩の上に乗ってみたいような気もするが、さすがに危ないだろう。
この辺りから反対側より来るハイカーとポツポツ出会うようになる。
【高宕山】
石射太郎を過ぎると高宕山に近づくにつれて、岩山の様相を呈する。高宕観音直前、山の岩壁に掘られた西国観音等がある。片道数分なので寄るとよいだろう。但し、道は良くない。
狛犬と崩れかけた石像の仁王像に会釈しつつ苔生した階段を上ると高宕観音である。展望も良く晴れ晴れとした気持ちで堂宇に上がったところ、おおぅ、何だこれは。壁や柱一面に小中学生がするような稚拙な落書き。一気にテンションがだだ下がってしまう。
これらの落書きは何年も前から存在するようだが、そうであれば落書きを消そうという試みが何度かあってもおかしくない。真新しい落書きは無いか少ないので、消しても消しても新たに書かれるというわけでもあるまい。
窓が割れているのを放置すると犯罪が増えるというブロークンウィンドウ理論に基づけば、「落書きをしないでください」という札をぶら下げるより、一度、落書きをオールクリアした方が良い。それがされていないのは堂守がいないのだろう。二十年ほど前の集合写真が寂しく掲げられている。
「酷いなあ。何とかならないかなあ。」のままでは落書きが無くなることは無い。私にできることは、ある。
ついでになるが、高宕観音の先の高宕山はスリルあり、展望良しの素敵な山である。頂から下るときの道に注意。なお、ニホンザルは姿を見せなかった。
【群界尾根分岐から八良塚を経て下山】
群界尾根分岐からさらに尾根歩きは楽しめるが、今回はここまで。当初予定では豊英大滝まで足を伸ばすこととしていたが、夕暮れ迫る森の中、滝を観に行っても薄暗いだけではないかと考え、八良塚分岐で取り舵いっぱい。もうしばらく尾根のアップダウンを楽しむこととする。肝心の八良塚は何十人もの団体が休んでいたので早々に辞去したが、その後は静かな単独行。崖沿いの滑りやすい細道を歩くことも何度かあるので、登りも下りも注意が必要。
【総括】
今回歩いた道は、まさしく身近にある「奥の細道」だった。普段歩き慣れた道を、この交差する道を歩いていったら、その先には何があるのだろう?今日はここを曲がってみよう、という感覚で、すっと入ってみたら別世界が広がる。
この素晴らしい世界を守っていかねばなるまい。
〜おしまい〜
コメント
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千葉の有名な山は歩きましたが 千葉ではの山の楽しさがあるようで
最高峰 愛宕山は許可が無いと登れない山として有名??!!(各地に愛宕山はあるものの 自衛隊基地の中ですから)一等三角点 鹿野山から測量が始まった(旧麻布天文台間と聞きます) 心残りは房総富士の三角点が探せなかったこと 昔はカモシカ山行として24時間有る中どれだけ歩けるか なんて 行って!?いた輩もいるそうな・・・ いずれにせよ ここのところの中高年の事故が目立ちます 若い人もその内仲間になります 安心安全の山歩きお祈り申し上げます。
bsy16さん
こんにちは。
カメラマンの渡部陽一氏は「戦場報道とは生きて帰ること」と自らを戒めているそうですが、山行もまた然り、無事に帰ることはマスト(必須)だと思います。
驕った時が遭難する時ですので、「慢心創痍」とならないよう努めてまいります。
ありがとうございました。
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