【増毛山地】ポン暑寒別川遡行・暑寒別川下降・乗越沢遡行・ポン暑寒別川右俣下降
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- GPS
- 21:42
- 距離
- 23.3km
- 登り
- 1,845m
- 下り
- 1,830m
コースタイム
天候 | 1日目:晴れ→雨→曇り 2日目:曇り→晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2023年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
遡行図と記録参照 なお、ポンショカンベツ川右俣の遡行価値はほぼ無し、暑寒別川の今回下降区間と乗越沢も価値は低いため、わざわざ行くような沢ではない。 |
その他周辺情報 | ・今回遡行した暑寒別川の支流は、ポンショカンベツ川へ乗越すのに適しているため、「乗越沢」と仮称する。 |
写真
装備
備考 | ・ポンショカンベツ川(本谷)はラバーソール適。それ以外は比較的ぬめるのでフェルトの方が良いかもしれない。 |
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感想
【計画の経緯】
せっかく北海道まで来たが、狙っていた沢は増水が残っていて駄目そうだし、天気予報もあまり良くない。増毛山地なら比較的天気が良さそうなので、サブプランとして考えていた、暑寒別岳の周回沢登りをしてみることに。
【記録】
○1日目
入渓すると、ひたすら長いゴーロ。知ってはいたが、やはり長い。飽き飽きしたころに側壁が立派になってきて、それから程なくして小滝群が出てくる。サクッと登って、14m滝。これはどう見ても直登できないので、サクッと右岸から巻くが、待てど暮らせどdeepblueが来ない。心配になって様子を見に行くと、妙に急な藪のラインに入って四苦八苦している。とりあえず安心して適切なラインに導くが、ずいぶん時間を浪費してしまった。
しばらくゴーロを進むと、10mハング滝。一般的には左の枝沢を登って大高巻するようだが、左から落ち口へと延びる水平バンドが如何にも行けそうなので、tamoshimaリードでトライ。少々バランシーだが、残置もあり、普通に行けるルートだった(IV)。
次の10m滝もそれなりに立っているので一応ロープを出したが、ガバだらけで結局中間支点取らず。その後は快適に登れる滝が結構続き、景観も良く、一応は百名谷に選ばれているだけのことはあるかなという感じ。ただ、予報より天気が悪く、雨が降ったりガスったりなのは残念。
最後の滝を越えて暫くすると1250m二俣。この沢は詰めをミスると藪漕ぎが大変らしいので、悩んだ末、水の無い右を選択。どうやら間違いではなかったようで、ガレ場やシダの低い藪が主体で、面倒な灌木藪は少し。それほど労せずに登山道へ出た。相変わらず天気は悪いのでさっさと山頂は通過して、南へ。
下降開始点として予定していた鞍部は、地形図にある通りの岩壁があり、容易には下れない。多少歩いて下ってから立木に捨縄して懸垂下降し、何とかこれを下りきる。脆い岩壁のため落石が多く発生し、結構緊張した。
以降は何もない沢をどんどん下っていくが、あまり良い幕営地がない。結局、薄暗くなってきたところで、あまり平らではない場所を選んで終了とした。この日は昼間に降っていた雨と、湿り気の多い環境のせいで焚火はつかず、それも残念。
○2日目
2泊も可能な準備をしてきたが、頑張れば1泊で下山できそうなので、早起きして出発。見所がほとんど何もない沢を、ひたすら下って乗越沢出合。本に載っているくらいだから、もう少しまともな沢かと思っていたのだが… まったくつまらない。
もう諦めムードで枝沢の乗越沢に入ると、すぐに11m滝が出てきて、ちょっと気が紛れる。その後も小滝がいくつも出てきたが、結局容易な小滝しか出てこないので飽きる。しまいにはゴーロが続いて、漸く、目を付けていた等高線混雑部となる。ここは空中写真で見て明らかに滝が連続していそうだったので期待していたのだが、最初に出てきたのは14mハング滝。登れないので右岸を巻くが、スラブ状で景観は良い。その先はどんな連瀑帯かと思っていたが、ナメ小滝の連続の後、10mの容易な滝。1つくらいロープを出して登るような滝でもあるかと思っていたが、残念。とはいえナメは快適。
ここで沢を離れてトラバース気味に鞍部を目指すが、見た目通りに酷い藪。地形も緩いのでなかなか沢型が現れずに苦労するが、予想よりは早く沢型が出てきてくれたのが幸いだった。
ポンショカンベツ川右俣は、滝も殆どなく下りやすい沢だろうと思っていた。実際途中まではその通りだったが、下れども下れども河原が現れず、川幅一杯に水が流れているゴーロが続く。これが非常に歩きづらく、いつも水の流れていない河原を歩いて如何に楽をしているかを思い知らされた。思うに、この沢は上流の地形が緩すぎるために土砂生産が少なく、そのため河原が形成されないのだろう。普段はもっと急な沢ばかり行っているので、こういうゴーロには接する機会が殆どなかったのではないか。そんな考え事をしていてもゴーロは一向に終わらず、何度も休憩をとって、疲れきったころに漸く本谷が右から合流してきた。
ポンショカンベツ川から駐車場へ行く道がどこかにあるだろうと思ってもう少し下ってみたが、見つからなかったので、適当に登って車道へ。駐車場に戻ると、なんと車のバッテリーが上がっていて、しかも携帯は圏外。どうやら、kaiseiが最後に運転した後にライトを消さなかったのがまずかったようだ。慌てて暑寒荘に駆け込むと、なんと幸運なことにぶなの会員がいらっしゃって、車を貸していただけるとのこと。大変感謝し、増毛の町でブースターケーブルを購入し、戻ってエンジンを始動することができた。感謝感激。
【感想・総評】
ポンショカンベツ川(本谷)は、日本百名谷の1つに選ばれてはいるが、超長いゴーロがある割に面白い部分は短く、わざわざ訪れるような沢ではない。ただ、日帰りで遡行できるので、他の山域の天候がすぐれない時の転進先としては使いやすいと思う。
暑寒別川の今回下降区間、暑寒別川乗越沢、ポンショカンベツ川右俣は、ゴーロやアプローチが長い割に見所が少なく、遡行価値は非常に低い。
全体としては、1泊2日で百名谷を含む沢4本を繋げた良い周回ルートが引けたとは思っているが、肝心の遡行価値が低かったため、残念であった。特に、あまりにも長いゴーロ歩きにはもう懲り懲り。
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