経ヶ岳・志田峠【関東ふれあいのみち神奈川(17)】北条武田合戦場のみち(坂尻BS→半原BS)
- GPS
- 08:13
- 距離
- 21.1km
- 登り
- 920m
- 下り
- 954m
コースタイム
天候 | 快晴、行きのロマンスカーから富士山がはっきり見えるほど空気が澄んでいたが10時も過ぎるとガスが出た。 日差しは暖かだったが一日中、冷たい風が吹く。 |
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過去天気図(気象庁) | 2010年03月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
●ルートづくりで参考にした情報:関東ふれあい神奈川のWebサイト(関東ふれあいのみち神奈川県コースは東京や埼玉、千葉と異なり、詳細なマップが配布されない) ●ルート ・以下の理由より坂尻バス停→韮尾根バス停(私たちは半原バス停とした)の方向が良いと思う。 スタート地点の坂尻バス停はゴールの半原バス停に比べてバス便の本数が少ないこと。経ヶ岳と志田峠なら経ヶ岳を先に登った方が体力面・夕刻までの時間を考慮しても安全なこと。 ・経ヶ岳周辺は冬以外はヒルが出るらしい。経ヶ岳下山口(412号にぶつかる手前)にヤマビルファイターが置いてあった(しかし空だった)。ヒル被害に遭いたくなかったので、3月中に登ってしまいたかった(今回、一人もヒル被害に遭わずに済んだ) ・夏は坂尻バス停から半原越までの林道や、経ヶ岳下山後の道がとても暑いだろうから、ヒルのことも考えると冬から初春に行くのがベストなのではないか? ●危険個所:危険といってよいのかわからないが、経ヶ岳の登り、下りどちらも急峻な道だった。普段、山に登っていない人はきついかもしれない。 ●分かりづらい場所:関東ふれあいルート上は標識が豊富に設置されているので、分かりづらかった所はない。関東ふれあいから少し外れた、「信玄旗立松」まで行くのが少し分かりづらい。(ゴルフ場の中を通っていいのか、どこが終点なのかがわからず、やや戸惑った) ●混雑度:混雑はない。しかし経ヶ岳と半僧坊 勝楽寺で複数のハイカーに会ったので、それなりに有名なのかもしれない。坂尻から法論堂(おろんど)林道を使って半僧坊まで、のコースでは私たち以外は1組にしか会わなかった。勝楽寺を過ぎると、殆どハイカーはいなかった。もう少し暖かい時期になると、東屋やベンチの席取りに必死にならなければならないかもしれない(特に経ヶ岳の展望の良い箇所にあるベンチと、三増合戦場跡地のあずまや)。 ●展望:ガスが出ていたがそれなりに楽しめた。最も下界を一望できた場所は、旗立松の展望台だ。丹沢の山並みを楽しめたのは、三増や韮尾根付近かもしれない。経ヶ岳からの展望はまあまあ良かったが、(訪れた時期は異なるものの)仏果山からの展望の方が宮ケ瀬湖も見えるし良いと感じた。 ●トイレ:坂尻バス停から2分ほど歩いた所に立派な水洗トイレがある。田代半僧坊 勝楽寺にもトイレあり。他にトイレは無かったように思うので、途中、我慢するか、コンビニで買い物してトイレに入るしかない。(ゴルフクラブのトイレも借りたが、旗立松に寄らない人にとってはゴルフクラブに行くまで時間がかかる) ●水・食べ物の調達:坂尻から経ヶ岳を下山するまでは調達不可と思った方が良い(坂尻から半原越に向かう途中、古い自販機が1台あったが殆ど売り切れだった) 経ヶ岳下山後は、志田峠付近を除けば自販機には困らない。勝楽寺の先、関東ふれあいコースから外れて平山大橋を渡ればコンビニがある。韮尾根バス停から半原バス停まで歩く場合は、韮尾根バス停そばの日向橋を渡る手前にコンビニがある。 ●休憩場所 ・屋根付きのあずまやは三増峠合戦場の碑隣(上志田バス停そば)に1つ大きいのがあっただけだと思う。 ・屋根なしのベンチ+テーブルは経ヶ岳の登り(展望の良いところ)に1つ、山頂に2つ、下山途中に1つか2つあった。ベンチだけなら経ヶ岳には他にもいくつかあったように思う。志田峠山頂に屋根なしのベンチ+テーブル1組があった ・半原越は二度目だが、個人的には半原越にこそベンチを置いてほしい(座る所がないので、車止めを椅子代わりにした) ・関東ふれあいコースではないが、信玄旗立松の展望台にはベンチが複数あり気持ちの良い休憩場所だと思う。また、旗立松に向かう坂の途中にも、立派なベンチがあった。 ●最寄り駅情報:最寄り駅といっても本厚木駅を拠点としたため、別段書くほどのことはない(大きな駅だし、店も人も多い) ●日帰り温泉:温泉ではないと思うが、坂尻バス停から半原越に向かう途中のリッチランドで日帰り入浴が可能。但し、その場合は坂尻バス停をゴールとするルートになる。リッチランドから土山峠が近いので、仏果山なり別の山を別のルートで登った時に土山峠に降りて、帰りにリッチランドでひとっ風呂浴びることができるだろう。 ●その他 ・終点を半原バス停としたが、ここはバス便が30分に1本と割と多めの他、落ちついた趣がある集落で、更に休憩できそうな店もあるため。今回は夜遅めのゴールだったので営業していなかったが、半原バス停から1つ先のバス停(半原バス停から徒歩5分)の撚糸(よりいと)組合前バス停のそばに、和菓子屋がある。ここのバターどら焼きを買って食べたことがあるが、本当においしかった。 ・半原バス停から結構歩くことになると思うが、あいかわ公園という見事なツツジの咲く広い公園があるらしい。また、この付近の石小屋バス停から少し歩くと散策路があるらしい。かつての中津川渓谷を模した景観になっているそうだ。韮尾根バス停から半原バス停に向かう途中の石小屋バス停付近だろうか、服部牧場という牧場があり、ジェラートが食べられるらしい(大きな看板を見かけた)。 ・今回のコースからは外れるが、三増峠もハイキングコースになっているらしい。歴史好きなら経ヶ岳には行かずに三増合戦場の碑から三増峠→志田峠を重点的にまわるコースも組み立てられると思う |
写真
感想
●概観
三増合戦場の先、ゴルフ場入口から、関東ふれあいのコースを外れて信玄旗立松に寄ったのだが、これが予想外にきつくて参った。ゴルフ場の中に入り、急傾斜の舗装路を登り、更にその先に続く幅の狭い山道をスイッチバック方式に登るのだが、ここでかなりな体力を使ってしまった。
更にコース終点の韮尾根バス停はバス便が少ないため半原バス停まで412号線沿いに歩いたり、経ヶ岳下山後にコンビニが近くにあるため寄り道したり、旗立松以外にも本来の関東ふれあいルートではない道を結構歩いた気がする。
このコース、非常に面白いが、坂尻バス停から半原越までの林道歩き1時間半はややうんざりさせられるかもしれない。今度、半原越に行く時は坂尻からでなく経ヶ岳と仏果山の縦走にしたい。(高取山や華厳山などとあわせてこの辺りは相州アルプスというらしいが、いつか行ってみようと思う)
ともあれ、これで漸く関東ふれあい神奈川の全コースが終わった。ささやかな達成感を得られて満足だ。
●詳細
経ヶ岳は登りが短いが急峻なロープの張られた上り坂が多く、結構面白かった。
しかしすぐに経石(きょういし)と呼ばれる巨岩に着き、経石を過ぎると一登りで山頂に着く。あっけなかった。
経ヶ岳山頂から下山の方が、登りよりも長時間歩く。植林帯の中を歩く箇所が多いので、こちらから登るのは余り面白くないかもしれない。道も登りと比較して余り踏まれてはいなかった。
田代半僧坊 勝楽寺の境内はそれほど広くないが落ち着いた風情だ。しかしこの寺院、境内も良いが山門が最も素晴らしいと感じた。
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展望の開ける草原地帯に出て、少し行けば三増合戦場の跡地だ。三増合戦は数万人規模の合戦なので、合戦時は碑のあった場所付近だけでなく韮尾根辺りまでも武士や足軽で埋め尽くされていたことだろう。
以下、歴史好きないたち大臣曰く、
北条氏照・氏邦が武田軍を待ち伏せ小田原から信玄を追撃してきた北条氏康・氏政本隊と武田軍を挟撃する予定だった筈なのだが、三増合戦場跡にあった陣立図には氏照・氏邦も三増峠に陣取った信玄を追撃したように書かれていたとのこと。
確かに小田原城を包囲していた信玄が甲斐に帰る途中に小田原→平塚→厚木ルートで三増峠に着くよりも、八王子城の氏照、埼玉の鉢形城の氏邦の方が三増峠には信玄より早く着くことが出来た筈である。
しかし、現地の説明板には信玄配下の山県昌景の一隊が韮尾根から、志田峠を越えて背後から北条軍(本隊待ちだった氏照・氏邦軍)を襲撃した旨の記載がある。
これは、一度は三増峠を氏照・氏邦軍が信玄より先に押さえたが北条本隊が到着しないうちに信玄本隊と向き合うことになったため、信玄とまともにぶつかるのを避けて半原の中津川付近に退いて信玄を追撃する形をとった、ということなのか?
もし上記が正しいとすると、旗立松を含めた三増峠を先に押さえた信玄が有利だったのは明白で、それに対して半原まで退却した氏照・氏邦軍は不利だ。そしてそんなことは氏照・氏邦軍ははじめからわかっていた筈だ。わかっていながら、氏照・氏邦軍が半原まで退却というのは正しいのだろうか。
北条軍の方がこの地について熟知していたにも関わらず、氏照・氏邦軍が小田原からの北条本隊の到着を待てずに先走ったというのも事実なのかどうか、よくわからない。
因みに、現在の志田峠は草木が生い茂り展望は全くないが、志田峠が植林されたのは江戸時代であり、三増合戦当時は禿山だったそうだ。であれば三増合戦で山県軍も下界の氏照・氏邦軍の動きが把握しやすかったものと思われる。
実際に現地に行くと地形や地名を「感じる」ことができるため、歴史の理解も深まるというものだ。これも、車で行ったのでは分からないと思う。
というわけで、武田氏、北条氏が好きな方は、是非一度、三増周辺を練り歩かれることをお勧めする。当然、ゴルフ場内にある信玄旗立松までも歩いて行ってほしい。旗立松は標高は低いが、なめると痛い目にあう。
または信玄進軍ルートを辿るということで、津久井に抜けて津久井城山(375m)に登るコースもいいかもしれない。(信玄は津久井城山は落としていない。津久井を抜けて三ヶ木から相模湖に至り、上野原方面から甲斐に帰った)
津久井城山も志田峠(310m)と変わらない程度の低山だが、志田峠よりも登りがきつめの山道で、展望は得られる。
コメント
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おはようございます!
先ほどはアドバイスめいたこと言いましたが大変失礼しましたと言いたい程、距離、回数歩かれてますね!
きっと表尾根も制覇できると思いますです!
なんど登っても途中帰りたいと毎度思いますが、
山頂に行くことの達成感、わたしの数少ない自己実現出来る場と自分なりに頑張ってます!
kumiyanさんも頑張ってくださいね!
毎度お手本のような山行記録には凄いの一言!
ではよい一日を!
行者岳の下りの鎖場が不安ですが・・。あと、ヤビツ近辺の山荘に泊ろうかと考えてますが、5月GWって混んでて泊れないかもしれませんね。
それと弘法山、ですが、桜の名所、というのは関東ふれあいコースで「弘法大師と桜のみち」というネーミングの弘法山公園コースを歩いたので、覚えてなきゃいけませんでした(忘れてました)。スミマセン。
「関東ふれあい神奈川県コース」は登山ではないコースも多かったのですが、三浦の松輪から宮川湾まで「江奈湾」「盗人狩」経由で歩く岩礁ハイクが非常に印象深く面白かったです。
去年の4月11日に初めてこのコースに行った時は、毘沙門湾付近のハマダイコンの花の群生が本当に綺麗でした。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-57522.html
既に行かれているかもしれませんが・・。
丹沢も含めて、神奈川って本当に良いところですね。今年は神奈川だと丹沢以外だと箱根外輪山縦走を計画しています。
それでは、良い一日を
行者岳の下りの鎖場が不安ですが・・。あと、ヤビツ近辺の山荘に泊ろうかと考えてますが、5月GWって混んでて泊れないかもしれませんね。
それと弘法山、ですが、桜の名所、というのは関東ふれあいコースで「弘法大師と桜のみち」というネーミングの弘法山公園コースを歩いたので、覚えてなきゃいけませんでした(忘れてました)。スミマセン。
「関東ふれあい神奈川県コース」は登山ではないコースも多かったのですが、三浦の松輪から宮川湾まで「江奈湾」「盗人狩」経由で歩く岩礁ハイクが非常に印象深く面白かったです。
去年の4月11日に初めてこのコースに行った時は、毘沙門湾付近のハマダイコンの花の群生が本当に綺麗でした。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-57522.html
既に行かれているかもしれませんが・・。
丹沢も含めて、神奈川って本当に良いところですね。今年は神奈川だと丹沢以外だと箱根外輪山縦走を計画しています。
それでは、良い一日を
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