記録ID: 601212
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積雪期ピークハント/縦走
日高山脈
アポイ岳絶景/野塚岳敗退
2015年02月28日(土) [日帰り]
北海道
体力度
3
日帰りが可能
- GPS
- 05:10
- 距離
- 9.9km
- 登り
- 852m
- 下り
- 841m
コースタイム
日帰り
- 山行
- 4:53
- 休憩
- 0:16
- 合計
- 5:09
距離 9.9km
登り 852m
下り 851m
野塚岳に登ろうと浦河までやってきました.宿は,無料のライダーハウス西幌別の「インフォメーションサイトスペース in うらかわ」.しかし...まさかの天馬街道通行止め.しばらく好天が続いた後,数日前からかなりの降雪があり,雪崩の危険が高いらしい.上杵臼で通行止めということは,野塚トンネルのかなりの手前でストップされるということです.これでは,どうにもなりません.
考えても仕方ないので,とにかくまずは寝ることにしました.誰もいないと思っていたライダーハウスには,先客が一人.遅く来た事をお詫びして,ヘッドライトで就寝の準備.行動用のウェアの上に防寒用のウェアを着込み,エアマットを膨らませ,冬用のシュラフにもぐり込みますす.火の気のないライダーハウスとはいえ,冬山の中のテント泊に比べたら天国です.
深夜2時半頃でしょうか.同宿者が行動を開始し始めました.「どこかに登られるのですか?」聞くと,なんと野塚岳に登るとのこと.「通行止めですけど,ご存じですか」と聞くと,行けるところまで行って,そこから山に入るとのこと.強者がいたものです.そうかあ,そういう手があったか...でも上杵臼から野塚岳にアプローチ可能なの?よくわかりませんが,とりあえずもう少し仮眠してから地図を見て考えることにしました.
その後,しばらくして物音で目が覚めました.通行止めの地点からアプローチまで,20km以上あり,あきらめて戻ってきたとのこと.その後,また出て行ってしまいました.一応,私に情報を提供してくれたようです.駄目だったら.襟裳岬で日の出を見て帰ると言っていました.
5時半には目が覚めてしまいました.外の電光掲示板を見ると,残念ながら依然として通行止めです.チャイを温め直し,お湯を沸かしてココアを飲み,出発の準備.紙の地図を準備してきていないので心配ですが,アポイ岳に登ることにしました.というか他に選択肢はない感じ.
6時半出発.やっぱりまだ通行止めです.装備はコンパクトにします.アポイ岳は,810.6m比較的低山ですが,この時期の状況を全く下調べしてきていないので,念のためにスノーシューも持って行きます.ピッケルも軽いので,せっかくだから持参.
7時23分出発.登山口には全く雪がありません.
しばらく歩くと雪は,ほとんどありませんが,凍っていてツルツルなのでアイゼン装着.アポイ岳なら,10本爪のBlack diamond Neveまでは必要ないでしょう.Kahtoola KTS Aluminum Crampons使用.4合目くらいから雪が増えてきます.5合目の休憩小屋.ここで樹林帯を抜ける.アポイ岳が綺麗に見えます.先行者が一人居るようです.トレースを使わせてもらいました.馬の背まで登ると日高の山々が見事に見渡せます.
最後は,トレースを離れ,新雪ラッセルで山頂へ.9時29分.アポイ岳山頂.山頂から日高の山々が望める北側斜面に降りていくと,トレースの主がいらっしゃいました.トレースのお礼を言って,少しお話すると,苫小牧から来られた通称positive51さんとのこと.写真を撮っていただきました.あまりにも山が多くて,ほとんど山座同定できない私に親切に教えてくださいました.ありがとうございました.
時間も早いし,天気も良いし,北尾根を少し先に進んでみることにしました.真ん中のピークまでは尾根伝いに行けそうです.あとから調べたらピンネシリです.
一気に下降して,岩稜帯手前の雪庇を越えます.岩稜帯入り口をよじ登ると,結構な高度感.尾根の東側は急斜面でトラバース困難.西側も滑落したら,下まで止まらないでしょう.短い距離ですが,雪庇が乗った岩稜帯.ポールからピッケルに切り替えて,東側の岩場を進むということでしょう.そんなに難しいルートではないのかもしれないし,行って行けないことはなかったと思いますが,紙の地図も準備していないし,この先の情報も確認してきていません.アイゼンも前爪のついた10本爪アイゼンはつけていない.どうしても先に進みたいという気持ちがあるわけでもない.こんな時は,無理をしないほうが良い.予感というのは,決して根拠のないものではなく,それまでの経験,その時の体調,環境などいろいろなものが意識の深いところで知らず知らずのうちに計算されて,その結果生まれてくるものだと思います.これまで,その予感に従わず,失敗したことも少なくありません.ということで今日はここまでて撤退.
アポイ岳に戻り,しばらくここからの景色を満喫.
10時57分,アポイ岳ならではの光景を見ながら下山開始.11時37分,振り返りながらゆっくり下山して,5合目.
登山口に戻ったのが,12時30分.春のような日差しの中で,荷物の整理などして,12時50分,別れを告げます.良い山でした.
5時間10分.9.88km.累積標高937m.1781kcal.回復時間73時間.
13時半.まだ早いけれど,温泉でも入ってのんびり帰ろうと西幌別まで戻ってくる
と,なんと,なんと天馬街道の通行止めが解除になっています.茫然としながら,身体は無意識のうちにハンドルをきって,右折.天馬街道を走っていました.ということで,今日の第2ステージ.野塚岳.14時.日没が午後5時半.3時間で山頂に立ち,ヘッドライトでトレースを辿って下山も不可能ではない.とにかく行けるところまで行ってみよう.闘わずして敗退するよりいい.手早く準備をして,出発.しかし,スノーシューを履いた足を一歩踏み出すと...膝上までもぐる新雪.さらにさらさらではなく重い.この瞬間に今日は無理だということがわかりました.それでも,行けるところまで行ってみよう,せめて野塚岳が見えるところまででも.しかし雪は重く,斜面が急になるにつれて足もとが崩れ力を削いでいきます.GPSのバッテリーも切れてしまいました.考えて見れば,携帯は圏外なので,アポイ岳下山の連絡後に帰路の途中で野塚岳に転進したことも知らせていません.もし戻らなければ,普段の行動パターンから,きっと野塚岳に行ったと予測できるでしょうが...30分くらい雪の斜面と格闘しましたが,遅々として進みません.ここ数日かなりの雪が降ったようです.後から聞くと,60cm近く降ったとか....野塚岳を望むことも難しそうです.仕方ないので,前に見える木までは登ろうと決めて,最後の力を振り絞ります.結局,獲得標高は114mだけ.
C710m. 振り返ると,トヨニ岳が見えました.(おそらく)今日は,ここで引き返します.早朝から登りだしたら,野塚岳のピークに立てただろうか.どちらにしても,今日は敗退だっただろうか.考えても仕方ありませんね.目標を定めて,途中で退くのは,初めての冬山だった百松沢山以来,2回目です.
帰りは,新冠温泉レコードの湯.
考えても仕方ないので,とにかくまずは寝ることにしました.誰もいないと思っていたライダーハウスには,先客が一人.遅く来た事をお詫びして,ヘッドライトで就寝の準備.行動用のウェアの上に防寒用のウェアを着込み,エアマットを膨らませ,冬用のシュラフにもぐり込みますす.火の気のないライダーハウスとはいえ,冬山の中のテント泊に比べたら天国です.
深夜2時半頃でしょうか.同宿者が行動を開始し始めました.「どこかに登られるのですか?」聞くと,なんと野塚岳に登るとのこと.「通行止めですけど,ご存じですか」と聞くと,行けるところまで行って,そこから山に入るとのこと.強者がいたものです.そうかあ,そういう手があったか...でも上杵臼から野塚岳にアプローチ可能なの?よくわかりませんが,とりあえずもう少し仮眠してから地図を見て考えることにしました.
その後,しばらくして物音で目が覚めました.通行止めの地点からアプローチまで,20km以上あり,あきらめて戻ってきたとのこと.その後,また出て行ってしまいました.一応,私に情報を提供してくれたようです.駄目だったら.襟裳岬で日の出を見て帰ると言っていました.
5時半には目が覚めてしまいました.外の電光掲示板を見ると,残念ながら依然として通行止めです.チャイを温め直し,お湯を沸かしてココアを飲み,出発の準備.紙の地図を準備してきていないので心配ですが,アポイ岳に登ることにしました.というか他に選択肢はない感じ.
6時半出発.やっぱりまだ通行止めです.装備はコンパクトにします.アポイ岳は,810.6m比較的低山ですが,この時期の状況を全く下調べしてきていないので,念のためにスノーシューも持って行きます.ピッケルも軽いので,せっかくだから持参.
7時23分出発.登山口には全く雪がありません.
しばらく歩くと雪は,ほとんどありませんが,凍っていてツルツルなのでアイゼン装着.アポイ岳なら,10本爪のBlack diamond Neveまでは必要ないでしょう.Kahtoola KTS Aluminum Crampons使用.4合目くらいから雪が増えてきます.5合目の休憩小屋.ここで樹林帯を抜ける.アポイ岳が綺麗に見えます.先行者が一人居るようです.トレースを使わせてもらいました.馬の背まで登ると日高の山々が見事に見渡せます.
最後は,トレースを離れ,新雪ラッセルで山頂へ.9時29分.アポイ岳山頂.山頂から日高の山々が望める北側斜面に降りていくと,トレースの主がいらっしゃいました.トレースのお礼を言って,少しお話すると,苫小牧から来られた通称positive51さんとのこと.写真を撮っていただきました.あまりにも山が多くて,ほとんど山座同定できない私に親切に教えてくださいました.ありがとうございました.
時間も早いし,天気も良いし,北尾根を少し先に進んでみることにしました.真ん中のピークまでは尾根伝いに行けそうです.あとから調べたらピンネシリです.
一気に下降して,岩稜帯手前の雪庇を越えます.岩稜帯入り口をよじ登ると,結構な高度感.尾根の東側は急斜面でトラバース困難.西側も滑落したら,下まで止まらないでしょう.短い距離ですが,雪庇が乗った岩稜帯.ポールからピッケルに切り替えて,東側の岩場を進むということでしょう.そんなに難しいルートではないのかもしれないし,行って行けないことはなかったと思いますが,紙の地図も準備していないし,この先の情報も確認してきていません.アイゼンも前爪のついた10本爪アイゼンはつけていない.どうしても先に進みたいという気持ちがあるわけでもない.こんな時は,無理をしないほうが良い.予感というのは,決して根拠のないものではなく,それまでの経験,その時の体調,環境などいろいろなものが意識の深いところで知らず知らずのうちに計算されて,その結果生まれてくるものだと思います.これまで,その予感に従わず,失敗したことも少なくありません.ということで今日はここまでて撤退.
アポイ岳に戻り,しばらくここからの景色を満喫.
10時57分,アポイ岳ならではの光景を見ながら下山開始.11時37分,振り返りながらゆっくり下山して,5合目.
登山口に戻ったのが,12時30分.春のような日差しの中で,荷物の整理などして,12時50分,別れを告げます.良い山でした.
5時間10分.9.88km.累積標高937m.1781kcal.回復時間73時間.
13時半.まだ早いけれど,温泉でも入ってのんびり帰ろうと西幌別まで戻ってくる
と,なんと,なんと天馬街道の通行止めが解除になっています.茫然としながら,身体は無意識のうちにハンドルをきって,右折.天馬街道を走っていました.ということで,今日の第2ステージ.野塚岳.14時.日没が午後5時半.3時間で山頂に立ち,ヘッドライトでトレースを辿って下山も不可能ではない.とにかく行けるところまで行ってみよう.闘わずして敗退するよりいい.手早く準備をして,出発.しかし,スノーシューを履いた足を一歩踏み出すと...膝上までもぐる新雪.さらにさらさらではなく重い.この瞬間に今日は無理だということがわかりました.それでも,行けるところまで行ってみよう,せめて野塚岳が見えるところまででも.しかし雪は重く,斜面が急になるにつれて足もとが崩れ力を削いでいきます.GPSのバッテリーも切れてしまいました.考えて見れば,携帯は圏外なので,アポイ岳下山の連絡後に帰路の途中で野塚岳に転進したことも知らせていません.もし戻らなければ,普段の行動パターンから,きっと野塚岳に行ったと予測できるでしょうが...30分くらい雪の斜面と格闘しましたが,遅々として進みません.ここ数日かなりの雪が降ったようです.後から聞くと,60cm近く降ったとか....野塚岳を望むことも難しそうです.仕方ないので,前に見える木までは登ろうと決めて,最後の力を振り絞ります.結局,獲得標高は114mだけ.
C710m. 振り返ると,トヨニ岳が見えました.(おそらく)今日は,ここで引き返します.早朝から登りだしたら,野塚岳のピークに立てただろうか.どちらにしても,今日は敗退だっただろうか.考えても仕方ありませんね.目標を定めて,途中で退くのは,初めての冬山だった百松沢山以来,2回目です.
帰りは,新冠温泉レコードの湯.
天候 | 晴れ |
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