静かな地蔵谷峰
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- GPS
- 05:12
- 距離
- 7.2km
- 登り
- 538m
- 下り
- 527m
コースタイム
- 山行
- 3:58
- 休憩
- 1:15
- 合計
- 5:13
過去天気図(気象庁) | 2023年10月の天気図 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
朽木の百里ケ岳東方に791.6mのピークがあって、百里ケ岳以外ではそこそこの標高であるが、地理院地図には山名の表示がない山だ。その山の名前は『地蔵谷峰』という。山名の由来は不明なれど、登った記録はそれなりにあるので、期待して出かけた。
登山のコースとしては、東尾根(仮称)と西ピーク(738m)からの西尾根(仮称)である。更に、百里新道の805mピークから東へ尾根を縦走するコースも考えられるが。今回は東尾根から地蔵谷峰-西ピーク-西尾根と周回コースとした。
東尾根取り付きは地蔵谷と県道の出合であり、ここに社に祭られた地蔵さんがあった。この地蔵谷が山名の由来なのであろうと思われる。
尾根末端は県道に垂直のように切れ落ちているので、地蔵谷の流れに沿って進むと尾根に向かって急斜面ではあるが、何本か踏み跡が見える。その内の最奥の出合から100mくらいに足跡が見える草付の木々が少し生えた斜面をステップを切って登る。木々を手で掴んで必死に高度を50mほど稼ぐと尾根に乗って、安心して歩けるようになったので直ぐに休憩だ。踏み跡も見えるので、これで安心と稜線を進むとユズリハが出て来て、それらが行く手を遮るかのように群落をなしている。ユズリハの弱点を縫うように僅かな枝の開き具合のある場所を進むが、これは鹿道のような気がする。
ユズリハは濃く成ったり、薄く成ったりで楽な道はない。しばらく進むと610mのピークに出て、ユズリハはいつの間にか邪魔ではないくらいだ。尾根の東は自然林で明るいが、西は植林で真っ暗な感じだ。
ピークから長い下りや平坦な尾根を進むと再び登りになると、杉の大木があったり、山毛欅の立派な太い木も現れて、朽木の山は大きな木が多いことに感心しきりであった。地蔵谷峰の最後の斜面を息を切らせて登ると、三角点とそのすぐそばに大きな山毛欅が鎮座していた。残念なるかな、山頂からは周囲は何一つ眺めることができないことであった。東尾根も木の葉の間からチラチラ見える山波があったが、山座同定が出きようがない情況だった。
今日は随分と涼しく、ついこの前のハイクでは暑い暑いと汗びっしょりだったことからすると雲泥の差異で、陽ざしの当たる場所でランチをするほどの季節なのだ。そういえば水分の消費も随分と少ないようだ。
地蔵谷峰から西の738mピークへはかなり標高を下げてからの登りだが、陽ざしもなく風も通リ抜けるので、快適な縦走日和だ。稜線の右は北方向なので、葉越しに見えるのは駒ケ岳ではないかと思うのだが、それを確認出来るほど姿は見えないのが残念だ。いつの間にか再びユズリハの藪に右に左にと蛇行しながら済むと、ユズリハが薄くなって樹林の中の西峰738mピークに到着した。
ここからは下りだけだが、どんな下りなのか?それが気掛かりだ。738mピークからは南西方向の尾根を下りだすと、傾斜は比較的強く木々が密集した歩きにくい道だ。時折赤テープがあるが、GPSの確認なしには下れないほど踏み跡は少ない。木々の密集と共にユズリハも現れて、傾斜の強い場所は難儀した。
610m標高付近は平坦地となったので、ここで最後の休憩をした。この付近から右(西から北西)方向に山並みが葉越しに見えるのは百里ケ岳であろうが、そうだと思えるほどその姿が見えない。葉の隙間から垣間見える山姿では何ともいい難い感じだ。
600m地点から400mの県道までの標高差200mは傾斜と密集した灌木と樹林で、中々厳しいものであった。最後まで傾斜はきつかったが、舗装道路が見えると嬉しいもので、着地点が法面でないことだけを信じて確認すると軟着地出来るのが見えて一安心して斜面を下れた。あとは30分ほどの道路歩きだ。
県道脇はススキの原っぱで見事であったが、ここは田圃跡なのであろうと思われた。昔は賑わった田圃も今はススキの原なのかと思うと寂しいものがある。
能家の家並が見えて来た時に民家の庭に新米を棚に吊って干しているのを見た。この姿を目の前で見るのはもう数十年も前ではないのか?と、いつ見ただろうかと思い返してみるが、無理な相談だった。映像でしか見ていないことを思い知らされた。
朽木の能家の裏山のような地蔵谷峰であるが、踏み跡も乏しい上にユズリハの藪に惑わされるシンドイ部分はあるが、静かないい山であった。これからもこのような姿でいてくれるなら、百里新道からの長い尾根歩きを是非計画してみたいと思うのであった。
”八”、”竹”、”兵”、”嶋”
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