安達太良山の紅葉を見に行く
- GPS
- 04:48
- 距離
- 11.4km
- 登り
- 777m
- 下り
- 781m
コースタイム
- 山行
- 4:42
- 休憩
- 0:02
- 合計
- 4:44
天候 | 晴れ。曇りがちではある |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
※行楽シーズンなので平日でも混みがちだが、そこそこ空いている。 埋まっていても、少し離れた第二駐車場があるので止まれないことはないだろう。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
どこもかしこもぬかるんでおり、泥まみれの箇所が多い。 くろがね小屋経由は工事のため閉鎖中。勢至平分岐から巻いていくしかない。 |
その他周辺情報 | 奥岳の湯 →露天風呂からは紅葉が見られるのでこの時期は最高。写真撮影は出来ないので自分の目で確かめよう レストハウス →10時から16時まで営業している。食事の他にお土産もある。 ロープウェイ山下駅 →トイレが24時間使用可能なので、前泊するものにとってはありがたいだろう。駐車場から離れているが。 |
写真
感想
世間では今日はハロウィンの日だ。
渋谷でのハロウィン騒ぎを禁止にするとか言われているらしい。
一方でこの時期は紅葉が見頃な行楽シーズンでもある。せっかくなので、いつもの奥多摩でなく出張登山をしてみようと考えたわけである。
場所は福島県郡山市の北端にある安達太良山だ。
標高1,700mの活火山であり、日本百名山にも上がっている。福島県を代表する山の一つだろう。
コースは、奥岳から勢至平を経て安達太良山へ登り、薬師ガ岳を経て奥岳へ下山する反時計回りの周回コースとした。
奥岳と呼ばれる登山口は、標高1,000m近くと、すでに高い位置だ。見回すと、レストハウスやロープウェイ駅、日帰り温泉などの施設がある。
早朝はどの施設も閉まっているが、ロープウェイ駅のトイレは24時間使用可能なようだ。
登山口近くには駐車場があり、休日はあっという間に満車になるらしいが、今は平日の午前5時なので車は数台しか止まっていない。
日が昇ってきたところで登山を開始する。
まずは平坦な砂利道を歩き、紅葉をゆったりと眺める。
少し進むと沢があり、道もぬかるんでくる。
分岐があり、古からある旧道と、作業車が通る馬車道とに分かれている。
前者は勾配は急だがショートカットになっている。後者はジグザグとゆったり登る道だが、泥でグシャグシャになっているため、僕は途中から旧道を選んだ。
旧道と馬車道の合流になると、なだらかな道になる。このあたりは勢至平と呼ばれる。
平坦な道をしばらく進んでいくと、また分岐があり、このまま奥へ進むと「くろがね小屋」まで行けるようだが、工事中のため閉鎖されている。
やむを得ず左側へ進む。
ここから勾配が一気に急になる。また薮っぽい道で少々荒れている。くろがね小屋まで行けた頃はあまり歩かれていなかったのだろうか?
濡れている笹の中を突き進むため、服がびしょ濡れだ。
進むにつれて標高も上がると、植生も変わってくる。笹は見えなくなり、葉が落ち赤い実が晒されたナナカマドの木が出現する。足元には実がたくさん落ちている。美味しそうだが、人間には毒だ。
さらに進むと樹高の低いハイマツが見られるようになり、いよいよ森林限界の地帯に入る。
標高が1,500mの時点でもう森林限界になるとは...
ガレ場のゾーンに入ると、もう山頂は近い。
閉鎖されていたくろがね小屋からのルートと合流すると、峰の辻という平べったい場所に着く。振り返ると、視界には安達太良連峰が広がっている。とんでもない光景だ。
肩に着くと、眼前に火口が出現する。沼ノ平火口だ。
腐卵臭も凄い。(よく硫黄の匂いと表現されるが硫化水素の匂いだ。)
火口の周りは、天津飯の気功砲でも放たれたかのような山が削り取られた跡がある。
もちろん気功砲ではなく、火山の噴火によって形成されたものだろう。
こも火口は1900年に噴火し、硫黄採掘現場にいた72名が命を落としている。
それ以降は噴火していないが、決して安全ではない。活火山は噴火はしなくとも、火山ガスが噴出することがある。
噴気孔から発する高濃度のガスを吸ってしまうと中毒になりやがて死亡する。実際この山でそういった事例があるのだ。
ここから狭い稜線を辿って、安達太良山山頂へ。
しかし本当の山頂は大きな岩の上にある。
鎖をつたって登っていけばすぐに着くのだが、高所恐怖症が発動し、断念してしまった。
こういうとき他の登山者がいれば後についていくのだが、今は誰もいない。
山頂からは、薬師岳方面へ向かって下山する。
この下山ルートは登りのルートよりも勾配が急で岩場も多く、足に負担がかかる。
また午前九時を周り、人とすれ違うことが多くなる。この時間はちょうどロープウェイで登ってくる客が出始めるのだ。
加えてかなり道幅が狭いため、かなり気を遣う。
すれ違うたび、「いつから登り始めたのか」と話しかけられることも多い。
どうやらこの時間で下山するのが珍しいようだ。
確かに、相手の視点に立ってみればそうなのだ。
早朝でこれから安達太良山へ向かうというのに、もうすでに下山している奴がいるのだ。
薬師岳に辿り着くと、登山客の数はピークに達する。ロープウェイ駅も近い。
山頂付近には眺望の良い場所もあり、その一箇所に集中している。
高村光太郎の詩に綴られた「ほんとの空」がこのあたりで見られるように、安達太良山が望める。
薬師岳からの下山ルートが険しい。
岩場になっており、梯子やトラロープがあるほど勾配も急だ。
ロープウェイで帰る者が多いためかすれ違う人が減ったのは幸いだ。
今にして思えば、コースを時計回りに周回したほうが良かったのではないかと思う。
道幅が広くなり、なだらかな坂になると、ゲレンデが見えてくる。
冬は、このあたりはスキー場に変わるのだろう。
リフト下を通って行くと、見覚えのある分岐路に着く。ようやく登山口まで帰ってきた。
ガラガラだった第一駐車場も、ほぼほぼ埋め尽くされている。
帰りは奥岳の湯に入り、疲れを癒す。
露天風呂からは紅葉が望めるため、ぜひ立ち寄ることをお勧めする。
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