雄山 厳冬期山スキー
- GPS
- 29:04
- 距離
- 39.0km
- 登り
- 2,056m
- 下り
- 2,042m
コースタイム
- 山行
- 12:23
- 休憩
- 0:09
- 合計
- 12:32
過去天気図(気象庁) | 2023年12月の天気図 |
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アクセス |
写真
感想
試練の立山•雄山 day1(PART1)
2023.12.27〜28
厳冬期の立山に行ってみたい。
と思ってたら山岳エンターテイナーの山ちゃんが立山を行くらしいとのタレコミ情報を得て聞いてみたところ12月末に2日間かけて行く予定とのことで快くご一緒させていただきました。
山ちゃんは、厳冬期の立山には2月や12月と訪れており、経験も申し分なし、しかも単独行ですごすぎです。
ちなみに2月はアルペンルートの除雪が開始されるため一部で除雪区間があるので12月のがより厳しく人工物のない世界が広がっているそう。
厳冬期のアルペンルート、室堂、雄山はどうなっているだろう?
その風景をイメージして妄想を膨らますとワクワクが止まらなかった。
今回はスキーを使って立山を目指す。山スキー自体僕は昨シーズンからはじめたので初心者🔰といっても過言ではないが、立山の下山はアンペンルートを滑走していくだけなので楽チンという前情報をもらっていたので安心していた。それが後に大騒動となる。
早朝立山駅に集合になっていたので車で向かっていきもうすぐです到着というところで問題発生。
レインウェア下を忘れてしまったことに気づく。
最後に履くからとハンガーにかけていたいたのがあだとなり、すっかり忘れて出てきてしまった。
そのため自宅に戻り、再度立山駅へ向かったため予定より1時間遅れて出発となってしまった。しっかりと装備の最終確認しましょう。←いつも思ってますが、忘れるんですよね、、、ごめんなさい山ちゃん。
立山駅をスタートし美女平まではスキーを担いでのハイクアップ。今年は暖かくやはり雪も少ないようだ。
美女平駅に到達してからはスキー板に履き替えてアルペンルート沿いをシール登行していく。
トレースがありラッセルも必要がなかったのでスイスイと進んでいくことができた。
「これなら日帰りで行けるかも。到着の時間を見てまた決めよう」
そんな淡い期待が膨らんでいったがそうは問屋が卸さない。しばらく進んでいるとトレース先行者に遭遇した。スノーシューで単独行で冬山を目指すという強者でした。
ここまでのトレースで楽をさせてもらったので、ここからは僕たちがトレースを踏んで前へ進んでいく。
スキーといえどもラッセルで沈むので中々前に進まない。スキー板で20〜30cmは沈んでいたと思う。
交代でラッセルを行い、高度を上げていく。滝見台、桑谷、大観台と進みようやく弘法までたどり着いた、ここから七曲りというその名のとおりヘアピンカーブが続く区間があるのでショートカットして追分まで進む。
天候は時々雪がパラつく程度でしたがガスガスの真っ白でホワイトアウトしてました。途中平衡感覚がよくわからない瞬間があり、不思議感覚だった。
今日は室堂までを目的地にしていたが、思った以上にラッセルに時間を要したので関西学院ヒュッテまで進みビバークをすることに。本当にラッセルして進むと100m先も遠く感じる。夏道で走っているすぐに着くような場所でも何倍も時間がかかる。これぞ厳冬期立山。
ビバークではツェルト泊で、山ちゃんはヘリテイジのクロスオーバードームでした。軽量の自立型テントいいなあ。
雪山でのツェルト泊は実は初めてで、内心上手く設置できるか不安だったが、スキー板をポール代わりにしてなんとか設営できた。ピーンとしっかり張れたというにら程遠く、今回は風もなく穏やかなので問題なかったが、固定強度も弱い気がしたので風が強かったら倒壊していたかもしれない。そして設営にかなりの時間が、かかったのでいつの間にか日が暮れてしまった。
雪山での億劫になるのがスキーブーツの着脱だ。しっかりと固定されたフィット感が大事らしいのだがどうしても窮屈に感じてしまう。ツェルト内でスキーブーツをようやく脱いだ。お湯を沸かして食事をとり、すぐさま就寝。翌朝は2:30の行動開始予定だ。
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試練の立山•雄山 day2(PART2)
2023.12.27〜28
1:00起床。自分は慣れてないのもあり時間を要すると思ったのでこの時間に起きて準備を行う。
スキーブーツを履こうとするが、全然足が入らない、、、なぜ??元々履くのに大変ではあったのでがこんなに足が入らないは初めてだ。自分足がむくんだから?取り替えで靴下が厚いからか?など考えたがよくわからない。山ちゃんから、「ブーツが凍ってるんよ。本当はインナーブーツを取り外してシュラフ内に入れておくとかするといいんだけど、気合いで入れるしかないね。」
と教えもらった。
「マジか、、ブーツも凍るんですね🥶」
外は氷点下10度の世界なのでそれはそうか。次回以降気をつけます。あとナルゲンボトル持っていったのですが、これも夏山感覚で外付けしておくと凍りかけていました。でもお湯を沸かしてシュラフ内の保温湯たんぽにするのには効果的です!今日からはナルゲンはハードシェルの内側に入れるようにした。
ツェルトは持っていき、山ちゃんのテントに不要なものはデポさせてもらって雄山を目指した。
ここからしばらくは樹林帯をぬって天狗平まで目指す。所々斜度が急だなあと感じる場所があった。
天狗平付近から森林限界を越えて視野も広がった。
正面には立山と剱岳、大日連山、バックには富山平野の夜景とこの世とは思えない景色が広がっていた。心が震えた。
「後を見てみて。オレたちのトレースだけしかない。この瞬間にここにいて。この景色を見ているのオレたちだけ。だから雪山はやめられないんだよねえ」
とサラッとカッコいい言葉を残す山ちゃん。まさに同感である。
室堂へ到着して、山ちゃんがライブカメラに映ろうということでしっかり12月のアルペンルートのライブカメラに収まってきました。
室堂から一ノ越を目指す間に夜明けがやってきた。
息を呑む。
というのはこういう感覚なんだろう。
奥の方が煌々と赤く光っている。一ノ越に到着した。アルプスの山々が広がっていた。
ここからは、スキー板を外してアイゼンとピッケルでの歩行。
一ノ越から雄山へは稜線なので様子が一変する。風も強く吹きつけており雪もつきずらい。凍っている場所もあり、雪もあり、岩場もありとMIXした世界はさっきまでも山スキーとは別物だ。
これが3000mアルプスの厳冬期かあ。
慎重にアイゼン歩行を行い、雄山へ到着。正直「登りは大丈夫だけど下りが怖そうだな」と思うような急登を上がってきた。
立山の山頂は、言うまでもなく大、大、大パノラマでここで言うよりも写真で見てもらったほうがいいだろう。
記念撮影して、しばし休息して下山開始。
「オレの後をついてきて!」と山ちゃんの後に続く。急傾斜の下りは特にルートファインディングに慎重になるのだかがスイスイと下っていく山ちゃん、さすがです!
途中バックステップの下り方を教えてもらい一ノ越へ。安堵の息がもれた。
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試練の立山•雄山 day2(PART3)
2023.12.27〜28
一ノ越の少し下まで氷化していたのそこまでアイゼン歩行してスキー板に履き替えて滑走を開始する。
パウダーって山スキーでよく聞く言葉で、
「パウダーを求めて世界中の人たちが日本の山へやってくる」
みたいなフレーズを聞く。個人的にはスキー場の新雪の時に滑る感覚なのかと思っていたのだが、これまた少し違う感覚でした。
圧雪されたスキー場とは違う感覚で、力を入れすぎるとブレーキがかかりすぐ転倒していまう。
ここでも山ちゃんにパウダーでの滑る方のレクチャを受けながら室堂へ、途中シールに履き替えて天狗平あたりまでは進んだ。
ここから先の滑走が試練の連続だった。樹林帯をぬう滑走は恐怖心からすぐに力が入ってしまい転倒していまう。転倒してしまうと、起き上がるのにも一苦労だ。スキー板を履いた状態で起き上がる位置を定めて足を動かす、ザックが重いので場合によっては外して、ストックを上手く使って起き上がり、ザックを背負って再度滑走開始。
「スキー板を脱げばいいんじゃないの?」と思うかもしれないが、圧雪されてない雪の上ではブーツでかなり沈む。転倒するのも色々なパターンがあるのだが、ともかくすごい時間がかかってしまうのだ。滑れる人が30秒で進める場所を転倒すると5分〜10分もかかってしまう。
転倒するたびに、山ちゃんは待ってくれていて、その都度アドバイスをしてもらい僕を導いてくれた。相当待たせてしまったのに、毎回温かい声をかけてくれる山ちゃん。なんともナイスガイ過ぎる。
荷物を置いていた関西学院ヒュッテで荷物を持ちさらに重量アップの中、山スキー滑走が続く。アドバイスをもらってなんとかこけないように頑張るのだが、やはりこけてしまう。
スキー場ではある程度滑れるようになったなあと内心思っていたのだが、全く歯が立たず、自分のポンコツさに悔しくもあり、歯痒さ、そして待たせてしまっていることの申し訳なさなど色々な感情がでてきた。本当すみません。
といっても滑らないと一向に下山下山できない。
アルペンルート沿いにでて弥陀ヶ原を目指す。アルペンルート沿は、比較的緩やかな傾斜で木々のないトレースを進むのでそこからはゆっくりと滑走するだけだと思っていたが、滑らない、、そしてなぜかめちゃくちゃ重たい、、、板の裏を見ると板の裏に雪がビタッとひっついている。
恐ろしや山スキー。
スキー板に簡易ワックスは事前にかけてきたので大丈夫だろうと思っていた。そのためワックスは持ってきていない。
雪が引っ付きすぎて話しにならないので、シールに履き替えて、シールで弥陀ヶ原まで進んだ。
そこから山ちゃんにワックスを塗ってもらい、そアルペンルートを滑走していく。
弘法あたりでヘッデンをつけての滑走でここらか先はアルペンルートを滑走していく。
斜度がある箇所、緩やかで歩行しないといけない箇所などあったが、アドバイスをいただきなんとか美女平までなんとかたどり着いた。
スキー板を担ぎ最後慎重に下りて立山駅へ到着した。
長かった。
計画ではお昼過ぎくらいに立山駅に到着できるかもなんて思っていたが甘過ぎた。
自分のスキースキルの無さを痛感した山スキーになった。
でも無事に下山できたのはここまで不満やイヤな顔をせず一緒に同行してくれた山ちゃんがいたおかげだ。本当にすみません。そして本当にありがとうございました。
山ちゃんも山スキーをはじめた当初は同じように転倒しまくって一緒に行った人に待っていた時があったと話してくれた。そこから、
「自分スキーのこと何も知らないな」と思いバッチを取るためにスキー場に通い練習を積み重ねていき今があるとのことだった。とても突き刺さる言葉だった。
今回の反省や課題を次に繋げていきます。
2023年の最後の山行を締めくくるのにふさわしい立山山スキーになりました。
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