奥久慈男体山 ぶなの木ルンゼの前衛峰 (筆者勝手に命名、途中撤退、バリエーションルート)
- GPS
- 07:32
- 距離
- 10.6km
- 登り
- 456m
- 下り
- 443m
コースタイム
- 山行
- 7:04
- 休憩
- 0:28
- 合計
- 7:32
天候 | 快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2024年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
(参考山行 いずれも途中撤退) 正面から https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-4980427.html 西岩壁から https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-5058097.html https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-5063716.html 東岩壁から https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-5014585.html 西岩壁をブナの木ルンゼから https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-5117950.html 登はん性の強いバリエーションルートです。 健脚コースに入ってすぐに見えるとんがり帽子のような岩塔です。実際には岩塔というよりも大型客船のへさきのような地形になっています。 「ぶなの木ルンゼ」「やせ尾根ルート」「座禅岩」は筆者が勝手にそう呼んでいるもので、一般に認知されているものではありません。 先週降った雪が林道の路肩に残ってました。場所によっては(たとえば大円地駐車場付近)融解と凍結を繰り返してアイスバーン化していることがあるので、徒歩も自動車も用心します。 同じく雪の影響でしょう、登山道に多くの竹が倒れていました。雪の重みで折れたのだと思います。 ただ林道の傍らには菜の花やオオイヌノフグリが咲き始めていて、春を予感させてくれます。 |
写真
装備
備考 | ヘルメット、ザイル30m1本、ハーネス、エイト環、安全環付きカラビナ3枚、ワイヤーゲートカラビナ4枚、スリング(120cm2本、60cm2本)、アプローチシューズ、ピッケル、ピッケルリーシュ、防寒手袋(商品名「防寒テムレス」)、ゴム引き軍手(商品名「タフレッド」。タフレッドでピッケルを握ると、低温下では凍傷の危険があるので用心します)、雨具(藪こぎ用)、ゴーグル(日曜大工用、藪こぎに使用)、スマホGPS、タオル、目だし帽、靴下ミトン(筆者の山ノート参照)、行動食、水 ところどころホールドのない土の急斜面を攀じるので、季節に関係なくピッケル必須です。行き詰ったときの懸垂下降による撤退や、自分自身や荷物の確保に必要なので登攀具も必須です。つま先の蹴りこみ、狭いホールドへの立ちこみが必要なのでつま先のそりあがって、靴底のしなりやすいハイキングシューズでは進めません。クライミングゾーン(固いつま先)のついた靴底の硬い登山用の靴を使用します。 今回はザイル30mで十分に間に合いましたが、この先支点となる潅木が少なくなるので、50mも持つべきかなと考えました。重くなるのと、さばきに時間がかかるのが欠点ではありますが。 ルートミスしない場合でも、若干薮をこぐので、目を守るゴーグルの携行が安全です。 筆者は不覚にも今回携行しませんでしたがルートが凍結している場合が懸念されるので前爪付きアイゼンもあるといいところかもしれませんが、今回は残雪は見られたものの、登山中の凍結箇所はありませんでした。 |
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感想
ブナの木ルンゼの前衛峰は昨冬何度も挑戦しては撤退し、一旦あきらめていたが、昨年夏ごろから、もしかしたできるのではないかという思いが湧きあがり、体慣らしの山行を何回かやった後に決行したのが今回の山行だった。
結果は前回とまったく同じ場所で撤退した。
撤退はしたけれども、いくばくかの進歩も感じられた。前回は空身でやっとたどり着いた場所に、今回はザックを背負って到達することができた。まだなんとなく通過できるような気がするので、また来よう。
ーーー以下、自分のためのメモーーー
下山は前回のようにブナの木ルンゼに「エスケープ」せずに、登山口までクライムダウンしてみることにした。危険箇所も豊富だが、支点さえ取れれば懸垂下降で降りられる。そもそもブナの木ルンゼは、それ自身がバリエーションルートだ。何をすればいいかわかっているからまだましとはいえ、かなり危険な箇所を3箇所ほど通るし、時間もかかる。通貨後に登山口まで下山しなければならないという点も案外きつい。
やってみた感触は「かなり厳しい」だった。第1のチョックストーンの通過が難しい。ここは懸垂下降しようにも支点が取りづらい。ザイル無しで登攀ルートの反対側の凹角を降りてみて、結果的には成功したが、たとえば怪我している状態で同じ降り方を実行するのは無理だろう。どこかにきっちりと安全な支点を取って懸垂下降しなければ、撤退の意味を成さない。確実に、安全に、少ない労力で登山口に戻ることが撤退なのだから。
今日は元気一杯での撤退だったから、冷や汗をかきつつも杉林に入ってしまえば登山は事実上の終了などと甘く見ていた。特に今回は今までに比べて杉林の登高で苦戦しなかったこともあって、早めの下山、帰宅などと考えていた。
ところが、最後に倒木だらけの沢を下るところを、往路と同じ薮をくくろうとして入り口を間違え、壮絶な藪こぎをすることになってしまった。それでハッピーエンドならまだしも、結局まるきりあさっての方向に進んでいることに、散々ほふく前進したあとに気づかされ、来た道(道ではないか)を再びほふく前進して戻ることになったのだった。
下高塚山の前衛峰をやったときの薮も薄暗くなるほどの厚い薮で、もはや歩くことができず、四つんばいを強いられて難儀したが、今回の分厚さはそれを上回るものだった。四つんばいを許すほどの空間も開いておらず、40cmほどの空間を這って進むことになった。ザックの生でそれもできないときには体を横にして進まなければならない有様だった。それでも狭いトンネルの向こうに明るい光が見えると、突破すればいいという浅はかな考えが浮かんでしまう。その先が茶畑だと信じて方角ミスでさえあったことに気が付かなかったことも、いや最後は健脚コースのスタート地点に合流できるだろうと楽観視していたことがまずかった。
確かに健脚コースの方角に進んでいることを中途で確かめたが、合流するには今よりさらに分厚そうな薮を進んでいかなければならないことがわかり、時間ばかりかけてくたびれるくらいならば、来た道を戻って沢を下って薮の薄いところを探して抜け出すという、以前取っていたルートのほうが確実だろう。実は沢は杉の倒木が多数あって通過は結構面倒なのだが、通過できることはわかっている。
往路と同じ苦労を再度強いられたが、今度はどれだけ進めば薮を抜けられるか完全にわかった上でのほふく前進だったから、気分的にはいくらか前向きになれた。何とか薮の突入口に到着し、杉の倒木がふさいでいる沢を下りながら、薮の切れる箇所を探した。倒木を乗り越えるのは面倒なのだが、今回通過した薮に比べればはるかに快適であった。
結果的にその薮の切れた箇所が往路の取り付きで最終的にはイバラの薮を若干しいられた。この程度の倒木の通過は最初から覚悟しなければならないということだったか。今までの経験では薮の通過がほとんどゼロに等しい取り付きもあるはずだが、それはさらに下流で今しばらく倒木またぎ(くぐり)を我慢することになるのだ。
無事登山道に合流し、奥久慈の山の神様に感謝して登山を終了した。
帰宅してお風呂に入ったら、両足には青あざ、左ひじははれててうごかすとずきずきいたむ。謎の右わき腹のずきずき。ひじとわき腹は寝返り打て無くて難儀した(3月13日追記、ようやくこのごろ痛みを気にせず安眠できるようになった。代わって花粉症が出始めた)。
翌朝はいつものように4時の目覚ましで目を覚ましたが、精神的にめげてしまって仏か続けてのチャレンジは見送ってしまった。もう今日は体を休めるために休養。道具のメンテもしないといけないだろう。泥だらけのザックの洗濯とか。要するに寒くて布団から起きられなかったってことだ。いや、布団から出られなかったわけではない。4時におきて道具の準備までしたが、出発の直前に眠くなってきてあっさりと布団に戻ったのだった。昨冬は入道岩を登はんした翌日に県北ロングトレイルとかやっているし。基礎体力と基本的な身体の頑丈さという点で衰えてる。
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