茶壷山〜半屏山〜燐光寮山☆海を眺めながら九份市街へ
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- GPS
- 04:39
- 距離
- 9.8km
- 登り
- 648m
- 下り
- 621m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
下山は九份へ |
コース状況/ 危険箇所等 |
良好に整備されたハイキング・コース |
写真
感想
台北の東、海岸沿いの九份の街は台湾で最も人気の高い観光スポットと知られる。この九份は隣接する金爪石の街と共に、日本の統治時代に金の採掘で非常に栄えたところである。九份と共に金爪石にある茶壺山を訪れることにする。
金爪石も九份も瑞芳の街からバスに乗って向かうことになる。台北から瑞芳までは台湾鉄道でおよそ50分ほどの距離だ。バス停は雑然として駅前ではなく、駅から通りを300mほど歩いたところにある。すぐにバスが来るが、乗客の多くは九份の街で下車する。
この茶壷山に登るには金爪石の市街の中心部と黄金博物館の裏手と二つの登山口があるが、バスが最初に黄金博物館に到着したこともあり、まずこの周辺を散策することにする。博物館の前を道なりに進むと明らかに日本風の古い木造建築が立ち並んでおり、タイムスリップした感覚を味わう。
周囲の稜線を見上げると確かに茶壺のように見える特異な形状の岩を戴く山が否応なく目に入る。かつての金鉱石の運搬に使われた軽便鉄道の軌道も残っており、その軌道の終点の先から茶壷山に向かう登山道に入る。
登山道の石段の周囲には桜の樹が多く植えられ、花盛りであった。淡紅色ではあるが日本のものよりかなり色が濃いように思われる。金爪石の市街からの登山道と合流すると、途端に多くのハイカー達とすれ違うことになる。
まだ標高は450mほどであるが、周囲の山肌には樹木は見当たらない。火山性の土壌に加えて、太平洋から吹き付ける強風のせいで樹木が育たないのであろう。強い日差しを浴びながら茶壷山の山頂を目指す。
山から見下ろす海岸では川から海に注ぎ込む混濁した水が蒼い海の水と混ざりあり、海岸付近の海に独特の明暗模様を描いている。陰陽海と呼ばれるらしい。
標高599mの茶壺山にも三角点の柱石がある。山頂の大きな岩には多くの人が登っており、大渋滞している。聞こえてくる言葉からしても外国人が多いようだ。毎度のことながら、こういった観光地の近くの山に登ると山を訪れる欧米系の観光客の多いことに驚ろかされる。広島の宮島においても、ここを訪れる外国人の観光客の多くは厳島神社の背後に聳える弥山を登るが、日本人は弥山を登る人は滅多にいないだろう。外国人の多くはこうしたハイキングやトレッキングの機会を探すことに余念がないように思われる。
据え付けられたロープを頼りに岩に登ると山頂から南側の景色が飛び込んでくる。山頂から南側に続く尾根には一筋の登山道が続いており、その先にはやはり樹木のない稜線が広がっており、稜線上を歩いている登山者が目に入る。半屏山だ。見上げるとかなり標高が高く見えるが、この茶壺山からわずかに100mほど高いだけである。
茶壺山を後に尾根を南に進むと時折、ハイカーにすれ違うものの急に人の数は少なくなる。稜線の手前では急峻な崖となっているが、ロープのおかげで難なく攀じ登ることが出来る。稜線上には岩場が続くがそれほど難度の高いものではない。稜線では真紅のヤマツツジや白い石楠花の花が数多く咲いている。まもなく半屏山の山頂にたどり着く。
山頂から先に進むと背丈の高い笹原の稜線となる。次の燐光寮山との間には舗装路と交差するが、ここまで車で来て半屏山を登っている人もおられるようだ。笹原の草原の中を歩いて燐光寮山の山頂に向かう。
燐光寮山からは尾根は西向きに方向を変える。再び先ほどの舗装路と合流すると小さな公園があり、ここまで車やバイクで来ている人も多いようだ。展望が良い上に海からの風が心地よいので、人気のスポットなのだろう。しばらく舗装路を進む。道路は送電線鉄塔が立ち並ぶ草原のピークをトラバースしながら北に進む。このピークは樹梅坪と呼ばれるところらしい。瑞雙公路とという瑞芳と雙渓を結ぶ国道と交差すると、樹梅坪古道と呼ばれる小径を降って九份に向かう。
九份の市街は斜面にへばりつくように家々が立ち並び、その間をくねくねと迷路のような狭い階段で降ってゆくことになる。狭い路地の先から喧騒が聞こえてきたかと思うと基山街と呼ばれる九份の中心街に飛び出す。狭く薄暗い路地の両側には所狭しと店が立ち並び、その間を大勢の観光客が渋滞しながら往復している。どこかこれだけの人が湧いたのだろうと不思議に思えるほどであり、まるで千と千尋の神隠しの前半に出てくる繁華街の雰囲気だ。
まずビールと小籠包にありつける店を見つけるとまずは小休憩する。日本からの観光客も多いのだろう、随所から日本語が聞こえてくる。先ほどのバスでは全く日本人は見かけなかったが、どうやらツアーで訪れている日本人も多いようだ。
ひとしきり街を練り歩くいた後で、基山街の入口近くでタロイモの上にかき氷を懸けた冷菓を食べ、九份の街を後にする。
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