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記録ID: 6657001
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山滑走
白山

【白山】カブト谷も谷割れで撤退 → 屏風平(仮称)と鳴谷山でまったり

2024年04月13日(土) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
20.8km
登り
1,300m
下り
1,295m

コースタイム

日帰り
山行
12:00
休憩
0:30
合計
12:30
6:00
170
駐車地
8:50
80
林道を離れて鳴谷峠へ
10:10
50
鳴谷峠付近の稜線
11:00
30
屏風平(仮称。屏風山P1712mの北面の平)
11:30
90
目附谷への滑降を中止,撤退決定
13:00
13:30
150
16:00
150
林道に着地
18:30
駐車地
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2024年04月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
大杉谷林道の下杉谷付近の路肩に駐車。スペースは1,2台がやっと。
コース状況/
危険箇所等
・ 大杉谷林道は,下杉谷付近に落石及び残雪があり,自分の車ではそれ以上の進入が難しかった。車体の小さな軽トラやジムニーはもう少し先の北俣谷付近まで入っている様子。北俣谷以降は断続的に残雪や倒木があり,それらの車でもまだ進入困難。重機が入ってきていたので,これから順次整備されると思う。
・ 大杉谷林道〜鳴谷山までの斜面は,一部の尾根にかろうじて残雪がつながっている状態。おそらく来週には残雪が切れると思う。
・ 稜線上は,例年よりは少ないものの,まだ十分雪がつながっている。

※ 鳴谷峠は,鳴谷山と屏風山(P1712)の間にある,鳴谷の源頭に当たる鞍部。その昔は白峰側の大杉谷川沿いの出作り集落(苛原など)と目附谷流域の出作りをつなぐ峠として機能していた。苛原峠とも呼ばれる。
今年は雪が少ないので,大杉谷林道もかなり奥まで車で入れるのでは,という目論見で来たが,なんと早くも下杉谷で残雪ストップ。いつも北俣谷くらいまでは入れるんだけどなぁ
今年は雪が少ないので,大杉谷林道もかなり奥まで車で入れるのでは,という目論見で来たが,なんと早くも下杉谷で残雪ストップ。いつも北俣谷くらいまでは入れるんだけどなぁ
でも歩いたおかげで,こんな出会いもあった。草をたくさん食べて,元気つけろよ〜
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でも歩いたおかげで,こんな出会いもあった。草をたくさん食べて,元気つけろよ〜
林道から見えるシゲジ直下の大杉谷川の様子。かなり高いところで谷が割れているのが見える。大杉谷(過去に滑降経験あり)も代替ルートして考えていたけど,今年は無理だな…
林道から見えるシゲジ直下の大杉谷川の様子。かなり高いところで谷が割れているのが見える。大杉谷(過去に滑降経験あり)も代替ルートして考えていたけど,今年は無理だな…
林道を離れて鳴谷峠へ直登。奇跡的に一筋の残雪がつながっていた。来週には完全に雪が切れるだろう。
林道を離れて鳴谷峠へ直登。奇跡的に一筋の残雪がつながっていた。来週には完全に雪が切れるだろう。
残雪を追って小尾根に上がると,意外にまだ雪がある。中央奥のくぼんだところが鳴谷峠。ここでやっとスキーが履けた。
残雪を追って小尾根に上がると,意外にまだ雪がある。中央奥のくぼんだところが鳴谷峠。ここでやっとスキーが履けた。
鳴谷峠の付近はブナが美しい
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鳴谷峠の付近はブナが美しい
至る所でマルバマンサクの黄色い花が見られた。まだ幹が雪に埋もれて半分倒れた状態でも,この木は健気に花を咲かせる。
至る所でマルバマンサクの黄色い花が見られた。まだ幹が雪に埋もれて半分倒れた状態でも,この木は健気に花を咲かせる。
鳴谷峠付近の稜線に上がった。気持ちいいくらいの快晴。これから向かう屏風山(P1712)方面の眺め。
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鳴谷峠付近の稜線に上がった。気持ちいいくらいの快晴。これから向かう屏風山(P1712)方面の眺め。
御前峰と大汝峰も良く見える。
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御前峰と大汝峰も良く見える。
シゲジ。直下の大杉谷は,上部はしっかり雪がつながっており,山頂からも悠々エントリーできそうなんだけど…。今年は谷の下部で雪切れが深刻なようだ。
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シゲジ。直下の大杉谷は,上部はしっかり雪がつながっており,山頂からも悠々エントリーできそうなんだけど…。今年は谷の下部で雪切れが深刻なようだ。
目附谷の源頭である四塚山。右手の目附谷本流右俣と,左手の小又は既に滑ったことがあり,今年もきれいに雪がつながっているようだ。中央の目附谷本流左俣はまだ滑ったことがないが,ハイマツ漕ぎが大変そうなうえ,既に岩壁が露出し始めておりリスクが高そう。
目附谷の源頭である四塚山。右手の目附谷本流右俣と,左手の小又は既に滑ったことがあり,今年もきれいに雪がつながっているようだ。中央の目附谷本流左俣はまだ滑ったことがないが,ハイマツ漕ぎが大変そうなうえ,既に岩壁が露出し始めておりリスクが高そう。
屏風山(P1712)の山腹を迂回して北側に回り込む。
屏風山(P1712)の山腹を迂回して北側に回り込む。
屏風山(P1712)の北面の屏風平(仮称)に到着。ここはやっぱりいいところ! ひそかなお気に入りスポット。
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屏風山(P1712)の北面の屏風平(仮称)に到着。ここはやっぱりいいところ! ひそかなお気に入りスポット。
平の南側には,残雪に飾られた屏風山の岩壁がそびえる
平の南側には,残雪に飾られた屏風山の岩壁がそびえる
目指すカブト谷の上部もよく見える。デブリもない魅力的な斜面で,加賀禅定道まで概ね雪もつながっており,問題なく登れそうだ(と,この時は思ってました)
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目指すカブト谷の上部もよく見える。デブリもない魅力的な斜面で,加賀禅定道まで概ね雪もつながっており,問題なく登れそうだ(と,この時は思ってました)
屏風平(仮称)の立派なブナたち
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屏風平(仮称)の立派なブナたち
さあ,ここからカブト谷出合を目指して,目附谷の谷底へ滑降開始。
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さあ,ここからカブト谷出合を目指して,目附谷の谷底へ滑降開始。
果たしてカブト谷出合の滝は雪に埋まっているのか? ドキドキしながら滑っていく。
果たしてカブト谷出合の滝は雪に埋まっているのか? ドキドキしながら滑っていく。
実に気持ちのいい斜面ですが…
実に気持ちのいい斜面ですが…
ついに眼下にカブト谷が見えてきた…が,あかん,完全に割れとるー!
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ついに眼下にカブト谷が見えてきた…が,あかん,完全に割れとるー!
最も致命的なのはこれ。目附谷本流との出合に掛かる斜滝が完全に露出してしまっている。2年前の4月中旬に紅滝・二重滝を見に訪れた際は,滝の大半が分厚い雪渓に埋もれていたというのに…あまりの風景の違いに愕然。
最も致命的なのはこれ。目附谷本流との出合に掛かる斜滝が完全に露出してしまっている。2年前の4月中旬に紅滝・二重滝を見に訪れた際は,滝の大半が分厚い雪渓に埋もれていたというのに…あまりの風景の違いに愕然。
それと,もう一つ驚いたことが。標高1500m付近にも,もう一つ大きな滝が見える。地形図の感じからして,出合の滝さえ越えれば穏やかな谷だとばかり思っていたのだが。この滝は右岸から残雪を辿って何とか巻けそうだが,注意が必要だろう。
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それと,もう一つ驚いたことが。標高1500m付近にも,もう一つ大きな滝が見える。地形図の感じからして,出合の滝さえ越えれば穏やかな谷だとばかり思っていたのだが。この滝は右岸から残雪を辿って何とか巻けそうだが,注意が必要だろう。
カブト谷の下部がここまで谷割れしてしまっているとなると,そもそも目附谷自体も雪渓が切れている危険性がある。やむなく滑降中止し,登り返す。先週の観察からこの谷の標高なら大丈夫と思っていたが,まさかの2週連続谷割れ撤退とは…
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カブト谷の下部がここまで谷割れしてしまっているとなると,そもそも目附谷自体も雪渓が切れている危険性がある。やむなく滑降中止し,登り返す。先週の観察からこの谷の標高なら大丈夫と思っていたが,まさかの2週連続谷割れ撤退とは…
この時間・この場所からだと,転戦しようにも良い転進先がない。仕方なく,手近な鳴谷山でゆっくりすることにした。写真はたおやかな鳴谷山。
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この時間・この場所からだと,転戦しようにも良い転進先がない。仕方なく,手近な鳴谷山でゆっくりすることにした。写真はたおやかな鳴谷山。
鳴谷山へ
まさかの2週連続撤退で沈んだ心も,穏やかな稜線風景の中を歩くうちに次第に和んできた。
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まさかの2週連続撤退で沈んだ心も,穏やかな稜線風景の中を歩くうちに次第に和んできた。
鳴谷山に到着。相変わらず眺望絶佳。天気がいいので誰かいそうだなと思っていたが,トレースすらなく,静かな山頂だった。
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鳴谷山に到着。相変わらず眺望絶佳。天気がいいので誰かいそうだなと思っていたが,トレースすらなく,静かな山頂だった。
目の前の白山を眺めながら,しばらくゆっくり。
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目の前の白山を眺めながら,しばらくゆっくり。
カブト谷から加賀禅定道に上がれた暁には,帰りの候補の一つにしていたコエ谷(一度,登路として使ったことがある)。上部は概ね雪がつながっているようだ。標高1300mの滝場は絶対露出しているだろうけど,あそこは何とでもなる。
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カブト谷から加賀禅定道に上がれた暁には,帰りの候補の一つにしていたコエ谷(一度,登路として使ったことがある)。上部は概ね雪がつながっているようだ。標高1300mの滝場は絶対露出しているだろうけど,あそこは何とでもなる。
帰りは,鳴谷峠まで戻るのが何となく面倒くさくなり,鳴谷山の南側のピークから直接林道を目指して滑降。
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帰りは,鳴谷峠まで戻るのが何となく面倒くさくなり,鳴谷山の南側のピークから直接林道を目指して滑降。
しかし,これが大きな間違いだった。登りで使った鳴谷峠の残雪ラインを忠実に戻るべきだったのだ。しばらくスキーで下ると雪が切れてしまい,スキーを担いだ状態での地獄のヤブ漕ぎに突入。
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しかし,これが大きな間違いだった。登りで使った鳴谷峠の残雪ラインを忠実に戻るべきだったのだ。しばらくスキーで下ると雪が切れてしまい,スキーを担いだ状態での地獄のヤブ漕ぎに突入。
途中で池を発見
急なヤブ斜面をずり落ちるように林道に降りたころには,ふらふらになっていた。散々な一日だったはずなのに,終わってしまえばそれなりに楽しかったと思えてくるのが,山の不思議なところ。
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急なヤブ斜面をずり落ちるように林道に降りたころには,ふらふらになっていた。散々な一日だったはずなのに,終わってしまえばそれなりに楽しかったと思えてくるのが,山の不思議なところ。

装備

備考 スキー使用

感想

 目附(めっこ)谷は,険しい地形に取り囲まれた谷ながら,降雪量が平年以上の年であれば,残雪期には豊富な雪に埋もれて白山西面の貴重なルートを提供してくれる。これまで4月〜5月のこの谷には何度か訪れているが,その度に裏切られることはなかった。
 そんな目附谷の一支流であるカブト谷も,2年前の4月中旬に残雪の紅滝と二重滝を見に訪れた際,ほぼ完全に雪渓の下になっているのを確認していた。本流との出合に掛かる15mほどの斜滝が一部露出していたが,側面の雪を巻くように登れば問題なく通過できそうに見えた。白峰の大杉谷林道からアプローチすればほぼ加賀禅定道までの直線ルートに当たるうえ,特に上部は適度な傾斜の快適そうな大斜面になっているので,スキーで上り下りしたら便利だし面白そうだと考えていた。
 先週は同じく目附谷の別の一支流を滑ろうとして谷割れで撤退していたが,その時の観察では,標高1400m以上であれば谷間の雪がつながっているように見えたので,カブト谷なら大丈夫だろうと思ったのだが…。
 しかし,今年の少雪と雪解けの速さは甘くなかった。期待を裏切って,カブト谷の下部はほとんど谷割れしてしまっており,出合の滝は完全に露出していてスキー装備では到底登攀不能。2年前と同じ場所とは思えないほどの風景の違いに愕然とするばかり。痛恨の2週連続撤退となった。上部はデブリもなくきれいな斜面だったこともあり,残念。この谷もまた来年以降に持ち越しとなった。
 今年は全体的に雪が少ないけれど,特に尾根よりも谷で雪不足が深刻な気がする。おそらく,降雪の少なさゆえに厳冬期にあまり雪崩が起こらず,谷に雪が供給されなかったためではないだろうか。
 とまあ,先週に引き続き残念な一日になったが,目附谷左岸稜線の屏風山(P1712m)の北側に広がる屏風平(勝手に命名してるだけですが)はやっぱりよいところでした。お近くにお越しの際は是非お立ち寄りを。

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