ABCs of the ABC (ヒマラヤ山脈/アンナプルナ・ベースキャンプ)
- GPS
- 30:49
- 距離
- 45.9km
- 登り
- 3,927m
- 下り
- 4,048m
コースタイム
- 山行
- 3:16
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 3:16
- 山行
- 7:29
- 休憩
- 0:13
- 合計
- 7:42
- 山行
- 9:01
- 休憩
- 0:58
- 合計
- 9:59
天候 | 深夜~午前中は晴れ。景色も良い。午後に入ると徐々に大気汚染で(?)視界不良に。夕方~夜は、雨/雪の可能性あり。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
タクシー
飛行機
|
コース状況/ 危険箇所等 |
危険地点は特になし。ただし高山病に要注意。登山道は、よく整備されているが、強いて危険箇所を言えば、やや不安定な橋を渡る箇所、小川の上の石を移動するところがある。 |
その他周辺情報 | 道中、約2時間移動するごとに食堂兼宿が数件ある箇所がある。そこで食事、水(ペットボトルではなく詰めてくれる方式)、宿が手に入る。登山道近くに温泉もある(訪問せず) |
写真
感想
ゴールデンウィークを利用して、ネパールに一人旅をした。
ネパール自体には前々から興味があったが、ちょうどここ半年くらいで本格的に登山を始めたことや、Netflixでネパール人登山家のNims氏のドキュメンタリーを観たことが影響して「せっかくネパールに行くのならヒマラヤをこの目で見てやろう!」と思い立ち、ルートや服装、装備の調査を始めた。
しかし、
・日本語の情報が少ない
・情報が古い
・ゴールデンウィーク付近の情報が少ない
という問題に直面した。
自分の登山経験があまりないこともあり「山の下の方は暑く、上の方は寒い」という当たり前のことしかわからないまま、必要そうなものを買い揃えて、あとは「ままよ」の精神で出発した。
ーーー
ということで、ゴールデンウィーク付近でアンナプルナ・ベースキャンプ(通称ABC)を目指す人向けに、基本的な情報(ABCs)をまとめたのが、この投稿(ABCs of the ABC)である。
タイトルから思い浮かんだ投稿であることは否定しないが「ヒマラヤを見たい!」という方々の背中を押したいと思う。
◆全体を通しての感想
まず何より目的地であるABCからの眺めは筆舌に尽くしがたい。標高4,100mから見るヒマラヤ山脈。特に朝日に照らされた山々の壮大さ、美しさは、素晴らしかった。間違いなく、行ってよかった。
◆カトマンズからのアクセス
「カトマンズ→ポカラ(レイクサイド)→登山口」というのが全体像である。
ポカラまでは登山口までは車での移動となり、ガイドを雇っていればホテルまでピックアップしにきてくれる。3時間くらいかかるが、なかなかの悪路なので、車酔いしやすい人は要注意である。
問題はカトマンズからポカラまでの移動である。大きく飛行機か車かの2択だが、飛行機は欠航が多い(飛べばラッキーという感じ)ため、要注意である。ポカラ全体として大気汚染/スモッグが問題となっており、特に午後~夜は欠航が多いらしい。一方、車は8時間以上かかる上に、こちらも悪路でやたらと揺れる。バス内の人が全員浮いた無重力の瞬間が2、3回あった気がする。横のネパール人の兄ちゃんが「NASA」と書かれたTシャツを着ていて妙に納得した。
◆登山ルート
今回は、Hidden View Lodge and Restaurantという場所からスタートした。この投稿では、便宜上、ここを「登山口」と読んでいる。
※スタートする時に山レコを起動するのが遅く、スタート地点は正確ではない。ゴール地点は大凡正確で、実際にはゴール地点から出発している。
登山口の近くに駐車場(というか車が多く停車していてカオスになっている場所)があり、多くの観光客の発着地点になっている様子である。スタートしてすぐ、Jhinu Danda suspension bridgeという吊り橋がある。
そこから3日かけてABCを目指した。登山道は基本的によく整備されている。途中、不安定な橋を渡ったり、小川の上にある石を歩いたり、ぬかるみを歩いたりするような場面もあったが、気にするほどではなかった。
帰りは2日かけて下山したが、正直、1日でも降りられないことはない。帰りは下りがメインであることはもちろん、高山病の心配をしないでよいからである。下りには、SinwaからChomrongまでにやたらと長い上りがある。「下りの上りが一番辛い」という例に漏れず、ここが肉体的には一番きつかった。
なお、スタート地点は、上記よりも手前に設定することも可能なようだが、Jhinuからでも8,000m級の山は見えるか微妙なところなので、手前からスタートする場合の面白さには疑問符がつくと個人的には思う。自分は今回のルートで十分満足だった。
◆気温
出発地点~Deuraliまでは、行動中は半袖半ズボンで問題ない。止まったり寝たりするときは、それだとやや寒いので、フリース等があるとよい。
Deurali~ABCは、長袖長ズボンが基本である。雪がちらつく場面もあったが、行動中(特に日向)は割と暖かかった。ただ夜はダウンジャケットやレインウェアを重ね着して寝るほど気温が落ちる。またABCから朝日に照らされた山々を見るのがこのルートのハイライトだが、それもかなり寒い。
◆天候
この時期は基本的に午前中は晴れ、午後はスモッグ/雨/雪になるというのが基本ならしい。私は幸い雨の中を歩きはしなかったが、雨対策はしておいた方がよい。
また午前中、特に早朝に、景色が良い場所にいられるよう、行程を考えた方が吉である。その意味で、ABCに宿泊すると、ABCからの朝日を見やすいため、おすすめである。
◆服装/装備
以上を総合すると、服装/装備のパターンとしては、
①Deuraliまでの半袖/半ズボン
②DeuraliからABCまでの長袖/長ズボン
③雨対策
④ABCの夜対策(寝袋を持っている人もいた)
の4つが基本と思われる。
雪対策(チェーンスパイク等)は、あるに越したことはないだろうが、履いている人はほとんど見なかった。
ちなみに現地の人たちは、Deuraliまではクロックスやビーサンで登り、それより上でもスニーカーで登っている人も割といた。もちろん登山靴の現地の人もいる。
◆ガイド/ポーター
海外旅行経験と登山経験が共に十分あれば、ガイド/ポーターなしでも問題ないように感じた。登山客は多く、登山道もはっきりしている。
ただ、不安があれば頼んでおいた方がよい。
自分の場合はGetYourGuideというサイトから予約し、ポカラのホテルまでの送迎、ガイド/ポーター、宿泊、食事、各種許可証等、全て込みで7万円くらいだった。日本語を話せるガイドを選ぶともう少し高いかもしれない。
ガイドとポーターを兼任しているような人も見かけたので、その選択肢があるならそっちにすればよかったと少し後悔した。
◆健康管理
まず、高山病については、一般的な対策をした方がいい。ダイアモックスはポカラ市内で数百円で手に入る。バファリン等も念の為あったほうがよい。
水や食事に不安がある場合は、新ビオフェルミンSがおすすめだ。私は、念の為、毎食後に飲んでいた。特に水が心配であれば、ポーターにペットボトル水を運んでもらうことも可能。なお、水自体は、宿兼食堂でPurified Water(浄化した飲み水)が手に入る。
◆食事/水/行動食
食事は道中にある食堂兼宿で手に入る。ただメニューは限定的(現地料理のダルバート、ピザ等)であり、かつ、途中からはsanctuary(聖域)ということになっているので、肉は手に入らなくなる。
前述の通り、水も食事兼宿で手に入る。ただ、ペットボトルは道中にはないので、ポカラやJhinu Danda suspension bridgeで購入しておいた方がいい。自分の持っているボトルに、飲み水を入れてくれる仕組みだ。ガイド/ポーターは、湧水(?)も飲んでいたが、自分は遠慮した。
行動食は基本的に道中で手に入らないので、ポカラで買うか、日本から持っていくのがよい。自分はカロリーメイト、ポカリスエット(粉末)、キャラメル、アミノバイタルを持参した。
◆宿
2時間おきくらいにあるので心配はいらない。事前予約はできないようで、早めの到着が望ましい。部屋がなくてもガイド/ポーターと一緒に食堂で泊まることが可能な模様。
シャワーはあったりなかったり。標高が上がるほど、ない可能性が高い。暖かい水が出るシャワーは尚更ない。
◆ビザ/許可証等
詳細は各自でご確認いただきたいが、ネパールへの入国にはビザがいるし、ABCへのトレッキングには許可証がいる。
後者はガイド/ポーターを依頼する場合、併せて登録してくれることが多い。
ーーー
以上がABCs of the ABCである。世界の広さを感じたトレッキングであった。
※ネパールではトレッキングと登山(climbing)を厳密に区別しているらしく、6,000mを超えない場合はトレッキングと呼ぶらしい。
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