大山⭐︎夕陽と星空を眺めに
- GPS
- 03:05
- 距離
- 7.8km
- 登り
- 969m
- 下り
- 997m
コースタイム
- 山行
- 1:35
- 休憩
- 0:16
- 合計
- 1:51
過去天気図(気象庁) | 2024年05月の天気図 |
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アクセス |
写真
感想
この週は米子への出張の仕事があるが、前日の木曜日から金曜日にかけて絶好の快晴が期待できそうだ。木曜日の午後に休みをとって大山に登ることにする。前回、この大山の夏山登山道を訪れた時はガスで展望が全くなかったので、今回はパノラマを期待したところだ。
米子駅から大山に向かうバスが都合の良い時間にないので、駅前でレンタカーを借りて登山口に向かう。大山の登山口となる大山寺はすでに標高は800mあるが、この日は気温が上がらず、登山口で既に肌寒く感じられる。大山の山頂ではかなり寒いことが予想される。この大山寺では大きなモンベル・ショップがあるのが有難い。急遽、フリースの手袋、タイツとロング・スリーブのインナーを買い込み、いざ出発である。
登山口には10台ほど車が停められており、数組の登山者達が下山して来られる。下山の時間としてはかなり遅い方なのだろう。登山道に入ると降りてくる登山者の気配は感じられない。登山道の周囲では早速にも樹林の中にはブナの大樹が目立つ。
山頂までは約2.6kmだが900mほどを登ることになるので、かなりの急登が続くことになる。一合目から木製階段が延々と続く。この木製階段のおかげで短距離のうちに高度を稼ぐことが出来ると言えよう。
五合目を過ぎると急にブナの樹々は疎になり、周囲は低木が目立つようになる。西の方角には米子市街の彼方の中の海に傾いてゆく夕陽が黄金色の反射を落としている。六合目の避難小屋を過ぎると森林限界を越えることになる。標高は1400mもないところで森林限界を超えるというのは冬の強風のせいだろうか。そういえば伊吹山もほぼ同様の標高で森林限界を超えることに思い至る。
左手には夕陽を浴びて輝く大山の北壁が目に入る。稜線の直下には白いものが目に入る。どうやら雪のようだ。冬の季節のものがここだけ残っているということは考え難いから、気温が下がったこの数日のうちに着雪したのだろう。
八合目を過ぎるとようやく斜度も緩くなり、視界を遮るものはなく、中国地方の山々のパノラマを眺めながら緩やかに高度を上げてゆく。西の方角に一際目立つ独立峰が見えている。三瓶山だ。その左手のなだらかな台形状の大きな山は大万木山だろう。もう下山の登山者とすれ違うことはないと思っていたが、一人の若者とすれ違う。
九合目からは木道を歩いて山頂避難小屋に至る。避難小屋の前では一人の男性が缶ビールを呑んでおられる。中には二人お仲間がおられるそうだ。男性によると今朝はこの山頂一帯は薄雪が積もっていたらしい。
山頂を訪れるともう一人、単独行の男性が座って景色を眺めておられた。男性が隠岐諸島がよく見えていることを教えてくださる。確かに沖合の彼方に大きな島影が海に浮かんでいるように見える。しかし、夕方になり急速に温度が低下してゆくのが感じられる。まずは小屋に入り登山口のモンベル・ショップで購入してきたインナーを中に着て、手袋を嵌める。それでも手の悴みがなかなか回復しない。
避難小屋の一階には時計にデジタル温度計がついており、4.6℃を表示している。米子で保冷袋に凍った麦茶とビールを二缶入れてきたのだが、保冷袋の必要は全く必要がなかった。そもそもこの寒さの中ではビールに対する渇望もそれほど高くはない。
ビールをひと缶開けたところで、小屋の外を見ると夕陽が沈んでいくところだった。この日は鳥取で水揚げされたイサキの刺身を肴に鳥取の名酒「鷹勇」の特別純米酒を味わう。やがて日が沈むと残照を背景に米子市街の夜景が灯る。沖合にはいくつものイカ釣り漁船が星のような光を放っていた。
陽が暮れると小屋の中は蛍光灯の明かりがつく。この灯りは8時を過ぎると消えるということを三人組の一人が教えて下さる。そのことを知らずにヘッデンを手元に用意しておかないと困ったことになるだろう。確かに8時を過ぎたところで唐突に明かりが消える。もうひと缶の倉吉ビールを開けると早々に眠りにつく。
ふと夜中に目が醒め、小屋の外に出てみると南の空には天の川が綺麗に見える。体が寒さに慣れたのか、寒さもそれほど気にならない。天の川にカメラを向けて、シャッターを切る。再びシュラフに潜り込み、明け方までの浅い眠りにつく。
早朝に他の方々の目覚ましで目を覚ますことになる。日の出の前に山頂に向かうが、早くも下から登って来られる登山者がいる。山頂からはすぐその先にあるピークと日の出の方向が重なっているようで、なかなかご来光を拝むことが出来ない。その後も山頂には次々と登山者が到着する。
山頂から避難小屋の北側にかかて新たな木道が建設中であり、木道にはロープが張られていたが、その木道を少し進むと海の上に昇る朝陽が見えることに三人組のパーティーのお一人が気がつかれる。「もう朝日が昇っていたわ」と仰る。単独行の男性も「朝日が海の上から出るところが見れなかった」と残念がる。
しばらく待ち、手前のピークの上から朝日が顔を出したところで下山の途につく。続々と登ってくる登山者達とすれ違う。下りは行者谷のルートを降りる。ブナの樹林帯に入ると朝陽がブナの新緑に透過光を散らせる。
大山寺を経て駐車場に戻ると駐車場は早くもその半分ほどが埋まっていた。京都や高知などの県外からの車もある。さすがに人気の百名山だ。米子に向かって道路を下ると、すれ違う車はおそらくは大山の登山者なのだろう。
下山後は皆生温泉の汐の湯に向かう。瀟洒なホテルに併設された露天風呂を備える温泉は朝6時から日帰り入浴が可能であり、なんと10時までは\400である。平日にもかかわらず温泉にはそれなりに人が訪れていた。
入浴後は仕事用のスラックスと紺ブレを着込み、米子駅に戻りレンタカーを返すとリュックをホテルに預ける。これで準備完了である。つまり、出張先ではまさか私が大山で一夜を過ごして来たとは誰も思わないだろう。
大山避難小屋泊はわたしも憧れです。前回の大山山行では駐車場で車中泊しつつ、本当は避難小屋に泊まりたい!と。
そして、山猫さまの山泊はハードそうなのに美味しそうで😋
特別純米と刺身なんて、ステキ過ぎ、と変なところで涎をたらしているオヤジのようなおばさんなのでした💦
大山は中国地方の最高峰であるにも関わらず、米子からは登山口まで30分、山頂までも近いということもあって、思わず今回はイサキの刺身を持っていくことにしました。
スーパーには鳥取産の海産物がいろいろあって、居酒屋よりもいいかもしれません。もっと持っていけば良かったと思いました、
なおさんはお二人でいろいろと楽しめるのではないでしょうか。
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