一ノ倉沢烏帽子沢奥壁南稜~国境稜線
- GPS
- 11:30
- 距離
- 9.5km
- 登り
- 2,036m
- 下り
- 2,129m
コースタイム
- 山行
- 6:29
- 休憩
- 4:55
- 合計
- 11:24
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年05月の天気図 |
アクセス |
写真
感想
去年は悪天候で撤退したルート。今回は大快晴の中、無事に国境稜線まで抜けることができた。
アプローチ時点で7人の先行者を確認、ほぼ同タイミングで取り付いている3人パーティもいたが、結局この日南稜を登ったのは我々を含めて2パーティ6名だけだった。
危険箇所である烏帽子沢奥壁のトラバースは上部に人がいないタイミングで通過。南稜テラスで先行パーティが登るのを待ちながら休憩して、登攀開始はちょうど7時になった。
1ピッチ目のチムニーは入り口で少し頑張って体を上げればホールドもスタンスも出てくる。チムニー内はハーケンが打ってありカムも使える。チムニー手前にも支点があるので、テラスから一気に突破しなくてもよく、ピッチを区切ることができた。
2ピッチ目のフェースはどこでも登れそうだが、ハーケン沿いに進まないとランナウトしてしまうので注意が必要。
3ピッチ目の草付きは踏み跡明瞭で支点も見えているので足元に気をつけて歩けば危険は少ない。
4ピッチ目、フェースを左上しハングの左下に回り込むと終了点がある。ここで先行パーティに追いついたので支点が空くまでフォローの2人を引き上げずに待機した。ルート上の終了点は基本的に日当たりが良いのだが、ここの支点だけは日陰だったので涼しくて助かった。
5ピッチ目はリッジに乗り上がるルート取りをした。開放感のある箇所だが、リッジに上がったせいでロープ流れが悪くなってしまい、綱引きをしながら登るような思いだった。あまり伸ばすのも大変なので途中のハーケンとカムでピッチを切り、垂壁の基部まで2ピッチで抜けた。
最終ピッチは噂に聞いていたとおりの垂壁で、ハーケンとホールドは沢山あるが一部濡れている部分もあり緊張感のあるクライミングを楽しむことができた。
南稜終了点からは岩と藪のミックス帯、尾根に乗るまでの2ピッチはロープを使った。しばらく歩いて突き当たる5ルンゼの頭でも一応ロープを使用。礫の山を登っているかと思うほど浮石が多い上、支点も少ないので割と大変だった。
5ルンゼの頭以降は切れ落ちた岩稜帯を歩き、一ノ倉岳直下の藪に入る。稜線だと思った目先のスカイラインを何度か越えてもまだ続く藪にうんざりしながら突き進み、ようやく国境稜線に飛び出した。スタートから相変わらず雲ひとつない快晴で、最高の達成感。他会パーティともグータッチで健闘を讃え合った。
その後、オキの耳、トマの耳を通って肩の小屋へ向かい、挨拶がてらの休憩。
下りの西黒尾根は一部残雪があったものの、グズグズに溶けており滑らないので滑り止めは不要だった。岩場も多いので注意しながらさっと下山し、ベースプラザに帰り着いた。
距離にすれば10kmほどしかないが、林道と雪渓歩きのアプローチ、岩稜登攀をこなしてから藪漕ぎに稜線歩きと、登山のあらゆるバリエーションが凝縮されたルートで、かなり充実した山行を楽しむことができた。
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