栗駒山 〜熊さん、おじさん、一目散!〜
- GPS
- 06:00
- 距離
- 10.9km
- 登り
- 604m
- 下り
- 595m
コースタイム
- 山行
- 4:59
- 休憩
- 0:47
- 合計
- 5:46
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
特に危険箇所はなかったが、危険な獣は居ました・・・。 |
写真
感想
笊森コースへ向おうとしてゼッタ沢を徒渉し、その後丁度背丈ほどの高さに繁った潅木の枝が成すトンネル帯を抜けて2度目の徒渉箇所が目の前に現れたその時、奴は居た。
薄暗い道から一気に視界が開け眼前に川が有ることが流れの音や明るい色味の背景からも直ぐに判った。しかしそのルート上の河原、距離にして僅かに3〜4メートル先にやたら黒いオジサンが屈んでいたのが解せなかった。
『随分毛並みのいいオジサンだなぁ?』
毛並みという語が不意に何の脈絡もなく頭に浮んだ瞬間私は直ぐに後ずさりしていた。下がりながら奴がゆっくりと頭を上げようとしているのが見てとれた。頭まで入れれば体長は1.2〜3メートルといったところだろうか、それが振り返ってその右目が見えるか見えないかのすんでのトコロで、後ずさりしていた私は山道のカーブを曲がりきって、奴の視界から消えた。この時で距離は5〜6メートルに開いている。
そこまで下がると私に遅れて歩いていたカミさんが直ぐ後にまで迫っていた。力なく熊鈴がシャンシャン軽い音を立てている。その儚い響きに虚しくさえなる。
『熊だ、下がれ。静かにな。』
普段私と渓流釣りで結構な奥深くまで山間を分け入るカミさんだから、それ以上の説明はいらなかった。
普段のノンビリ加減さからは想像できぬほどに、身軽に軽快に颯爽とそれでいて粛々と見事に後ずさりをしてみせる。
後ずさりすること10メートル程だろうか。追ってくる気配が無いので思い切ってカミさんに言った。
『走れ、逃げるぞ。』
4〜50メートルほど、『うらぁ〜らぁ〜らぁ〜らぁ〜〜〜っ!!!』とちょっと御馬鹿な感じの叫び声をあげながら私は走った。なかなかの全力疾走だった。気がつけば、走り出して間も無くにカミさんを追い越してもいた。
あえてここで詫びる。
『追い越して逃げて、ごめんなさい。』
分岐まで戻りながらカミさんと相談し、須川ルートは明らかに先行者がいたことを二人で頼りにして山頂を目指すことにした。
それから約1.5時間後、私達は無事栗駒山の頂に立った。
クー様のせいでルート変更。これもまた山。これもまた栗駒か。
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