徳本峠-7/17追記 霞沢岳&中の湯
- GPS
- 06:30
- 距離
- 12.2km
- 登り
- 755m
- 下り
- 718m
コースタイム
- 山行
- 4:13
- 休憩
- 0:36
- 合計
- 4:49
過去天気図(気象庁) | 2024年07月の天気図 |
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アクセス |
写真
感想
例年、夏には少し遠くに行くことにしているが、コロナ以後山小屋も予約が必要になり、7月連休の人気山域など取れない。北アルプス方面を探していると徳本峠小屋というのを見つけた。以前から名前は知っていたのだが、そこから霞沢岳往復ルートがある。人が少なそうなルートなので良いだろうと思いyoutubeの動画をいくつか見ると、険しくて長そうなので我々には無理だが、途中(ジャンクションピーク)くらいまで行こうと計画して小屋に電話。最初13、14の2泊を考えていたのだが13日は満室と言われる。そこで14日だけを予約して13日はさわんどゲストハウスともしびという所に予約。また下山日には中の湯旅館でもう一泊することに決める。
ゲストハウスともしびを5時前に出て、朝5時発の上高地行きのバスに乗車。朝早いにもかかわらずほぼ満員だが大正池で半数ほどが降りる。上高地バスターミナルには5時40分頃着く。明神までの通常の左岸ルートは通行止になっていて右岸の木道から明神池を回るルートを取る。明神館の前で雨が降り出したので雨具とザックカバーを装着する。
すぐに徳本入口、そこから右折して徳本峠へ向かう路に入る。最初はほとんど平坦な林間の道でコマドリがしきりに囀っている。ここで降ってくる人数人に会う。そのうち年配の夫婦に声をかけられた。徳本峠小屋に泊まるというと、彼らは昨日泊まったが、本来満員だったのに豪雨の予報で彼ら以外全員キャンセルだったとのこと、しかも予報は外れて快晴。再確認すれば良かったとちょっと後悔。
やがて沢を渡るが橋が壊れて傾いておりハラハラする。次第に傾斜が増し道は沢沿いになるが、沢の渡渉、ハシゴの昇降などもあり、普段の山行に比べると随分ハードである。加えて雨が激しくなり、気分的に疲れ途中でバテた…妻はそれほどでもなかったようだが、途中2回ほど休んで水分や行動食を摂る。結局10時40分過ぎに徳本峠小屋に到着。ベニア板を張った若干みすぼらしい外見に反して中はとても綺麗で機能的である。
まだ随分早いので軽食を摂ったり本を読んだりして時間を潰す。小屋の主人は話し好きのようで様々な山の話題が出る。
今夜の客は我々含めて五人。大滝山から単独で縦走してきた50代の男性と、現在難コースとなっている島々谷ルートで登ってきた若い男性二人である。夕食時、また翌日の朝食後、彼らや小屋の主人から様々な興味深い話が聞けたが全て省略。食事は夕食、朝食とも質素なメニューに見えるが全て手作り、また米の品種へのこだわりなどあり非常に美味しかったことは記しておく。
夜半に屋根を打つ雨の音がものすごく、天気、特に沢の増水が心配になるが明け方には随分静かになった。朝食は5時半であったが、天気は次第に良くなるとの予報があり、小屋の主人も含めてしばらく雑談タイムとなり、出発は7時30分くらいになる。雨はちょっとパラつく程度になっているが霞沢方面に向かう気などは全く起こらず、上高地にすぐ降ることにする。昨日島々谷から来た山慣れた様子の2人が同行してくださることになり、非常に心強い。
先頭と最後尾が彼らという四人パーティの形で降る。結構急な所、滑りやすい所もあり、私も妻もストックを出して必死に歩いているが、先頭の方などは折りたたみ傘をさして悠々と素晴らしいバランスで降っていく。お陰で我々も(としては)中々良いペースで降って行けた。途中、様々な山の話もできて、他人を交えた山行の楽しさをちょっぴり感じることもできた。しかし好事魔多し?少し気が緩んだ時、ザックを木の枝に引っ掛けて転倒、谷側にストックを突いたらそこは何もない崖で半回転して滑落してしまった。幸い2mほどで止まったが、沢まで落ちていたらタダでは済まなかっただろう。同行の二人が手を握って更なる転落を防いだり、ザックや帽子を拾ったりして下さった。お陰でどうにか山道に這い上がれ、失くした物もなかった。感謝してもしきれない。
その後、一番心配だった橋の崩壊箇所の渡渉も案ずるほどの水流はなく、2時間もかからずに徳本入口に着いた。ここでGPS記録を打ち切りとする。しばらく明神館前で休み、穂高神社、明神池を観光する。同行の一人は初めてらしい。
さらに嘉門次小屋の囲炉裏ばたで、岩魚焼きを頬張りつつの楽しい会話。本当に良い出会いに恵まれたと思う。
ここから別行動とし、二人とはサヨナラした…が昼食後、日帰り入浴を済ませた彼らとバスターミナルでバッタリ再会、全くの奇遇である。先のバスで帰る彼らと山での再会を期して別れた。
実は更なる奇遇が待っていた。予定のバスの時間まで空いたテーブルを占拠してツマミなどを広げて二人で小宴会をくり広げていると、妻が水を汲みに行った隙に、突然一人の中年女性が空いていると思ったのかベンチに後ろ向きに座ってしまう。しかも持っていたワサビポテトチップの大袋を破って悠々と食べたりしだす。すぐ横に妻のザックを置いて使用中をアピールしても、聞こえよがしに嫌味を言っても動く様子もない。仕方なくしばらくそのままにしていたが、私がバスのチケットを買いに行って戻ってみると、何と妻とその女性が親しげにカタコトの英語・日本語で話し込んでいる。
実は彼女は超がつくほどの日本旅行マニアのタイ人で今年は毎月一回、1週間くらいづつ日本を訪れ、全国の主要な観光地は一通り廻っているとか。後にプーケット出身、地元で旅行会社を経営する社長・女性実業家とわかって驚くとともに納得する。仕事がらみの勉強も兼ねているのだろう。少々アルコールが入っていることもありさらに話は盛り上がり、妻と記念写真を撮り合ったり連絡先を教えてくれたりする。これから高山に行くという彼女と名残を惜しみつつ我々は中の湯に向かう(そうそう、彼女はワサビは嫌いなのだが袋の写真が隠れていて間違えてワサビポテトチップスを買ったとか笑)。
今、中の湯旅館でこれを書いている。色々と思い出深い旅行となりそうである。
追記:7/17
中の湯旅館は何度も利用しているが、ここのロビーは霞沢岳の最高の鑑賞スポットであることに気づいた(というか今まで霞沢岳にあまり関心なかった)ので写真を3枚追加します。残念ながら今回山自体は雲の中ですが、朝靄が見る間に変化して、まるで動く日本画のよう。
今回利用した登山者向きプランは、フロントから通路で繋がっている別棟で、6畳バス・トイレなし和室だが、温泉なので大浴場、家族風呂、家族風呂は利用でき、トイレも同じフロアに広く清潔な共同トイレがある。それでいて料金は最近の山小屋とほぼ同額(一人15000円くらい)で、旅館の施設・サービス・料理が味わえ、相当にお得感があった。
コメント
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あの後、いい出会いがあったのですね。
いろいろ、ありがとうございました。
こちらこそ、ありがとうございました。
明神までの下降が不安だった所、お二人に着いていただき心強かったです…が私のミスでなんでもない場所で滑落・遭難寸前になってしまい、誠にお恥ずかしい次第です。その時も確実に補助していただき結局何事もなく、本当に感謝しております。
最近、若い方々と歩く機会がないので貴重な出会いと思っております。
あらためまして、先日はご一緒させていただき、ありがとうございます! 下山後には、穂高神社を案内していただき、さらには嘉門次小屋で香ばしい岩魚までごちそうになってしまい…、でもお二人のご厚意に甘えさせてもらい、嬉しいひとときでした!
奥様と30年近くあちこちの山に登られているそうですが、沢登りの話題も出ていましたし、これからもまた楽しい山行を続けてくださいね。レコもまた覗かせてもらいます!
コメントありがとうございます。
あの先導・サポートは本当に心強かったです。
それにしても、折りたたみ傘を差しながら楽々と降るあのバランス、若い頃でもあんなこと、私にはできなかったですよ笑
こちらこそ楽しい時間を過ごさせていただきました。
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