野田ヶ山と親指PK
- GPS
- 05:11
- 距離
- 9.3km
- 登り
- 625m
- 下り
- 628m
コースタイム
天候 | 晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
よく踏まれた登山道。親指PK付近は痩せ尾根上。 |
その他周辺情報 | 大山寺付近に多数。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
昼ご飯
飲料
レジャーシート
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
GPS
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
カメラ
シュリンゲ
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感想
土曜日はasakinuが休日出勤となり、山行は日曜日ということになった。普段の年なら猛暑のこの時期、沢に入って涼しく楽しむのだが、kinuasaが腱板断裂のリハビリ中で、沢はやめておく。となると、日帰り圏で一味違った山となれば大山山地に気持ちは靡くのであった。遠いのが難点とはいえ、岡山あたりの中国道は走りやすいし、米子道を使えばアプローチは容易だ。快適に車を走らせて米子道の打井畑トンネルに入った時だ。暗いトンネルの中で何かを踏んだ。爆裂音に続いてシューという空気の抜ける音が! パンクした! トンネルを出たところに非常駐車帯があってここに駐車して点検すると右前輪がフラットになっている。ここにはすでに一台の軽自動車がハザードランプをつけて止まっている。我々に続く2台が相次いでハザードランプを点灯して停まる。結局、最初の軽自動車が側壁に接触して破損したホイルのアルミ破片が飛び散り、我々のタイヤに突き刺さったようだ。警察を呼び、JAFに救援を求める事態に。通行規制をかけての事故処理には1時間20分かかった(これは我々が完了するまでの時間であり、その後も処理は続いていた)。我々がスペアタイヤをもっていたのと、たまたま近くにJAFの救援車両がいたおかげで、この程度の時間で済んだ。とはいっても、山行計画は修正が必要になる。当初は野田ヶ山から振子山まで足を延ばす予定だったが、こうなった以上、親指PKまでがいい線だろう。駐車場は川尻が近いが、香取に駐車してそこから登ったほうが山道は平坦で、30分程度、歩行時間を短縮できると見越して、香取登山口下まで車で入る。道は舗装されているとはいえ、スペアタイヤでの山中走行は不安が伴う。
結局、香取登山口下の出発は10時40分となった。さすがに遅すぎる出発だが、幸い日照時間が長いし、天気は良すぎるくらいによい。なんとかなるだろう。最初は林道跡を進み、途中から山道に入る。周囲はブナやサワグルミの大木が背を競う温帯広葉樹林で、下生えも温存されていて、これぞ山、というナイスな雰囲気である。あいにく花は端境期で限られたものしかないが、贅沢は言えない。前評判通り、ラクチンな道を進むと、香取分岐に出る。ここからも山腹を巻くほとんど平坦といってもいい道であるが、気温が気温、樹林下といっても汗が噴き出してびっしょり濡れながら歩き続ける。ようやく風通しがよくなったころ、わずかな登りすらもない平坦地となって木道が現れ、新旧の道標がある。ここで昼飯とする。三人の若者チームが下ってきた。こちらは休憩もそこそこに、大休峠へと出発だ。ここからは平坦路であるが、1600年頃に大山寺参拝道として敷設された石畳となり、これが湿って苔むして滑りまくる魔の石畳と化している。これを左右にかわしながら進むと、樹林帯から開けたところに出る。そこには避難小屋があり、大休峠に達したことを知る。男女のペアが休憩中の峠をそのまま通過して、野田ヶ山方向へと進む。ぬかるみを越えてなおも傾斜の乏しい道を行く。この間、2名の単独行者とすれ違う。徐々に傾斜がつき、尾根らしくなっていくにつれて、どんどんと勾配がきつくなっていく。ここで一気に高度を稼ぐが、猛暑の中ではかなりこたえる。バテないように水気をたくさん採るが、それが全部汗となって体を濡らすのだ。ところどころで展望が得られるようになり、左手対面には烏ヶ山の奇峰が木々の間から顔を覗かせている。何本もの大きな倒木を越えて急登をこなした末、灌木藪に突入する。藪といっても切り拓きはあり、藪はわずかな区間である。藪の向こうに剣ヶ峰の主稜線と三箇峰が姿を現わし、思わずワーと声をあげたくなる。ここを越えると間もなく野田ヶ山の山頂に達する。山頂といっても、金属円盤に山名を書いた看板が木に取り付けられただけのそっけない山頂だ。そのまま通り過ぎて一旦尾根は下り道となる。ここで、単独行の女性とすれ違い、言葉を交わす。徐々に樹高が下がり、正面に振子山の大きくザレた斜面が迫ってくる。その背後には三箇峰とユートピアの小屋、さらに奥には剣ヶ峰の稜線がせりあがっている。振子山へと続く痩せ尾根上には、ラクダのコブのような岩のピークが二つ三つ見えている。そのもっとも顕著なコブが、親指PKだろう、と推察する。もうひと頑張り、と小さな藪っぽいピークを越えると岩が峻立する痩せ尾根のせり出しに立つことになる。ここからは遮るものの無い雄大な眺望が開けている。親指PKはその先、と思いつつ携帯のヤマレコ画面で現在地を確認すると、何と親指PKを過ぎている!振り返ると、先の藪ピークが目に入った。あれが親指か!? 親指PKは岩場の上と聞いており、ヘルメット持参で来たのだったが、肩透かしを食らった感じだ。もっとも、今立っている岩のせり出しから三箇峰方向へは、トラロープが下ろされていたので、岩場は親指の西側なんだな、とこの時は解釈していた。いつもとは違った方向から大山主稜の「別の」顔をまじかに眺める展望台である。このせり出し点は両側がすっぱり切れ落ちていて、その高度感が涼しい。眼を右下に転ずれば、伸びやかな郷の風景が広がっている。いずれ、この先の岩稜を辿り、三箇峰側へと周回を果たしたいものだ。今日はすでに午後2時、ここで折り返して下山することにする。振り向けば、目前の親指PKの背後には野田ヶ山、そのさらに後ろには甲ヶ山と矢筈山がのぞまれた。来た道をどんどん下って出発点には4時前に到着できた。この後スペアタイヤでの長距離高速ドライブが待っている。下山しても緊張の続く二人であった。
さて、このログを作成するにあたって、PCでヤマレコ地図を見てみると、我々の軌跡が「親指PK」のランドマーク記号より手前で終わっていることに気付いた。PCで見るヤマレコ地図では、あの岩峰のラクダのコブが「親指PK」とされているということだ。一方、登山中に見る携帯アプリの地図では、手前の藪ピークが「親指PK」とされている。この二つの地図間に齟齬があることは、他の山でも経験している。PCで見るランドマークが正解と思われる。ここでは仮に、PC地図のピークを「親指PK西峰」、携帯地図のピークを「親指PK東峰」と呼ぶことにしておく。
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