大平山 ヒヤミズ沢

- GPS
- 15:04
- 距離
- 19.7km
- 登り
- 1,277m
- 下り
- 1,274m
コースタイム
- 山行
- 8:16
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 8:16
- 山行
- 6:53
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 6:53
天候 | 8/3 晴れ→土砂降り雷雨 8/4 曇り時々霧雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
雪渓は一か所だけ、だがそれも初日の雨でほぼ全て流れきった。 湯の沢側の林道は大平川出合い手前でようやく見つけられた。 |
その他周辺情報 | 寿都温泉 ゆべつのゆ バジルソフトクリームには手が出せず |
写真
感想
2年前7月中旬は、雪解け水の冷たさと増水、雪渓に阻まれて敗退。
今回8月上旬は、水も温かく、雪渓もわずか。快適な遡行だった(鉄砲水にあうまでは…)。
天気に関して入山判断、テン場予定場所に関しては問題があったと思う。あの雨量で、沢の両岸の土砂が崩れ、流れてくることもあるということには少し驚き、山への認識を変えないといけないと思った。
去年から気になっていたヒヤミズ沢へ。
最近は道南の沢に行きまくっているせいでおなじみの岩内のセブンで準備を整え、しばらく車を走らせる。大平川の砂防ダム先ゲートで車を停め、林道を歩く。やはり8月の道南はアブが多く鬱陶しい。ヒヤミズ沢出会いの少し手前で沢型を利用して入渓。
ヒヤミズ沢出会いからすぐに両岸が高く切り立った岩壁となり、ゴルジュの始まりを感じさせる。昨年のペテガリ西沢が思い出された。始まりの3mほどの段差を越え、核心部に突入する。さっそく水に浸からざるを得ないが冷たくはない、雪渓は少なそうだ。ツルツルの函の中をフリクションを効かせて突破していく。残置のある段差や上陸核心と呼ばれている滝も意外とすんなり攻略できてしまう。気合が入りすぎたか?核心部と思っていた函はすぐに終わり、クールダウン(身体は暖まるので逆か?)の河原歩きがしばらくある。
少し行くと1つ目の2段滝。左岸直登。1段目はトライカムがよく効いた。2段目岩盤トラバースは落ち葉を払えば難しくない。屈曲するので1本ハーケン打った。2つ目の2段滝も左岸。1段目は水流際直登、パンケメクンナイF5の2段目を思い出す。2段目は右岸が登りやすそうだったが、とても対岸に渡れる水量ではなかったので諦める。左岸から捲いた。捲き終わり沢に復帰すると水がめっちゃ濁っている。なんだこれ。若干増水してる気がしなくもない。遡行継続できそうなのでそのまま進むが、足元が全く見えず不快調。躓き転びながら進む。途中いくつか面白い小滝があった。大体直登。左岸側壁を直登してシビアにトラバースする函が1箇所あった、まあまあ面白かった。
そしてしばらく進むと沢の奥に靄と巨大な白い影、崩壊した雪渓だ。これがここまでの濁りの原因だったのだと理解。僕らが前半部を遡行している間に壊れたのだろう。もし自分たちが雪渓に乗っている時に壊れてしまったら…もしこの崩壊雪渓がダムを作っていたら…やはり雪渓は怖い。なんとか通過できそうだったので壊れたブロック状の雪塊を乗り越えていくが、途中で足元がさらに崩れる。咄嗟に飛び上がってギリ回避。雪塊にのみ込まれる所だった。ジムでコーディネーションムーブをやり込んでおいて良かった。やはり雪渓はとても怖い。その後はこの沢で1番面白いと感じた多段滝をボルダームーブで突破し、大平山直登沢へ進む。すぐに水は枯れ、平らな砂地が出てきたのでここをテンバとした。
この日は夕方から多少ザッと降る予報だったが、水が枯れているので大丈夫だと高を括る。整地してのんびりくつろいでいると、予報通り雨が降ってくる。windyに最近追加されたmsmは当たるなぁと呑気に感心していると、雨がどんどん強くなってくる。ついに雷もゴロゴロ鳴りだし、バケツをひっくり返したような勢いだ。枯れた沢にも少しずつ濁った水が流れ始める。予報よりかなり強いけど、すぐ弱まるだろうと考えるも、勢いは変わらない。テンバも泥水まみれになってきたので退避を始める。ギリ泊まれそうな高台を見つけ、荷物を移動していると、突如ゴゴゴゴッという轟音が上流側から鳴ったと思った次の瞬間、土砂の波がすごい勢いで流れ込んでくる。鉄砲水だ。アドレナリン全開で一目散に高台に退避する。2人とも登りきったときには居たところがすでに飲み込まれていた。まさに間一髪。鉄砲水ってこんな風に発生するのか…。思うところは多いが、無事生き残れたし、多くの教訓を得られた。不快なテンバでなかなか寝られなかったが、その分、今山行をじっくり振り返ることができた。
翌日は乗越すか引き返すか悩んだが、戻って湯の沢から下山することにした。充分減水しており下降には問題ない。前日の崩壊雪渓は殆ど流されていたし、所々水際の木々がなぎ倒されていた。もし下流の河原に泊まっていたらどうなっていたのか…。沢はやはり危ない所だと再認識した。湯の沢への乗越し沢は特に何もない。下降は全てクライムダウンできたと思う。湯の沢に入り、しばらく歩いて林道探し。なかなか見つけられず、結局大平川出合い手前のクライムダウン不可の滝を捲いている最中に見つけられた。あとは歩きやすい林道を歩いて下山。
この経験で、沢というものは滝や函の難易度に関係なく、根本的に危険な場所であることを痛感した。今回、入山前から余裕で遡行できるだろうと多少なめていたし、実際も簡単でさらに調子に乗っていたのかもしれない。どれだけ強くなってもしょせん人は人。自然の圧倒的な力には全く敵わないことを忘れないようにしたい。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する