剱岳 早月尾根日帰りピストン
- GPS
- --:--
- 距離
- 14.5km
- 登り
- 2,307m
- 下り
- 2,297m
コースタイム
- 山行
- 11:35
- 休憩
- 1:05
- 合計
- 12:40
天候 | 晴天、午後から曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
よく整備されてます。基本頂上近くの別山尾根コースとの合流以外は1本道。人の踏み跡も明瞭です。 |
その他周辺情報 | 船橋村湯めごこち¥850 |
写真
装備
個人装備 |
1/25000地形図
ガイド地図
コンパス
保険証
飲料水(4L)
ペットボトル500ml1本
ティッシュ
三角巾
バンドエイド
医薬品
タオル
携帯電話
雨具
時計
非常食
熊鈴
ヘルメット
ヘッドランプ
ロールペーパー
ザック
タイツ
Tシャツ替え
長袖ジャケット
フリース
|
---|
感想
山レコを見始めるようになってから、やりたいことの筆頭だった剱岳早月尾根日帰りピストンに初挑戦です。私の実力では聞きしにまさる辛さでした、いやーしんどかった。
普段の山登りは撮影メインで一眼とレンズ二本を携行しますが、このルートは早月小屋以外の水場がなく、撮影機材携行は断念。代わりに水4L+ペットボトル0.5L1本を携行。最軽量のカメラとして撮影はiPod touchを利用。
8月下旬から秋雨前線が張り付いていてなかなか晴れなかった週末、4、5日は一時的に前線が太平洋に退く予報。これを逃したら、日程的にチャレンジできる日はそうそうない。幸い目覚めも良く3:30には馬場島に到着。みんな狙ってたらしく登山口付近の駐車場は既に満車。100mほど下りたところの駐車場に駐車します。途中の道は路面が結構濡れていて雨が心配されたものの、到着した馬場島は天頂近くに半月、やや雲はあるもののオリオンが明るく峰の上に輝いてます、よーし、今日はいい日だ いけるぞぉ。
まだ暗い中、ヘッデンつけて登山口横のお宮に安全祈願をして山行開始。登り始めに後続の岐阜からの団体の他に何人かと一緒になりますが、さすがこのルートを選ぶ方たちは健脚が多い。ドンドン先行されます。登り始めの樹林帯は木の根が階段になっていて急登の割に登り良い。このルート唯一の平場となる1000m松尾平は一部ぬかるんだところも整備が行き届いてます。
5時を回るとだんだん周りが明るくなり、ヘッデンを外しました。この辺りで1600m付近。ここから、2200mの早月小屋手前まで樹林帯が続きます。健脚の方なら順調に高度を上げられる場面なんでしょうが、まあ急登の多いこと、普通ならつづら折りになってるじゃないと思うような登りも直登しやがります。登って開けたかと思うと別の角度でまた直登と容赦ない。2000m越えたあたりから、ふくらはぎがつったり、慌てて水分補給してました。最低でも到達したいと思っていた早月小屋に着いた時は久しぶりの平地にホッとしました。
早月小屋の開けた箇所から望むと早月川が見えてここまで登ってきた標高差が良くわかります。ここまででも1500m近い標高差、ちょっとした登山ルートなら登頂しておかしくない標高差。でもまだ3分の2・・・。
早月小屋を過ぎると樹林帯も抜けて地面が変わってきます。風化した花崗岩なのかな?、キラキラ光る長石が混じった砂土と岩がメインの道となってきます。ところどころロープも出てきてまた斜度が一段アップした感じ。この辺りで、歩を進めるほどに下りも長くなることが不安になってきていましたが、同時に今この時に憧れのルートを登れていることの嬉しさもあり、下りはまた別の筋肉を使うからという言い訳に近い判断で体を前に進めます。
2800m手前まで来ると岩場。ヘルメットを装着し鎖の連続で全身運動。核心部で画像を撮る余裕は全くなくなりました。メットだと太陽と周りの景色が眩しい。一旦休憩で日焼け止めを塗りますが汗ですぐに落ちてしまうんだな。下りの方とのすれ違いも増えてきますがこのルート使う方々はタフです、スタスタ下りていきます。
カニのハサミ付近の核心部分は丈夫な鎖もあり、好天で乾いた状態であれば私のような未熟者でもなんとかなりました。標準的な体型であれば確保できる様子。濡れてたら絶対嫌ですが。
鎖場を過ぎると、山頂が近づきます。足場はゴツゴツした黒岩だけ。別山尾根からの合流地点でレコで何度も見た早月のペンキ文字と行先標識を目にした時は胸熱でした。
山頂はこの日を待ってましたと登頂した人でごった返してました。すれ違った方に今日はすごい人だよといわれていましたが、50人は降らなかったのでは。あまりの人の多さに登頂の感動よりも、こりゃ社と一緒の記念撮影は無理だなという思いの方が先に出ちゃった。別山尾根からの人出に加えて、源次郎尾根から続々登って来る方々もおられ、仲間に祝福されてます。見やると峰を懸垂下降してる方々も。うーんレベルが違うわ。
後立山連峰はややガスがかかっていますが、眺望は良く、2週前に嫁と登った立山の奥には槍ヶ岳も見えました。なんとか場所を見つけ、山頂でおにぎりを3つ頬張り、一通り景色を眺めたら、下山にかかりました。
山頂の賑わいと打って変わって早月尾根の下りは人はまばらです。カニのハサミも登りほど追い詰められてなかったのか、ボルト部分を撮影する余裕がありました。ただ、その直後、鎖を握った左腕を岩壁にぶつけて腕時計が誤作動。ここまでのGPSログと時刻がリセットされてしまう!一番の核心部でこの程度で済んで良かったのものの未熟さを痛感します。
急な斜面の下山はすぐに足にきます。以前と比べてだいぶ下山で苦しむことが少なくなったものの、早月小屋までの下山ですでに疲労がきてます。休憩直後は歩幅、一歩の段差が広がるんだけど、すぐに縮まっていくんだな。耐えられなくなったときに数分の小休憩で水とカロリーを補給してストレッチするとなんとか足は動いてくれました。
早月小屋を過ぎたところで先を歩いていたお姉さんがなにやらコース脇の藪の中をガサゴソしてらしたのですが、聞いたところ野イチゴがたくさんなってるとのこと。見つける余裕がよくあるなと思いつつ、覗き込むと確かにたくさんなってる。虫が入ってないか気をつけてと言われながら頂いたら疲れた体にはおいしくて、休憩も兼ねていくつかついばみました。この野イチゴの君、先でも野イチゴ見つけては人に勧めてましたが、追っていくも歩き出すとあっという間に見えなくなります、その健脚ぶりも含めて素敵な方だったわ。
樹林帯では天候も曇りとなり眺望は開けません。膝は大爆笑。ちょっと大きな段差で太もも、ふくらはぎがジンジンします。1400mを過ぎたところで膝対策に持参したステッキが役に立ちましたが、ロープや鎖、大きな段差で足をかばって手をついて降りることが多かったせいで古傷の右腕腱鞘炎もでてきました。山に登って腕をやられるとはねぇ。それでも、確実に標高は下がり、やがて白萩川と立山川の音が聞こえ、川面も拝めるようになると登山口が近くに感じられます。いろんなものを振り絞って木階段を下って行くと十数時間ぶりの火の用心の赤い幟!やっとこさ下山できました。
反省点も多々ありますが、無事に下りてくることができました。帰ってこれたのは天候をはじめとした天祐と神助のおかげでしょう。初の登頂に試練と憧れの石碑を前に感慨ひとしおでした。
帰りに入ったお風呂で体重を測ったところ最近の体重より2.5kg減ってた!(ほとんどは汗で流れた水分でしょうけどね)
takepon1030さん、はじめまして!
早月尾根日帰りピストン成功、おめでとうございま〜す。 よくやりましたね〜!
私もやってみたいけど、この歳ではもうアカンですね。 標高差2200mの日帰り登下降、そりゃ足も攣るだろな〜。
当日の6時半〜7時頃、私は別山尾根経由で山頂にいました。早月尾根の分岐のペンキには惹かれましたね〜。(このまま降りたるか!冗談です)日帰りは無理だけど、戻りを早月小屋までにするなら何とかなるかな? しっかりトレーニングして来年は挑戦も考えて見よっ。
f15eagle様
初めまして。拙い山行記にお祝いの言葉ありがとうございます。
ベテランの方にこうコメントされると、気恥ずかしいです。
別山尾根のレポ拝見しました。朝日に映える剱岳かっこいいですね。朝早い時間だと、あんな景色だったんだと見とれてしまいました。いつも軽い荷物での日帰山行なので、山での夕、夜、朝の景色が見れるテント泊しての剱岳もいつかやってみたくなります。(別山尾根を歩ける技術はまだまだですが。)
実のところ、このルート挑戦は「早月尾根日帰りにかかる時間で老いを測る」と宣って還暦を過ぎてからも毎年のようにやってた方が発端だったりします。
来年の挑戦応援します !
takepon1030さん、返信ありがとうございます。
「早月尾根日帰りに掛る時間で老いを測る」・・・、う〜ん、心に沁みますね〜。ただ早月尾根では私にはちょっと測定方法が過酷なので、自分なりの老いの測り方を探してみます。とても良いことを伺いました。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する