★上級★知床半島縦走(羅臼温泉in硫黄山登山口out)
- GPS
- 16:21
- 距離
- 23.9km
- 登り
- 2,522m
- 下り
- 2,359m
コースタイム
- 山行
- 9:34
- 休憩
- 0:28
- 合計
- 10:02
天候 | 曇り・雨・晴れ・霧 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
帰りはカムイワッカの滝駐車場〜知床自然センター(650円)、知床自然センターから知床羅臼ビジターセンター(1,100円)をバスでつなぐ (カムイワッカ〜知床自然センターのバスは夏季期間限定運転のため要注意) |
コース状況/ 危険箇所等 |
・トラバースの崩れ、泊場付近で一部ルート不明瞭、羅臼平から下山までは松の枝・笹藪が登山道をふさいでいて枝漕ぎ・藪漕ぎ箇所多数 ・全体を通して雪渓はなし ・石清水、三ツ峰の水場は枯れており、二ツ池で池の水を浄水器で利用 |
その他周辺情報 | 知床羅臼ビジターセンターから徒歩圏で「熊の湯」無料の温泉あり(心付必須、シャンプー等は使えません) |
写真
感想
当初企画されていた道東3座弾丸企画が来年に持ち越しとなったため、憧れていた知床半島縦走を計画した。2泊3日の計画で北海道入りしたが、初日の天候が悪かったため同行程を1泊2日に短縮することとなり、前日に知床ビジターセンターで情報を収集した。営業小屋・避難小屋のないソロテント泊の縦走は経験があるが、今回はヒグマ密集生息地ということもあり万全の事前準備で緊張感をもって臨んだ。
8月9日(土) 天候:晴れ→曇り→雨→晴れ
5時前にレンタカーを知床羅臼ビジターセンターへ駐車し、入山。熊対策として、熊鈴2個、熊撃退スプレー、笛、ラジオを用意した。今回選んだ羅臼温泉ルートは羅臼岳への2ルートのうちマイナールートで、環境省のHPでも上級者コースの位置づけ。登り始めてすぐ急登が始まり、里見台は見晴らしがよく国後島が見えてここが知床半島であることを認識させられる。その後第一の壁、第二の壁はトラバースの道が狭く崩落箇所があり、刈り取られた笹の葉が登山道を覆っている為滑りやすく歩きづらい。沢の出合の泊場は対岸に渡渉しなければならないが、ポイントがわかりづらく通り過ぎてしまい、折り返してピンクテープに気づくことができた。ここから先は登山道が整備されておらず、枝をかき分けて進むこととなる。登山道というよりもはや獣道である。視界が悪くヒグマがどこにいてもおかしくないため、右手で枝をかき分け、左手で鈴を鳴らし、口に咥えた笛を吹き鳴らしながら足を進めるため、忙しないことこの上ない。屏風岩で視界が開けるが、目の前はため息が出るほどの急登。しっかり休憩を取って行動を再開する。色とりどりの蝶と高山植物に元気づけられ、人気ルートである岩尾別ルートと出合である岩清水に到着した。ここまで出合った登山者は1人のみ。ここでザックをデポって山頂を目指す。
ここから山頂まではガラっと雰囲気が変わり、それまでの難ルートが嘘のようにあちこちに矢印マークがあり、踏み慣らされており、100名山らしい歩きやすい登山ルートとなる。マイナールートと比べてこうも違うものかと感心。お盆ということもあり登山客で大賑わいだが、山頂は虫が大量発生していてとても長居できる状況ではなく、写真を撮ったら早々に退散。幕営地を目指し縦走路へ舵を取り、再びのソロ活動へ。ひたすら静かな登山道が続く。ここから先も未整備の登山道。昨日の雨で雫をまとったハイマツが行く手を阻み、登山パンツはびっしょり、水分が靴の中まで入って靴内はぐちゃぐちゃ(レインパンツを履いておくべきだった)。幕営地までは2つのピークを超えなければならず、2つめのピーク手前の視界が悪い所で鈴を鳴らしていると、100メートル近く先のハイマツがゴソゴソ。笛を吹き鳴らすと、ハイマツから蝦夷鹿が飛び出してきた。恐怖で身体が硬直し、手に持っていた携帯を落とす。鹿でこんなに怖がっているようでは、熊に出合ったらとてもじゃないが熊スプレーを活用できる気はとてもしない。。。
15時ちょうどに幕営地の二ツ池へ到着。お盆にも関わらず、この日は私を含めてソロテントが3張りのみだった。テントを設営し、飲料用に池の水を汲んでいたら雨が降り始める。激しい雨は数時間でおさまり、夜には空一面の自然プラネタリウムが広がる。このためにわざわざ重いミラーレスカメラを担いできたが、普段使っていないため綺麗に星空を撮影する技術がない。。。この山行イチの後悔。画像に残せない分目に焼き付けた。
8月10日(土) 天候:晴れのち霧
翌朝は快晴。コースタイム5時間半でバスの時間は11時半だったので、余裕を持って5時に出発。2日目のルートはネットでも情報が少なかったため事前準備がなく臨んだが、なかなかの難易度。前半は穏やかなビクトリーロードが続くが、中盤から左右がスパッと切れて高度感のあるザレた細尾根や、落石・転落の多い岩場が現れ緊張感が高まる。そこから硫黄山トラバースを超えるとひたすらの下りのスタート。巨岩の涸れ滝は巻き道で下りるが、前日夜の雨で岩は濡れて滑りやすく、枝につかまりながら慎重に下っていく。硫黄沢出合で沢沿いから尾根にルートどりをするが、尾根の岩盤もとにかく滑りやすい。気が付けば1時間余裕があったはずのコースタイムはまったく余裕がなくなっていた。11時半のバスを逃すと数時間待ちとなってしまうため、歩きやすくなる新噴火口からペースアップし、バス出発の30分前に硫黄山登山口へ到着した。バスを乗り継ぎレンタカーへ戻り、温泉で汗を流してから羅臼食堂名物の黒ハモ丼で打ち上げた。
余談だが、翌日はシーカヤックで海から知床半島を愛でる機会を得た。これだけ濃厚な自然を満喫できる縦走路は経験したことがなく、山を愛する者としての喜びを深く感じ心が震えた。
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