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Yamareco

記録ID: 7114577
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
道東・知床

★上級★知床半島縦走(羅臼温泉in硫黄山登山口out)

2024年08月09日(金) ~ 2024年08月10日(土)
 - 拍手
体力度
7
1~2泊以上が適当
GPS
16:21
距離
23.9km
登り
2,522m
下り
2,359m
歩くペース
標準
0.91.0
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
9:34
休憩
0:28
合計
10:02
距離 13.8km 登り 2,078m 下り 843m
4:57
11
スタート地点
5:54
6:03
132
8:15
8:16
130
10:26
24
10:50
10:51
7
10:58
11:14
3
11:45
11
11:56
48
12:44
12:45
134
2日目
山行
6:13
休憩
0:16
合計
6:29
距離 10.2km 登り 445m 下り 1,516m
4:55
60
5:55
5:59
70
7:09
7:10
171
10:01
33
10:34
4
10:38
10:39
19
10:58
10:59
9
11:08
11:17
7
11:24
ゴール地点
天候 曇り・雨・晴れ・霧
過去天気図(気象庁) 2024年08月の天気図
アクセス
利用交通機関:
バス 自家用車
知床羅臼ビジターセンターに駐車可
帰りはカムイワッカの滝駐車場〜知床自然センター(650円)、知床自然センターから知床羅臼ビジターセンター(1,100円)をバスでつなぐ
(カムイワッカ〜知床自然センターのバスは夏季期間限定運転のため要注意)
コース状況/
危険箇所等
・トラバースの崩れ、泊場付近で一部ルート不明瞭、羅臼平から下山までは松の枝・笹藪が登山道をふさいでいて枝漕ぎ・藪漕ぎ箇所多数
・全体を通して雪渓はなし
・石清水、三ツ峰の水場は枯れており、二ツ池で池の水を浄水器で利用
その他周辺情報 知床羅臼ビジターセンターから徒歩圏で「熊の湯」無料の温泉あり(心付必須、シャンプー等は使えません)
知床羅臼ビジターセンター脇の登山口。車は駐車場に停めさせていただきました。
2024年08月09日 04:58撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/9 4:58
知床羅臼ビジターセンター脇の登山口。車は駐車場に停めさせていただきました。
登山口に熊の目撃情報。
2024年08月09日 05:08撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/9 5:08
登山口に熊の目撃情報。
いきなりの急登で汗だくに。青空が美しい。
2024年08月09日 05:34撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/9 5:34
いきなりの急登で汗だくに。青空が美しい。
泊場までの登山道は草刈りがされているが、トラバースは細く一部崩壊もあるため慎重に。刈られた笹が滑りやすい。
2024年08月09日 07:16撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/9 7:16
泊場までの登山道は草刈りがされているが、トラバースは細く一部崩壊もあるため慎重に。刈られた笹が滑りやすい。
山頂の姿が近づいてくる。
2024年08月09日 07:36撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/9 7:36
山頂の姿が近づいてくる。
泊場手前の渡渉のポイントを見逃し引き返した。よく見ると対岸にピンクテープあり。
2024年08月09日 08:02撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
1
8/9 8:02
泊場手前の渡渉のポイントを見逃し引き返した。よく見ると対岸にピンクテープあり。
泊場は風も吹いてよい休憩スポット。
2024年08月09日 08:07撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
1
8/9 8:07
泊場は風も吹いてよい休憩スポット。
ここからはうっそうとした登山道、見通しが悪くいつ熊が出てもおかしくないので鈴をガンガンならし、笛を吹く。
2024年08月09日 08:45撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/9 8:45
ここからはうっそうとした登山道、見通しが悪くいつ熊が出てもおかしくないので鈴をガンガンならし、笛を吹く。
屏風岩に到着。この先に厳しい急登が見える。
ここでこのルート唯一の登山者と出会う。
2024年08月09日 08:59撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
1
8/9 8:59
屏風岩に到着。この先に厳しい急登が見える。
ここでこのルート唯一の登山者と出会う。
お花畑分岐。
2024年08月09日 09:54撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/9 9:54
お花畑分岐。
花が咲き乱れる。
2024年08月09日 10:12撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/9 10:12
花が咲き乱れる。
石清水分岐に到着。人気の岩尾別ルートからの登山客が大量に出現する。
2024年08月09日 10:26撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/9 10:26
石清水分岐に到着。人気の岩尾別ルートからの登山客が大量に出現する。
ザックはデポって山頂を目指す。
2024年08月09日 10:35撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/9 10:35
ザックはデポって山頂を目指す。
ペンキの矢印がそこかしこに。急に百名山らしくなった(笑)
2024年08月09日 10:50撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/9 10:50
ペンキの矢印がそこかしこに。急に百名山らしくなった(笑)
山頂でパシャリ、変な虫大量で即撤収💦
2024年08月09日 11:01撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
3
8/9 11:01
山頂でパシャリ、変な虫大量で即撤収💦
羅臼平に到着、ここから縦走路に入り静かな山行を再開。
2024年08月09日 11:56撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/9 11:56
羅臼平に到着、ここから縦走路に入り静かな山行を再開。
お花畑と枝漕ぎが続く。
2024年08月09日 12:02撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/9 12:02
お花畑と枝漕ぎが続く。
ガスってきました。
2024年08月09日 12:18撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/9 12:18
ガスってきました。
ヒグマの高密度生息地・・・
2024年08月09日 12:36撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/9 12:36
ヒグマの高密度生息地・・・
結構きびしいアップダウンを繰り返します。
2024年08月09日 13:27撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/9 13:27
結構きびしいアップダウンを繰り返します。
オッカバケ岳を超えたら今日の幕営地!
2024年08月09日 13:34撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/9 13:34
オッカバケ岳を超えたら今日の幕営地!
とっても素敵な縦走路です。
2024年08月09日 13:34撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/9 13:34
とっても素敵な縦走路です。
ハイマツがガサガサと揺れたと思ったら、鹿があたまをひょっこりはん!
2024年08月09日 14:05撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/9 14:05
ハイマツがガサガサと揺れたと思ったら、鹿があたまをひょっこりはん!
熊鈴で驚いて飛び出してきたみたいです。
私も驚いて携帯を落としちゃいました。
驚かせてごめんね。。
2024年08月09日 14:05撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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8/9 14:05
熊鈴で驚いて飛び出してきたみたいです。
私も驚いて携帯を落としちゃいました。
驚かせてごめんね。。
幕営地の二ツ池に到着、なんとか雨に降られず到着しました。
2024年08月09日 14:57撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/9 14:57
幕営地の二ツ池に到着、なんとか雨に降られず到着しました。
幕営地は1人先客が、札幌から来られたソロの女性登山者。最終的にこの日は自分を含めてソロハイカーが3人のみ。
2024年08月09日 14:58撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
2
8/9 14:58
幕営地は1人先客が、札幌から来られたソロの女性登山者。最終的にこの日は自分を含めてソロハイカーが3人のみ。
水は二ツ池から汲みます。若干濁っていたが、浄水器を使えばもうまんたい。
2024年08月09日 15:17撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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8/9 15:17
水は二ツ池から汲みます。若干濁っていたが、浄水器を使えばもうまんたい。
雨が降って晴れて、星が降ってくる。
写真が下手過ぎて残念。
2024年08月10日 03:06撮影 by  E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
8/10 3:06
雨が降って晴れて、星が降ってくる。
写真が下手過ぎて残念。
二日目、幕営地より本日の縦走方面を臨む。
2024年08月10日 04:59撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/10 4:59
二日目、幕営地より本日の縦走方面を臨む。
朝日が昇ってきました。
2024年08月10日 05:13撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/10 5:13
朝日が昇ってきました。
ハイマツの枝漕ぎは大変だけど、快晴のビクトリーロードが続く。
2024年08月10日 05:40撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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8/10 5:40
ハイマツの枝漕ぎは大変だけど、快晴のビクトリーロードが続く。
今日歩くルートがずーっと見えます。
2024年08月10日 05:58撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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8/10 5:58
今日歩くルートがずーっと見えます。
振り返っても絶景。
2024年08月10日 06:14撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/10 6:14
振り返っても絶景。
硫黄山の荒々しい感じが見えてきました。
2024年08月10日 06:18撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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8/10 6:18
硫黄山の荒々しい感じが見えてきました。
美しすぎる縦走路。
2024年08月10日 06:40撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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8/10 6:40
美しすぎる縦走路。
2日目の核心、細尾根のザレザレ。
視界良好&無風でよかった・・・
2024年08月10日 07:03撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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8/10 7:03
2日目の核心、細尾根のザレザレ。
視界良好&無風でよかった・・・
このトラバースもザレザレで緊張。
2024年08月10日 07:06撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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8/10 7:06
このトラバースもザレザレで緊張。
その後も両脇がスパッと切れて高度感のある道が続きます。
2024年08月10日 07:12撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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8/10 7:12
その後も両脇がスパッと切れて高度感のある道が続きます。
遠くから見えてた特徴的な岩場もよっこいしょ。
2024年08月10日 07:19撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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8/10 7:19
遠くから見えてた特徴的な岩場もよっこいしょ。
硫黄山が近づいてきました。
2024年08月10日 07:19撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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8/10 7:19
硫黄山が近づいてきました。
硫黄のかおりがぷんぷん。
2024年08月10日 07:25撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/10 7:25
硫黄のかおりがぷんぷん。
硫黄山手前の最後の休憩適地。
2024年08月10日 08:08撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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8/10 8:08
硫黄山手前の最後の休憩適地。
硫黄山は巻いて下山に向かいます。
2024年08月10日 08:24撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/10 8:24
硫黄山は巻いて下山に向かいます。
知床半島の先端はまだ向こう。
登山道の尾根歩きはここまで。
2024年08月10日 08:24撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/10 8:24
知床半島の先端はまだ向こう。
登山道の尾根歩きはここまで。
沢出合いまでも気が抜けない、枯れた滝のトラバースは雨で滑りやすい石のため超慎重に。
2024年08月10日 08:55撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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8/10 8:55
沢出合いまでも気が抜けない、枯れた滝のトラバースは雨で滑りやすい石のため超慎重に。
巨岩が続きます。
滑るのよこの岩〜〜〜。
2024年08月10日 09:05撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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8/10 9:05
巨岩が続きます。
滑るのよこの岩〜〜〜。
ハイマツゾーンへ突入。
てことは枝漕ぎも再開。
滑りやすくてスピード出せません!
2024年08月10日 09:39撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/10 9:39
ハイマツゾーンへ突入。
てことは枝漕ぎも再開。
滑りやすくてスピード出せません!
新噴火口からは整備されており歩きやすくなる。
サクサクくだるで〜
2024年08月10日 10:04撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/10 10:04
新噴火口からは整備されており歩きやすくなる。
サクサクくだるで〜
最後はしっとり森の中。
2024年08月10日 10:40撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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8/10 10:40
最後はしっとり森の中。
登山口到着!
ここからバス停までは車道歩きです。
2024年08月10日 10:59撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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8/10 10:59
登山口到着!
ここからバス停までは車道歩きです。
カムイワッカの滝はファミリーがたくさん。
2024年08月10日 11:09撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
1
8/10 11:09
カムイワッカの滝はファミリーがたくさん。
事前に乗車券を購入しなかったので、カムイワッカのスタッフさんに仮乗車券を発行してもらい、知床ビジターセンターで650円払います。
2024年08月10日 11:18撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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8/10 11:18
事前に乗車券を購入しなかったので、カムイワッカのスタッフさんに仮乗車券を発行してもらい、知床ビジターセンターで650円払います。
バスで知床羅臼ビジターセンターまで到着したら、道の駅らうすまで行って待望の黒ハモ丼で打ち上げ!
2024年08月10日 14:11撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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8/10 14:11
バスで知床羅臼ビジターセンターまで到着したら、道の駅らうすまで行って待望の黒ハモ丼で打ち上げ!
翌日は海から知床半島を拝みました。
シーカヤック、超楽しい。
2024年08月11日 09:24撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/11 9:24
翌日は海から知床半島を拝みました。
シーカヤック、超楽しい。
山からと海から両方楽しむなんて贅沢です。
2024年08月11日 09:25撮影 by  iPhone 12, Apple
8/11 9:25
山からと海から両方楽しむなんて贅沢です。
シーカヤック後は熊の湯へ。
2024年08月11日 11:14撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
1
8/11 11:14
シーカヤック後は熊の湯へ。
とっても熱いので水で温度を下げました。
素敵な温泉です。
2024年08月11日 11:35撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/11 11:35
とっても熱いので水で温度を下げました。
素敵な温泉です。
最終夜は北見まで立ち寄り焼肉で締めます。
今回もありがとうございました!
2024年08月11日 17:13撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
3
8/11 17:13
最終夜は北見まで立ち寄り焼肉で締めます。
今回もありがとうございました!

感想

当初企画されていた道東3座弾丸企画が来年に持ち越しとなったため、憧れていた知床半島縦走を計画した。2泊3日の計画で北海道入りしたが、初日の天候が悪かったため同行程を1泊2日に短縮することとなり、前日に知床ビジターセンターで情報を収集した。営業小屋・避難小屋のないソロテント泊の縦走は経験があるが、今回はヒグマ密集生息地ということもあり万全の事前準備で緊張感をもって臨んだ。

8月9日(土) 天候:晴れ→曇り→雨→晴れ
 5時前にレンタカーを知床羅臼ビジターセンターへ駐車し、入山。熊対策として、熊鈴2個、熊撃退スプレー、笛、ラジオを用意した。今回選んだ羅臼温泉ルートは羅臼岳への2ルートのうちマイナールートで、環境省のHPでも上級者コースの位置づけ。登り始めてすぐ急登が始まり、里見台は見晴らしがよく国後島が見えてここが知床半島であることを認識させられる。その後第一の壁、第二の壁はトラバースの道が狭く崩落箇所があり、刈り取られた笹の葉が登山道を覆っている為滑りやすく歩きづらい。沢の出合の泊場は対岸に渡渉しなければならないが、ポイントがわかりづらく通り過ぎてしまい、折り返してピンクテープに気づくことができた。ここから先は登山道が整備されておらず、枝をかき分けて進むこととなる。登山道というよりもはや獣道である。視界が悪くヒグマがどこにいてもおかしくないため、右手で枝をかき分け、左手で鈴を鳴らし、口に咥えた笛を吹き鳴らしながら足を進めるため、忙しないことこの上ない。屏風岩で視界が開けるが、目の前はため息が出るほどの急登。しっかり休憩を取って行動を再開する。色とりどりの蝶と高山植物に元気づけられ、人気ルートである岩尾別ルートと出合である岩清水に到着した。ここまで出合った登山者は1人のみ。ここでザックをデポって山頂を目指す。
ここから山頂まではガラっと雰囲気が変わり、それまでの難ルートが嘘のようにあちこちに矢印マークがあり、踏み慣らされており、100名山らしい歩きやすい登山ルートとなる。マイナールートと比べてこうも違うものかと感心。お盆ということもあり登山客で大賑わいだが、山頂は虫が大量発生していてとても長居できる状況ではなく、写真を撮ったら早々に退散。幕営地を目指し縦走路へ舵を取り、再びのソロ活動へ。ひたすら静かな登山道が続く。ここから先も未整備の登山道。昨日の雨で雫をまとったハイマツが行く手を阻み、登山パンツはびっしょり、水分が靴の中まで入って靴内はぐちゃぐちゃ(レインパンツを履いておくべきだった)。幕営地までは2つのピークを超えなければならず、2つめのピーク手前の視界が悪い所で鈴を鳴らしていると、100メートル近く先のハイマツがゴソゴソ。笛を吹き鳴らすと、ハイマツから蝦夷鹿が飛び出してきた。恐怖で身体が硬直し、手に持っていた携帯を落とす。鹿でこんなに怖がっているようでは、熊に出合ったらとてもじゃないが熊スプレーを活用できる気はとてもしない。。。
15時ちょうどに幕営地の二ツ池へ到着。お盆にも関わらず、この日は私を含めてソロテントが3張りのみだった。テントを設営し、飲料用に池の水を汲んでいたら雨が降り始める。激しい雨は数時間でおさまり、夜には空一面の自然プラネタリウムが広がる。このためにわざわざ重いミラーレスカメラを担いできたが、普段使っていないため綺麗に星空を撮影する技術がない。。。この山行イチの後悔。画像に残せない分目に焼き付けた。

8月10日(土) 天候:晴れのち霧
翌朝は快晴。コースタイム5時間半でバスの時間は11時半だったので、余裕を持って5時に出発。2日目のルートはネットでも情報が少なかったため事前準備がなく臨んだが、なかなかの難易度。前半は穏やかなビクトリーロードが続くが、中盤から左右がスパッと切れて高度感のあるザレた細尾根や、落石・転落の多い岩場が現れ緊張感が高まる。そこから硫黄山トラバースを超えるとひたすらの下りのスタート。巨岩の涸れ滝は巻き道で下りるが、前日夜の雨で岩は濡れて滑りやすく、枝につかまりながら慎重に下っていく。硫黄沢出合で沢沿いから尾根にルートどりをするが、尾根の岩盤もとにかく滑りやすい。気が付けば1時間余裕があったはずのコースタイムはまったく余裕がなくなっていた。11時半のバスを逃すと数時間待ちとなってしまうため、歩きやすくなる新噴火口からペースアップし、バス出発の30分前に硫黄山登山口へ到着した。バスを乗り継ぎレンタカーへ戻り、温泉で汗を流してから羅臼食堂名物の黒ハモ丼で打ち上げた。

 余談だが、翌日はシーカヤックで海から知床半島を愛でる機会を得た。これだけ濃厚な自然を満喫できる縦走路は経験したことがなく、山を愛する者としての喜びを深く感じ心が震えた。

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