中津川・西吾妻山
- GPS
- 56:00
- 距離
- 19.4km
- 登り
- 1,398m
- 下り
- 738m
過去天気図(気象庁) | 2010年07月の天気図 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
吾妻中津川は、通常白滑八丁から遡行を開始し、藤十郎へ抜けるルートが紹介されます。
今回は、最下流の秋元湖湖畔から遡行を開始し、あまり遡行対象とされない黒滑八丁も含め、かつ、西吾妻方面へ本流を忠実に詰める計画としました。
つまり中津川完全遡行計画です。
◆ メンバー
L M中、H光
◆ 行動記録
7/17
08:00遡行開始‐14:10行動終了
(秋元湖河口‐雷雨のため銚子口を越えて30分ほどで行動終了)
前日深夜、中津川渓谷レストハウスの駐車場に入り、早朝から行動開始。
ここから中津川橋より入渓するのが普通だが、完全遡行を目論見、敢えて秋元湖まで川沿いの道を下る。
秋元湖からは、黒滑八丁と呼ばれる黒光りする花崗岩帯を進む。
途中、水量計測系の付近で、カモシカが優雅に渡渉しているのに出会う。
中津川橋を潜ると、続いては美しい滑と深いエメラルドグリーンの釜の続く白滑八丁の登場。
中津川遡行前半のハイライト!
アクアステルスの強力なフリクションで磨かれた側壁を、時には慎重に、時には壁走りの要領で大胆に進む。
水量が多いとやや困難さが付き纏う場所ではあるが、本日は快晴の真夏日。
躊躇することなく釜に飛び込んでは泳ぎ、白滑八丁を心より満喫しながら遡行を楽しむ。
小一時間進むと、沢は東北の豊かな自然を感じさせる樹林帯の中の遡行となり、やがて大きな釜を蓄えた魚止めの滝に到着。ここは左岸から巻いて、しばらく行くと取水口。
二泊三日の行程だと、ここで一泊目にするパーティーも多い様だ。
この先から中津川中盤戦となり、深い釜を抱える銚子口を抜けるとゴルジュ帯に突入する。
行けるところまで行こうということであったが、14時過ぎに雨が振り出したので遡行終了。
夕方頃には水位も上がり始め、日中遡行した箇所も濁流の中へ。
濡れた薪を集めるものの着火に失敗し、ツェルトで寒い夜を過ごす。
◆ 7/18 05:35遡行開始‐17:20行動終了
(核心の滝群を全て対処し、ヤケノママで行動終了)
放射冷却を恨めしく思いながら、早々に撤収して出発。
やや多めの水量の中を、ヘツリを最大限駆使して進んでいく。
まずは手始めに観音滝の巻き。再び沢底に降りた後も、大渓谷を感じさせるゴツめの渓相が続く。
途中で立派な権現滝を右に見て、やがて大迫力の神楽滝に至る。
夫婦滝10mは左壁をサクっと登り、続く静滝12mも右壁を突破。
この辺でまたしてもカモシカに遭遇する。
中津川中盤の快適な遡行を楽しんでいると、遂に核心部の熊落滝が登場。
滝の上部は右に直角に曲がっており、聳え立つ側壁との立体感で、中々荘厳な雰囲気。
この滝は一見、滝下から右壁を登って行く様に見えるが、そのルートだと上部で行き止まってしまうので、正解は100m程手前から右手のヤブを漕いでの巻き道。
ある程度登った後は、踏み跡不明瞭でルーファイの能力が試されるが、運良くすんなりと適当な懸垂ポイントを発見し、一時間半弱で再び沢底へ。
懸垂支点工作中、累計三度目のカモシカ登場。
その後も飽きさせない小滝が続き、赤い沢肌が目立ってきた頃に、遂に中津川渓谷クライマックスの朱滝60mが姿を現す。滝下に近づくと落水に織り成すベールに、小振りな虹のアーチが懸かり、感動のフィナーレを演出してくれている。
この滝は、一般登山者は絶対に見ることができないと思うと、感慨も一塩。
朱滝の捲きも結構手前から始まり、急斜面を登ると緩い樹林帯の斜面に到着する。
トポだと閉鎖された登山道に合流する様だったので、頑張って登ってみるものの、合流した登山道はもはや看板でそれと分かるのみで、無駄に高度を上げず早めに左にトラバースした方が正解。
最早道といえるものは存在しないに等しいので、適当にヤブを漕いで沢筋を下り、煙たなびくヤケノママで幕営。本日こそは焚き火を炊いて、優雅な一時を楽しむ。
◆ 7/19
07:00遡行開始‐09:35遡行終了
のんびりと朝焚火を満喫して出発。
途中、本年のものと思われる大崩壊地に遭遇し、巨岩の中を慎重に通過する。
源流地帯は陽光差し込む針葉樹で、中々素敵な雰囲気。
地糖の点在する湿原を辿り、名残を惜しむかの様にヤブと戯れると、木道の登山道に到着。
三日間掛けての中津川渓谷完全遡行を称えるかの様に、エムケーさんとガッツリと握手を交わす。
登山道からは西吾妻経由でグランデコ下山。
磐梯山付近の温泉は近年の噴火で全滅しているらしいので、安達太良の方面まで足を伸ばし、ゆっくりと三日間の汗を流す。
コメント
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tianshanさん、はじめまして、こんにちは〜
中津川はとてもきれいな沢だと聞いていますが、写真でもその様子が感じられますね。
あるガイドブックに「げっぷが出るほど遡行者を酔わせてくれる」と書いてあり、憧れている沢の一つです。
ただきわどいへつりを強いられるところもあるらしく、厳しそうだと思っています。
今回遡行された感想など聞かせてもらえるとうれしいです。
akoさん、初めまして!
詳細記録はそのうちしっかりアップしようと思っているのですが、折角コメントを頂いたので、簡単に説明をば。
まず、前提として白滑八丁は左岸から巻くことができるので、中津川を遡行するという目的においては、カットすることができます。
但し、それでは中津川の醍醐味を味わうことはできないので(笑)、突破することとしてお話します。
白滑八丁は部分的に水深が結構深い部分があり、左右どちらかをへつりというよりは、斜め歩きで進んでいくこととなります。
この際、濡れていたりすると突破が困難なことが多々あり、その場合は壁ダッシュ!からの飛込み、&水深泳ぎ突破!!などの動的なムーブが求められます。
また、足回りはアクアステルスなど、乾いた岩に絶大なフリクションを効かせられるものを履いておくと、より攻略しやすくなるかと思います。
個人的に中津川の核心は、熊落しの滝や、朱滝の巻きだと思っているので、真に警戒すべきは後半にあったりするのですが、晴れた日に白滑八丁だけを楽しみたい!という目的であれば、途中の取水上で切り上げるワンデイコースもありかなとは思います。
以上、簡単ではありますが、よろしくお願いします。
水深突破 → 水心突破でした。
一日目の遡行についてはPicasaの方にも登録しているので、よろしければ御覧ください。
http://picasaweb.google.co.jp/infiniteshine/20100717#
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