南信州赤線繋ぎ

2024年08月24日(土) ~ 2024年08月28日(水)

• GPS: 39:20
• 距離: 148km
• 登り: 4,681m
• 下り: 5,009m

コースタイム

1日目

• 山行: 0:46
• 休憩: 0:00
• 合計: 0:46

距離 3.2km 登り 4m 下り 131m

15:11 スタート地点
15:57 宿泊地

2日目

• 山行: 11:21
• 休憩: 0:00
• 合計: 11:21

距離 41.6km 登り 1,210m 下り 1,332m

3:17 宿泊地
14:38 宿泊地

3日目

• 山行: 10:29
• 休憩: 0:01
• 合計: 10:30

距離 37.6km 登り 1,342m 下り 844m

4:36 宿泊地
6:49 6:50 二ツ山バス停
11:38 寒原バス停
13:35 治部坂高原駐車場
15:06 道の駅 信州平谷

4日目

• 山行: 8:33
• 休憩: 0:08
• 合計: 8:41

距離 31.3km 登り 839m 下り 921m

4:20 道の駅 信州平谷
4:50 平谷高原スキー場
6:51 6:59 根羽バス停
13:01 宿泊地

5日目

• 山行: 7:53
• 休憩: 0:00
• 合計: 7:53

距離 34.7km 登り 1,286m 下り 1,780m

3:38 宿泊地
7:31 鶯巣駅（JR飯田線）
8:08 平岡駅（JR飯田線）
11:31 ゴール地点

2日目（8/25）のみ追記します。
3：17 宿-4：03 天竜橋（中川村）-5：45 四徳橋-6：36 松除橋-7：50 四徳橋-9：38 天竜橋（中川村）-10：39 豊丘村境-12：42 喬木村-14：00 飯田市境-14：38 飯田（上郷別府）

写真

8/24 15:24

松川ICで高速バスを下車したが、宿の登録位置が私のミスで違っていた。

8/24 16:02

スマホのグーグルマップを頼りに到着しました。
地元の食材、しかも地元の飲食店では食せないものに拘った女将さんんの夕食が素晴らしかった。

8/25 3:43

まだ夜明け前ですが、大鹿村を目指します。

8/25 5:11

小渋川の河川敷で大規模な工事をしていました。
これはリニアカーの関連工事と思われる。

8/25 5:26

小渋ダム

8/25 5:31

西下トンネル

8/25 5:45

あまり気にしたことはないが、JR東海コンサルタンツ会社が一般道路のトンネル設計をしている。
鉄道関連技術の活用として、当然と言えば当然である。

8/25 5:49

秘境にかかる美しい四徳大橋。
大鹿村まで7Km

8/25 5:52

東山トンネル　1.2Kmあります。

8/25 6:25

洞門の先に大鹿村の表示が見えます。

8/25 6:37

どんどん進みます。

8/25 6:40

計画ルートは通行止めです。どうしたものか？
松除橋は私には”思案橋”です。まず強硬突破はない。
直進してR152の地蔵峠を越え、喬木村村道経由で飯田に入るか？これはいかにも長い。この後45Km以上ありそうだ。天候もこの先がはっきりしないし、バスで再度アクセスできるようなので今回は大鹿村を断念するか？
幸いなことに、雨は降っていないので、ゆっくりと検討できた。最終的には天竜橋まで引き返し、天竜川左岸沿いの村道を進み、喬木村役場近くで、計画ルートに合流することとした。天竜川右岸は過去に歩いている。帰宅後に確認すると丁度5年前の2019年8月25日（市田・泰阜）でした。
困ったときは、焦ってしまう。年を取るとなおさらだ、
グーグルマップは開けるが、マイマップは開けない。ネットが繋がっていないと言うことか？

8/25 6:49

決まったら、気が変わらないうちに、早く新計画で歩く。

8/25 7:11

来た道を急いで戻ります。

8/25 7:54

四徳大橋・往きには気にしなかったが、、帰路では柱に巻きつけられたワイヤの効用が気になる。
雪対策とも思えない、風対策だろう。

8/25 8:26

小渋ダム

8/25 8:58

法面に固まる落葉が、妙に芸術的である。往きにはただの防護網として通り過ぎた。

8/25 8:59

その時、絵が見えた。キャップ帽を被った少年が右手に何かを持って息を吹きかけているようだ。少年の肩には鳥らしきものが止まっている。白いシャツに長めの短パン。右足は前に出て、黒い靴も見える。左足はあげようとして靴裏が見える。自然の造形に驚かされる。
この時の私には見えたが、再び見た時は何も感じないかも。見えないかも。

8/25 9:01

清楚に保持されているので、気になって裏面を見る。

8/25 9:01

詳しく読めないが、昭和45年10月にバスの転落事故があったようだ。13歳から69歳の7名が亡くなっています。
遺族が手入れしていても13歳の親は相当な高齢だろう。
遺族の兄弟姉妹としても70歳前後と思われる。

8/25 9:16

伊那大島方面と思う。

8/25 9:30

水神様が祀られています。
後のホースはかなりの口径です。多くの人が利用しているのでしょう。

8/25 9:33

26℃。快適です。

8/25 9:42

天竜橋。そろそろ変更ルートだ。

8/25 10:09

小渋えんまん発電所。何とも奇妙な名称である。しかも”ひらがな”である。近くに発電所があるのに、長野県がどうして？と気になりだした。
地元の福与保育園児の散歩コースにある発電所近くの円満坊は園児には人気のスポットだそうです。福与保育園の園児が水力発電について学んだあと、名称を決定したそうです。園児にはふるさとを想う生涯の想い出でしょう。

8/25 10:19

久し振りに廻国供養塔を見た。全国66ヶ所（壱岐、対馬を除く）へ写経した法華経を奉納する巡礼である。
満願した記念にあるいは途中で亡くなった旅人を供養した碑である。いくつもあるので、これらは満願した記念であり、地域の信仰心がよく解る。

8/25 10:28

この辺りは”福与”地区です。
一瞬、”復興”と読みかけました。

8/25 10:35

本来ならば、この大鹿方面から合流予定でした。

8/25 10:37

当然ですが、こちらからも大鹿村へは通行止めです。

8/25 10:44

既に豊丘村、喬木村は赤線で繋がっていますが、天竜川左岸地区を歩きます。

8/25 12:26

伴野神社。滋賀の日吉大社から大山咋神を勧請しています。武田氏と知久氏はこの地で戦い、伴野神社は焼失し、南信の雄、知久氏は敗れました。

8/25 12:48

喬木村に入ります。

8/25 12:53

中央新幹線がこの地を通過するようだ。

8/25 14:42

今夜の宿です。経費節減の意図かわからないが、割と立派な受像機があるが、地上波は全く受信できない。ネット放送だけです。NHKの受信料を削減するためか？
そのほかにもリピーターが増え無さそうな、施策は逆効果でしょう。

8/26 6:01

R153は飯田IC近くで中山道に通じるR256と合流する。
とにかく、今日は寒原峠、治部坂峠を越えねばならない。

8/26 6:40

リニア中央新幹線の立派な看板が出てきました。
リニアの波及効果は庶民が考える以上だと思った。
駅がなくても、工事のために道路が整備されていて、地元民は多くの便宜を受けている。

8/26 6:47

思わず笑いました。飯田は西関東の担当か？
そもそも”西関東”と言う呼称を初めて見聞しました。

8/26 7:45

星空で有名な阿智村に入ります。
人々は云う。『長野県はどんな山奥に行っても、人が住んでいる。』私も同感である。
多くの集落が分村、合併を繰り返してできた村のようです。人口6000人、56の集落が点在している。

8/26 7:55

昼神温泉は途中で分岐してR256方面である。
私はR153で治部坂峠に向かいます。
R153はいわゆる三州街道（中馬街道）である。
中馬は伊那地方独特の輸送手段である。一人で数頭の馬を引いて、荷物を運ぶ、今でいう宅急便か赤帽のような輸送業である。宿場に泊まる回数も減るので、宿屋業と中馬たちの争いが多くあったようだ。

8/26 8:37

阿知神社や園原古跡は読み取れるが、”神能御坂”は”神坂”のことか？
旧蹟園原とあるのは、枕草子や源氏物語にも登場する歌枕や日本武尊東征の帰路、神坂峠を通過した時の神話に舞台だからだろう。

8/26 9:04

伊那谷最大の馬頭観世音で大沢川対岸に伊那街道を行き交う人馬の安全と供養のために建てられたらしい。明治時代に土砂崩れで集落とも押し流され行方不明になっていた。発見された碑は敷地を寄付されたこの地に安置された。立派な筆者は秋多徳演という有名な捨世派の僧です。

8/26 9:52

10時前で25℃と快適です。

8/26 11:42

一つ目の難所、寒原峠をクリアです。

8/26 12:38

猿で良かった。熊なら大変です。

8/26 13:23

治部坂にかかっています。写真では下っているようですが、登っています。

8/26 13:43

スキー場やレジャー施設があるこの辺りがピークのようです。

8/26 13:47

治部坂峠の標識が見えました。”峠を越えた”とはまさしくこの状況でしょう。

8/26 13:48

難所に見合う立派なスノーシェルターです。
芸術的です。

8/26 13:54

明らかな下りです。

8/26 13:59

午後2時と言うのに、23℃です。

8/26 14:36

長者峰、高峰への登山口。

8/26 14:38

南信は武田と織田の争いが多い地区です。
滝之沢城は武田軍の下条氏が守っていたようです。

8/26 15:13

有難い。今夜の宿は広い浴槽がある温泉です。

8/27 5:58

霧雨の中、心地よい。

8/27 6:13

擁壁に騎馬隊の絵が、すぐ近くに武田信玄が絶命した信玄塚がある。信玄に死亡場所は根羽村以外に平谷や浪合など諸説ありますが、いずれにしても通過してきた三州街道沿いであろう。

8/27 6:51

雨が激しくなってきた。売木方面の標識が出てきた。

8/27 7:05

R153 と村道が合流する根羽村の中心地近くのバス停で一休み。疲れと言うよりは雨で多少戦意喪失気味。
どのコースも”洞”が付いている。韓国の行政単位の”洞”とは違います。東海自然歩道を歩いていると、岐阜県などでしばしば目にする呼称です。”洞”とは行き止まりの”谷地形”を表す言葉です。
『長野県はどんな山奥に行っても、人が住んでいる。』と言われる一つの例でしょう。

8/27 10:06

売木村に入ります。
私は南信の難読三村として覚えるようにしています。
平谷村（ひらや）、根羽村（ねばね）村、売木（うるぎ）です。難しい漢字ではないが、素直に読める人は信州か三河の人でしょう。

8/27 12:08

道の駅うるぎ
昼食休憩と雨具仕舞いのため立ち寄ったが、レストランは休業で、すぐ近くの食堂を紹介してくれました。
ほぼ隣接する小さな食堂で、『ありがとう』という屋号です。混んでいましたがおいしかったです。ピリ辛野菜定食を戴きました。

8/27 12:53

売木に到着。

8/27 13:06

宿は交差点から見える高台の上です。
赤坂峠、売木峠を越えて来たのに、安堵のせいかゴール直前の坂を休み休み登った。

8/28 4:19

今日は台風10号の影響で大雨が長く続きそうだ。
6時出発予定だが、小康状態の3：40に出発した。
直ぐに売木峠を越え、阿南町に入った。

8/28 5:38

おきよめの湯。天龍村が運営する温泉施設で「向方お潔め祭り」に因んで命名された。

8/28 5:51

かつら大滝

8/28 7:04

これはグッドアイデア。
確かに”ちょっとづつ良くなる”が付くだけで、また来たくなる。

8/28 7:07

旧道をショートカットする福島トンネルの前でお清めの道は終わりなんだ。徒歩旅を始めた頃は”島”でもないのに何故”福島”なのか、疑問に思った。
諸説あることを知った。ヤクザ言葉の「シマ」や同じ宗派の信者が集まったり、同業者が集まってできた集落も「シマ」と言った。

8/28 7:28

天竜川橋。今回の旅で3度目の天竜川渡河である。

8/28 7:53

折角の滝も、鉄路ほかで遮られ無粋である。

8/28 7:54

地名とバス停が合っていないが、誰も何も言わない。
『浄心』と『洗心』

8/28 8:00

平岡ダム

8/28 8:13

平岡の商店街に入りました。

8/28 8:14

龍泉閣は天龍村村営施設のようです。
JR平岡駅に併設されています。

8/28 8:15

満島番所跡。天竜川の旅人、荷物、主として川下げ木材を取り締まるために設置した川の番所（関所）であった。番人（奉行）には扶持を与え、遠山氏一族の遠山家（南・長野両家）が月番交替に担当した。
この後道を間違えて直進して遠山川を越え清水トンネルの入口で気付く。往復約3Kmのロスをした。

8/28 9:11

長野県道1号線に入ってすぐに平岡ダムである。

8/28 9:19

戦時中、平岡ダムの建設に動員されなくなった中国人の慰霊碑である。去年慰霊祭が行われたようです。天龍村と飯伊市町村、飯田日中友好協会などがほぼ5年に1度開催しているようです。

8/28 9:36

ちょっと雨が激しくなった。羽衣崎橋です。

8/28 10:24

和知野川を越える。

8/28 11:17

美しい南宮大橋。2019年8月26日（泰阜・豊根）以来の再訪である。

8/28 11:27

今回のゴールである温田駅。5年前はここを素通りしたが、今回はここから飯田駅までJR,そしてバスでバスタへ戻る。

8/28 12:25

天竜駅で停車中に撮影した。

撮影機器：

EX-ZR400 CASIO COMPUTER CO.,LTD.

感想

ア?ドッポ

台風10号が接近する中、木曽山脈と赤石山脈に挟まれた伊那谷の南信州を歩いた。伊那谷は飯伊（はんい）地方と表現されることもあったが、最近は見かけることが少なく、古い企業などが用いている。松川町、大鹿村、豊丘村、喬木村、飯田市、阿智村、平谷村、根羽村、売木村、天竜村、泰阜村と多数の市町村を歩いた。出発前は難読3村（ひらや、ねばね、うるぎ）の峠越えに不安を持っていた。治部坂峠には閉口したが、終えてしまえばまだまだ歩けると自信を持てた。25日（事実上の初日）に小渋湖を過ぎ、松除橋で予定ルートが通行止めである。自分なりに色々と考え、引き返し天竜川左岸を歩き、間沢で計画ルートに合流した。老いとともに機転も利かなくなり、判断に時間がかかる。最終日にルートミスはまだしも気が付くまでに3Kmも歩いた。往復6Kmのロスである。理由ははっきりしている。雨が激しくなるとトンネルが嬉しくてどんどん進む一方でGPSの確認が億劫になる。和知野川を渡るはずなのに遠山川がでてきて、おかしいことに気づき、確認した。気付いただけ良いとする考えもあるが、私は老いを感じ悔しい。この悔しさを感じなくなったら徒歩旅はできない。
同じ山間部を通る道路でも、九州や四国に比べると村道であっても、よく整備されていた。そういえば、リニア新幹線のルートになっている地区は工事のため立派な道路が整備されている。人が住んでいれば道は整備される。長野県はどんな山奥にも人が住んでいると言われる。全く同感である。山奥にまで人が住みついた理由は数多あるだろうが、私は戦国時代の領土争いで敗れた一族が山奥に住みついたのもあるだろうと思っている。土地を棄てないのも長野県民の特徴かもしれない。長野県民は優しい。僅か4日間の旅で、4人もの人から乗って行くかと声を掛けられた。歩くのが目的なので乗る気はないが、非常に嬉しい瞬間である。Y県では、2度も警察に通報され、しつこく質問攻めにあった。警察官曰く、『Y県の人は優しい』からよく通報があります。私曰く、『それは違う。単なるお節介』で迷惑である。
天候がイマイチで、景色は十分楽しめなかったが、勉強しながら思考しながら思いのほか楽しい旅だった。
帰路は天候の影響で、長山〜中部天竜間は運行停止、特急は全線運休。
幸い、温田から飯田までは列車移動できました。飯田からは高速バスで新宿に出ました。