和賀岳 大鷲倉沢
- GPS
- 15:07
- 距離
- 21.1km
- 登り
- 1,794m
- 下り
- 1,828m
コースタイム
- 山行
- 8:45
- 休憩
- 0:08
- 合計
- 8:53
- 山行
- 5:30
- 休憩
- 0:43
- 合計
- 6:13
天候 | 5日 曇り時々晴れ 6日 ガス後晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2024年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
登山口までの林道はダートだが、状態は良く普通車でも問題ない。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
北上川水系 和賀川支流 大鷲倉沢 体感3級下 水量平水 フェルト△ 魚影見てない 雪渓なし ■アプローチ 大鷲倉沢に入渓する場合、岩手側の高下口からか、秋田側の甘露水口からかの二択になる。 今回は秋田側の甘露水口からスタート。 車止めの林道を歩き出し、最初の登山道分岐を甲山・中ノ沢岳方面へ進む。 沢を2回渡渉して甲山分岐までは刈払いされている歩きやすい登山道を歩けるが、その後は藪漕ぎになる。 最初は足元の薄い踏み跡を見失わないように歩いたが、すぐにわからなくなり、一部濃密な藪を漕いでコルへ。 ここから和賀川に下り立つ為、東に進路を取るとすぐに沢型を発見しそれを下降する。 下降する沢は特別難所もなくスムーズに下降出来る。 何個か大きめの滝も現れたが、全て巻き下れる。 和賀川本流に合流する直前にある10m滝は、左岸を巻き下ったが、安全を期して懸垂下降でもいいだろう。 歩き出しから下降点コルまで3時間。(亀の歩み+ルートミスあり) 沢下降1時間ちょい。 ■和賀川〜大鷲倉沢遡行 和賀川に降り立つと、沢幅も広く水量も豊富なダイナミックな素敵な渓相で、「いい沢」の雰囲気を醸し出している。 ゴーロを進むとco624で和賀川本流との二俣になり、左に入る。 この辺りには河原の幕営適地がチラホラある。 またすぐに滝で出合う二俣となり、左が小鷲倉沢、右が大鷲倉沢の出合いとなる。 大鷲倉沢に入ると沢幅も狭まり、登れる小滝が続いて沢登り感が強くなる。 所々にナメもあり、渓相はとてもいい。 登りづらい滝も小さく巻けるので、行き詰まる事なく順調に進むと、この沢では最大の15m滝。 左岸から容易に小さく巻く。 さらに小滝の連瀑は続き、直登したり小さく巻いたりしながら進むと10mのCS滝。 夏なら水線直登出来そうだが、右岸から巻く。 この巻きは岩壁下を小さく巻く事も可能だと思うが、足元がズルズルなので、急なルンゼを1本さらに高巻いて灌木伝いに沢に復帰。チェンスパがあると有効。 巻き降りた左岸に絶好の河原があったのでそこで幕とした。 2日目はガスガスの中スタート。昨日越えた10mCS滝を過ぎればあとは難所はなく、晴れていれば素晴らしいだろうと思える渓相をのんびり行く。 1090mの二俣は、山頂にダイレクトに抜ける為滝が架かる右に入る。 出合いの6m滝は左岸を小さく巻く。 その後も難所はなく次第に源頭になり、草付と笹の藪漕ぎを10分頑張れば草原に抜け、目の前の和賀岳山頂にダイレクトに詰め上がった。 ■下山 一般登山道を薬師岳経由でたっぷり3時間。 紅葉の見頃は今週だろう。 |
写真
装備
個人装備 |
登攀具一式
泊り装備一式
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感想
この週末、雪華さんから越後の沢の誘いがあり、色々調整していたが結局天気でまたダメ。
9月から狙っていた泊まり沢がことごとく流れ、今週もまた日帰りかぁと肩を落としていたが、東北はギリギリ行けそうな予報。
もう泊まり沢に飢えているので、どこでもいいから沢泊へ行きたいと思い、浮上したのが和賀岳の大鷲倉沢。
秋に行こうと思ってた大鷲倉沢は、私は去年計画したが天気で流れた沢だ。
雪華さんは6年前から想いを馳せてたらしく、今回念願かなっての遡行となった。
アプローチでの登山道では相変わらず亀の歩みで雪華さんに迷惑をかけてしまったが、沢下降から和賀川本流に降り立つと、ダイナミックで綺麗な渓相にアプローチの疲れも見事に吹き飛んだ。
大鷲倉沢に入るとさらに渓相は良くなり、登れる小滝群と見応えのある滝、ナメで繋ぐ素晴らしい渓相の中を気持ちよく歩く事が出来た。
夜は満天の星空を何度も仰ぎ、焚火を前に美味い酒とメシで心ゆくまで沢泊を楽しむ。
特に雪華さんが準備してくれた食材は、普段むさ苦しいオッサン達が持ち寄る食材とはまるで違う世界で、新鮮な気持ちでその食材に舌鼓を打った。
翌日は生憎の空模様だったが、大鷲倉沢の上流部は完全癒し系となり、その渓相の素晴らしさはガスの中でも充分体感する事が出来て、和賀岳山頂に詰め上がった時は充実感で満たされ、来て良かったと心から思えた。
今回、急遽の代案ではあったが、和賀を代表する大鷲倉沢の遡行は大変素晴らしく、また1つ東北を代表する名渓に入れて大満足の2日間となった。
もしソロだったら、ガスの中を黙々と遡行したと云う思い出になったと思うが、今回ご一緒させて頂いた雪華さんのおかげで、より素晴らしい遡行となり、心から感謝申し上げたい。
ありがとうございました。
雪華さんの記録
大鷲倉沢〜和賀岳〜薬師岳縦走 2024 https://yamap.com/activities/34948168 #YAMAP
そう、東北を代表する茗渓のひとつに数えて間違いない、大鷲倉沢。
一泊二日の沢旅にはぴったりな変化に富んだ飽きさせない渓相と、和賀岳の縦走路からの景観や優しい山々の稜線歩きやブナの原生林。とても充実感があります。
で、やはり「秋の紅葉」に合わせると一番素敵かなって感じました。
少し空気が冷たくなって星の輝きが大きく感じるし、東北の紅葉は黄色だけでなく赤がひときわ美しい。
私は6年前から計画していて実は10月中旬の日付で決行日を作っていた。そしたら「10月中旬なんて寒くてダメだよ」って却下され、悲しい思いをした経験もある。
実際遡行してみると、葛根田の有名ルートよりよっぽど変化に富み楽しい。私は釣りをしないので、夏より10月に入った晩秋の大鷲倉沢を推したいな。
下山は縦走になるので3時間は必要。優しいラインの稜線歩きに輝きを持たせるのが秋の紅葉の美しい赤で、それがまた東北らしさを際立たせる。
もともと和賀岳はニッコウキスゲの群生が有名なので、帰りの縦走路を充実させたいならその季節に合わせるのもいいかもしれないけど、沢には雪渓が残っているから美しいナメ地帯は雪に覆われて堪能できないかも。
あと、岩手山は先日噴火ハザード2になってしまい、入山禁止となったばかり。その界隈よりかなり離れている和賀岳山塊であれば安心して楽しめる。アプローチの真木渓谷周辺は大鷲倉沢以外にも遡行して楽しそうな美しい渓谷や沢がたくさんある。
私の周りでは「大鷲倉沢」というと手強い沢という印象。失敗した先輩の話も聞こえてくるので行こうと誘ってもなかなか承諾を得られなかった。時期とアプローチルートをしっかり見極めればそんなことないのに。。(今回は特に楽しすぎてホントそれを実感する。色々調べたけど秋田県側の甘露水スタート→甲山の分岐の北側にあるコルからの沢下降が一番ストレスの無いルート=今回のルートだと思う。)
そんな中、mooree氏に大鷲倉沢をご提案いただき本当に嬉しかった。
数年前から温めていた計画書を引っ張り出し、ワクワクした数日間を過ごした。
mooree氏と沢をご一緒するのは今回初めてだったけれど、気の合う旧友と会った時みたいに話が弾み、それもまた楽しかった。笑いっぱなしの2日間だったな〜!
今回は沢もmooree氏とのおしゃべりも楽しすぎて、とても充実した二日間になりました。ご一緒して頂きありがとうございました!
ぜひこれからも小鷲倉沢とか越後の沢、ご一緒してください。よろしくお願いします(#^.^#)
和賀岳近辺では日帰りで高下川を遡行したことがありますが、泊まり沢だとまたスケールが違いますね。
土曜日休みが取り辛く、なかなか泊まり沢には行けませんが、来シーズンは焚き火を囲みながら語らいたいものです。
大鷲倉沢は予想以上にいい沢でした😊
泊まり装備だと、日帰りの時とは遡行の仕方がダイブ変わりますが、来シーズンは是非沢泊行きましょう!
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