晩秋の仙塩尾根 鳥倉in-北沢峠out

- GPS
- 28:54
- 距離
- 49.4km
- 登り
- 4,512m
- 下り
- 4,152m
コースタイム
- 山行
- 6:00
- 休憩
- 3:00
- 合計
- 9:00
- 山行
- 10:26
- 休憩
- 1:14
- 合計
- 11:40
- 山行
- 7:05
- 休憩
- 0:54
- 合計
- 7:59
| 天候 | 1日目 快晴 2日目 快晴 3日目 快晴 |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2024年10月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
‥豕(竹橋)〜伊那大島駅 毎日あるぺん号(伊那大島駅でタクシーに乗り換え) 伊那大島駅〜鳥倉林道ゲート マルモタクシー ■復路 )迷峠〜戸台パーク(仙流荘)南アルプスクイーンライン 戸台パーク(仙流荘)〜茅野駅 JRバス「南アルプスジオライナー」 |
| コース状況/ 危険箇所等 |
■1日目 ・鳥倉林道ゲート〜鳥倉登山口 登山口まではアスファルトを緩やかに登る ・鳥倉登山口〜三伏峠 豊口山のコルからは尾根沿いを巻く形で進む。何か所かある木橋は滑りやすいので注意。 ・三伏峠〜烏帽子岳〜小河内岳 西側斜面が切れ落ちているので注意。とはいえ気を付けて歩けば特に問題はない。 ■2日目 ・三伏峠〜塩見小屋 ひたすら樹林帯を歩く。特に危険個所はなし。 ・塩見小屋〜塩見岳 ところどころザレた岩稜帯。落石に注意。鎖場もあるが、3点支持ができれば問題なく通過できる程度。 ・塩見岳〜北俣岳分岐 北側斜面が崩壊しているため注意。旧道には通行止めの案内があり、南側を巻く形で新道が出来ている。 ・北俣岳分岐〜北荒川岳 分岐から熊の平方面は尾根を直進ではなく、斜面を巻く形で新道ができている。ハイマツを強引に切り開いてあり、踏み跡も薄いため歩きづらい。目印としてピンクテープがあるので、迷う心配は少なそう。 ・北荒川岳〜熊の平小屋 再び樹林帯に入る。特に危険個所はなし。 ・熊の平小屋〜三峰岳 三国平の手前で再び森林限界を超える。東には間ノ岳と農鳥岳の眺めが見事。三峰岳手前は岩稜帯の痩せ尾根だが、注意して歩けば特に問題はなし。 ・三峰岳〜両俣小屋 再び樹林帯に入り、野呂川越まで緩やかなアップダウンを繰り返す。野呂川越から一旦尾根を降り、野呂川に向かって40分ほど下って川沿いを少し北上すると両俣小屋。猫ちゃんのいるアットホームな雰囲気の小屋でした。 ■3日目 ・野呂川越〜大仙丈ケ岳〜仙丈ケ岳 フキ平を少し過ぎると再び森林限界を超える。仙丈ケ岳、甲斐駒、白根三山を望みながらの稜線歩き。大仙丈ケ岳手前の急登がきつかった。連休ということもあり。仙丈ケ岳山頂はさすがの混雑だった。 ・仙丈ケ岳〜小仙丈ケ岳〜北沢峠 小仙丈ケ岳からはカールの眺めが見事。小仙丈ケ岳から北沢峠までは特に危険個所もなく、穏やかな樹林帯が続く。 |
| その他周辺情報 | ■温泉 仙流荘 日帰り入浴 ■水場 ほとけの清水:細いが問題なく汲める水量 三伏峠小屋:冬季は水場が撤去される。そのため水7Lを担いだ 熊の平小屋:十分な水量 両俣小屋:十分な水量 |
| 予約できる山小屋 |
|
写真
装備
| 個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
ゲイター
日よけ帽子
着替え
靴
予備靴ひも
サンダル
ザック
ザックカバー
サブザック
昼ご飯
行動食
非常食
調理用食材
調味料
飲料
ハイドレーション
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
調理器具
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
針金
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ストック
ナイフ
カメラ
ポール
テント
テントマット
シェラフ
ヘルメット
携帯トイレ
|
|---|
感想
ヤマケイのガイドブックでその存在を知り、長らく憧れていた仙塩尾根。
7月と9月の連休に計画しましたが悪天候でどちらも頓挫。今年は諦めかけていましたが、10月の連休は久しぶりの快晴予報。すぐさま鳥倉行のあるぺん号を予約し、2泊3日の縦走が実現しました。
3日間文句なしの快晴に恵まれ、静かで長大な稜線歩きを満喫できました。今年のアルプスでのテント泊はこれが最後になりましたが、憧れの仙塩尾根で締めくくることができ嬉しかったです。来年は時間があれば、南ア全山縦走にも挑戦してみたいですね。
〜以下山行記録〜
〇10/12(土) 鳥倉林道〜三伏峠〜小河内岳
竹橋発のあるぺん号で伊那大島駅に向かい、タクシーに乗り換えて揺られること約50分、鳥倉林道ゲートに到着。日の出前で薄暗く、肌寒かった。三連休初日だけあり、駐車場はほぼ満車だった。
ゲートからアスファルトを緩やかに登り、鳥倉登山口へ。登りが始まった途端、ザックが肩にぎゅっと食い込んだ。それもそのはずで、今日と明日の行動分、自炊分の水計7Lを担いでいたからだった。三伏峠小屋は営業期間外なので水場は撤去されていたし、道中にあるほとけの清水は細いらしく、あてにするには心もとなかった。おそらく、カメラ込みで19kgはあるはずだ。
南アらしい、緑濃い針葉樹の森を登る。歩いていて気持ちがいいけど、とにかくザックが重い。豊口山間のコルを経て、尾根をトラバース気味に進んだ。ほとけの清水に着くと、十分な量の水が流れていた。なんだ、これなら麓から担がなくて良かったのに…
豊口山分岐から再び尾根に乗り、急登を少し歩いて三伏峠小屋に到着。調べたとおりトイレは閉鎖されていた。営業期間外で早い時間なので、テント場はまだ余裕があった。設営して一休みする。
アタックザックに切り替え、小河内岳へ向かう。西側が崩壊した稜線を注意深く歩き、まずは烏帽子岳へ。ここは塩見岳の絶好の展望台。北方にそびえる巨大な、勇ましい岩峰を望み、明日はあれに登るのだと胸が高まった。
振り返り南方に目をやると、前小河内、小河内岳が見える。なだらかな東側と、崩壊して切れ落ちた西側斜面の対比が面白かった。さらに奥には、荒川三山が顔を覗かせている。
前小河内岳を経て鞍部に下り、短く登り返して小河内岳へ。山頂は広々として気持ちが良かった。目の前に迫った荒川三山を眺めながら、ラーメンを作り昼食とした。さっきまでいた2,3人の登山者はいなくなり、360度の絶景と静けさを思う存分独り占めできた。
次第にガスが湧き始めたので、三伏峠に戻る。ついでに小河内岳避難小屋を覗いてみた。2階の冬季入口から入り、見る限りでは10人程は泊まれそうだった。小屋の外に出ると、今日ここに泊まる予定のご夫婦と会う。互いのルートなど諸々お話しをした。
14時50分頃、三伏峠に到着。夕飯はいつものカレー飯。寒さ対策としてエマージェンシーシート、シュラフカバー、ビーニーとネックウォーマーをフル活用し、早めに就寝した。ちなみにトイレは閉鎖されているので、テントの中で携帯トイレを使用した。営業小屋のありがたさを思い知った。
〇10/13(日) 三伏峠〜塩見岳〜両俣小屋
2時頃起床。満天の星空を眺めながら朝食を摂る。
フライシートの結露が凍っていて、素手で触ると、指先が痛いくらいに冷たくなった。少し撤収に手間取り3時20分頃に出発。
真っ暗な森の中、ヘッデンの光だけが前を照らしていた。熊鈴の音だけでは心細く、大声で歌いながら歩いた。塩見小屋の手前でようやく日の出を迎える。ほっとしながら、オレンジに染まる空を眺めた。6時頃、塩見小屋に到着。小休止を済ませる。展望スポットの岩に立ち、目の前に迫った塩見と、朝日に染まる白峰三山を望んだ。
塩見小屋から50分ほど岩場を歩き、塩見岳西峰へ。落石に気を付ける必要はあるが、登りの危険度は高くなかった。少し歩いて東峰も踏み、記念撮影。山頂から北方に目をやると、遥か先に仙丈がいる。そこに向かい、三峰岳や北荒川岳を結ぶ、伸びやかで長大な稜線が続いている。ついに仙塩尾根を捉えた。美しさに惚れ惚れすると共に、最後まで歩けるだろうかと一抹の不安も感じた。
山頂から北俣岳の分岐に進む。南方には広々とした蝙蝠尾根が伸びていた。北側の斜面が崩壊しているため、新道として巻き道が出来ていた。ピンクテープはあるものの、ハイマツを強引に切り開いた踏み跡も少ない道だったので、歩くのに一苦労した。
新道から本ルートに合流し北上する。遥か先に仙丈ケ岳、東に農鳥岳と間ノ岳を望みながら、どこまでも静まりかえった尾根を歩いた。7月と9月の計画が立て続けに頓挫していたから、今こうして仙塩尾根を歩けていることがたまらなく嬉しかった。
7時50分頃、北荒川岳に登頂。再び樹林帯に入る。展望がなくなるのは残念だけれど、しんと静まり返った樹林帯歩きもこれはこれで楽しい。しばらく歩いて11時ごろ、熊の平小屋に到着。小休止をする。営業期間外なのと山深い場所だからか、他には誰もいなかった。
8時間以上歩き続け、さすがに疲れてきた。ここでテントを張って1泊したい気持ちもあったけれど、最終日に余裕を持たせたいし、予定通り両俣小屋に向けて出発した。
再び樹林帯を抜け、三国平へ。なだらかで見晴らしがよく、気持ちのいい場所だった。間ノ岳から西に延びる尾根の先に三峰岳を捉えた。間ノ岳に比べると断然ミニマムだけど、岩々しくてカッコいい鋭鋒だった。岩稜帯の痩せ尾根を歩いて山頂へ。間近で眺める間ノ岳のボリューム感に圧倒された。
さらに北上すると再び樹林帯。さすがにひどく疲れてきたので、早く休みたい一心で足を速めた。野呂川越につき、尾根を逸れて野呂川に向けて40分ほど下る。ようやく両俣小屋へ。やっぱり12時間超えはきつい。足も腰も肩も痛かった。
小屋に入って受付を済ませる。土間の中央に石油ストーブがあり、部屋全体が温められていてありがたかった。テント場は他に2張しかなく、とても静かで快適だった。設営した後は再び小屋に入ってカルピスを買い、2匹の猫ちゃんに癒してもらった。三毛はミーコちゃん、キジトラはミーちゃんというらしい。くたくたに疲れているので、猫ちゃん達の可愛さが身に沁みた。
テントに戻り、昼食と夕食を一度に食べた。カレー飯とラーメン。日が暮れると一気に冷えてきた。川沿いだから冷気が流れ込んでくるのだと、小屋番のおじいさんが言っていたなと思い出す。今夜も防寒対策フル装備で床についた。
〇10/14(月) 両俣小屋〜仙丈ケ岳〜北沢峠
2時半起床。朝食と撤収を済ませて4時ごろ出発。見上げると満天の星空が広がっていた。これほど天候に恵まれた連休は久しぶりだ。
熊鈴とヘッデンをつけ、昨日下った急登を再び登る。稜線に出てからも真っ暗だった。本当に日が短くなった。5時半ごろにようやく日の出を迎え、樹木に囲まれた道に光が差してくる。何度山に登っても、日の出の瞬間は飽きることがない。
一旦森林限界を抜け、展望の開けた岩場に出た。両俣小屋から抜きつ抜かれつしていた男性がいたので、少し言葉を交わす。北に目をやると、オレンジの陽光が、目前に迫った仙丈を照らしていた。右隣には甲斐駒も見える。西には中央アルプスが一望でき、白峰三山が巨大な影となり眼下に広がっていた。
静かな樹林帯をしばらく進み、フキ平を過ぎると再び高木が消えてくる。さすがに昨日の疲労が残っているのか、ちょっとしたアップダウンで太ももが悲鳴を上げた。大仙丈ケ岳手前の急登を何とか進み登頂。振り返ると、遥か遠くに塩見がいる。本当に長い道のりを歩いて来たとしみじみする。同時に、縦走が終わりつつある寂しさも感じた。
小休止を済ませて仙丈ケ岳へ向かう。山頂には多くの人影が見え、混雑が容易に予想できた。カールの絶景を眺めながら30分ほど歩き、仙丈ケ岳に登頂。ロングルートを歩き切った達成感はひとしおだった。全日天候に恵まれ、最高に楽しい3日間だった。
両俣小屋から抜きつ抜かれつしてきた男性と再会し、お互いのルートなどについて談笑。せっかくなので写真をお願いし、お返しに彼の写真も撮った。人の少ないルートを歩いて来た一体感を勝手に感じていたので、最後にお話しできたことが嬉しかった。
男性と別れてから、小休止を挟んで下山を開始。小仙丈ケ岳から眺める仙丈ケ岳のカールが見事だった。その後は次第に高木が増え、樹林帯をサクサクと下る。静かな仙塩尾根が嘘みたいな賑やかさだった。下る人も、登る人も桁違いに多い。
12時2分、北沢峠に到着。係の人から戸台パークまでのチケットを買い、増便していたバスに乗って仙流荘へ。3日ぶりの風呂はたまらなく気持ちよかった。入浴後は食堂でとんかつ定食とビールを注文。山と温泉とビール、やっぱりこの組み合わせは最高だ。
17時に到着したバスで茅野駅へ。茅野から甲府までは各停に揺られ、甲府からはかいじで東京に帰った。
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