黒斑山
- GPS
- --:--
- 距離
- 9.6km
- 登り
- 868m
- 下り
- 868m
天候 | 快晴のち高曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
草すべり、Jバンドは、人為落石対策としてヘルメットを持っているなら着用をお薦めします。(かぶっている人は少数ですが。)鋸岳から蛇骨岳の間はさえぎるものなく風が強い。 |
写真
感想
車坂峠駐車場7:40〜トーミの頭8:55/9:10〜湯の平分岐10:00/10:11〜鋸岳11:30/12:00〜黒斑山13:29/13:44〜車坂峠駐車場15:25
黒斑山には積雪期に登ったことがあるが、憧れの湯の平に行ってみたいがために計画した。平日だが7時過ぎには駐車場の7割方は埋まっていた。表コースの方が展望が良いことは覚えていたが、行きは時間優先で中コースをとる。それでも下の方からは背後に北アルプスや妙高戸隠が望めた。静かな針葉樹の森の中を辿り、稜線に合すれば八ヶ岳と佐久平の広々した眺めが広がる。トーミの頭からは、浅間や湯の平のカラマツがちょうど黄葉の盛りで、輝くようだ。遠くは西上州から奥秩父、富士山、八ツ、甲斐駒仙丈、中ア、御嶽山から北アまで名峰が勢ぞろいの快晴だ。
少し先で草すべりへの道に入る。浅い沢状の笹斜面をジグザグを切りながら真下とも見えるカルデラの底へと降りて行く。地形はすこぶる急傾斜だが、ジグザグのおかげで道そのものはそれほど急ではない。しかし足元は火山弾がゴロゴロなので、人為落石に要注意だ。それを考えヘルメットを着用した。背後にはカルデラの壁が次第に高く黒く聳え立っていく。ついつい写真を撮るために立ち止まり、中々行程がはかどらない。底が近づくと、笹原にカラマツやナナカマドの赤が点在し、楽園の風景に入り込んでいく。幸せな時間だ。前方には浅間が近づいてくるが、空間が広いので圧迫感はない。気持ち良い散歩をしばしで、天狗温泉への分岐に出て一休み。
ここからは展望のない針葉樹林に入る。上から見下ろしたカラマツの疎林の中を歩きたかったのだが残念だ。足元にはナナカマドなどの赤い落ち葉も交じる。前掛山への登山道を分けると、背の低いカラマツが点在する荒涼とした雰囲気に変わってくる。富士山を思わせる所だ。行く手にカルデラ壁が阻むように直立し、Jバンドらしい、人が動いている斜面が見える。今回の核心部に備えて一息入れ、壁に囲まれたこの空間を再度見渡す。
取り付くと、ぐいぐいと高度を上げていく急登で、火口原がたちまち遠ざかっていく。周囲の岩壁は溶岩と礫の層状で、八ヶ岳の大同心と似た感じだ。ここも足元は石とザレが交じり、道を少しはずすとガラガラの石の堆積を踏んでしまうので慎重に歩く必要がある。しかし標高差は大したことはなく、頭上に迫ってくる壁を左に避けて上がっていくと、風が吹き付けてスポッと稜線に出る。浅間山の本峰が前掛山の後ろに覗き、青白い噴煙が雪のように山肌にまとわりついている。北側は雄大な嬬恋村の畑地が広がり、四阿山が大きい。遠く白馬から蓮華岳にかけての北ア、妙高戸隠が青く霞む。鋸岳の岩陰で絶景を眺めながらコーヒーを一服。
さてここからは帰途か。左のカルデラ内の展望もさることながら、右の紅葉を散りばめた外輪の斜面も美しい。拾い物のような、アルプスの縦走風の岩稜歩きを楽しみ、角度の変わっていく浅間や湯の平を飽かず撮影してしまう。蛇骨岳の先からは、火口の縁と針葉樹林の中を交互にからみながら歩くが、昼過ぎから風が冷たくなってきた。まだ日盛りなのに、夕方の気分になってしまう。9年振りの黒斑山頂から湯の平を見下ろす。トーミの頭で周回を終え、下りは表コースを選んだ。上部は階段の土が流出して角材が宙に浮き歩きにくい。次第に上空に雲が広がり、遠くの連峰はのっぺりした無表情に変わっていく。鹿沢の前山に隠れていく北アルプスを惜しみながら、静かになった山道を秋を味わいながら下った。
湯の平は素晴らしい景観と雰囲気で期待を裏切らなかった。緑の季節にも訪れてみたい。
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