ヤマレコなら、もっと自由に冒険できる

Yamareco

記録ID: 7544873
全員に公開
アルパインクライミング
奥秩父

赤岩岳正面壁〜赤岩岳南壁懸垂下降(1p終了点から)

2024年11月30日(土) [日帰り]
情報量の目安: S
都道府県 群馬県 埼玉県
 - 拍手
パぺ山 その他1人
体力度
2
日帰りが可能
GPS
10:12
距離
4.0km
登り
564m
下り
712m
歩くペース
標準
1.11.2
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
6:04
休憩
4:09
合計
10:13
距離 4.0km 登り 564m 下り 712m
6:58
63
スタート地点
8:01
8:34
241
12:35
16:09
7
16:16
16:18
53
17:11
ゴール地点
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2024年11月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
ニッチツ旧社宅付近に駐車
コース状況/
危険箇所等
赤岩岳直登ルートの取りつきは以下:
赤岩峠から尾根沿いに行き、壁に到着。登れないこともなさそうな壁だがかなり難易度は高そうで、本来の1pとりつきはそこから少々左側へ移動したところにある、3mぐらい上に木が立っている最初が微妙にハング気味の壁。
1pの核心は最初の木を掴むところと、少し進んだ先の大き目の一枚岩的なところ。岩は右側のカンテ的なところから行く方がイージーだが高度感あり、怖い場合は左側でも登れるがやや難しくなる。

2p目はスタート地点から目視で核心となるチムニーが確認できる。狭いので通り抜けるのが大変なのと、チムニーに入るのに膝をつくことになるので、初心者を連れていくならばアブミあるいはスリングで簡易アブミをぶら下げてあげると容易に登れるだろう。今回相方は経験者だったのでアブミは持参したが使わなかった。

3p、スタートから少し先の一枚岩的なところが核心。その岩のとりつきにハーケンあり、そのハーケンの近くにもう一本ハーケンがある。両方とも今回ハンマーで効きを確認したが、使えるぐらいには効いているようだ。高度感があり怖いが、岩の奥側にガバがあり、しっかり掴むまでが核心と言える。そのあとは特に難しいところはない。終了点は大きい木があり問題なし。
終了点からは赤岩岳山頂までは稜線上を散歩。

赤岩岳南壁の状況:
今回期せずして赤岩岳南壁を70m程度懸垂下降することになったので様子を報告しておく。
赤岩岳は全般的に石灰岩の岩山で岩が脆く、南側は特に脆く絶壁をなしている。通常でも自然に岩が落ちており、下を見るとそのような岩が大量にある。
今回懸垂時も相当落石があり、注意が必要。ところどころ空中懸垂になる。
もし南壁直登を試みる場合、必然的にエイドクライミングになると思われるが、ローツェ南壁並みの落石を覚悟した方が良いだろう。
その他周辺情報 西武秩父方面から最後のコンビニは大滝温泉のファミマ。
最初は沢筋を登る。
最初は沢筋を登る。
相方には何も言わず、ノーマルルートではない尾根に入った。
ヤブ多めだが季節的にだいぶマシになっている。
2024年11月30日 07:03撮影 by  PENTAX WG-90, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
1
11/30 7:03
相方には何も言わず、ノーマルルートではない尾根に入った。
ヤブ多めだが季節的にだいぶマシになっている。
途中から見える赤岩岳。
左側のなだらかな壁を登るのだが、正面に見える絶壁を懸垂下降する羽目になるとはこのときはまだ誰も知らなかったのである。
2024年11月30日 07:09撮影 by  PENTAX WG-90, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
11/30 7:09
途中から見える赤岩岳。
左側のなだらかな壁を登るのだが、正面に見える絶壁を懸垂下降する羽目になるとはこのときはまだ誰も知らなかったのである。
すごい落ち葉の量。
落ち葉で大きめの石や段差がわからないので慎重に歩く必要がある。
2024年11月30日 07:52撮影 by  PENTAX WG-90, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
1
11/30 7:52
すごい落ち葉の量。
落ち葉で大きめの石や段差がわからないので慎重に歩く必要がある。
久々の赤岩峠。
たくさんの人達が赤岩峠や大ナゲシを目指して登ってくる。
ただ赤岩岳ダイレクトルートを取るパーティーは我々だけ。
一般ルートを通る人達もヘルメットハーネスロープ一式用意しているパーティーが多い。
2024年11月30日 08:09撮影 by  PENTAX WG-90, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
1
11/30 8:09
久々の赤岩峠。
たくさんの人達が赤岩峠や大ナゲシを目指して登ってくる。
ただ赤岩岳ダイレクトルートを取るパーティーは我々だけ。
一般ルートを通る人達もヘルメットハーネスロープ一式用意しているパーティーが多い。
ロープをもって正面壁取り付きへ向かう。
ロープをもって正面壁取り付きへ向かう。
p1取り付き、かと思ったがもう少し左側から取り付くのだった。
2024年11月30日 08:42撮影 by  PENTAX WG-90, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
11/30 8:42
p1取り付き、かと思ったがもう少し左側から取り付くのだった。
じゃんけんでリードを決めて、勝ったのでフォローに回ったが失敗した。朝こっち側の壁は全く日が当たらないので、ビレイヤーは寒くてしょうがない。
2024年11月30日 09:19撮影 by  PENTAX WG-90, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
1
11/30 9:19
じゃんけんでリードを決めて、勝ったのでフォローに回ったが失敗した。朝こっち側の壁は全く日が当たらないので、ビレイヤーは寒くてしょうがない。
クライム途中で見える素晴らしい景色。
1p終了点にて相方がカメラを落としたとのこと。後で取り行くことにしてとりあえず進む。
2024年11月30日 09:59撮影 by  PENTAX WG-90, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
11/30 9:59
クライム途中で見える素晴らしい景色。
1p終了点にて相方がカメラを落としたとのこと。後で取り行くことにしてとりあえず進む。
2pスタート時、またじゃんけんに勝ったのだが、じゃんけん勝ち負け関係なく4ピッチあるうち一人2ピッチはやろうということになっていたので、3pのリードは避けたかったため2pはリードすることにした。
さほど難しくなく、チムニーを抜ければ終わり。
写真はチムニーへ突入するところ。
2
2pスタート時、またじゃんけんに勝ったのだが、じゃんけん勝ち負け関係なく4ピッチあるうち一人2ピッチはやろうということになっていたので、3pのリードは避けたかったため2pはリードすることにした。
さほど難しくなく、チムニーを抜ければ終わり。
写真はチムニーへ突入するところ。
3pスタートでまたじゃんけんしたところ、なんと負けてしまってリードすることに。
相方が絶対撤退するなと発破をかけてくる。
写真は核心部の岩で2つハーケンが打ってあるが、確かに怖い。
しかし撤退できないので進む。前に見たレコで、岩の奥側にガバがあるという情報だけを頼りにガバを掴みクリア。
そのあとは特に問題なし。
2
3pスタートでまたじゃんけんしたところ、なんと負けてしまってリードすることに。
相方が絶対撤退するなと発破をかけてくる。
写真は核心部の岩で2つハーケンが打ってあるが、確かに怖い。
しかし撤退できないので進む。前に見たレコで、岩の奥側にガバがあるという情報だけを頼りにガバを掴みクリア。
そのあとは特に問題なし。
3p終わりから見える素敵な景色。
2024年11月30日 10:38撮影 by  PENTAX WG-90, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
1
11/30 10:38
3p終わりから見える素敵な景色。
支点構築とセカンドビレイセット。
2024年11月30日 10:53撮影 by  PENTAX WG-90, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
1
11/30 10:53
支点構築とセカンドビレイセット。
焼き鳥担当者が調理中。
2024年11月30日 12:38撮影 by  PENTAX WG-90, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
2
11/30 12:38
焼き鳥担当者が調理中。
焼き鳥
2024年11月30日 12:38撮影 by  PENTAX WG-90, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
2
11/30 12:38
焼き鳥
焼き鳥と山頂標識
2024年11月30日 12:45撮影 by  PENTAX WG-90, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
2
11/30 12:45
焼き鳥と山頂標識
ノンアルにて乾杯
2
ノンアルにて乾杯
赤岩岳山頂からの景色。
2024年11月30日 15:24撮影 by  PENTAX WG-90, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
2
11/30 15:24
赤岩岳山頂からの景色。
一旦ノーマルルートで降りてから再度1pを登る。登りは相方がリードしたので、カメラを落としたポイントから自分が最初に懸垂する。
相方にカメラの気持ちになって降りろと言われ、確かにそれはそうだと思いながら下る。
2
一旦ノーマルルートで降りてから再度1pを登る。登りは相方がリードしたので、カメラを落としたポイントから自分が最初に懸垂する。
相方にカメラの気持ちになって降りろと言われ、確かにそれはそうだと思いながら下る。
1ピッチで終わるかと思ったが意外と距離があり、一旦小さなテラスでピッチを切る。
2ピッチ目の下降準備。
2
1ピッチで終わるかと思ったが意外と距離があり、一旦小さなテラスでピッチを切る。
2ピッチ目の下降準備。
2ピッチ目下降開始。
2
2ピッチ目下降開始。
下でカメラ発見!
2024年11月30日 15:48撮影 by  PENTAX WG-90, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
2
11/30 15:48
下でカメラ発見!
下まで降りてから相方の到着を待つ。
2024年11月30日 15:51撮影 by  PENTAX WG-90, RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
1
11/30 15:51
下まで降りてから相方の到着を待つ。
カメラは無残な姿に。。。
2
カメラは無残な姿に。。。
落としたヘッデンを回収しに暗い中懸垂下降。。。
1
落としたヘッデンを回収しに暗い中懸垂下降。。。

装備

個人装備
ヘッデン ヘルメット ハーネス スリング タイブロック ハーケン ハンマー ロープ カラビナ ATC ホイッスル 手袋 ビレイグローブ トポ図 温度計 トイペー スコップ 浄水器 ナイフ ライター マッチ 虫除け ウナクール レイン 行動食 クライミングシューズ タオル 着替え お風呂道具 歯ブラシ 救急セット 敷物 ビニール袋 モバイルバッテリー カメラ 会社携帯 ココヘリ ザックカバー 財布
備考 ・トランシーバー初めて使わせてもらったけどすごくよかった。静かなところでもアルパインでルートが屈曲していると声が全然通らない。
・ダブルロープシステムでの登攀はもっと研究が必要。
・大事なものは落とさないように。
・ロープの流れに注意、屈曲は舐めてはいけない(引っ張れない)
・最初に懸垂して、先に行けるかどうかは見たのだがロープが引けるかどうか確認しなかったのは非常に大きなミス。
・中間支点1つ回収忘れも大きなミス。

感想

相方がマルチピッチのアルパインクライミングがしたいというので、大好きな奥秩父の中で選んだのが赤岩岳正面壁(西壁)直登ルート。

当日駐車場にたくさんの車が集まっていた(6〜7台?)。
ロープを出している車もあったので、まさかみんな赤岩岳正面壁狙いか?と思って急いで出発する。

赤岩峠でギアの準備をしていたところ、後続パーティーが続々到着し、ハーネスなどを装備し始めた。正面壁に行くのかどうか聞いたところ、一般ルートというのでほっとした。
ロープも持っていて、一般ルートでロープいるのかと少し驚いた。少し怖いところもあるので初心者にはロープがあった方が安心なところは確かにある。

尾根沿いに壁に向かい、相方と二人でオブザベしていたが、本当にここが取りつきなのか確信が持てず迷う。本当の取りつきは少し左側にあった。

1p) フォロー
最初のややハング気味の壁の上部の木を掴むまでが核心その1。相方が中間支点を作ってくれていたのでスリングを掴んで華麗にA0でクリア。
少し進んで右側に回ると右側がカンテになっている壁がありこれが核心その2。右のカンテ沿いに行くのがイージーだが高度感あり少し怖い。1回目は右から、2回目は左から登った(いずれもフォロー)。
終了点に到着してみると相方がカメラを落としたとのこと。
そこから降りるかどうか少し迷ったが、あとで探しに行こうということにしてとりあえず登攀継続。

2p) リード
取り付きから見えるチムニーが核心。技術的には難しくはないが狭いので通り抜けるのが少し大変。またチムニーに膝をつくので膝が少し痛い。
難しくはないルートだが2p終了点までは結構屈曲するので、ロープの流れに気を付けないとロープを引くのが非常に難しくなる(翌日筋肉痛になるぐらい引いた)。

3p) リード
事前調査で3pだけはリードをしたくなかったのだが、ここぞというところでじゃんけんに負けてしまいリード担当。
相方の激励を受けながらとぼとぼ登っていく。最初はさほど難しいところはないが、右側にカンテのある岩が核心。
取り付きすぐのところに2か所、古い残置ハーケンがある。高度感があるので怖いが、勇気を出して登ると目には見えない奥側にガバがあり、それを掴めばクリア同然。
3p終了点からは尾根ぞいに50mぐらい散歩すれば赤岩岳山頂。

相方が焼き鳥を焼いてくれていたので、担いできたノンアルコールビールで乾杯。
焼き鳥がめちゃくちゃおいしくて感動。

下りは一般ルートで下り、落としたと思われる地点を見てみたが、そもそもどこで落としたのかが下からだとよくわからない。
ということでもう一回1p目を登って、懸垂で降りながら探そうということに。懸垂大好きなのでウキウキしながら登り返す(リードは相方)。

落とした地点に到着し、自分から言い出したことなので自分が最初に懸垂させてもらう。予想より厳しい断崖絶壁で降りてみるとロープが足りないので途中の小さいテラスでピッチを切り、2ピッチで降りた。そのテラスから下を見ると、多分これがカメラだろうというのが見えた。
下まで降りるとカメラを発見、相方に伝えた。
落石もバンバンあり、良い勉強になった。この壁はところどころ空中懸垂になるので注意。

帰り道で今度は自分がヘッドライトを落としてしまった。10〜20m下に光っているライトが見えるので、懸垂で降りて回収。反省反省。

終わってみれば登攀は成功したし面白いところも懸垂下降できたし、個人的には大満足な山行だった。

お気に入りした人
拍手で応援
拍手した人
拍手
訪問者数:36人

コメント

まだコメントはありません
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

コメントを書く

ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。
ヤマレコにユーザ登録する

この記録に関連する登山ルート

この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。

ルートを登録する

この記録で登った山/行った場所

関連する山の用語

この記録は登山者向けのシステム ヤマレコ の記録です。
どなたでも、記録を簡単に残して整理できます。ぜひご利用ください!
詳しくはこちら