富士山(宝永山)(2693m)〜水ヶ塚公園から〜
- GPS
- 08:42
- 距離
- 17.2km
- 登り
- 1,367m
- 下り
- 1,369m
コースタイム
- 山行
- 8:14
- 休憩
- 0:22
- 合計
- 8:36
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
前泊。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
寒冷環境での雪上訓練にとピッケル、アイゼンを準備して臨んだが、雪はまだ殆ど着いていなかった。 しかし、気温はそれなりに低く、駐車場に到着時-7℃、朝方出発前で-12℃を記録していた。 樹林帯や馬の背に出るまではそれ程でもなかった風も、馬の背に出た途端、容赦なく吹き付けていた。目出し帽や、ゴーグル、ハードシェル、オーバー手袋など万全の装備雪山装備をしておかないと、あっという間に体温を奪われてしまうだろう。耐風姿勢を真剣に取るような体験となった。しかし、少し外れただけで、風は弱まり、その落差に驚いた。砂走りの下りは楽しいご褒美となった。二合八勺から四辻までのトラバースは踏み跡薄く、慎重に目標を定めて進んで行った。 |
写真
感想
山岳会のT先輩に計画頂き以前は恒例行事的だったという冬期富士山山行として宝永山に行くことになった。冬期富士山経験者の3名、登山経験はあるが、富士山自体初体験の3名、富士山は経験済みだが、冬期登山は初めての自分を含めた2名の合計8名のパーティーである。富士山は何度か経験しているが冬の富士山なんて登山の対象として全く頭にない自分は、先輩方の話を聞いてはいたが、それが具体的にどんな環境で、どういった具合なのか想像出来なかった。早朝の登山開始に備えて、現地には前日入りし、仮眠を取っての出発である。氷点下10℃以下の環境での仮眠自体、貴重な体験となった。
朝食は各自で済ませ、予定より7分遅れでの登山開始。先頭はベテランのA先輩。出だし少しペースが速すぎたか、衣服調整の小休止でリーダーのT先輩はAさんに行程計画を引継ぎ、自分はマイペースで進むので、先頭はこのままのペースで進むように指示。7名での登山再開となった。夏山シーズンの五合目にある一般登山コースから、約1000mは低い標高1448mからの出発。宝永山山頂2692mまで1250mは登ることになる。暫くはヘッドライトの明かりを頼りに、須山口登山歩道の樹林帯の中を進んで行く。道標もしっかり整備されていて、足元はよく踏まれているが、拳大の石などが転がっているので、変に踏んで挫いたりすることがないよう、注意して進む。6:20頃になると、朝焼けが鮮やかに広がり始め、6:54、標高1930mあたりで日の出を迎えた。7:00、標高1963mの分岐で小休止、行動食で補給する。運動負荷が高いのか、空腹感が強まって来ていた。もうヘッ電は不要になっている。8:03三合五勺、標高2270m、再び小休止、行動食や水分補給を行う。8:16登山再開。8:29標高2352mの分岐点。森林限界の上に出る。そこまで強風というわけではないが、風があたると凍るような肌寒さとなるため、オーバー手袋、目出帽、フードを被るなど、防寒対策を取り備える。目の前には目的の宝永山山頂が現れた。例年だと真っ白になっているはずが、全く雪を被っていない。アイゼンの出番はなさそうである。月のクレーターを想起させる地形が広がっている。第一火口、第二火口の間を繋ぐ細い上を通過するようだ。滑り落ちたら這い上がれそうにない。これが、雪に覆われていたら、更に緊張感があるのだろう。K氏よりピッケルは山側の手に、下りは爪を後ろ、登りは爪を前に握るとの説明を受けた。8:46標高2381m第二火口縁、8:59標高2470m第一火口縁を通過。火口の対岸に向け少し下って行く。9:14火口の間、宝永第一火口、標高2420mを通過。この辺りは、大きな岩の塊がゴロゴロと転がっている。落石注意箇所である。馬の背に向かって最後の登り、ざれていて滑り安い。ゆっくり慎重に高度を上げて行く。途中頭程の大きさの岩が音を立てて火口を転がって行くのが見えた。強風に煽られ第一火口に帽子を飛ばされてしまった。10:08標高2710m宝永山の背に出る。富士山の北東側の景色が見える、鯨が跳ねている恰好をした山中湖が綺麗に見えた。ここが今回の最高到達点、山頂を背景に記念撮影。宝永山山頂に向けて緩い傾斜で下っている稜線を進む。ここまでどちらかといえば穏やかに感じていた風だったが、馬の背に出ると、容赦なく吹き付けて来た。耐風姿勢を真剣に実践せざるを得ない状況だ。強風の合間を縫って前進し、10:20宝永山山頂(2692m)に到達。強風で記念撮影の三脚は使えず、交代で撮影した。暫く景色を楽しんだ後、10:25山頂を後にする。馬の背を引き返すのだが、行きよりも更に風が強くなっていた。耐風姿勢でやり過ごす。強風が息をついている隙に前進するが、ひと息が長くなっている。しゃがむと砂や小石が舞い上がり顔にぶつかる。下りは大砂走りを使う予定、馬の背からの出だし部の2m程度の急な斜面が凍った雪に覆われてどう進むかと思案していると、Y氏、K氏が雪の堅さを確認後、ピッケルとつま先で、器用にステップを刻んでくれる。残りのメンバーはピッケルを斜面に突き刺し手掛かりとし、慎重にステップを確認しながら続いた。雪面を降りると、さっきまで稜線上で受けていた強風は嘘のようになくなっていた。僅かな地形の違いでコンディションは変わることを実感した。10:45、ここでT氏から第一火口まで来れたとの連絡をうける。こちらの状況を伝える。その後、暫く、御殿場コースの下り、大砂走りを進む。裾野の雄大な景色を眼前に見ながら、各自のペースで下って行く。11:27標高2190m二合八勺あたりから、御殿場コースを右に逸れ、二ッ塚の上塚右、四辻に向かうルートを取る。踏み跡薄い斜面をトラバースする。11:30斜面途中で昼食休憩を取る。眺めは最高。山頂方面、時折白く煙っているのは雪煙が舞っているのかと思うと、厳しい環境に怖さを覚える。11:55下山再開。12:11二号5勺。12:24標高1803m四辻。少し手前で数頭の鹿に出会った。12:41幕岩にて最後の小休止。T 氏より状況確認の連絡を受ける。13:43登山口まで戻る。
ほぼ計画予定である13:50に出発地点に戻って来た。
Tリーダーと一緒に回れなかったのが心残りである。雪こそなかったが、気温は低く、初めての冬期富士山を体験する貴重な機会となった。厳しい環境を身をもって経験出来たことはよかったと思う。天候にも恵まれラッキーであった。再度、恒例化してもいい登山だと感じた。
行程中ソロの3名とすれ違ったが、その中の1人、日の出直後に出会った方は、厳しいコンディションに登頂を諦め、早々に撤退、下山途中と聴いてびっくりした。森林限界を超えたら吹いている強風に断念したとのこと。登山開始は2時半頃、どうやら山頂を目指していたようだ。それにしても、日の出前に撤退して来るなんて予想外過ぎる。
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