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Yamareco

記録ID: 766051
全員に公開
ハイキング
六甲・摩耶・有馬

加藤文太郎のトレーニング山・高取山(神戸市)

2015年11月21日(土) [日帰り]
 - 拍手
体力度
2
日帰りが可能
GPS
02:02
距離
6.0km
登り
359m
下り
356m
歩くペース
速い
0.70.8
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
1:55
休憩
0:12
合計
2:07
距離 6.0km 登り 359m 下り 359m
12:12
47
長田神社
12:59
13:00
13
13:13
13:23
15
13:38
13:39
40
14:19
長田神社
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2015年11月の天気図
アクセス
長田神社からスタート
2015年11月21日 12:20撮影 by  NIKON D5100, NIKON CORPORATION
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11/21 12:20
長田神社からスタート
高取山案内図。今日は豊春コースで登り、滝道コースで下山します。この他にもコースがあります
2015年11月21日 12:34撮影 by  NIKON D5100, NIKON CORPORATION
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11/21 12:34
高取山案内図。今日は豊春コースで登り、滝道コースで下山します。この他にもコースがあります
六甲山は登山口を見つけるのが大変。このコンクリートの階段が高取山の登山口です
2015年11月21日 12:35撮影 by  NIKON D5100, NIKON CORPORATION
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11/21 12:35
六甲山は登山口を見つけるのが大変。このコンクリートの階段が高取山の登山口です
階段を登り切ると高取山の山頂が見えます。
2015年11月21日 12:40撮影 by  NIKON D5100, NIKON CORPORATION
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11/21 12:40
階段を登り切ると高取山の山頂が見えます。
豊春コースは参道を兼ねています。コンクリートで舗装されていて歩きやすい
2015年11月21日 12:47撮影 by  NIKON D5100, NIKON CORPORATION
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11/21 12:47
豊春コースは参道を兼ねています。コンクリートで舗装されていて歩きやすい
山の中腹あたり。毎朝、ラジオ体操が行われているようです
2015年11月21日 12:51撮影 by  NIKON D5100, NIKON CORPORATION
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11/21 12:51
山の中腹あたり。毎朝、ラジオ体操が行われているようです
参道の雰囲気です
2015年11月21日 12:51撮影 by  NIKON D5100, NIKON CORPORATION
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11/21 12:51
参道の雰囲気です
銀杏の落ち葉で緑と黄色が美しい
2015年11月21日 12:51撮影 by  NIKON D5100, NIKON CORPORATION
11/21 12:51
銀杏の落ち葉で緑と黄色が美しい
ところどころに小さな神社や祠があります
2015年11月21日 12:53撮影 by  NIKON D5100, NIKON CORPORATION
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11/21 12:53
ところどころに小さな神社や祠があります
のんびり散歩できます
2015年11月21日 12:55撮影 by  NIKON D5100, NIKON CORPORATION
11/21 12:55
のんびり散歩できます
この大きなお花がすごい存在感を出していました
2015年11月21日 12:56撮影 by  NIKON D5100, NIKON CORPORATION
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11/21 12:56
この大きなお花がすごい存在感を出していました
この大きなお花がすごい存在感を出していました
2015年11月21日 12:57撮影 by  NIKON D5100, NIKON CORPORATION
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11/21 12:57
この大きなお花がすごい存在感を出していました
猫ちゃんも日向ぼっこ
2015年11月21日 13:01撮影 by  NIKON D5100, NIKON CORPORATION
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11/21 13:01
猫ちゃんも日向ぼっこ
有名な神社の分社がいくつかあります
2015年11月21日 13:03撮影 by  NIKON D5100, NIKON CORPORATION
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11/21 13:03
有名な神社の分社がいくつかあります
猫ちゃんものんびり毛づくろい
2015年11月21日 13:04撮影 by  NIKON D5100, NIKON CORPORATION
11/21 13:04
猫ちゃんものんびり毛づくろい
茶屋が並んでいます
2015年11月21日 13:08撮影 by  NIKON D5100, NIKON CORPORATION
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11/21 13:08
茶屋が並んでいます
茶屋が並んでいます
2015年11月21日 13:12撮影 by  NIKON D5100, NIKON CORPORATION
11/21 13:12
茶屋が並んでいます
ツキワ會館
2015年11月21日 13:13撮影 by  NIKON D5100, NIKON CORPORATION
11/21 13:13
ツキワ會館
高取神社に着きました
2015年11月21日 13:14撮影 by  NIKON D5100, NIKON CORPORATION
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11/21 13:14
高取神社に着きました
高取神社
2015年11月21日 13:16撮影 by  NIKON D5100, NIKON CORPORATION
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11/21 13:16
高取神社
頂上へ向かいます
2015年11月21日 13:18撮影 by  NIKON D5100, NIKON CORPORATION
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11/21 13:18
頂上へ向かいます
頂上から神戸の街並み
2015年11月21日 13:19撮影 by  NIKON D5100, NIKON CORPORATION
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頂上から神戸の街並み
頂上から淡路島方向。
2015年11月21日 13:19撮影 by  NIKON D5100, NIKON CORPORATION
11/21 13:19
頂上から淡路島方向。
頂上の広場です
2015年11月21日 13:20撮影 by  NIKON D5100, NIKON CORPORATION
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11/21 13:20
頂上の広場です
高取山頂の碑
2015年11月21日 13:32撮影 by  NIKON D5100, NIKON CORPORATION
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11/21 13:32
高取山頂の碑
今日はいい天気です
2015年11月21日 13:34撮影 by  NIKON D5100, NIKON CORPORATION
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11/21 13:34
今日はいい天気です
私のお家が見えます(^_^)
2015年11月21日 13:35撮影 by  NIKON D5100, NIKON CORPORATION
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11/21 13:35
私のお家が見えます(^_^)
大灯篭
2015年11月21日 13:37撮影 by  NIKON D5100, NIKON CORPORATION
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11/21 13:37
大灯篭
下りは滝道コースで。古い道標があります。
2015年11月21日 13:47撮影 by  NIKON D5100, NIKON CORPORATION
11/21 13:47
下りは滝道コースで。古い道標があります。
滝道コースは山道です
2015年11月21日 13:48撮影 by  NIKON D5100, NIKON CORPORATION
11/21 13:48
滝道コースは山道です
ここが高神滝。滝はどこ?
2015年11月21日 13:54撮影 by  NIKON D5100, NIKON CORPORATION
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11/21 13:54
ここが高神滝。滝はどこ?
危険がない山道です
2015年11月21日 13:57撮影 by  NIKON D5100, NIKON CORPORATION
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危険がない山道です
高取大明神に下山してきました。左が滝道。右が一の宮コース。
2015年11月21日 14:03撮影 by  NIKON D5100, NIKON CORPORATION
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11/21 14:03
高取大明神に下山してきました。左が滝道。右が一の宮コース。
登山口です
2015年11月21日 14:10撮影 by  NIKON D5100, NIKON CORPORATION
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11/21 14:10
登山口です
長田神社付近から高取山を眺めます
2015年11月21日 14:25撮影 by  NIKON D5100, NIKON CORPORATION
11/21 14:25
長田神社付近から高取山を眺めます
「単独行者」谷甲州著
2015年11月21日 18:35撮影 by  NIKON D5100, NIKON CORPORATION
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11/21 18:35
「単独行者」谷甲州著
「単独行」加藤文太郎著
2015年11月21日 18:36撮影 by  NIKON D5100, NIKON CORPORATION
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11/21 18:36
「単独行」加藤文太郎著
「孤高の人」新田次郎著
2015年11月21日 18:39撮影 by  NIKON D5100, NIKON CORPORATION
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11/21 18:39
「孤高の人」新田次郎著
撮影機器:

感想

六甲山の高取山。標高328m。
六甲全山縦走などで何度もこの山の頂上を踏んでいます。
高取山の麓に住んでおり、毎朝この山の頂上を見ながら出勤しているのですが、高取山を目的として登山したことがありませんでした。

この2週間、加藤文太郎に関する書籍を集中して読みました。
・「孤高の人」 新田次郎 著
・「単独行」 加藤文太郎 著
・「単独行者 〜アラインゲンガー〜」 谷甲州 著

加藤文太郎は大正から昭和初期に活躍した登山家です。
兵庫県の日本海沿いに位置する浜坂で生まれ、神戸の和田岬の造船所に勤務していました。
サラリーマンを続けながら、日々トレーニングを積み、厳冬期の北アルプス縦断など当時は誰もなしえなかった山行を次々に行ってきました。
現在関西の登山者が憧れる、六甲山を塩屋から宝塚を1日で縦走する「六甲全山縦走」も彼がトレーニングとして始めたと言われています。
※彼は宝塚に到着した後、そのまま和田岬まで歩いて帰ったとか。

彼のトレードマークは「単独行」
厳冬期の困難な山行は、大学山岳部や社会人山岳会が案内人を雇ってパーティで実行するということが一般的な時代に、単独で挑み次々と成功させることが注目を浴びました。
いつかはヒマラヤへ、という夢を持っていましたが、昭和11年、30歳の時に厳冬期の槍ヶ岳北鎌尾根で遭難し、命を落とします。

彼がトレーニングの山として最もよく登った山がこの高取山と言われています。
会社の寮生活をしていた和田岬からもよく見え、彼の足の速さであれば出勤前に簡単に往復できたと思われます。
亡くなる前年に結婚しますが、新居は長田神社近くの池田広町(今の神戸市長田区池田広町)に構え、さらに高取山が近くなります。
毎朝、出勤前に長田神社にお参りしてから高取山まで30分ほどで駆け上がっていたんじゃないかなぁと想像します。

ということで、今日は加藤文太郎の足跡を辿りながら、高取山へ向かいました。

スタートは長田神社。
地下鉄長田駅・高速長田駅から10分ほどです。
ここから高取山の登山口へ向かいますが、例によって六甲山は登山口までに道に迷うことが多いです。
住宅街に入ってしまうと道がクネクネしていて迷うので、川沿いの道を北上して行くのがよいでしょう。

登りのルートは「豊春コース」で。
高取山の山頂に高取神社があり、このコースは表参道のような雰囲気です。
コンクリートで舗装され、石の階段がしっかり整備されています。
途中、小さな神社や祠がたくさんあります。
茶屋を過ぎ、少し登ると高取神社に到着。
ここから眺める神戸の街並みがとても美しい。
標高が300mほどなので街がものすごく近いです。
自分の家も見えます。
ゆっくり歩いて長田神社から1時間ほど。本気で歩いたら45分ほどで来れそうです。

のんびり景色を眺めてから下山開始。
下山は「滝道コース」で。
茶屋のあたり、ちょうど六甲全山縦走路で通る広場のあたりに滝道コースへの分岐点があります。
こちらは山道ですが、危険個所はありません。
大きなモミジの木があり、これが紅葉で赤く染まればものすごくきれいでしょう。
途中、「高神の滝」という名所がありますが…、水がちょろちょろとしか流れておらず、どれが滝かわかりませんでした。
緩やかに下ってあっという間に下山口に到着します。

往復で2時間ほど。
忙しくて遠出できないときのトレーニングにちょうどよいお山です。


最後に本の感想を

■「単独行」 加藤文太郎 著
彼が生前に書き残した雑誌への寄稿や登山記録等の遺稿が編集され、関係者に配布されましが、その後1941年に再編集され出版されました。
私が読んだのは2010年に山と渓谷社から出版された「新編 単独行」
随筆や記録が組み合わさったもので、物語のようなつながりはなく必ずしも読みやすくはないのですが、正直で力強い文体から、彼の思いや生き方が見えてきます。
また、「単独行」が批判されることについて、比喩を使って間接的に反論するなど、彼自身が「単独行」にプライドを持っており、失敗しないように研究を重ね努力していたことがうかがえます。

「新編 単独行」では、彼をよく知る上司の遠山豊三郎氏、奥様の加藤花子氏、登山用品店の島田真之介氏の回想や、当時の登山界に関する解説もあり、人物像により深く迫ることができました。


■「孤高の人」 新田次郎 著
加藤文太郎に関する書籍としては最も有名で、この小説で彼のことを知ったという人は多いと思います。
小説の冒頭は「高取山」から始まります。
加藤文太郎がモデルとなり、登山だけでなく、当時の日本の情勢、彼の私生活、心の葛藤、恋などが盛り込まれており、小説としてとても面白く読み進めることができます。
ですが、あくまでこれは小説であり、50%ぐらいは著者の創作と思います。

ストーリーの根幹に「孤高≒単独」があり、「彼の技術に及ぶ者はおらず、単独であれば山で死ぬことはない」という論理を成立されるために、「たった一度他人とパーティを組んだがために、彼は判断を誤り遭難死した」という強引な結末になってしまっていて、しっくりきませんでした。


■「単独行者 〜アラインゲンガー〜」 谷甲州 著
「孤高の人」はフィクションであった加藤文太郎に対し、本作では登山家で作家の著者がノンフィクションとして描きました。
地図を持っての道歩きから始まり、夏のアルプスを次々に登り、六甲山トレーニングと行動食・ビバークの研究を重ねながら厳冬期のアルプスに挑んでいく加藤文太郎の伝記のような雰囲気です。
「単独行」の内容と重なる部分が多く、忠実に彼の足跡に迫ろうとしたことがうかがえます。
終盤、単独では無敵の彼が「パーティを組むことによる制約」に悩む姿が印象的でした。

この小説の最後は「高取山」で終わります。
「孤高の人」とリンクを持たせているところが著者の悪戯心なのでしょう。

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