竜神峡から篭岩山往復


- GPS
- 08:00
- 距離
- 14.3km
- 登り
- 1,004m
- 下り
- 1,005m
コースタイム
- 山行
- 4:14
- 休憩
- 0:01
- 合計
- 4:15
10:10 三葉峠
11:10 篭岩展望台ー篭岩山分岐
11:45 篭岩山頂
13:10 一枚岩
13:40 上山ハイキングコースー竜神川方面分岐
14:10 竜神川渡渉点
14:30 亀が淵山北壁コル
14:50 亀が淵山頂
15:50 亀が淵
16:40 竜神峡ダム駐車場
天候 | 曇りのち雪 |
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過去天気図(気象庁) | 2016年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
亀が淵手前の渡渉は、いつも並でした。ローカットでもゴアテクスの靴ならば何とか渡れると思います。ストックを使えば安定すると思います。 亀が淵渡渉後の会談およびその直上の斜面はアイスバーン化しています。土や枯葉がいい具合に覆っていれば、滑り止めなしでも歩けますが、アイゼンまたはチェーンアイゼン程度の滑り止めは持つべきだと思います。 亀が淵から三葉峠までは湿った涸れ沢をるので気温しだいではここも凍結の恐れがあります。コース全般にわたって言えることですが、道の崩れかけた斜面のトラバースがあり、その箇所が凍っていたり、霜柱が降りていたりするとかなり危険になります。そうでない場合でも単純に土や枯葉のせいでで滑りやすい箇所がいくつもあります。 三葉峠から、一枚岩までは固定ロープが張られた急な斜面の登り下りが何度もあります。案外体力を消耗します。一枚岩を過ぎるとアップダウンが多少緩和されます。なお、一枚岩分岐と、篭岩展望台分岐との間の杉林では1月18日に降ったと思しき雪がまだ残ってました。今回のハイキングでは雪がいい具合にしまっていてアイゼンなしでもうまく靴がもぐりこみ、快適に歩くことができました。 篭岩展望台分岐から篭岩までのルートには鎖やロープの張られた一部90度に近い壁を 上り下りするコルを2回越えなくてはなりません。雪の影響でこの壁が凍っているとかなり難しくなると思います。 亀が淵山はバリエーションコースですが、今回の山行きで赤テープが沢山巻いてあり、踏み跡もしっかりしてきて、藪の急登でルートファインディングを要していたころから比べるとずいぶんと歩きやすくなりました。とはいえ、明山の直登ルートから固定ロープを取り除いた程度の難度があります。 ルート全体を通して、獣道も含めていくつも枝道が出ており、そこに迷い込まないよう気をつけなければなりません。筆者は篭岩山頂付近で一回、亀が淵山からの下山、東稜において一回道を間違えました。どちらのケースも、今日はテープを丁寧に追えば迷い込まないと思います。 |
写真
装備
備考 | チェーンアイゼンなどの雪・氷に対する滑り止め対策は必須です。またストックは渡渉ややや勾配のきつい斜面の昇り降りでは助けになると思います。 やぶがちなところが多いのと鎖場、固定ロープを使用するので、滑り止めの付いた軍手があると便利です。 |
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感想
今年の目標の一つは竜神峡と奥久慈男体山との間を往復することである。体力的にはいけるのではないかと思って今回挑戦したのであるが、篭岩山頂の段階で12時近かったこと、雪が降ることが必至であること、そして不覚にも、ヘッドランプを忘れるという失態を犯したために、通いなれた篭岩山頂で引き返すことに決定した。
もともとは日の出前にスタートし、日没後も歩く覚悟でいた。そして実際起床は4時前だったのであるが、なんとなくずるずると時間を浪費してしまい、竜神ダムに到着したのは9時近くなってしまった。
歩き始めていきなり先行者あり。ただし親子のいのししであった。母親はかなりでかい。懸命に落石よけのネットを登ろうとしているが登れるわけもなく、パニックになって突進してこないかと心配したが、何とか、ネットがないところを探せばいいということに気がついたようで、ニアミスは免れた。
竜神峡に入るのは夏の沢歩き以来である。そのときは竜神峡は渇水していたのであるが、今回は約一週間前に台風波の雨が降ったこともあり、亀が淵からあふれ出る水の量はほぼ平年並み。したがって、渡渉はちょっと工夫が必要だ。筆者は結局靴の甲まで濡らしてしまった。ゴアテックスのトレッキングシューズならばローカットでも何とかなるので、騒ぐほどでもないが、なんかゲームに負けたような気がする。
この時期、亀が淵から三葉峠までの道は、凍結箇所があり、駆け出しのころにはチェーンアイゼンをつけて通過したものだ。今回も持参したのであるが、亀が淵直後のアイスバーンは泥や落ち葉のカバー、そして手すりに助けられて、そこから先は乾いていたおかげで、靴底の摩擦だけで何とか峠まで通過することができた。
男体山でのボッカトレーニングに切り替えるまでは、何度も通ったコースであるが、コースの概要はかなり記憶の中で書き換えられていたようだ。三葉峠からは緩やかなハイキングコースばかりかと思っていたがとんでもなかった。固定ロープが張られた急なのぼりとくだりが何度も続いた。木の根が網の目のようになっていてよじるには好都合であったがハイペースで歩くには危険すぎた。街でのジョギングで心肺は鍛えていても、いやらしいアップダウンに対応する下半身は身につけていなかった。ちなみにジョギングを再開する前はスクワット中心のトレーニングだったが、脚力だけで判断するとジョギングよりも効果があったのではないかと思う。
それでも一枚岩の分岐を過ぎると斜面は幾分緩くなり薄日も差していたおかげで冬の静かなハイキングを楽しむことができた。
途中、薄暗い杉林では、前に降った雪がまだ残っていて、雪道のハイキングをわずかながら楽しむこともできた。トラバースの曲線、土止めのように倒れている杉の木、みんな懐かしい。
コースには標識が良く整備されているのであるが、ときどきこんなに踏み跡が薄くて、斜面の急な道が正解なのかと思うような箇所があったが、コースの標識は正しかった。
篭岩展望台と篭岩山コースとの分岐点を過ぎると、今回のコースの最初の山場、2箇所のコルを通過した。ここは部分的には垂直の壁を昇り降りしなければならず、固定ロープや鎖が張られているとは言うものの、油断はできないのだ。特に今回はブランクがあるために思いのほか恐怖感があった3週間前に奥久慈男体山のバリエーションルートを登ったことがうそのようにも感じられた。特に最初のコルへの下りでは、足を置きたいところが凍結していたり、登山者の増加に伴ってホールドが摩滅していて滑りやすくなったことがコースを一段と難しくしているように感じられた。
いったんコルを通過するたびに視界の開けた稜線に立つのであるが、そこから見える奥久慈の山々の北側斜面は、以前に降った雪がまだまだら模様のように残っていた。残雪はトレースや獣道を浮かび上がらせ、あそこからこう降りたらいいのではないかとか、ここの谷を使ってあそこへ出られるといった妄想をほしいままにする楽しみを頂戴した。
そうしてとうとう篭岩山山頂。はるか向こうに盟主奥久慈男体山の横顔を見た。この時点ですでに12時近かった。今日は1時を超えて先へは進まないとしていた。ここから男体山までは何事もなくても自分の足では2時間は見なければならないだろう。さらに、山頂付近へきてヘッドランプを準備していないことに気がついた。ヘッドランプが無ければ竜神峡の林道を歩くことも危なっかしいだろう。というわけで今回は以前のトレーニング同様、ここで引き返すことにした。
帰路に入りいきなり道間違え、(往路から見て)第2コルに直ちに到達しなければならないのに、コルのある杉林がどんどん遠ざかる。この踏み跡は間違えに違いないと引き返す。果たしてテープマークは筆者が使った踏み跡とは異なる踏み跡を指していた。そういえばこの道間違えは以前にもやったことがあるのを思い出し、懐かしくも苦笑いを禁じ得なかった。
時間に余裕が出てきたので、往路では通過した一枚岩によってみた。かつてこの南側の垂直の壁(といっても2m程度だが)を下る練習をし、ことごとくずり落ちていることを思い出した。再度試みるも、やはりうまい降り方が見つからず、途中で断念した。せめて登るほうはということで、登るほうには成功したのであるが。下りはフットホールドを見つけにくいので難しい。
それにしても実に静かな山行きだった。遠くの飛ぶカラスの羽ばたきが目と鼻の先のように耳に飛び込んできた。
一枚岩を過ぎて、往路で苦戦した登り下りに迎えられる。数字に自身はないのであるが、コルをおよそ7回通過して、竜神川への分岐点へ到達した。当初はピストンのつもりでいたが、これも時間に余裕ができたので、竜神川へ降り、渡渉して、亀が淵山を上り下りして亀が淵へ戻ることに決定した。トレーニングの時には、往路で亀が淵山を登ってからこの道を使って篭岩山を目指し、篭岩山からの復路は三葉峠を目指して明山を登ってから亀が淵へ戻ったこともあった。
この枝道ではかつて何度か道迷いをして藪こぎしつつ合流したことがあるややいやらしい枝道であった。今回歩いてみると、テープの目印がところどころにあるし、踏み跡も当時と比べると比較にならないくらい明瞭になっていた。倒木は3年前と同じように残っていて懐かしいなどと考えながら、迷うことなく竜神川の渡渉点に到達した。
渡渉点の水量は靴を濡らさずに飛び石伝いで渡れるぎりぎりであったし、渡渉点の下流でも上流でも川幅が狭く深くなって靴の中を濡らさずに渡るのが難しい。もし水量が増していたらば、もしかしたら倒木を丸木橋にして渡ることも可能かもしれないがやや危険すぎるか。
昨年夏に竜神峡を中武生まで遡行したときには、渡渉点にあった倒木のことは印象に残っていたものの、渡渉点のテープが巻いてあったことはすっかり見落としていたのであった。それだけに今回渡渉点を見つけられるかどうか少し心配であったが杞憂であった。
渡渉点を過ぎると右手(南側)に亀が淵山の北壁を見ながらコルを目指した。土が完全に乾くと、かなり座ざれていて歩きにくいため、以前から固定ロープが張られていた。今回はちょうどいい塩梅に土が湿ってしまっていたおかげであり地獄のようにずり落ちることなくコルにたどり着いた。コルを乗り越していけば武生林道方面へつながる登山道と合流し、亀が淵へ降りることができる。今回は亀が淵山に登ることにして、右手の急斜面を登っていく。
斜面は急であったが、薮こぎがちだったころに比べると踏み跡がかなり明瞭になっていた。ちょうど明山の直登ルートから固定ロープを取り除いたような雰囲気である。登りでは大きな迷いも無く、頂上付近の稜線に出た。ここで亀が淵裏から登る東稜ルートと合流するのである。合流点では古びたテープマークが迎えてくれた。稜線に出ると、平らな道を少し歩いた後に若干の岩登り(巻き道あり)をして一本松のある狭い山頂に到達した。
山頂からもいくつかの踏み跡が確認されたが、ハイキングレベルで登り降りできるのは登ってきた北稜と亀が淵へ直接下っていく東稜だけだ。東稜へは稜線をまっすぐ東へたどるだけである。先回、2014年の春に登ったとき、すでに初挑戦の時と比べてずいぶんと踏み跡がしっかりついていて驚いたものだったが、今回は新しいテープまで巻いてあり、テープを忠実にたどればかなり容易に亀が淵まで下山できたと思う。
できたと思うと書いたのは、自分自身は道を間違えて南よりの斜面に回り込んでしまったからだ。正しく道をたどっていればずっと藪を降りるはずなのになぜか崖の下が杉の木立になっていて何か違う。それでも今回は冒険だということで、比較的傾斜の楽な斜面を下りたつもりだったが、最後の最後で少しだけずり落ちてしまった。更に、踏み跡が付いていると思った場所も、ただの枯れ葉の吹き溜まりが踏み跡に見えただけで、若干ひやひやする斜面のトラバースとなってしまった。それでも一歩ずつ慎重に足を出して、何とか本来のルートに合流することができた。合流後はテープマークと踏み跡ですっかり楽になったルートを下り、武生山方面を示す標識の裏に出た。
亀ヶ淵山下山途中から雪が降り始めていた。ジャケットに当たるとパラパラと音のするような、粉雪というよりは粒雪と言いたくなるような乾雪だ。亀が淵へ降りると、ダムへの林道にはすでに雪が積もり始めていた。明日の竜神峡は雪景色だろう。葉をすっかり落とした竜神峡のいがぐり頭の山に横殴りに降る雪を見ていると、水墨画が現実世界になったようだ。
林道で先行者あり。今度は親子連れのキジ?ヤマドリ?だった。ひなはかなり成長していたようだ。
日没間際に竜神ダムに戻った。
今回もまた実に地味な山行きとなった。
コメント
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takahashisunこんにちは
亀が淵山から南東への下りは何気に難しいですよね
Kikennyさん、コメントありがとうございます。
亀が淵山下り、今回はテープがずいぶん付いていて
楽勝だと思って不覚を取ってしまいました。
何事も油断禁物ということを思い知らされました。
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