残雪と展望の北穂高(2016)
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- GPS
- --:--
- 距離
- 32.8km
- 登り
- 1,664m
- 下り
- 1,646m
コースタイム
- 山行
- 1:00
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 1:00
- 山行
- 5:50
- 休憩
- 0:40
- 合計
- 6:30
- 山行
- 6:40
- 休憩
- 1:40
- 合計
- 8:20
- 山行
- 1:50
- 休憩
- 0:10
- 合計
- 2:00
天候 | 4/30;雨、5/1;雨のち曇り、5/2;晴れ、5/3;(朝は)晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
涸沢から北穂沢ルート、北穂高山頂までずっと雪面。新雪後はナダレに注意。日中は雪がグサグサになる。急なルートなので、上り下りとも滑落に注意。アイゼン、ピッケルは必須。 |
写真
感想
(まずはじめに、このGW前半で穂高で遭難された方のご冥福をお祈りします)
※ 2年前の爺が岳の遭難事故以来、2年ぶりの積雪期の北アルプスに再び登ることにした。行先はいくつか考えたが、積雪期には登ったことのない、奥穂高岳を目標としてみた。
☆1日目(4月30日)
・今日は四国からの移動日、四国は朝から天気も良い。朝7時台の電車に乗り、名古屋、松本経由で上高地へ向かう。この日、松本は雲が多めだが晴れていた。
・上高地に着くと、なんと雨が降っていた。初日から気分がそがれるが、傘を差して明神まで歩き、「明神館」に泊まる。
・スマホで天気図、雨雲分布を確認すると、今日は寒冷低気圧が日本海から東北地方を通過中で、その影響で長野では北アルプスだけ雨になっている模様。明日に期待する。
☆2日目(5月1日)
・朝5時過ぎに目覚め、外を見ると、まだ雨がザアザア降っていてガッカリ。雨の様子を見ながら部屋で待機し、小降りになってきた7時半に遅い出発。
・徳沢、横尾までパラパラと小雨模様だったが、横尾でようやく雨が止んだ。しかし上空は灰色の雲で、天気が良くなる感じはない。
・ここから涸沢までの道へ入る。ドンヨリしていて気分も暗い。屏風岩も怖そうな表情だ。本谷橋までは雪はほとんど無し。
・本谷橋は、(今年は雪が少ないせいか)顔を出していた。ここで小休止をとる。ここから先、雪道になっているので、アイゼンを着ける。
・雪道をゆっくり上ってゆく。トレースははっきりしている。
・14時過ぎにようやく涸沢小屋に到着。今日の入りを聞くと、満員の半分程度とのこと。自分は6人部屋に5人目として入った。みな単独行の人ばかりだが、山のよもやま話をして午後を過ごした。
一番ベテランの60過ぎのおじさんは、明日、北穂高に登りその足で横尾から槍沢に入り、明後日は槍ヶ岳に登る、とのこと。元気だなぁ。一方で一番の初心者はゴム製の簡易アイゼンで登ってきたとのことで、ちょっと危なっかしい。明日は引き返すとのこと。もう一人の若い人は、昨年も奥穂高に挑戦したが途中撤退したので、今回はダブルアックスで挑むとのこと。また、昨日は奥穂のハシゴの上から滑落事故が起きた話も聞いた。
・・・今回は奥穂を狙っていたが、ちょっと自分の実力を超えてそうだ。それに、登山靴の靴底が、またはがれかけてきているのも心配。明日はどうしようか悩む。
☆3日目(5月2日)
・朝起きると、待望の晴れ間が出ている。登山靴の靴底は、細引きで縛って応急処置し、北穂の途中までぐらい行ってみるつもりで、ほぼ空身で、7時に出発する。
・北穂沢を登り始めると、続々と行列が先へ続いている。昨日AMの麓の雨が、このあたりでは雪だったらしく、新雪が10〜20cm程度積もっている。トレースは良好でどんどんと進む。途中から下りの人も多くなってきたが、新雪の上を下っているので、なかなか大変そう、登りより難しいようだ。また時々、南陵の方からスノーボールがたくさん転がり落ちてくる。ナダレがでそうな感じで少しヒヤヒヤした。
・それにしても今朝は、8時前からヘリコプターが涸沢、穂高の上空をグルグルと旋回している。荷揚げではなさそうなので、遭難があったのか?と思う(自分も2年前にヘリタクで下山したので、他人事ではない!)
・インゼルまでも急な道だったが、そこから先はさらに急登、さすがに足も重くなってきて、ピッケルのピックを雪面に差しながら、慎重に進む。
・9時40分、ようやく北穂高の山頂に到着。GWの北穂高は1990年以来なので、26年ぶりか、懐かしい気持ちがする。それにしても今日は絶好の登山日和で山頂からの展望は360度。素晴らしい雪山の景色に見惚れてしまう。よく目を凝らすと、北の方遠くに鹿島槍、爺が岳も見えた。ようやく2年前のことを取り返した気分でもあった。また意外なことに昨日に小屋で同室となった60台のおじさんと山頂で出会った。
・さて下りにかかる。気温も高めで日差しもあるので、下りの雪面がグズグズ。インゼルまでは所々、慎重に、後ろ向きになって下る。
・インゼルから先も急斜面だが、シリセードの跡も数本ある。同室だったおじさんと話し、2人してシリセードで一気に下った。シリセードにちょうど良い雪質で、数回繰り返して400m分は下った。
・涸沢にほど近い当たりは、デブリがだいぶ出ていた。ほかの人に聞くと、東稜側から小規模なナダレがあったとのこと。
・11時ちょうど、涸沢に到着。シリセードを活用したので、結局下りは1時間で済んだ。2度目の雪の北穂だが、まだまだ自分もいけるナ、と
達成感がある。ビールを飲み、軽く昼食を取りのんびりする。
・本来は涸沢で連泊予定だったが、目的は達成したので、今日中に下のほうまで下ることにする。下りは雪の斜面を本谷橋まで、そこでアイゼンを外し、横尾まで歩く。横尾で14時半。ここで泊まろうか?との気持ちもあったが、まだそれほど疲れてないので、徳沢まで向かう。15;30徳沢園着。
・またまた缶ビールを飲んで、今回の山行を振り返りながらのんびりする。この宿はお風呂も感じが良い。夕食もステーキ、岩魚塩焼きなど豪華でいい宿だ。
・ようやくここでAUのスマホが通じたので、ニュースなどを確認すると、30日〜1日まで、穂高で遭難が相次いでいたことを知る。今回は自分は無事だったが、やはり春山は危ないな、と自戒する。
☆4日目(5月3日)
・今日は四国までの移動日。今日も天気が良い。6時に徳沢を出て気持ち良く歩く。今日からGW後半の3連休が始まるので、今日から入山する人も多いようだ、8時に上高地に到着。
が、なんと始発のバスは7:50発ででていったばかり。次は9:30発で時間があるので、ビジターセンターによって時間をつぶした。
・あとは、バス、JRで帰路に着く。西日本は早くも雨で、四国内では強風で電車が1時間も遅延するトラブルもあったが、無事、夜には自宅に帰着した。
同じ様に同時刻お天気に一喜一憂していたとは^ ^
第三者に分かりやすく丁寧なレポ、参考になります。お手本にせねば
すみません、ヘリタクのくだりは少し笑ってしまいました
sin-kazamaさん、コメントありがとうございます。
今年のGWの前半は、長野県の週間天気予報が当たらず、北アルプスは短い周期で晴れ/雨・雪が交互にやってきたので、判断も難しかったし、そのせいで遭難も多かったですね。
北鎌尾根縦走のレポも拝見しました。私の実力の2〜3ランク上級の、すごいコースを、かつ悪天候の中行かれて、迫力がありました。ご無事でなによりです。
ようやく本格的な登山が出来るように回復してほんとによかったね。
おめでとう・・、お天気も良かったし、素晴らしいショットに感服です。
お母さんと一緒に雨の
これからも安全第一に、山を楽しんでください。
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