スパルタなお山 八海山 屏風道、八峰、新開道の周回縦走
- GPS
- --:--
- 距離
- 9.1km
- 登り
- 1,418m
- 下り
- 1,418m
コースタイム
- 山行
- 7:24
- 休憩
- 0:55
- 合計
- 8:19
天候 | 晴れ、やや霧 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
危険箇所はほぼほぼ 屏風の四合目から七合目のドMな鎖の連鎖、その上のトラバースなど難易度は高い。 破線、下り禁止は伊達ではない。まあ肝据えていけば大丈夫。 滑落注意です。 八峰はまずまず。意外なのは案外巻きもザれていることであり、このことはロープウェイを使っても八海山最高点である入道岳にあっさり行くことはできないことを示している。 新開への下りと分岐後から稜線の九合プレートまでは巻き、鎖が結構えぐい。以降は安定した一般登山道といえる。 |
その他周辺情報 | 食事:六日町IC至近の「海鮮道楽ととや 六日町店」で昼食を。 行った店はチェーン店であり、町の飲食店の方がより旨いのでしょうが、米の特産地のためやはり米が食べられるところがよいと思います。 また基本的に日本海の魚介類はまず外れがなく、旨いです。 海産物も新潟県内でほぼ全域でやや山の方でも旨いです。海にやや遠いといいきれるのは湯沢くらいであり、観光地でない限り美味しい魚介類を提供できないと地元民はきてくれないのでしょう。レベルが高いと思います。 逆に言えば、冬のスキーシーズンは湯沢で留まらず長岡方面に下って、美味しい店を探した方が吉だということを示しているとも感じました。 湯沢に喧嘩売っている気はさらさらないので悪しからず。もっと散れば、客も店もWin-Winという意味で。 前日の夕食を食べに行った六日町の北海道という名の飲食店といい何もかもが美味しいです。米ときのこ類は本州一。中越も寺泊が決して遠くはないので海産物がまずいというのは許容されないのでしょう。お店としてはなかなかに厳しいのでしょうが、消費者的には外れが少なくありがたいと思います。 |
写真
感想
八海山は以前スキーできたことがある。スキーにはまりまくっていた頃のこと。
八海山スキー場はコブ道場として、セミプロの人々の鍛錬の場として名を馳せており、石井スポーツあたりの神保町 スキーショップ街の方に勧められたので、さぞかしえぐいのだろうと覚悟はしていたが、実際来てみて噂通りと感じた覚えがある。
今回はお山の方へ。
古来から修験の山であった八海山。八海山〜中ノ岳の間の縦走路が非常に厳しそうであるとのことから三山縦走を取りやめ、各々に登ることとした。そのため、前日は中ノ岳・丹後を十字峡から周回縦走している(前レコ参照)。
そして、当日、八海山と荒沢岳の両にらみだったのだが、中ノ岳近傍で会った方々からの情報を元に鑑み、荒沢はまたの機会とし、八海山の方を行くことにした。
八海山を踏めば、昨年の越後駒ケ岳をあわせて越後三山(魚沼三山)を何れも登頂することになる。
八海山単独とするならば、修験で長らく用いられてきた屏風道を登って更に八峰を縦走し、最高点である入道岳を踏むコースが八海山の醍醐味を堪能できていいだろうとこのルートを計画していた。前日にほぼ同行程で中ノ岳に登った地元の方にも八海山に行くなら是非屏風道をと勧められ、意を決して八海山へ屏風道と八峯縦走での登頂を敢行した。
想定では当日はあまり天気が優れないという話もあり、道の駅車中泊後に天候次第で考えることとしたが、結果的に予報よりも天候に恵まれ、雨に打たれることもなかった。
そうしてやってきた八海山。
城山口二合目登山口からの屏風道は正に修験の道といった体であり、破線となっているのもなるほどの道だった。道々に行場らしい碑があり、滝行場らしき四合目と、そこから稜線までひたすら直登の鎖だらけの屏風道はこれまた噂に違わぬ難所ぶりだった。表妙義に比べれば素直に登ればいい分楽ではあるのだが。
道中、七合目の覗きの松あたりはお隣の滝が間近に迫り眺望がよい。
その先、しばらくすると巻き道となるのだが、実はここあたりが嫌らしいようだ。
幅が狭く崩れ気味の箇所があるし、その先に涸れた沢を登る区間は例年だと雪の下で非常に厳しいらしい。
厳寒期においては別ルートに行く必要があるとのこと。
さらに進むと、稜線の千本檜小屋が間近に見える。
ここから小屋までは穏やかな道を景色や植物を眺めつつ体を休めるといいと思う。
このあたりは里の方への景観がよいで。浦佐駅、信濃川・魚野川出合である越後川口、魚沼の田園など。
小屋からすぐ、八峯が始まる。
八峯は屏風に比べれば難しくはないが決して楽だとは言わない。ここまでの疲労が出てへばっている可能性があることを留意した方がいい。滑落注意です。
さて、稜線に乗ると東より斜面から吹き上げる風に乗ってガスが上がり、中々越後駒、中ノ岳、入道、八峯他がなかなか見えてくれなかった。
完全にガスの中ではないことが救いであり、上記の箇所などが時折が見えてくれ、ある意味ただ見えるのよりも嬉しいかもしれない。
最高点の入道岳へ向けて八峰を行く。
峰々にお堂や像があり、北面に雪渓が広がり、向かう先には八海山最高峰の入道岳と、中ノ岳、越後駒が見えたり見えなかったり。
無事、三山の頭を見届け、入道岳を踏んだ。
ここからは中ノ岳への稜線を目に焼きつけた。
今回はあえて止めたがいつかは入道岳〜中ノ岳稜線を行き、三山縦走を成したい。
入道で小休止し、下山とした。
予定通りの新開道か、阿寺山経由とするか迷ったがオーソドックスに新開道とした。
前日に歩いた十字峡から中ノ岳への道のお隣に聳える阿寺山と八海山の稜線が魅力的であり、阿寺山には地塘もあるとのことでこちらのルートに惹かれていたのである。麓付近が道悪と聞いており、山と高原の地図には通行困難とあり、結局、当初の予定通り、新開道での下山を採用とした。
八峯分岐から巻き道の方を進んで分岐まで行き、その分岐からトラバースしつつ尾根に回りこんで新開道の稜線に乗る。この区間がこれまた厳しかった。
稜線に乗ってからは常識にかかる一般登山道。整備されており、比較的歩きやすく、持ってきたストックが役立つ区間にやっとなった。ここまでの道中ではストックはひっかかるだけで邪魔にしかならないので、行かれる方はご留意を。
下山に新開道を歩いて得られた最大のものは山と高原の地図の執筆者との偶然の出会い。道中の疲れもあってか数十分は話し込んだと思う。
この日は新開道を下から整備しつつ、たけのこ取りをされていたとのこと。
当日の朝に頑張って登った屏風道。道の崩れがあるゆえに、登り専用で下り禁止となっているが、これは新開道を開削したからできる処置なのだろう。
その屏風道も、上から重機持って下りながら薮刈りをなさるとか。
ただ歩くのも滑落が怖いというと、いちいち確保する方が面倒とのこと。
ほとほと驚かされた。
なお、阿寺からの下山に関して言えば、現在は通行不能というほどではなく、再整備は進みつつあるとのことです。なので、尚更今回は回避した阿寺道を行ってみたいと思う次第。
厳寒期に屏風道登頂、残雪期に上越国境稜線を巻機山から大水上、大水上から平、平鶴、至仏と縦走されたとか。この区間は雪解けすると薮が出て却って時間がかかるので雪がある時期の方がいいとのことでした。
山と高原の地図の執筆を行っている都合上、毎年地図にあるルートは全て歩いて状態の確認をなさっているそうです。
どこまでも頭が下がります。
薮道を行くと登山道の有難みを感じることは再三ありましたが、今回改めて感謝に堪えないです。
八海山、素晴らしい山です。
タイトルに書いたように冬は冬でスパルタ、夏は夏でこれまたスパルタ(屏風道を使わなければもう少し楽なのでしょうが)。歯ごたえ満点で、充実した山行をできました。越後三山を少なくとも三座とも登頂でき、満足できました。
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