大荒れ 雪山キャンプ 坊がツル 北大船
- GPS
- 48:29
- 距離
- 14.7km
- 登り
- 970m
- 下り
- 957m
コースタイム
27日(月) 8:00坊がツルー9:50段原ー10:00北大船ー10:10段原ー11:30坊がツル
28日(火)8:30坊がツル-11:20長者原
天候 | 26日 終日-6〜7度 ずっと雪 27日は雪はやんだが、大荒れの風 28日は、気温は緩んだが、暴風・雪・雹・霰・下界では雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
27日、28日は暴風で大変だった。26日は、終日の雪で大変だった。 |
写真
感想
26日
九州も25日から大寒波と低気圧が接近し、26日は、平地でも雪。
標高1000m付近は、昼でもマイナス6〜7度と寒気が流れ込んでいる。普通なら1時間半の長者原までの道のりだが、スリップ事故による渋滞、チェーン装着、さらに安全のためのノロノロ運転で倍の時間がかかってしまった。
長者原から坊がツルの雨ヶ池越の道も普通なら1時間半から2時間なのに、2時間40分もかけて歩く。アイゼンを使用すると歩きにくいが、新雪に足跡を刻むのは楽しい。ずっと雪が降り、風も吹く中のテント設営は大変だが、何とか完成、荷物は雪だらけ。雪を落としてテントの中に荷物を押し込むとそのまま温泉へ。テントの中に自分が入ってしまうとテントの中が雪だらけになってしまう状態なので、昼食は外で行動食のみ。
法華院山荘の温泉に入る、天国。
脱衣所で、また外へ出る準備。宿泊者は、普通の服装なのに、野営場に戻る者は、防寒着の上にカッパ、さらにマウンテンパーカをしっかり着込みフードをかぶり、チャックを全部しっかり閉める。
ここから一歩外に出て暴風に晒されたら一気に凍りつく。温泉で温かかったタオルは、すぐ完全氷結状態。
今日は1日中冷凍庫の中で過ごしている感じ。温泉から野営場までの道は、風の通り道で北風が正面から顔にぶち当たる。
テントに入ると、もう外に出る気はしない。冬眠状態。ずっと雪が降り続く。夜は風も荒れ始める。
27日
夜は、雪と風が荒れ狂う。前日、雨ガ池ですれ違った人が、聞きもしていないのに向こうから「昨日の夜は台風並みだった…。」と遠くを見つめるような目をしながら話していたが、その風が、これか…。
確かに風は強い。特に突風は、「空気の雪崩」といった感じで、山の斜面をかけ下る音がする。「こりゃやばいな。」というほどの凄い風の音が雪崩のように近づいてくるが、テントを直撃しない時もあれば、音もなく「どっか〜ん」とテントを揺らす風もある。一晩中すごかった。話には聞いていたのでテント設営の場所を選んでいてよかった。もっとすごい人は、風対策として灌木地帯にテントを設営し、ロープで周囲の木にテントを固定していた。
本来なら今日は大船から風穴に下る予定だったが、悪天候の時のバージョンで「段原付近を歩く。」に切り替える。登っている時は、林の中を歩いているので、上空はいくら強風でもパウダースノーを巻き上げ目や口を直撃する程度。林の中を突き抜ける突風も時々だったが、段原から先は、遮るのもがないので、風はやりたい放題、身を切るような冷たい強風にずっと晒される、視界もない、風にヨタヨタ振り回される。「こりゃやばいな…。」といった状況。さらに計画変更して、一番近くの北大船山にたどり着くのが精一杯。
早々に退散。寒かった…。
(用心のためにGPSもスタンバイしていて、その時はログが取れていたが、帰って確認すると、ログが残っていない…。おかしいなあ〜。防寒のためにマウンテンパーカのポケットに入れていたからなあ〜。)
28日
27日の夜は、気温が下がらない。温かいのはいいが、これで雪が溶けたら、テントの中は、水浸しになる予感。気温が上がるのも善し悪しだなあ〜。まあ、お湯を沸かす時間は、26,27日に比べるとあっという間で速い。ガソリンストーブに風防をしても気温の違いで全然違う。
今日は、長者原へ下るだけ。でも雪が解け湿気で荷物が水を吸い、少しザックは重くなっている。
2日前とは違って、道にはたくさんの足跡があり、アイゼンなしで快適に歩ける。気温もちょうどで、歩くのには快適。
途中、三俣山北面の大崩壊の谷筋を下る「空気の雪崩」を見た。ほんの10mしか離れていないのに、谷筋は、とんでもない突風がかけ下って行く。これが、あの大音響の正体かあ〜、すごいなあ。
坊がツルは、「冬は白、春は黒(野焼きで)、夏は青、秋は赤」とよく言われるが春夏秋冬、全く別の表情がホントに素晴らしい。
「早春のまっ黒」http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-60077.html
「春の緑」 http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-63068.html
「夏の青と黄」 http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-72294.html
もご参考に。坊がツルはいい所ですね。
「秋の赤」が残念ながら今年はありません。でも
「晩秋の灰色」http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-87764.html
を添付しておきます。
長者原までもう少し。標高1000m近く下りて来ると、雪が雨に変わった。雨が一番困る…。
長者原の駐車場は、雪が積もったままだが自分の車が無事にあった。ホッとする。道路状況が確認できないので牧ノ戸峠を越えるまでは、チェーンを着けたまま走行する。
峠を越えて、チェーンを外す、雪と風の中、車の下に潜り込まなければならないのでこれも一苦労。
赤川温泉に電話で確認すると「営業してますよ。チェーンなしでも登れます。」との事だったので大好きな赤川温泉に直行。お金を払う時「よくこんな日に、ありがとうございます。」の一言に妙に納得すると共に心が和みこちらも感謝。途中の道で3台、スリップしたまま路肩に突っ込み放置された車を見た。「チェーンを着けようかな、どうしよう。」と迷う状況の天気だったからなあ。「こりゃいかん。」程の積雪ならすぐチェーンを着けるけど。
温泉の下駐車場も雪がしっかりある。「今は大丈夫でもこの後、気温が下がって雹か雪が降りだすと下り坂が危ないな。」と心配しながらも、ゆっくり温泉に入る。温泉と冷泉に交互に入るとこれがまたいいんです。
外に出ると、また雪が降り始めている。少し焦る。
久住高原の道は、強烈な暴風が吹き荒れる中、やっと阿蘇のカルデラの中に逃げ込む。やっと生きた心地がする。
3日間、緊急時のためのバッテリー節約の電源OFFだった携帯電話。電源を入れると下界からの着信歴が次々と…。自分ではすべてを済ませて山に登ったはずなのに、「こんな日に何で休みと取るんだ!」というメッセージが。そのまま直接、職場に行く羽目に…。
申し訳ありません。
こんにちわ。
いや〜あんな日に登られてたんですね〜!!
それも2泊!!
お疲れさまでした、というか、年末の休暇取得も含めておみそれいたしました。
大変だったと思いますが、記録を読んでると楽しさも伝わってきます。来年、一度、近くの山で雪中テン泊にチャレンジしてみたくなりました。
万難を排し 、残業し 、お願いして 何とか作った3日間、おまけに天気も最高 ですばらしい山行でした。
坊がツルは楽しめますね。
いやいやこれは楽しそうですね。
私も行きたかった。。。
文中にアイゼンとありますが「軽アイゼン」でしょうか?
私は「軽アイゼン」と「スノーシュー」しか持ってないので、「10本爪」とかでないと登れないのかなと思いました。
私は登るよりもキャンプを楽しむの方が好きですけど。。。
中途半端な天気(気温)が一番難しいですね。
テントのアウターフライが雪は雪専用(モンベルスノーフライ)なので、雨だったら浸透してくるので。。。
来年行きたいな。
明けましておめでとうございます 。
昨年末、モンベルのクイック仕様6本爪軽アイゼンを買ったのですが 、それを使いました。なかなかでした。10本爪はこのコースでは、使う場面はないと思います。4本爪でもいいくらいだな〜、と思いました。今回は「新品をちょっと試しに使ってみた 。」程度です。
昨晩日没後長者原から坊ガツルキャンプ場に登りで一泊して朝一に帰ってきました。
坊ガツルキャンプで風が吹くと厄介ですね。
テント設営時は風が無く何とかなりましたけど、今朝の撤収は風はあるブリザード気味ときゃ〜 な感じでした。
寒波、雪、強風と3点セットと3連休の奇跡に自分の予定が一致することはなかなかラッキーですよ、おめでとうございます 。
あ〜、万難を排して中央強行突破で山に行けばよかった…、と今更ながら後悔してます…、まあ、諸事情がありまして、そんなことをすれば、下界に帰ってこれなくなるしなあ〜 。
また、かこいい山行記録 楽しみにしています。あの風の迫力が伝えられるとすごいんですけどね〜
「空気の雪崩」正しくそんな感じですね〜
現場にいると恐怖を感じますが、下界で思い出すと「楽しかったなぁ〜」
また、味わいに行こう
GPSが欲しくてたまらない113ですが、”ログがとれていなかった・・?”とは、気になります。
原因は究明されましたか・・?
”道無き道を・・”進み、帰って
”奇跡の生還・・”をログで確認するのが、目下の夢です。
どっかで怒られそうな・・
そうなんですよ、下山してログを確認すると、道に迷ってウロウロしている軌跡も「ここですごいことになってたんだよな〜 」と宝物の記録です。
大船に向かった時は、GPSをONにしたのは「ログ取り」よりも「道を失った時のリカバリー」のためで、途中、時々地図画面を確認しながらGPSが作動していることを確認していました。
段原から風穴に下りるつもりだったので、強風による低温でバッテリー低下を恐れていつもの肩ハーネス上ではなくジャケットの中で保温しながらだったので、受信の問題か、バッテリー低下によるフリーズだったか、よくわかりません。いくら探してもそこのログファイルが見つからないんですよ…
113さんは、あの時よりもっと厳しい状況で「高塚山まで」とトライされたことに敬意を表します 。
GPS、楽しそう。
なるほど、悪天候の下では、バッテリーの問題があるのですね。
元々軍事用に米国が開発したもので、その精度を上げたり下げたりしているとかって、池上章さんが言っていたような気がしますが、機器の状態がいい場合の精度的な問題は無いのでしょうか?
「高塚」ですよね〜
いつも壮大な計画をたてるのですが、その時々の状況で行けなかったり変更したりで、まあ単独行動なんでその辺は融通がきくといいますか・・。
来月にリベンジして来ます
某GPS関係の本によると「2010秋よりさらに飛躍的に精度が上がりました。」と書いてありました、どの程度かわかりませんが… 。
ガーミンの受信がいいアンテナ(出っ張っているタイプ)なら、普通のルートでは、谷間でもあまり飛ぶ事はないです。
GPS、めちゃくちゃ楽しいですよ、活動のあらゆるフィールドが大幅に広がります。
まだ地形を把握していない場所でも、道がない場所でも「歩いてみようかな。」という気になります。ホワイトアウトでも、雪で道が分からなくても「まあ、この程度なら。」なんて一見無謀な状況でも安全に突破できます 。
ただし、機械ですから一番はバッテリー問題 、特に冬は低温によるバッテリー低下は問題ですね 。
どんなバッテリーでも低温には弱い、−10度前後でも6時間程度はOKなんですが、一応。
ガーミンは、単3を2本なので、他の電子機器も含め単3のエネループに統一しているので、予備電池は問題ないです 。
ぜひGPS(地図画面付)の世界へ
「GPSで道なき道を行く」という企画もいかがですか
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/grpinfo-215.html
道に迷いながらもGPSで安全に帰ってくる、このアドレナリン急上昇と自分の経験値と能力と体力を総動員してクリアしていく充実感は、なかなかのものです。入会パスワードは「GPSDEIKOU」です。人数がいないと情報交換ができないんですよ。九州限定のフィールドを開発して情報交換しましょう。このちょっとした情報が宝物ですよ
ふむふむ
だんだん興味が高まってきます。
「精度が高まった・・・」などと、聞いてしまうと、かなりお財布に危険な状態に成ってしまいました・・。
「GPSで道なき道を行く」
覗かせて頂きます
ヤマレコに入会以前の未UP「道なき道」情報、いくつかあります 。
まあ、近場の阿蘇と九重ばかりですが、近いのが何よりの宝ですね
また、未確認情報でトライしたい道もあるので、そんな情報もいいですね
まあ、駄目押し情報として「おススメのGPS」は、ガーミンのGPSMAP60が、実績と人気、価格(英語版2〜3万円程度)などすべてにおいてNO.1で一押しです
最新版はGPSMAP62ですが、まだ、実績がなく安定していないかと思います(発売から最低1年は待った方がいいかと )
英語版でまったく問題ありません。日本語版は単に暴利を貪っているだけで、英語版でOKです。ソフトのアップデイトも早いし 。
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