剱岳 早月尾根はやっぱり試練と憧れだった。
- GPS
- 13:49
- 距離
- 15.1km
- 登り
- 2,423m
- 下り
- 2,417m
コースタイム
天候 | 曇りのち雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
早月小屋までは、普通の登山道。しかし、急登が続き足場が悪い場所もあります。 早月小屋以降は、岩場があります。特に山頂まで0.7km(標高2800)標識の後は、それなりに厳しい岩場、鎖場があります。 |
その他周辺情報 | 馬場島荘でお風呂に入れます。 |
写真
感想
剱岳に、試練と憧れの早月尾根から登ってきました。
この夏はのんびりと雲ノ平へ行く予定だったのだが、台風接近の予報で断念。そこで、かねてから行きたいと思っていた剱岳へ行くことに。
事前の天気予報では、曇り時々晴れ、「天気と暮らす」の登山指数はA、12時頃からは晴れマーク。これは行くしかないでしょう。ということで17日出発、馬場島荘の駐車場で車中泊して、翌18日に日帰りアタックしてきた。
剱岳を早月尾根から日帰りでアタックするのは、ここ数年間登山を本格的にやってきた中での大きな目標だった。標高差2250mを一気に登れるのか?カニのタテヨコは通過しないとはいえ、岩の殿堂の剱岳、自分にそれだけの体力、技術があるのか?
などなど、不安要素はあったが、それなりの準備はしてきたつもりだ。思ったよりも早くその時が来てしまった。
お盆を過ぎたので17日の夜に到着した馬場島荘の駐車場も1/3程度でガラガラだった。午前4時に起床。準備をして午前5時少し前、いよいよ出発。
有名な「試練と憧れ」の石碑を見て、登山口にある観音様に無事を祈る。
登り始めていきなりの急登。その後、松尾平でしばらくなだらかな道が続くが、そのあとは急登に次ぐ急登。普通の山なら、ここを頑張ればというところがあるのだが、さすがの早月尾根、果てしなく続く急登に心が折れる。先は長いので、普段よりもゆっくりのペースを心掛けながら登っているのだが、しんどいものはしんどい。
ゆっくりを心掛けたのは最初のうちだけで、ゆっくりしか登れない状況なのだ。抜きつ抜かれつしながら登った人との会話も、「キツイね〜」ばっかりだ。
この日は、気温も高く湿気が多くてものすごく汗が出る。水は3L持って行ったが、早月小屋での購入分を含めると4.5L以上は消費した。標高2000m過ぎたころから、早月小屋で冷たいコーラを買って飲むぞーってことしか思えなくなってきて、「コーラ、コーラ」って呪文のように唱えながら、やっとのこさで早月小屋へ到着。
ところが、お盆のにぎわいが去った小屋には、コーラは売り切れで、飲み物はお茶しかなかった。ビールはあったけどね。かなりがっかりしたが、冷たいお茶を購入して、半分ほどを一気飲み。生き返りました。ここまでで1450mほど登ってきている。たいていの山なら、とっくに登山が終わっているのだが、今日はまだまだ通過点。ここから残り800mが本番だ。少し天気も回復してきて、山の稜線も見えだした。いいぞいいぞ。
持参したおにぎりとジェルで補給して、いざ山頂へ。ここからはストックは仕舞って、ヘルメット着用で行く。
しばらく登ると霧につつまれた。雲の中に入ったようだ。まあ、そのうち晴れてくるだろうとおもっていたが、どんどんと霧が深くなってきて、とうとう雨が降り出した。んんん?話が違うじゃないか!
なんかこの展開、去年の槍ヶ岳と似ているぞ。天気予報のバカヤローってか。
標高2800mを過ぎたころから本格的な岩場が出現。有名なカニのハサミは、それほど難しくなかったが、それ以外でもっといやらしい場所があった。雨で岩がすべりやすく、鎖も雨ですべる。靴のフリクションがあてにできないので足の置き場が限られてくる。
結局山頂につくまで、霧が晴れることはなかった。いろんな人のレコを見てイメトレしていたあんな景色や、こんな絶景は一切なかった。
別山尾根からの分岐点を過ぎて、ガレ場をしばらく行くと、とうとう山頂の祠が見えた。ここが本当に剱岳なのか?憧れが強かっただけに、感動はない。
有名な山頂の祠がそこにあるだけで、まわりは真っ白。何も見えないのだ。しかし、2200mを登ってきた疲れはしっかりとある。
えーっ?「試練と憧れ」ってこういうこと?
これからの下りも含めて試練はしっかりとあるけど、山頂からの絶景という憧れは残ったままだ。少し前に登頂した人に、「また登れってことですよ」と言われて、憧れ部分は宿題として残しておくことにした。でも、試練はもういやだなぁ・・
山頂には、同じように早月尾根ワンデイを目指した人たち計5人だけしか居なかった。別山尾根からの登山者は一人もいなかった。
下山を始めると雨が本降りになってきた。足場も滑るし、慎重に一歩一歩進む。ペースも上げることができない。早月小屋まで降りてきた段階で、午後15時10分。
小屋は空いていたので、一泊することもできたが、今日はワンデイで行くことに意味があるのだと思い、先に進むことに。雨もあがったので雨具を仕舞い、小屋で登山記念バッチを購入し小休止して出発。
日があるうちに下山したいので、ここからは時間との戦いだ。しかし、雨で濡れた地面は滑るし、急登なのでやっぱりペースが上がらない。標高1400m位からは、足場の状況が良くなってきて、ずいぶん進みやすくなったのだが、今度は足がもうヘロヘロでやっぱりペースが上がらない。
なんとかまだ明るい18時30分頃無事下山。
いや〜疲れました。今回、山頂からの絶景は宿題としました。そういえば、槍ヶ岳山頂からの景色も宿題のまま。いつかリベンジしなければ・・。
でも、今回の経験がすごく自信になったような気がする。
もう一つの目標である甲斐駒ケ岳の黒戸尾根にも挑戦してみようかな。
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