悪沢岳・赤石岳へ 椹島より2泊周回コース



- GPS
- 50:20
- 距離
- 26.4km
- 登り
- 3,047m
- 下り
- 3,036m
コースタイム
- 山行
- 6:30
- 休憩
- 0:30
- 合計
- 7:00
- 山行
- 5:30
- 休憩
- 1:40
- 合計
- 7:10
- 山行
- 7:30
- 休憩
- 0:50
- 合計
- 8:20
8月17日(木)
10:30 安曇野穂高発 中央道・中部横断道・新東名
新静岡ICより井川方面
16:30 赤石温泉白樺荘泊
8月18日(金)
6:30 白樺荘発
6:50 東海フォレスト・バス発着所 駐車場
7:30 バス発車
8:40 椹島着
<復路>
8月20日(土)
13:00 椹島発
14:00 駐車場着
白樺荘 温泉入浴
17:30 静岡市清水 松寿荘泊 打ち上げ
8月21日(日)
8:00 宿舎発
12:00 自宅着
天候 | 晴れ・雨 赤石岳山頂快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
現在7:30始発 8:40椹島 2台目のバスに乗れなかった方は8時以降になったとのこと |
コース状況/ 危険箇所等 |
登山道は特に問題ない 登山届はバス乗車所にて |
その他周辺情報 | 赤石温泉白樺荘 前日宿泊 2食付きで7000円程 下山後 入浴510円 アルカリ性のお肌つるつる温泉 |
写真
感想
2016(平成28年)8月18日(木)~20日(土)
悪沢岳・赤石岳へ
「夢かない 遠くて深い 悪沢へ」
「朝日差し 山肌色変え 赤石岳」
長野県に住んでいると近くて遠い山が悪沢岳になる。
1988年飯田に住んでいる頃に小渋川から登ろうとしたが
小渋川の徒渉があまりにも深く腰のあたりまであり、
押し流される恐怖!冷たい水!
さらに川沿いの崖登りがあまりにもきつく引き返した。
そこで現在地図上に登山道が記されていないが、
しらびそ峠から林道を使い大沢岳へ登り、
百間洞キャンプ地からピストンで荒川三山を目指した。
赤石岳を越え、荒川中岳までは行けたが、
時間的に余裕がなくなり中岳で引き返してきた。
今考えるとほぼ無計画の惨憺たる山登りをしていたのが分かる。
長野県側からは面倒で厄介な悪沢岳だ。
手が届きそうだが今日まで足を向けずにいたのもある。
悪沢岳はかくして私にとって近くて遠い山だった。
8月18日(木)
赤石温泉白樺荘から千枚小屋へ
東海フォレストバスの駐車場へは10分ほど。
駐車場にはかなりの車が止まり、バス停には長蛇の列ができていた。
登山届を書き、列の最後尾に並ぶ。
今回は6名での山行なので、
まずはバスに6名が一緒に乗車できるかが問題。
1台目のバスはすでに満員、
そして2台目のバスの最後に6名が滑りこんだ。
ジャスト6名で満員となり、私たちより後ろの方は
まだ到着していないバスを待つしかないということになった。
実はここが今日の大きなターニングポイントだったのだ。
補助席に座り何と1時間10分、未舗装の道を揺られ
遠い椹島へとたどり着いた。
身動きができない、揺れる、リュックサックを押さえている。
椹島に着いた時には6人とも、
バス酔いではないが一山登ってきたような疲れを訴えた。
気を取り戻し、身支度を整え今日の目的地千枚小屋へと出発した。
滝見橋手前から沢沿いに歩き始める。
緊張する。
そこもわずかばかりですぐさま、樹林帯を登り始める。
思っていた以上に急斜面でペースは上がらなかった。
途中2度ほど二軒小屋へ続く林道を横切った。
眺望はなくこれと言って変化のある登山道でもなく黙々と登る。
中間地点辺りに清水平という水場が出てきた。
すでに昼時刻は過ぎ、腹ペコ状態。
ここでお昼にしようということになった。
急遽買い求めたカップ麺を
ストーブを持ってきた人に湯を沸かしてもらいいただく。
普段は食べないが、山のラーメンは美味しい。
清水平から先は平坦なシラビソの樹林帯が続く。
50年ほど前までは林業が盛んで、
木を運んだという通路が窪みを作り歩きやすくなっていた。
蕨段という平という意味の平地も見られた。
今日のメインは「駒鳥池」だった。
展望は全くなく、ただ歩く中
自然のオアシスを感じさせた。
登山道からわずかばかり下ったところに湿原に近いのだが
一面緑の苔に覆われ、そこに枯れた倒木が横たわる。
幻想的で歩き続けてきた疲れを癒してくれた。
実際に駒鳥が飛来するとのことだ。
写真で見るとくちばしが黒く、頭部は薄いオレンジ色。
緑の池に、オレンジ色が映える姿を想像することができる。
駒鳥池を過ぎたあたりから雨が降り始めた。
あとわずかで小屋に到着というところだったが、
雨足も強くカッパを着るしかなかった。
ちょうど16時。
千枚小屋へ到着した。
全身びしょぬれ!
15時には千枚小屋への到着を計画していただけに1時間遅れとなった。
後方になった二人は、さらに40分遅れでの到着となった。
それでも明るく、雷を伴う土砂降りには合わずに到着できた。
実は、出発時2台目のバスに乗れたことが大変救われていたのだ。
3台目が来たのは実に1時間後だったという。
我々のペースからいくと3台目に回されていたとすると、
17時、18時ごろの小屋到着になっていたということになる。
雷・土砂降りに遭遇することなく、
ぎりぎりセーフの千枚小屋到着になったのだ。
8月19日(金)
悪沢岳へ
朝起きると小屋の前から富士山がオレンジ色の雲の中に浮かんでいた。
早速、荒川三山へ向けて出発。
私にとっては近くて遠い山、待ちに待った荒川東岳(悪沢岳)へ登る。
小屋から出発したものの逆方向へ行き、
今一度小屋前を通り登山道へと入っていた。
急斜面が続くが徐々に明るくなり途中でご来光を仰いだ。
富士も輝き幸先の良い山行の始まりだ。
千枚岳の手前稜線からは、赤石岳・聖岳が輝いて見えた。
この風景を見ただけでここまで登ってきた疲れがいっぺんに吹き飛んだ。
ところが千枚岳に着くころから雲が涌きだし、
千枚岳、そして荒川三山へ向かう山道は真っ白となってしまった。
丸山へ 標高3032m 何と三千メートル級の山だ。
もっこりした山容が単純な名前なのだろうか。
手前にはお花畑も広がっていたのだが、
今回一番危険な下りもあり気の抜けない山だった。
丸山から先は目指す悪沢岳への登りとなる。
海底から隆起した茶褐色のチャートと呼ばれる石が多く見られた。
岩場を慎重に進むと憧れの悪沢岳に登頂。
長年登りたいと思いながら手の届かなかったピークだけにうれしい。
残念ながら眺望は良くなかったが、一番は登れたことに感謝。
百名山93番目の山となった。
その後荒川中岳、そして前岳へと進んだ。
中岳からは時々小河内岳、山伏峠方面が雲間から見ることができた。
前岳はかなりの崩壊が進んでいて
山頂から崖側は、山が崩れていくのが見て取れた。
このままだと近いうちに大きな崩落があり
山頂がさらに低くなるような予感がした。
あとは下りを慎重に荒川小屋を目指した。
振り返ると険しい岩の壁が立ちはだかり険しい山の様相を見せていた。
しかし目の前にはお花畑が広がり楽しませてくれた。
でもここまで鹿が上がってくるようで
鹿の防護柵がめぐらされていたのには驚き興ざめのところがあった。
目の前には小赤石岳が雲間から時々顔を出し
その勇壮な姿を見せてくれた。
そして荒川三山と小赤石岳の鞍部には荒川小屋が赤い屋根を見せていた。
昔ここまで来た時には、もう少し上の稜線部にあったと記憶している。
古い建物で今にも潰れそうな映像がよみがえるのだ。
今日泊まる小屋は新しく、快適な小屋であった。
夕食は食べ放題のカレーと野菜などがお皿に盛られていた。
たっぷり食べ、明日の2時起きに備え就寝。
8月20日(土)
赤石岳へ
予定通り2時起床。我々が一番のようだ。
できるだけ静かに用意をして、3時には小屋を出発した。
真っ暗な中をライトをつけて登る。
分かりやすい登山道なので心配はなかった。
しかし風が強い。
樹林帯は過ぎ、やむことなく風が吹き荒れる。
長袖2枚を重ね着していたが風による寒さに我慢できず、
ウインドブレーカーを着こんだ。
それでも汗をかくことなく小赤石岳まで来てしまった。
薄らと荒川三山の山容と富士山の山容が見えるが、
赤石岳の山頂付近は全く見ることができない状態だった。
5時を過ぎるころから辺りが明るくなる。
赤石小屋への分岐地点で、周りの雲がほとんどなくなり
赤石岳のどっしりとした山容が目の前に飛びこんできた。
何と今までの風もやみ、360度の景色が広がった。
北アルプスの槍・穂高、中央アルプス、
中央アルプスを囲むように御嶽山と乗鞍岳。
満月に近い月の下には恵那山。
さらに笠雲がかかった富士山。
そして小赤石岳の先には荒川三山、悪沢岳の高峰が。
前岳の肩の辺には北岳だろうと思われる山容が見て取れた。
再び目を転じて、赤石岳に戻すと日を浴びた明るい山容が
さあ登ってきてくださいよと言わんばかりに見えた。
分岐から遠くに見えたが意外と簡単に山頂へ到着。
山頂からも聖岳はじめ南アルプスの山々が望めた。
朝の風、曇りの状態からすると奇跡のような大展望に感激した。
山頂を後に、目の前の荒川三山を見納め下山開始。
赤石小屋では荒川小屋の可愛いおにぎりの朝食を食べ
後は椹島まで一気に下る。
すでに雲が出て山頂部はガスにおおわれているようだった。
わずかな時間我々に大展望を見せてくれたようにも思う。
下山道は急坂で登りにはあまり使いたくないと思いながら歩く。
さらに途中から雨が降り出し木の根が滑ること。
びしょぬれになり椹島に到着する。
椹島には13時発のバスに間に合うよう下ればよかったが、
かなりの余裕で無事下山することができた。
今回の山行
まず6名ということで時間はかかったが無事全員が下山できたこと
大成功だ。
悪沢岳は南アルプスの中でも深くて遠い山だ。
個人的には近くて遠い、面倒な山であり、
悪沢岳に登頂できたこと至福の一時だった。
山は裏切らず必ず待っていてくれることを改めて感じた。
ふるちゃん
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