この絶景が見たかった!弥山川(双門の滝コース)
- GPS
- 13:01
- 距離
- 16.3km
- 登り
- 2,089m
- 下り
- 2,078m
コースタイム
- 山行
- 11:22
- 休憩
- 1:37
- 合計
- 12:59
天候 | 爽やかな晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
前は広くなっていますので、ガードレールに寄せて停めさせていただきました。 少し手前になりますが、みたらい渓谷入口に有料駐車場があるようです。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
体力、経験、ルートファインディング等、山の総合力が試されるコースです。 はしごに鎖、岩の登りやへつり、渡渉が盛り沢山。 エスケープルート無し、携帯は通じない、引き返すのは困難。 自分に、そしてパーティー各自にコースを踏破できる力があるのか?よくよく自問自答して入山することが肝要。 地図には表れないアップダウン、渡渉が多くあり、健脚であってもコースタイムに謙虚であれ。(スピードを出すコースでもないが) 特に後半(仙人瑤離謄薀后漸聾蕎屋跡〜狼平間)はコースタイム厳しいです。 後半は渡渉が多いので川の水量にも注意してください。前数日間の天気とにらめっこも必要かと。 夕立などに遭えば進退窮まることも考えられますし、岩や鎖、木の根など少し濡れても滑りやすくストレスになります。 いきなり厳しいことを書きましたが、実力の揃ったパーティーで行けばこんな楽しいコースはなかなか無いと思います。近畿に、いや日本にこんなコースは他にあるのかな? 秘境の緑と白い岩、澄んだ青い水。素晴らしい景色がこれでもかというくらい待ってくれています。是非。 熊渡〜白川八丁〜釜滝・・・コース前半は迷ったり危険な箇所は少ない。白川八丁は伏流水になっているが、ここで流れが見えるようなら後々の渡渉は困難になってくる。釜滝の水量と合わせて決行を判断してください。 釜滝〜一の滝〜仙人凜謄薀后ΑΑε肋弔砲魯好肇奪が有効。はしご、鎖等は整備されているので通常の注意を払えば問題無し。言うまでもなく橋や木の根は滑りやすい。スリップしてつまらないケガはしたくないところ。 仙人凜謄薀后漸聾蕎屋跡〜狼平・・・仙人凜謄薀垢らザンキ平まで登り、一旦下り(標高差150mくらい)ます。 小屋跡の崩壊地に唖然。そこを過ぎると急にルートが不明瞭になります。地図では右岸に沿って単純な道になっていますが、良いのか悪いのか?見事に裏切られます(笑) テープ、踏み跡をよく見てルートファインディングと気合いで乗り切りましょう。思い切りのいる渡渉が連続し、大小の岩を越えていきます。厳し楽しすぎます。 狼平〜カナビキ尾根〜熊渡・・・普通に登山道がある幸せを感じながら下れます(笑)カナビキ尾根はテープ多数。周りが植林になればゴールは近い。 |
その他周辺情報 | 洞川温泉、天川温泉など |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
日よけ帽子
靴
ザック
昼ご飯
行動食
飲料
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ストック
カメラ
|
---|---|
共同装備 |
ロープ
カラビナ
スリング
|
備考 | 使いませんでしたが、ロープやスリングは渡渉時や非常時のことを考えて持参。 |
感想
少々長いですがお付き合いください。
関西の最難関と言われる弥山川コース。
数ヶ月前から予定や天候とにらめっこして機会をうかがっていたが、先日無事踏破することができた。師匠に感謝!
二人で色んな話をしながら、最初から最後まで素晴らしい景色の連続に興奮しっぱなしだった。
白川八丁は伏流水となっている。が、数日前の大雨で所々に流れの跡が。こんなところで滑ったりこけたりしたくない。のんびり上流へと向かう。
徐々に谷が狭まり、大きな岩を回り込むと釜滝だ。休憩し装備を整える。
やはり水量は多いようだ。昨日だったら後々の渡渉が困難だったろう。
左の斜面に取り付き鬱蒼とした森を進む。涼しく爽やかで快適。
何度か渡渉もあるが、コース前半は予想よりテープが多く、踏み跡もしっかりしていて迷うようなことはなかった。
だが油断大敵。集中力を途切れさせてはいけない。常に進む方向に注意し、肝心なところは声を掛け合って慎重に進む。
大きな岩をよじ登ったりへつったり盛りだくさん。でも手がかり足がかりはちゃんとある。
はしごが出てきたよと思ったら一の滝。滝壺から涼しい風が水しぶきを運んでくる。
心地良いが、おかげで足元は滑りやすいので注意。
はしごや鎖場の連続で一気に高度を上げていく。
途中、谷を見下ろせる岩場で一息。こんなに登ってきたんだ。しかしまだまだ道半ば。
ちょっと寄り道して三の滝を見に行く。涼しいのを通り越して寒いくらい。
痩せた尾根を登りきり、少し下って鞍部に下り立った。目の前は仙人堯
断崖の割れ目に沿って一筋の流れが落ちている。双門の滝だ。
あまりの絶景に言葉もない。二人とも感激MAX。やっとこの目で見ることができた。
でも調子に乗って身を乗り出すとこちらも断崖絶壁だ。危ない。
ここで師匠が埋められたゴミを見つける。ガス缶やビニールシート…古いもののようだ。
こんなことをする輩は山に来る資格なんて無い!
黙々と師匠はゴミを掘り出して回収する。心から尊敬します。
少し時間をかけたが、気を取り直して先へ進む。
また登って開けた稜線に出たらザンキ平。奈良盆地がよく見える。
ここから高度差150mほどズッと下る。双門の滝を高巻いてることになるのかな?
小さなアップダウンを繰り返し、谷が広くなっている場所に出た。
目の前に白っぽい大きな岩がゴロゴロしている。
数年前の台風で大崩壊した場所。河原避難小屋があった場所だ。今は跡形も無い。
休憩の後、適当に岩を越えてテープの見えた斜面に取り付く。
しばらく行くと踏み跡が薄くなり、テープも見当たらなくなった。
おかしいな。ルートのはっきりしたところへ戻り、上か下かと探すと対岸にピンクテープを発見。
どうやら崩壊でルートが適当になってしまっているみたい。真っ直ぐ河原を歩けばよかったかな?
このあたりから川を右へ左へ渡渉の連続になる。
基本、川沿いなので大きく迷うことは無いが、目印をしっかり探そう。
水量も多めだったので、格好に構わず何度もカエルのようにジャンプしたな…
沢装備でじゃぶじゃぶ遡行しても面白そうだ。
しかしこのコース、地図では読みきれない。でも地図を責められない。
文明社会で僕たちは強く偉くなったと勘違いしている。自然はどんどん変わる。
試されているのだ、僕たちは。
何度も渡渉を繰り返し、名物?の鉄ばしごや空中回廊を抜けても、まだ素晴らしい滝が。もうお腹いっぱいです(笑)
でも最後まで気を抜かず、左岸を上がって弥山への登山道に合流。(地図に比べて狼平が遠く感じたなあ)
踏破できた、やった!という気持ちが半分。緊張感が解けホッとしたのが半分。
二人、固い握手でコース踏破を喜んだ。
しかし時刻は15時を回っている。狼平の小屋で小休憩の後、カナビキ尾根経由で下山開始。
高速道路のような(笑)登山道に感謝しつつ、大峯の森に別れを告げ、尾根を下り、なんとか明るいうちに熊渡に戻ることができた。
まとめとして。
山の総合力が試されるコース。
単独を好む僕でも独りで行くところでは無いと感じた。
パーティーは、ある程度のレベルで力量が揃っていないと苦しいと思う。
バテたり、ケガしたらどうフォローするか?時間は足りるのか?力量が試される。
天候の見極めは本当に大事。コース状況が大きく左右される。僕たちは運もよかった…
山と高原の地図のコースタイム(後半の仙人凜謄薀后1h30m〜河原小屋跡〜1h30m〜狼平)は厳しめ。渡渉次第かな。
狼平で泊まり、翌日弥山や八経ヶ岳に登頂後下山なら余裕を持てる。
僕も次に行くならそうしたい。荷物が増えてしまうけど。
偉そうに厳しいことを書き連ねましたが、困難なコースだけにそれを超えて余りある絶景がそこにはあります。
だから謙虚に、注意を払って存分に楽しんでほしいです。
登山届は必ず。
また行きたくなってきた!今日も良き日!!
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