大キレット挑戦のはずが大敗退
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- GPS
- 19:07
- 距離
- 36.1km
- 登り
- 2,435m
- 下り
- 1,964m
コースタイム
- 山行
- 8:11
- 休憩
- 1:01
- 合計
- 9:12
- 山行
- 3:50
- 休憩
- 0:22
- 合計
- 4:12
- 山行
- 3:46
- 休憩
- 1:25
- 合計
- 5:11
天候 | 稜線上はガス&強風、下は晴天 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
全体的によく整備された道。新穂高から白出沢までは林道歩き。 |
予約できる山小屋 |
槍平小屋
|
写真
感想
登山を続けて行く上での当面の最終目標が剱岳である。剱岳に挑戦する前に北穂→奥穂→前穂の縦走(済み)、大キレット踏破を経験しておこうと思っている。ちなみに西穂→奥穂縦走と北鎌尾根は行くつもりはない。今回立てた計画が、新穂高から飛騨沢を詰めて、槍→南岳→大キレット→北穂と縦走し、天候と体力の条件がよければパノラマコースで下山するというものであった。このために張り切って岩場や長時間行動の準備を重ねてきた。
夜11時すぎに堺を出発、台風12号の影響らしい大雨に降られながらも高速を乗り継ぎ、朝4時半には新穂高の深山荘に到着。少し仮眠をとってから出発の準備をする。
6時前に出発。週間天気予報などではかなりアウトっぽい予報が出ていたのだが、意外なほどにいい天気である。笠ヶ岳もよく見えている。こりゃ案外イケるんじゃないか?
新穂高からは林道歩き。途中「夏山近道」と書かれたところへ入ってゆくと若干荒れ気味の登山道になるが、穂高平小屋で再び林道に合流する。7時半に白出沢に到着。ややオーバーペース気味か?林道で歩きやすいからだろうか。今日は長時間の行程になる。後でバテないように気を付けていかなければ。
白出沢より先はいよいよ登山道になる。とはいえとても歩きやすい整備された道だ。9時に滝谷に到着。はるか上方に厳めしい岩の鎧をまとった北穂高岳が聳え立っている。待っとけよ、明日はそこに行くからな!
10時に槍平小屋に到着。カップラーメンを買って食う。これからの行程を聞かれたので槍に向かって明日は大キレット、悪天候なら南岳に泊まって南岳新道からここに下りてくると告げると、場合によっては槍で停滞も視野に入れておくようにと言われる。明日の天気はそんなにひどいのか・・・。
槍平からいよいよ傾斜がきつくなってくる。ここらへんで徹夜の長距離運転の疲労が出てきたのか徐々にペースが落ちてきた。それでも2時間で千丈乗越分岐に着く。早いな。地図のコースタイムって長めに書いてあるのかな?
上を見上げると稜線は濃いガスに隠れて見えない。うへえ。高度を上げていくととうとうポツポツと雨が落ちてきたのでザックカバーを着けてレインウェアを着る。2900mあたりになると横殴りの雨になる。ホントやめていただきたい。
稜線に上がるとすぐにテント場になり、ズブ濡れになりながらも15時前に槍ヶ岳山荘に着く。
6日の朝。ひょっとしたら夜が明けたら晴れてるかもとわずかな望みをかけていたが、見事に真っ白けです。真っ白通り越してグレーですわ。目の前にあるはずの槍ヶ岳もまったく見えない。天気予報は3100m地点では16.7mの風という。
これは槍の登頂はあきらめて南岳に向かおう。大キレットも諦めざるを得ないかも知れない。南岳小屋に電話をして状況を聞いてみると、明日南岳新道を下っても滝谷や白出沢が増水して渡渉できない危険性が高いという。そういえば何年か前も飛騨沢が増水して流されて亡くなった人がいたな。天狗原経由ならなんとか下りれるだろうとのこと。そのセンで考えるか。
ところが、山荘を出発して稜線の上に出たとたんスゲー風。身体を持ってかれそうになる。うおお16.7mの風ハンパねー。大慌てで山荘に逃げ戻る。
あの強烈な風に耐えながら南岳まで3000mの稜線を3時間歩ける気はしない。ましてや大キレットなんて無理よ無理無理カタツムリである。色々と考えた結果、今回はまことに残念ながら槍沢経由で下山することに決定する。
あ〜あ、せっかく3000mまで上がってきておきながら山頂を一つも踏まずに下山することになるとは。槍ヶ岳から大キレットを踏破して天気と体調がよければパノラマコースも行ってきたよと輝かしい土産話を持って帰るつもりだったのになあ。背中のヘルメットが虚しい。クサリ場すらなかったもんなあ。
濃いガスの中、上高地に向かって下山を開始する。途中、播隆窟で雨宿りしたりしながら下りてゆく。下からは意外とたくさんの人たちが上がってくる。20人くらいのフォーリンピーポーの集団や、喜寿の記念に来たというおじいちゃん2人組など様々な人たちが槍へ向かっていく。午後は晴れたらいいね。オレらの分まで頑張ってね。
大曲あたりまで下りてくると雨も上がってくる。上高地方面は晴れているようだ。ちょっとフクザツ。
11時半、槍沢ロッヂに到着。まだお昼前だがもうここに泊まっちゃうぜ!ヒャッホー!生ビールうめー!!
槍沢ロッヂにはお風呂がある。石鹸やシャンプーは使えないが、山の中で入浴できるのはありがたい。風呂から上がったらビール。夕食の時はワイン。ここに着いてからひたすら飲んだくれていた。ウーイ、バーロイ。
7日の朝。6時20分に槍沢ロッヂを出発。
めっちゃさわやかな天気。本当なら今頃は北穂から槍を眺めていたはずなのだが、上もひょっとしたら晴れているんじゃないだろうか。と思っていると、横尾の手前あたりでガスに覆われた南岳が見えた。ですよねー。
横尾からは屏風岩はキレイに見える。ただ前穂はガスだ。これでは屏風の耳に上がったところでロクな景観はないのだろう。
いつも徳澤は通過するのだが、今日は名物のソフトクリームを食ってやるぜ。さらに明神でも嘉門次小屋に立ち寄って岩魚の塩焼きを食ってやるぜ。ここでは囲炉裏で焼いた岩魚を食わせてくれるので以前から食いたいと思っていたのだが、なかなか営業時間にこの場所を目指して来ることができず、実現するのは10年単位で先の話だと思っていた。突然実現した岩魚の塩焼きは、シチュエーションも相まってめちゃくちゃ美味かった。
嘉門次小屋から梓川右岸の道は、左岸の道に比べて若干遠回りであるため、先を急ぐ登山の時は通ったことはないのだが、木道が整備されていて美しい湿原やせせらぎの中を楽しんで歩ける遊歩道。こんな道があったのか。何度も来ててもまだなだ知らない場所があるなあ。
11時半、河童橋に到着。早速地ビールを飲む。見上げる穂高はやっぱりガスの中。
2時間ほどウダウダと上高地ですごし、バスで深山荘に向かう。平湯のバスターミナルあたりからポツポツと雨が降りはじめていたが、宿に着いたとたん大雨になった。滑り込みセーフ。
8日の朝は雨が止んでいたので露天風呂に入ってからチェックアウト。平湯で土産物を購入し大阪へ。途中、東海北陸道で前も見えないほどの豪雨に襲われてめっさ怖かった。今回のこの旅でこの時の運転が一番怖かった。
15時半ごろに帰宅。晩は近所の寿司屋へ。いつもならお疲れさま会なのだが今回は残念会。絶対リベンジするぞ大キレット。
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