記録ID: 98811
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積雪期ピークハント/縦走
八ヶ岳・蓼科
八ヶ岳 真教寺尾根散歩 野犬に出会う
2011年02月10日(木) [日帰り]
山梨県
- GPS
- --:--
- 距離
- 6.7km
- 登り
- 704m
- 下り
- 689m
コースタイム
8:49賽の河原-10:09牛首山-12:00 8合目付近-13:36牛首山-14:20賽の河原
天候 | 晴れ後曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
賽ノ河原辺りはスノーシューで歩いた跡があちこちに有りました。 そこから少し登ると前日の雪で踏み跡は全く有りませんでした。鹿の足跡がピンク色のテープに沿って有りました。 牛首山の手前で突然大きな犬が現れびっくりしました。 誰か犬を連れて登ってくるのかと思いましたが、良く見ると首輪が有りません。 あばら骨が浮き出ていて、腹がペッチャンコです。明らかに餌を求めているのが解ります。 追い返そうと思いましたが、見た目よりも穏やかなので無視していればそのうちどこかに行くだろうと歩き出しました。 私の付けたスノーシューの跡をピッタリ歩いてきます。後ろからいきなり噛まれそうで、なんとも嫌な感じです。立ち止まると犬も止まり、時間が経つとどんどん距離が近ずきちょっと足に違和感が有ったので、後ろを見るとスノーシューの後ろに犬の足が乗っていました。 犬のえぐれた腹を見ると食べ物をあげたくなりますが、猿と同じで人=食べ物になってしまいます。女性の単独者は困ると思いますのであげませんでした。 牛首山から私の後ろ1m以内にピッッタリに付いて来ます。だんだん雪が深くなり傾斜が強くなるとスノーシューが後ろにすべり犬の足に当たって怪我をしないか気になります。たまに腰までもぐり先に進めず休んでいると、犬が先に行こうと横に歩き出しますが胸までもぐり、すぐ私の後ろに戻ってしまいます。 犬の後ろ足は常に寒さで震えています。こんな山奥まで来てしまって心配です。 ここまで2時間ぐらいおとなしく付いて来たので、しかたなくお握りをあげました。 これで帰ってくれればいいのですが、あの量では腹が満たされません。やっぱり震えながら付いて来ます。 暗い森林を抜けると太陽の日差しが強く暑くさえ感じられます。傾斜がきつくなりスノーシューでは登れなくなり、外して歩き出しますがグリップが有りません。 今度はアイゼンを付け歩き出すと、やっぱりアイゼンは重いなと感じました。 スノーシューより重い、下を見るとアイゼンの底に10cmぐらい雪が付いています。雪を落として登りましたがまた同じ状態です。視界がいいので此処で一杯のみ戻ることにしました。 ザックから食料を出すのにガサガサしていると犬がピッタリくっついて来ました。 落ち着いて飲めません。 私と犬で交互につまみを食べました。いきなり手ごとかぶり付いてくるかと思いましたが、餌を下に置いて少ししてから食べます。たいへん行儀のいい奴です。 山を下り始めて足が潜ったとき、直ぐに抜けず下を見ると奴の前足が一緒に入っていました。お前近過ぎだよー。アイゼン着けてるのに。 牛首山辺りまで降りてくると突然変な声を出し崖に近い斜面を降りだしました。 林で見えませんが仲間を呼んでいるような声がどんどん遠く下のほうになって行きました。3分ぐらいでスキー場辺りまで行った感じでした。 奴は常に後ろ足が震えていて、ろくに食べてないので道の無いところを歩けるとは思っていませんでした。あんな状態でも私の10倍ぐらいの行動ができるとはびっくりです。 最後に追い払わなくてはならないのが、嫌だなと思っていたら自分から消えてくれたので良かったと思いました。 しばらく何も気を使わず歩いていると突然林から黒い物体が現れました。奴です。 なんとも言えない気持ちでした。 また一緒に歩いていると前を鹿が横切りました。奴は変な鳴き声を出しながら其れをゆっくりと追いかけました。其れきりです。 |
写真
感想
あの犬は捨てられたか、飼い主と一緒に山に来て迷子になったのではと思います。
見た目は大きく黒いので怖そうですが、たいへん穏やかな性格です。棒などで叩かない様お願いします。
あの犬を見ていたら涙が出てきました。
どんなに腹が減っているのだろう。
どんなに寒いのだろう。
今まで私が経験したことの無い厳しい状況で日々を過ごしているのです。
里の人間社会では、毎日大量の食物が捨てられているのに。
犬にはそのことが解らないから、今の状況から抜け出せない。
自分たちも同じだと思いました。
金持ちは使い切れないほどの大金を持ち、一般の人は
ガソリンが値上がりしたからどうしよう、子供が大学に行くからどうしよう。
歳を取ったらどうしよう、年金だけではやっていけない。
結局、貧乏暇なしで金持ちに支配されてることが解ってないのです。
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コメント
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こんにちわ。
野犬に遭遇して落ち着かない登山だったとは思いますが
犬の面倒を見ながらお疲れ様でした。
ワンちゃんはお腹も空いて寒さに耐えながら生きているんですね。
自分も強く生きねばって思ってしまいながら
ワンちゃんが可愛そうに思ってしまいました。
難路の真教寺尾根を単独で登られて健脚なんですね。
こんにちわ、samanda55さん。
それにしても痩せてますね〜 。女性の皆さんが見たら憧れるスタイルなんですがね〜 。
雪山山行はいつも童心に帰って気持ちがハイになるのですが・・・見ているとちょっと切ないですね。
里から逃げて来たのか?里へ帰れなくなったのか?はたまた帰ってこないご主人様を待っているのか?
ちょっと気になります。
samanda55さん、こんにちは。
杣添、県界、真教寺と東面の尾根を立て続けに攻めてますね。素晴らしいです。
それにしても、しつけの良さからみるに、きちんと育てられた犬のようですね。山梨の高川山にいたビッキーにようにおとなしいままで皆に愛されて山に生きるか、あるいは誰かに拾われて行ってくれればいいのですが。
ただ、気になるのは飼い主さん。鳴いて吼えて下って行ったあたりにご主人がいる、とかじゃなければいいのですが。。。
samanda55さん、はじめまして。
じっくり読んでしまいました
野犬となると、怖いですね。
自分が一人だったら怖くて怖くてどうしていいかわかりません。
後をずっと着いてきて、スノーシューの上にも
乗ってきたり・・
お腹が空いているだけでなく、人も恋しいのでしょうね
食べものを一緒に食べたり、いじわるもされず、
野犬ちゃんも嬉しかったでしょう。
samanda55さんが優しい方でアップ見ている私も、せつなくまた嬉しく感じました。
最初に犬を見たときはビビリました。
山の中であの大きさは。それと頭が大きいので。
1mぐらい後ろをぴったりついて来るので、いきなり足に噛み付いてくるかもと心配でした。
真教寺尾根は道が踏まれていると予想しましたが、ちょっと違ってました。
のぼりの9割はスノーシュー着用でたいへん疲れました。
人には良く慣れています。
怖がらないし、静かです。
結構いい飼い犬になるかもしれません。
chengfuさん、会って見たらいかがですか。
私の家はもう、2匹いますので。
わたしは山渓の特集は意識していません。
私の行ける魅力的な山は八ヶ岳しかなかっただけです。
杣添尾根はだんだん人気が出てきましたので、naoki999999さんにお任せして他に行って見ました。
そうですね、ビッキーの事は知りませんが山で暮らせればよいですね。人から餌をもらえるとだんだんと里に下りて、邪魔にされたり怪我でもしなければよいのですが、難しいところです。
おたくの、ワンちゃんだったらかわいくて嬉しくなりますが、あの犬は不気味でした。
林の中で暗かったので余計です。
今になるともっと食料を食べさせてやれば良かったと思います。
ただ、私は食が細いので普通の人の半分ぐらいしか持っていませんでしたから、しかたないですね。
samanda55さん、こんばんは
ご無事でなにより。
結構大きな犬ですよね
山の中であんな犬に後をつけられたら、私ならパニックです。怖くて歩けません。
なんせ、犬が一番苦手なんで。
35年ほど前、清里の飯盛山でシェパードぐらいの大きな黒い犬が後をついてきたときには生きた心地がしませんでした
私が子供の頃はよく野良犬がいました。
怖がって逃げると調子に乗ってどんどん迫ってきます。
怖いなと思っても動かないことが肝心です。
その間に持っているもので武器として使えそうなものをどう使うかを考えます。
無ければ棒とか石とか探します。
此方のほうが大きいのですからとにかく静かな動きが肝心だと思います。
犬がおとなしいからと、いきなり上から早くなでたりしないことです。
此方は動かずに相手に匂いを嗅がせて安心させてから、スローモーションのように手を近ずける事が肝心です。
凶暴な犬には猿のボスが力を見せ付けるように、徹底的の暴れるのが得策だと思います。
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