剣岳
- GPS
- 48:00
- 距離
- 13.5km
- 登り
- 1,614m
- 下り
- 1,606m
コースタイム
7/31剱沢キャンプ場(6:30)〜(8:20) 前剱(8:35)〜(9:20) カニのタテバイ(9:30)〜(10:20) 剱岳山頂(11:00)〜(11:30) カニのヨコバイ(11:30)〜(13:30) 一服剱(13:40)〜(14:30) 剱沢キャンプ場(泊)
8/1剱沢キャンプ場(6:30)〜(7:20) 剱御前小屋(7:30)〜(8:50) 雷鳥沢(8:50)〜(9:30) 室堂駅
天候 | 7/29曇り、7/30曇り後雨、7/31曇り、8/1曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2010年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
7/30尼御前IC(5:30)〜(7:00) 立山IC(7:00)〜(7:20) 立山駅(8:00)〜(9:20) 室堂駅 |
予約できる山小屋 |
|
写真
感想
第1日目 7月29日(木) 曇り
21時30分JR大阪駅に3人のベテランと3人の新人、計6名が集合。猛暑の大阪を脱出し、名神、北陸自動車道を乗り継ぎ、0時30分尼御前ICでテント泊。
テント設営後、雨が降り出す。蒸し暑い夜。
第2日目 7月30日(金) 曇りのち雨
朝方まで降り続いた雨もやみ、5時30分尼御前ICを出発、立山ICを降り、富山鉄道立山駅前駐車場に車を預け、8時立山駅から美女平までケーブル、そこから立山アルペンルートをバスに乗り換え、9時20分室堂BTに到着する。
室堂付近は一般観光客や登山者であふれ、景色も先程までの車窓の高原とは一変する。ザックを背負うとめざす剱岳を想い、身が引き締まる。
地獄谷の硫黄のにおいを感じながら、ミクリガ池、雷鳥沢、剱御前小屋へと尾根道を歩き、雪渓を渡り13時30分剱沢CSに到着する。昨晩の寝不足が原因か、足が重く予定より時間がかかってしまった。
ここは映画「剱岳・点の記」撮影場所。
目の前には夢にまで見た剱岳が聳えているはずだ。ただ天候が悪く、視界が効かないため剱岳の全容がつかめない。
沢山のテント群の一角にテントを設営し、明日の登頂に備え早めの夕食の準備に取りかかる。雨が降り始める。それから一晩中、激しい雨と強い風に襲われながらも明日の挑戦に運をまかせた。
第3日目 7月31日(土) 曇り
激しい風雨の音の中、予定通り4時30分起床。登れないかもしれない不安と、登りたい願望が錯綜しながらも準備、天候の回復を待つ。
6時30分、今日一日なんとか天気が持ちそうだという情報でガスの立ち込める中、登頂を決断し出発する。テント場が一斉に慌ただしくなり、次々とパーティーが剱岳をめざす。
雪渓を横切り剱山荘からの登山者が合流、一服剱から武蔵のコルに下り、前剱を登りはじめると、足下の不安定な急斜面が続き、上部には前剱の大岩が今にも落ちそうに眼前に迫る。曇りながらも天候が回復し、前も後も登山者が岩にへばりつき渋滞が出来ている。
予定より時間もかかりそうだ。落石にも注意が必要だ。そんな時、一抱え以上ある巨石が人を巻き込むように頭上5〜6メートルから迫り落ちてくる。一瞬、右に逃げようか左に逃げようか躊躇していると、幸いにも途中で止まった。その恐怖で心臓がバクバクし、落ち着くまでしばらく時間がかかった。少しペースは遅くなったが、8時20分前剱に着く。
前剱からが別山尾根の核心部となる。
鎖場が連続し、登りルートと下りルートが分けられている。平蔵のコルからの登り最大の難所がカニのタテバイである。垂直に近い岩場にボルトが打ち込まれ、鎖が張られている。渋滞していたが、ここは一気に登り10時20分剱岳山頂に到達。万感の思いを込めて万歳。
後立山、立山連峰の大パノラマが展開しているはずだが、曇っていたので見られない。残念。
昼食、休憩して山頂を下ると、すぐ最大の難所であるカニのヨコバイに入る。高度感抜群の一枚岩に鎖が張ってある。怖いのは足を置く岩角が見えないことだ。両手で鎖をつかみ、岩から体をはずし、下を覗いて岩に靴先を乗せる。この第一歩が難しい。
ここを順調にクリアしたとき、ハプニングがおこる。次の女性登山者が恐怖のあまり、鎖を握り岩から体が離れず、足も動かない。必死に励まし体をはずし、足を岩角に誘導した。咄嗟のことだったが、今、冷静に技術経験のない自分の状況を想像すると恐怖を覚える。この難所をすぎても、一服剱まで梯子や鎖が連続する。気を緩める暇がない。
往復約8時間をかけ、14時30分、全員無事剱沢CSに戻る。
第4日目 8月1日(日) 曇り
4時30分起床。出発前の一瞬、ガスが消え剱岳の全貌が眼前に広がる。ようやく見せた山の全貌。山を志すものにとってあこがれの山。前剱、その後に剱岳が遠くに。輝くように。
6時30分剱沢CSを後にする。視界が悪いため雄山、立山コースは断念し来た道を帰る。
18時JR大阪駅で解散。お疲れ様でした。感謝。
【最後に一言、二言・・・・】
大勢の登山者が剱岳をめざしていました。天候は瞬時に変わっていきます。諦めて断念し帰る人、何日もチャンスを待つ人、何回も挑戦してきた人、運良く一度で登頂できる人。様々な人に出会いました。
正直なところ、登る前までとても不安で自信がありませんでした。というのも、技術的にも体力的にもハードな山であり、その上、強度の高度恐怖症で、家族も危険だと心配していたからです。
3人のベテランの経験と指導力、それと3人の新人の仲間がいたからこそ達成できました。行動を共にしながら飲んだり、食べたり、議論しながら山への挑戦の意欲が強くなりました。本当に感謝の気持ちで一杯です。
特に険しい岩稜歩行では、剱岳山行の蓬莱峡での初級者訓練は実践で役立ちました。歩行バランス、3点支持が想像した以上に意識的に余裕を持って出来ました。岩をつかむ手の感触は快く、少し自信になりました。
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