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Yamareco

記録ID: 103045
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無雪期ピークハント/縦走
奥秩父

残雪の金峰山から西沢渓谷まで縦走

1977年05月02日(月) ~ 1977年05月04日(水)
情報量の目安: B
都道府県 山梨県 長野県
 - 拍手
GPS
56:00
距離
20.6km
登り
1,719m
下り
2,099m

コースタイム

前日までの丹沢主脈縦走を終え、そのまま今日からは奥秩父山系へ入る。

5/2
増富温泉(7:45)⇒瑞牆山荘(8:10〜8:25)〜富士見平小屋(9:00〜9:10)〜大日小屋(9:45〜10:45)〜
大日岩(11:10)〜登峰門・金峰山分岐(11:45)〜砂払い(12:10)〜金峰山小屋(12:40〜  )

5/3
金峰山小屋(5:15)〜金峰山(5:35〜7:00)〜朝日岳(8:05〜8:55)〜川端下分岐(9:25)〜大弛小屋
(9:50〜11:00)〜国師ヶ岳(11:50〜12:35)〜天狗岩(13:00)〜林道(13:50)〜天狗尾根末端(14:50)
〜西沢右岸(16:30)〜不動小屋(18:00〜   )
5/4
不動小屋(8:40)〜笛吹き川二俣(9:50)〜ヌク沢合流(10:20〜12:00)〜音取山荘(12:15〜12:30)
〜西沢渓谷バス停(12:45)⇒塩山駅(13:05)

天候 5/2:雨後晴れ  5/3:晴れ  5/4:晴れ後曇り
アクセス
利用交通機関:
電車 バス タクシー
5/2 韮崎駅〜タクシーで増富温泉〜有料だが マイクロバスで瑞牆山荘まで。
5/4 西沢渓谷〜バスで中央線・塩山駅へ。
コース状況/
危険箇所等
メモ: 各小屋で水は得られる。
金峰のシンボル
五丈岩
金峰のシンボル
五丈岩
朝日岳から
サイの河原〜金峰山を
(奥には南アルプスも)
朝日岳から
サイの河原〜金峰山を
(奥には南アルプスも)
朝日岳の奥には
八ヶ岳が
朝日岳の奥には
八ヶ岳が
国師ケ岳山頂
西沢渓谷の
五段七つ釜の滝
西沢渓谷の
五段七つ釜の滝
三重ノ滝

感想

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5/2
瑞牆山荘で水を満たし、雨衣を着て出発する
林道を横切る頃から広い尾根筋となり、一息急登すると瑞牆山の展望台のようだ。
台地から樹林の間を通りまろやかな尾根をしばらく登ると富士見平小屋の前に出る。小屋で小休止の後、小屋を出ようとしたら休憩料を取られた。 唖然・・・・
縦走路は小屋前の道を登って行く。ガレ場となると富士見平である。
ゆるい尾根のピーク飯盛山は南山腹をトラバースして行く。
原生林と霧雨・・落ち着いた雰囲気が山の深さを感じさせる。これが奥秩父らしさなのかな。しかし道は雨でぬかるんで歩きずらい。
飯盛山を捲き終え、右手に大きな鷹見岩を見送り、
そして又右手に石塔岩の瑤見えるとコルとなり、大日小屋の上に出る。
寝不足と空腹では力が出ない。水も得られるので屋根付きの休憩所で食事(うどん)とする。
コルからは樹林の急登を登りきると大日岩の直下に出る。
10mはあろうかという岩群で圧倒される。
岩の右下を通り平坦に出ると、やがてゆるい登りとなる。金峰に続く登りである。
徐々に尾根は傾斜を増し、凍った残雪も多くなってくる。樹にすがり尾根を直登するとものすごい
吹き上げ!  一瞬身体があおられるようだ。ここは砂払いで、右手山梨側はスッパリと切れ落ち、
左手長野側はゆるい這い松に覆われた斜面。岩稜・這い松・残雪と標高の高さを感じさせる。
風を避け、長野寄りを行く。白と緑のコントラストが疲れた身体にやさしい。
千代の吹き上げを通過し、稜線から左手山腹をトラバースにかかる。
樹林の山腹には1mの残雪がある。金峰山頂のトラバースらしい。
再び岩稜となり、大岩に行き手を阻まれ下を見ると金峰山小屋だ。
雨と風で冷え切った身体に小屋の熱いお茶はおいしい。
汗と雨に濡れたザックを外し、ストーブに手をかざす。
時間はまだ13時。甲武信岳までは少し遠いし、雪の状態を思うときついので今日はここで泊る。
小屋番に各コースの状態を聞き、国師岳から天狗尾根を下山コースと決める。
雑談の中で居候二人と明日は同行することになった。
夕食を摂って台地に出ると金峰のシンボル・五丈岩がどっしりと見てとれた。
5/3
明け方の寒気で目が覚めた。(約-1℃) 小屋番がすでにストーブを燃やしてくてるので、しばらく暖をとって朝食にかかる。
日の出の少し後に小屋を出る。今日は晴天、展望が期待できる。
小屋のすぐ左手から岩クズをみつめて登る。 やがて傾斜がなくなり金峰山山頂(2595m)を示す指標となる。
すごい風だ! むき出しの手がかじかんで思わず身震いする。急いで着こんだ後、頭を巡らす。
正面には意外なほどすっきりした富士山・右には五丈岩・その奥に南アルプス・荒川岳以北の
銀嶺が連なり、更に右は広大な裾野からせり上がる八ヶ岳・蓼科山・奥秩父稜線から外れた
瑞牆山の奇岩峰と中部圏の名峰が一望できる。
素晴らしい眺めをカメラに収めていると居候が登って来た。サンドウィッチを差し入れてくれたので大休止とする。
(五丈岩:10m以上の角ばった岩稜で安定感があり、昔から大黒岩とも言われ山麓からも
眺められると言う。長い山頂の西端に位置する。)

岩と這い松の縦走路を行く。
左に回りこんでサイの河原からトレースを追ってに延びる稜線尾根へ入ると、樹林で展望はなくなる。
傾斜はさほどでも無いが、昨日の雨のせいもあり足元の雪はガチガチの
アイスバーン状態で樹林の切通しの中をへっぴり腰で行く。
尾根上のピーク鉄山は左捲きして行き、しばらくして朝日岳への登りにかかる。
傾斜を増したザレは氷も混ざって手こずらせるが短い時間で朝日岳山頂(2591m)となる。
ここまで来ると金峰山山頂は少し右にずれるので南アルプスは全山が一望できる。
鋸岳・甲斐駒ケ岳にはじまり、鳳凰三山を従えた北岳・主峰の赤石岳 更に南アルプス深部の
光岳が指呼の間である。
    山頂から長いのびやかな稜線を雪を避け進むが、陽射しも強まり雪解けのぬかむみで
靴はドロドロに。コルで左に川端下へのコースを分け、小ピークを越え
傾斜がゆるむと朝日岳・国師ヶ岳のコルで大弛小屋に出る。
ここには立派な林道が来ている。(テント場・水場もOK) 小屋で雑煮とコーヒーの昼食を摂る。
 国師ヶ岳の登りはひどいぬかるみだ。
まろやかな尾根を、右曲・左曲して樹林帯を抜けると疲れる前に第一ピークの前国師ヶ岳となる。
すぐ右の奥秩父最高峰・北奥千丈岳を見て一息登ると国師ヶ岳山頂だ。
ここからは中央アルプス・木曽駒ヶ岳の雪形までが見えるようだ。
山頂は時間的に、甲武信へ向かう人、来た人で賑わっている。
主稜線を東へしばらく行くと南東に延びる尾根が派生、天狗尾根だ。 しばらく降りると樹林から
岩稜に変わり、岩場が落ち着くと大きな岩峰がある。この尾根の名前に由来する天狗岩である。
岩を左に回りこんで更に降りると原生林と苔の急降下になる。
原生林もまばらになり、伐採の進んだ裸の尾根を切り株を避けながら一気に下ると林道に出る。
横切り枯れ木の間を行くと又林道。次も横切り熊ササを掻き分け、嫌になるほど長い単調な道を
下ると沢をまたぐと又立派な林道に。串刺しにして急斜面を倒木をよじたり、くぐったりして下ると
やっと天狗尾根の取り付きで、京ノ沢の左岸に立つ。
水の得られる所で休もうとそのまま歩き続ける。しかしこれからも嫌な道だ。
木材切り出し用鉄道の廃軌道が続いており、それに沿って沢沿いを下るが、水はあきらめて
小休止する。地図を見て先を確かめるがまだまだ長そうだ。先を急ぐ。
人夫小屋・造林小屋を過ぎ二俣・アザミ谷の崩れ落ちた橋を横切り、西沢本流の左岸となる。
本流の流れはかなりえぐられたV字形の下である。もう廃軌道の歩きにはうんざりだ。
 陽が暮れかかる頃やっと、乾徳山のコースを右に併せると不動小屋の上部に出る。
右岸に懸けられた階段を左へ降りると、山桜・アズマシャクナゲが疲れを癒すかのように咲き、
清流が岩をかんで流れる畔に建つ不動小屋となる。
今夜は疲れて自炊する気にならず、食事付き宿泊で申し込む。
   鉱泉で疲れを癒し、新鮮な山菜料理を腹一杯食べ、久しぶりに分厚い布団でゆっくり眠る。
5/4
今日はゆっくり7時半に起きる。  窓の外を覗くと曇りだ。
朝食らしい朝食を摂って小屋を出る。
今日は秘境・笛吹川の西沢の渓谷美を探勝しながらゆっくりと下るだけである。
のんびりと満喫して行こう。
国師ヶ岳を源とするこの西沢は滝と渕が連続するスケールの大きな谷である。
水の色は神秘的なエメラルドグリーンで表現しがたい美しさだ。
右岸についた探勝散策路を行くとすぐに立派な釜を七つ持つ七つ釜五段の滝が現れ、
次々現れる龍神の滝・三重の滝・と水量の激しさが造り出す美しさに見とれて行く。

魚止めの滝を正面に見て、東沢に懸かる橋を渡ると二俣となって、笛吹き川の左岸となる。
鶏冠尾根のピーク鶏冠山を背にして林道を行くとヌク沢合流点となる。
  いい河原もあるので大休止していこう。
ザックに残ったもので食事・お菓子の時間とする。
バスの時間も迫ってきたのでそのまま左岸を行くと、鉄橋になり音取(ねとり)山荘がある。
(山荘の手前で戸渡尾根を甲武信岳へ登るコースの登山口が有る。)そのまま降りると
西沢渓谷入口のバス停となる。
西沢渓谷のバス停から中央線・塩山駅へ向かい、駅前の食堂で野菜を腹一杯食べ美味しい
コーヒーを飲み新聞を読んで下山の疲れを癒す。
昨日からの同行者を先に見送り帰路につく。


予定以上のコースで奥秩父を満喫できた山行だった。




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体力レベル
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