仙丈ケ岳・大仙丈沢
- GPS
- 17:08
- 距離
- 38.3km
- 登り
- 2,683m
- 下り
- 2,722m
コースタイム
- 山行
- 16:18
- 休憩
- 0:51
- 合計
- 17:09
天候 | 晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
雪山一年生の時に北沢峠から仙丈に挑戦して、敗れたことがある。体力的な問題よりも小仙丈カールの美しさと大きさに圧倒され、それ以上先へ進めなかった。その後いくばくかの経験を積み、いつかパウダー条件で小仙丈カールを滑ってみたいと思うようになった。もしかしたら今週末はそんなチャンスかも知れない、と淡い期待を抱いてUTMFと戸台大橋を渡った。
寝坊により出発は予定より一時間弱遅れたが、天候の安定度、帰りのほとんどが林道であることを考えれば、多少遅くなっても大きな問題は無かった。まずは暗闇の中、舗装道路を無視して急な尾根に取り付き、南アルプススーパー林道に合流する。しばらく歩くと雪が出てきたので、シール歩行に切り替える。今日はアプローチが長丁場なので最軽量の板を選んだ。途中でスニーカーをデポし、歌宿へ。ここまで2時間半。
トンネルを抜けてすぐの尾根に取り付くが雪が少なく、しばらくは板を担ぐ。途中からシール登高に耐えうる積雪となったが、レインクラストで板が滑る上に、モナカなのでクトーも効きにくい。3年前に山岳会の冬合宿で幕を張った2570mの平坦地まで、かなりの苦闘を強いられた。この日はどれだけ高度を上げても粉雪にはありつけなかった。平日に来た日本海低気圧の時も雨で途中から湿雪に変わったようだが、境目はわからず、どこにも新雪は見当たらない。
年末年始に来た3年前はわかんフルラッセルで、もう少しで馬の背というところでブロック雪に仲間が当たり、流され、敗退の憂き目を見た。今回は雪が締まっているためその心配もなく、尾根上を安心して歩ける。ここまで苦労の連続だったが、馬の背の素晴らしい展望を前にして、ようやく来てよかったと思えた。ここまでたっぷり8時間。仙丈小屋のカールも素晴らしいテカり具合で今日は気持ちの良い滑降は望めないが、行くしかない。
カール内はよく締まっており、クトーが良く効いた。山頂に着いたのが14時半、10時間近くかかってしまった。記念撮影をして大仙丈沢へ向かう。滑り支度をして「さぁ、滑走」というところで一旦停止。風の影響か上部がかなりのアイスバーンで、表面に凹凸があるため、いかにもエッジが抜けそうなのだ。下にはいくつか岩が出ており、滑落すると簡単に逝ってしまう。諦めて少し歩く。
小仙丈沢の見える位置まで歩き、再度スキーに切り替えて少し下る。緩斜面から先を覗くがまたしても急斜面に滑落アイスバーン。これはヤバイ。いくつか選択肢が浮かんだが、結局再びアイゼン歩行で下ることに。その後同じようなことを繰り返し、結局斜度が落ちる雪崩の体積区まで歩いた。こんなことはかつてない。
しかも途中でピッケルを落としてしまい、その後結局見つからなかった。デブリは稜線から2000m付近まで達しており、稜線の巨大な破断面から来たと考えると、高低差で900mも流れていた。ほぼ全ての沢が雪崩れており、アイスバーンはこれらの雪崩に磨かれたようだ。
デブリやその横を滑り降り、堰堤を2つ巻いて林道に降り立つと甲斐駒ケ岳に夕陽が当たっていた。こんなこともあろうかとポケットに入れておいたヘッドランプが本日二度目の登場。林道は野呂川出合まで下り基調で板もよく滑った。北沢峠への登り返しをこなし、19時過ぎの北沢峠でホッと一息。嗚咽は漏れなかったが、変な声が出てしまい、テントでくつろいでいた方を驚かせたかも知れない。
あとは林道をひたすら下る。2、3回シールに替えたが、基本的には快適なヘッデンスーパー林道だった。最後は林道をショートカットして橋を渡り、22時下山。17時間におよぶ完全燃焼。目論見は外れたが、勉強にはなった。
<16-17シーズン出勤表>
FISCHER TRANSALP80:3★
ATOMIC CHARTER 100:7
FISCHER BIGSTIX 122:5
-----------------------------
合計:15
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