会心の風不死岳(積雪期大沢ルート攻略)
- GPS
- 05:36
- 距離
- 5.6km
- 登り
- 857m
- 下り
- 851m
コースタイム
- 山行
- 5:15
- 休憩
- 0:18
- 合計
- 5:33
天候 | 曇り 後 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
大沢ルートは想像を絶する雪崩斜面&凄まじいデブリの量であり、興味本位の方には全くオススメできません。当該ルート全域危険地帯と言っても過言ではないくらいですが、特に大沢本谷と無数にあるルンゼとの合流点が非常に危険です。 また大沢本谷に進入するとロックサムルート同様にエスケープルートは無く、谷を突破するか退却するかの選択肢しかありません。大沢ルートは「上部は広い急斜度帯→下部は狭い谷」と形状が変化します。上部で雪崩が発生すると大沢本谷は雪崩の走路となり下部の狭い谷にデブリが殺到するという危険な形状のほか、隘路では雪崩から退避できる箇所は無い事から雪崩を目撃したり真新しいデブリを発見した場合には迷わず勇気ある撤退を強く推奨します。 また最後は標高800mから山頂稜線まで標高差300mを直登ガチンコ勝負になります!。アイゼン&ピッケルはマストアイテムのほか、相当の体力を要するので装備、冬山経験が少ない方、体力に自信のない方は当該ルートは絶対に行かないで下さい。 この山行にあたり4月に入ってから、毎日支笏湖のライブカメラで周囲の積雪量を確認していたほか、毎日支笏湖の外気温を観察するなど入念に情報収集して臨んでいます。当該ルートを挑む場合は最低でも山行3日前からの天候や外気温をチェックして全層雪崩の兆候に警戒するほか、昼になると相当雪が緩むので朝早いうちに出発する事を推奨します。 4/13 0730追記:4/12の冷え込みと4/13未明の積雪で弱層が形成された可能性が高く、特に最後の最大斜度斜面付近で表層雪崩の危険性があるので今週末の大沢ルートは注意が必要です。 |
写真
感想
厳冬期ロックサムルートを制覇してから次のターゲットとして大沢ルートのアタックの機会を窺っており、今シーズンは真冬に積雪が少なかった事から春先の雪崩の時期が早く始まると予想して大沢ルート制覇の準備を整えていました。‥が、体調不良により先月末にまさかの入院をしてしまったほか、医師の方々に「当分の間、単独の登山は控えなさい。」との事で大沢ルートは半ば諦めていました。
しかし偶然にして先週positive51さんより風不死岳大沢ルートにお誘いがあり、これは神が与えてくれたチャンスと確信し、0.2秒で快諾して本日2人でアタックしてきました!。
このルートで最も懸念していた雪崩ですが、予想どおり春の雪崩の時期が早く始まっていたようで雪崩はピークを過ぎており、本日午前中に限っては積雪面も安定していて会心の山行が出来ました!(^^)!。
positive51さんの神タイミングな山行のお誘いと下山後のYes,Cokeに厚く感謝申し上げます!(^^)!。
※ 雪崩のピークは過ぎたとはいえ大沢本谷やルンゼには未だ大量の雪が残っており、これから全層雪崩が発生する箇所も多数ありますので、当該ルートに挑む方は入念な情報収集のほか臆病過ぎるくらいに危険センサーを働かせて危険回避に努めて下さい!。
昨シーズンから行きたいと思っていた大沢ルートをmorethanさんの同行を得てチャレンジしてきました。
「危険を感じたら即撤退」という確認をしてスタートしました。腐れ雪で埋まるのでスタートからスノーシューを履きます。序盤は緩い沢を淡々と進みますが、やがて所々口を開いた沢が見えるようになりました。心地よい沢音を聞きながら快調に進みます。しかしすぐに大きなデブリが沢を埋め尽くすようになり緊張感が高まります。落ちるものはほぼ落ちている状況を確かめながら次のポイントまで話し合いながら進みます。枝沢の合流地点では大きなデブリが交差しています。狭い沢は積み重なっている所もありました。これが雪崩れている瞬間を想像するとぞっとしますがそのスケール感に圧倒されるとともに感動しながら登りました。このようなデブリの巣窟を歩くのは初めてですがデブリの上の方が堅く締まっていて歩きやすいことも学びました。標高800m付近からは沢が大きく開けます。そこにはまだ落ちきっていない雪がたっぷり残っていましたが締まり具合から危険は少ないと判断して更に進みます。最後の900m付近からは最大斜度の壁が迫ります。山頂の雪庇がどれくらい突き出ているのかと思いながらひらすら直登をつづけました。そしてやっと大沢源頭部が見えると雪庇は落ちており、何とか登れることが分かりました。ラストスパートをかけて登りますが山頂を目前にして雪がかなり腐っています。腰まで埋まりながら何とか雪庇の右側から這い上がりました。
登り終えて支笏湖と樽前山を見た瞬間は思わず叫んでしまいました。登ってきた大沢をまじまじとのぞき込み、よくここを登ってきたものだと二人で感動しました。山頂でまったりと休憩と景色を楽しんで北尾根から下山することにしました。ただ、ここでとても残念なことがありました。山頂標識のすぐ下の岩にイニシャルのようなものが彫られていました。いつつけられたかは分かりませんが自然を愛する者ならばこのようなことをしてはいけませんね。是非やめていただきたいと思いました。
下山も8合目付近までは気を抜けません。アイゼン、ピッケルで慎重に下りました。気温も上がりかなり踏み抜きもありました。夏道のすぐ近くで大きな穴があり、その先は大沢に続いていました。誤ってそこに落ちると大沢を超特急で滑落することになりますので十分気をつけて下さい。安全地帯まで降りてスノーシューに履き替え、それでも時折踏み抜きますが気持ち良く下山できました。途中で女性の2人組とスライドしましたが大きなザックを背負いながらツボ足で登っていました。股まで踏み抜くこと多数という状況にも負けずに訓練のためにシューを持たずに歩いているということでした。すごい根性だと感心しました。
最後は雪に埋めておいたcokeでお互いの健闘を讃えてこの山行を終えました。二人とも大沢は初めてのルートでしたがバリエーションルートも含めて風不死岳の4コースを制覇できたのでとても嬉しい記念の山行になりました。
コメント
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モアさん、ポジさんこんばんは!
写真を見てあまりのデブリの多さにビックリしました。ものすごいですね。僕ならチビってしまいそうです。圧巻ですね。
いや〜まさに会心の山行ですね。ひさびさに手にあせ握るレコをみさせていただきました〜。
Ryoさんコメントありがとうございます。
本当に圧巻のデブリワールドでした。すさまじいエネルギーで押し崩されているのだろうと想像しました。大きな塊が目を引きますが、巨人の尻滑りか?と思うような削られ方も不思議でした。この環境で登ることができる時期は限られていると思うので好機を逃さずに登れて良かったです。morethanさんという心強い味方がいたことも大きかったです。ソロなら引き返していたかもしれません。
こんばんはRyoさん(^^)/。
positive51さんのコメントにもありますが、下から上まで本当に圧巻のデブリワールドでした!。
実はレコのタイトルでも「デブリワールドな風不死岳(積雪期大沢ルート攻略)」にしようかと思っていたくらいです‥(^^;)。
このルートは谷を登っているので全く展望に恵まれませんでしたが、終始デブリに圧倒され全く飽きることなく山行を終えましたした(*^。^*)。
以前より大沢登覇のタイミングを窺っていましたが、体調不良のせいで親戚の医師に「単独山行は控えるように!」と指示されて、今季の大沢を諦めていたところpositive51さんの絶妙なタイミングのお誘いのおかげで山行を許可され、会心の山行とするこ事が出来ました!(^^)!。
「positive51さんのお誘い」、「大沢の雪崩のピークを過ぎている」事など“運が良かった!”に恵まれた山行でした!(^^;)!。
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