針ノ木雪渓(マヤクボ沢往復)
- GPS
- 07:53
- 距離
- 12.5km
- 登り
- 1,554m
- 下り
- 1,548m
コースタイム
天候 | 快晴 無風 暑い |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
駐車場から30−40分ほどは道路か夏道かドロドロの雪の上を歩く。この区間ではシールやアイゼンを付けて歩く人はいないと思う。堰堤をいくつか越えるとようやく雪が繋がりだしてシールやアイゼン歩行が可能になる。そこから先は基本的にはずっと雪の上。概ね標高2000メートル以下では、デブリが覆い尽くしてて、登りも下りも難儀する。特に下りは滑るところがほとんどなく、右岸側の斜面をトラバースしている人が多かった。針ノ木岳の北側の斜面は、所々残雪があり、氷のようになっていた。傾斜もきびしいのでアイゼンがないと登下降は難しい。 |
写真
感想
2年前のほぼ同時期に訪問した際の自分のメモに、この時期の再訪はないと書いていたが、今年は雪が比較的多いので状況が異なるだろうと思い再訪した。
扇沢の無料駐車場(砂利)には5時前に到着。もっと早く着く予定だったが、朝起きられず。昨日の乗鞍岳は行動時間も短く、体に疲労が残るほどではないはずなのだが、どうも朝から体がだるいというか重い。年のせいか。食事と準備をして5時15分ころに出発。当面雪は現れないので、スキー板はザックに背負わせる。歩き始めて程なく登山口に到着。前の人に付いていってしまったのが運の尽き。前回の訪問時はしばらく車道を歩いた。この場合距離は当然長いが板が樹木の枝に引っかかることもなく快適に歩けるが、今回は夏道の登山道。難儀しながらの歩きとなった。難儀しながらもようやく道路から離れて雪渓方向に向かう。雪の具合はどうかと思ったがやはり下の方はかなり汚れている。泥やら草やら木の枝やら岩石などが散らばっている。ここでさすがにシール歩行したり、アイゼン歩行するひとはいないようだった。先に進むがしばらくは汚れた雪が続くばかり。樹木に板が引っかかったりして歩き難い。一体どれくらいこの状況かと気を揉んだが、1時間ほどしてようやく広いところに出られた。前回5月後半の訪問はないと書いた理由の1つが、このアプローチの悪さだった。藪の中は板を背負って歩くなんて楽しくない。雪渓に降りたが今日はシールを持参していないので、しばらくはアイゼンも付けずに歩く。1回目の休憩でアイゼンを付けるが、しばらくはあってもなくてもといった感じだった。朝5時に出たが先行の人は思ったよりも少ない。今日は気温が上がるので、このような雪渓のようなところは両側からデブリがばんばん落ちてくると思うので、早出必須、先手必勝と思ったがそうでもないようだった。しかしそれにしても体が重い。板を背負っているからという以上に重い。歩き始めて間もないが、今日はどこで引き返すかを考えながらの登高となった。雪渓に入ってもしばらくは日影歩きで涼しかったが、時期にそのエリアから抜け出し日の当たる所に容赦なく出される。朝7時台でも暑くて仕方ない。そして暑くなると遅いペースが更に遅くなる。先週の白馬岳では遅いなりにも1時間で300メートル程度の標高を稼げたが、今日は全く無理だった。マヤクボ沢との出合に付き、右手方向を登り始める。先行者はシールで登っているが、自分の技量でこの沢をシールのみで登り上げるのは無理。それを見越して今日はシールを持ってこなかった。雪はまだ朝早いので水気を含んでいるもののグズグズになることはなく、大きく埋まるようなこともなかった。急斜面も特にないが、今日は調子がイマイチなのか、斜面がやけに急に見え、途中で休憩中も下をなるべく見ないようにしていた。また、この斜面をこなしているときが特に暑く感じて、ペースを気にしたり、写真を撮る余裕は全くなかった。久々余裕のない登山になってしまった。比較的急な所をこなすと緩斜面が現れる。ここをこなせばマヤクボ沢の最上部(コル)に達する。コルまでは歩けば数分で着くように見えたが、実際はそんなことは全くなかった。このくらいなら、スキーで滑れば10秒だが、暑い中を登るとなると10秒の10倍の比ではない。出発から5時間近くかけてようやくコルまで到達。ここに来るまでに既に鹿島槍ヶ岳やお隣の蓮華岳などは見えていたが、稜線に達してようやく剱岳や立山を目にすることができた。今回は途中に何度も帰ろうと思ったが、これを見ただけでそうしないで良かったと思えた。ここで大休止。先行の人達の姿もギアも見えないので、板を持ったまま針ノ木方面に上がったようだ。コルはまだびっしり雪が着いていたが、針ノ木岳の北側に当たる斜面は、下の方は岩が露出していて夏道の登山道。ここをスキーブーツで登るのはかなりの修行。自分の今日の体力気力でここを板をもって登るのは絶対無理だと思い、カラ身にして取りあえず行けるところまで行くことに。少し上がると剱立山と碧い水を満たした黒部湖が見えた。雪解け水が大量に入っていることだろう。カラ身とは言えプラスチックブーツでロボット歩きしながらの岩場歩きは楽ではない。山頂までもう少しのところまで来ると、残雪があった。雪というより氷に近いようで、先行者はアイゼンを付けて登ったようだ。自分はアイゼンをコルに残置してきた。ここを登るか一瞬考えを巡らすが、登るのはできたとしても、下りが難儀そうだとの結論に達し、針ノ木岳山頂まで数10メートルのところで撤収。ここで無理しても仕方ない。実際に、コルに到着してスキーで下り始めるまでの1.5時間くらい、誰も下ってくる人はいなかった。登れても下るのは難儀という自分の判断は概ね正しかったと思いたい。コルにロボット歩きで戻り、滑る準備を始める。止まって休憩していても暑いくらいだが、滑るときはそれなりの準備がいるのでそれらを身に纏う。更に暑さを感じる。5月後半のこの時期、どんなに雪があったとして、この暑さがあっては自分にはスキーは無理だと痛感した。下から登って来るスキーヤーを見ながら斜面にドロップ。ここは雪質が堅かったら結構緊張すると大網が、今日はザラメなので問題ない。標高の高い所は雪の汚れも少なく、縦溝などもないので快適に高度を落とす。スキーで下っていても汗が滴る。この気温の中登って来る人多数。雪崩は大丈夫だろうか。快適に下れたのは標高2000メートル付近までで、それ以下はデブリを避けながらとなる。デブリは多いが、場所によっては全面デブリに近いとこともあり、そういう所は先行者に倣って右岸側の斜面のトラバースを利用するが、この気温が上がった時間に斜面に近付くのは勇気が要った。そのまま下って堰堤をいくつか通過して今日の滑りは終了。この後再び藪の中を歩くと思うと気が滅入るが、それ以外に方法がないのでさっさと板を背負って歩き始める。駐車場までに板とピックストックを洗う。ブーツも洗いたかったが、ドロドロの砂利の駐車場で再度汚れるのは明白だったので、これはそのままにした。5月とは思えない陽気の中歩いてクルマに到着。本調子が出ないまま終わったが、怪我なく無事で降りてこれたので良かったとする。これにて今シーズンのスキーは終了。
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