エキスパートの山 鶏冠山
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- GPS
- 13:40
- 距離
- 14.9km
- 登り
- 2,090m
- 下り
- 2,057m
コースタイム
5:00 西沢渓谷駐車場
6:00 吊り橋
<渡渉>
6:20 鶏冠谷・東沢出合 着
6:30 鶏冠谷・東沢出合 発
9:10 第1岩峰下 着
9:25 第1岩峰下 発
9:35 第1岩峰トップ
10:05 第3岩峰下
10:30 第3岩峰トップ着
<お昼ご飯>
12:00 第3岩峰トップ発
12:30 鶏冠山山頂(2115m)着
13:00 鶏冠山山頂(2115m)発
13:45 第3岩峰下
14:30 第1岩峰下
17:10 鶏冠谷・東沢出合 着
17:20 鶏冠谷・東沢出合 発
<渡渉>
17:55 吊り橋
18:55 西沢渓谷駐車場
天候 | 晴れ時々曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
近くに道の駅「みとみ」があり、ここにも駐車場あり |
写真
感想
これまで数多くの山に登ってきたけれど、先週の日曜日(6/5)、これまでの人生で一番恐怖と楽しみを感じさせてくれる山に登ってきました。
「鶏冠山(とさかやま)」
川の渡渉あり、垂直の岩登りありのスリル満点の山でした。
5年ほど前、甲武信ヶ岳に登ったときに、かなり特徴のある形の山が見えて、近くの人に山の名前を聞くと
「とさかやまだよ。形が鶏のとさかみたいでしょう。でも、道がないので登れない」
と教えてもらいました。
それが、最近になって、ネット上の山の情報にちらほらと鶏冠山の登山レポートが見られるようになってきて、興味がわいてきて調査を始めたというわけ。
登山道はとても荒廃していたのだけれど、ボランティアのおかげで整備され、危険な岩場にも鎖がついて、登れるようになっているということ。
ただ、険しいことに変わりはなく、昭文社の山地図にもルートは記載されておらず、「エキスパートの山」である、とのことでした。
※ちなみに山梨県にはもうひとつ鶏冠山(けいかんざん:1716m)があります。大菩薩嶺の北。
こちらはそれほど険しくないです。黒川鶏冠山とも呼ばれます。
思いたったらすぐに行動したくなるのが自分の性格。
この土日は土曜日にゴルフで山梨県に行くし、翌日も天気が良さそうだし、ということで日曜日に決行することにしました。
ちょうど鶏冠山の話をしていたフォロワーさんも「行きたい!」ということで、ご一緒することに。
初めての山は仲間がいてくれたほうが安心だもんね。
土曜日、ゴルフが終わった後、北上し、西沢渓谷方面へ。
どこで寝るかなぁと考えて、登山口に近い道の駅「みとみ」を考えていたのですが、標高が高すぎて寒くて寝れなさそうなので、道の駅「まきおか」で寝る。
3時過ぎに目覚めて、道の駅「みとみ」へ。
4時にフォロワーさんと待ち合わせだったのですが、ちょっと遅れるということで、車の中で睡眠の続き。
4時45分ごろ合流し、登山口へ行き準備をして5時15分出発!
最初は西沢渓谷へ向かって平坦な道をのどかに歩いていきます。
途中、甲武信ヶ岳へ向かう2つの登山道(近丸新道、徳ちゃん新道)を過ぎてちょっといくと、吊り橋に出ます。
この吊り橋からこれから登る鶏冠山の姿が勇ましい!
吊り橋を渡りきると、すぐに「西沢渓谷」の大きな看板があり、この手前に右に行く道があって、これが鶏冠山への登山口となります。
登る人は少ないのかなぁと思っていましたが、そんなことはなかったです。
数人の登山者といっしょに鶏冠山の登山口に入っていきます。
そして、しばらく行くと…、来ました!渡渉地点です。
ここから川沿いに鶏冠谷と東沢の合流地点である「出合」に向かいます。
事前に調べた情報によると、渡渉回数は水の量によって変わるということ。
1回のときもあるし、4回のときもあるし。
今は梅雨時ということもあるからか、水の量は多かったようで、自分らの渡渉回数は4回でした。
かなり深いです。
自分のひざまで水があったので、水深は50cmほど。そして流れがかなり速い。
ちゃんとサンダルを持ってきておいてよかった。
ザックに登山靴をくくりつけて、川を渡ります。
でも、水が冷たい!
1〜2分水に使っていると、我慢できなくなってきます。
気合で一気に川を渡る感じ。
そして、出合に至ります。
6時30分。
サンダルを脱いで、足をタオルで拭いて靴下と登山靴を履いて、いよいよ本格的な登りの始まり。
新緑の中の登山道です。
緑の中で、ツツジのピンクや紫がきれいに映えています。
想像していたよりも道はきれいに整備されてます。
道標のビニールテープもきれい。
ただ、かなり急な登りです。
奥秩父といえば石楠花(シャクナゲ)が有名。
特に甲武信ヶ岳のあたりはかなり群生地。
ちょうど5月から6月が盛りなんです。
鶏冠山の登山道もシャクナゲが生い茂っています。
シャクナゲのトンネルをくぐるのもなかなか気持ちいいものです。
急な坂だけれど、きれいな花を見ると、癒されますね。
ところどころ道が分からなくなっていたり、急な崖があって、ロープが垂らしてあったりと、普通の山よりも難易度は高いものの「『エキスパートの山』という割には楽なもんだなぁ」と軽口を叩いていたのですが、これが間違いであったことに、後で気づきました。
なんせ、地図にルートや標準タイムが載っていないので、目的地は分かるけれど、あとどれくらいで到着できるか目処が立たないんですよね。
崖みたいなところをがんばって登っていくと、いよいよ岩峰が見えてきます。
それをうまく巻いて、順調に高度を上げると、シャクナゲのお花畑に到着。
ちょうど標高1700mぐらいがシャクナゲの最盛期でした。
ここから、これまでの行程を見下ろせます。
雁坂トンネルへ続くループ橋、朝渡ってきた吊り橋。
でも、ここでのんびりしていてはいけない。
ここはちょうど第1岩峰の直下だったわけで、その岩峰を見上げると!驚きました。
「これが噂の…」
ついに来ました。
ものすごい高さの岩です。10mは超えているなぁ。
そこに長い鎖が垂れています。
慎重に慎重に登っていきます。
そして、登り切ると!すごい景色が待っていました!
中国の水墨画に出てくるような風景。
紅葉のシーズンはもっときれいだろうなぁ。
なんかここで満足してしまいそうですが、頂上はまだまだ先です。
ここはまだ第1岩峰のトップ(1986m)。
この時点で9時40分。
後ろから追いついてきたベテランっぽい登山者曰く。
「この山はここから本番だからね。
鶏冠山から先はシャクナゲの薮になっていてものすごい大変。
木賊山に出るまでに鶏冠山から早くて3時間、通常だと4時間かかる」
鶏冠山に到着後、時間、体力に余裕があったらそのまま甲武信ヶ岳に行ってこようと考えていたのですが、これが甘い目論見であることに気づかされました。
まぁ、行けるところまで行ってみよう!ということで。
で、確かにこの後もかなり大変。
垂直の崖を登ったり降りたり、緊張の連続です。
喉がひたすら渇きます。
岩を登るときって瞬発力を使うから、普通の登山とは違う疲れ方をするような気がします。
ただ、これくらいの岩ならボルダリングをやっている人なら余裕でしょう。
がんばって進んでいくと、ついに来ました!
第3岩峰です。
これはすごい高さ!
このまま直登も出来るようですが、右に迂回路が用意されているので、そちらを通りました。
ただ、この迂回路もなかなか険しい山道でした。
そして、ぐるっと時計と反対周りに巻いて標高を上げていくと、第3岩峰のトップに出ます。
ここは地図には載っていない地点。標高2010mぐらい。
でも、ここに「鶏冠山」の標柱があります。
到着は10時30分。
もう、甲武信ヶ岳に行くことはあきらめていたので、ここでのんびりとお昼ご飯。
フォロワーさんがたくさんお昼ご飯を持ってきてくださったので、ご馳走になりました。
お腹いっぱい。結局ここで1時間半ほど時間を過ごしました。
お腹を満たした後、行けることまで行ってみようと、甲武信ヶ岳方面へ足を進める。
確かに、これはすごい。
これまでの登山道とは一変します。
シャクナゲが生い茂っていて邪魔になります。
半袖だったので、木の枝がはねて腕に切り傷も多数。
そして、倒木が倒れていたりして、思うように歩けません。
同じ距離でも、普通の登山道と比べて倍近くの時間がかかるかも。
これを木賊山まで進むのはかなりの覚悟が必要かと思います。
まぁ、今回の山行でそれが分かっただけでも良かった。
そうしてがんばって30分ほど進んでいくと、ピークらしきものが見えてきます。
これが地図に載っている鶏冠山山頂です。標高2115m。
ここから甲武信ヶ岳がきれいに見えます。
そして、少し先には鶏冠山の険しい尾根が続くのが見える。
ここから1回大きく下って、また2177mのピークまで登り返すんだね。
ここから先はなかなか厳しそうです。
ということで、今回はここで終わり!
来た道を戻ります。
が、この山の場合、下りのほうがさらに怖いです。
あの垂直の岩を降りていかないといけないので。
そんなわけで、なかなか気が休まりません。
この岩場で雨が降ったりしたら最悪だなぁ。
行くも地獄、戻るも地獄、という状況になってしまう。
そんな恐怖とは反対に、道標の標識がとてもかわいくて心癒されます。
下りも慎重に降りてきて、冷たい沢を渡渉して、駐車場に戻ってきたのが19時前。
うっすらと暗くなってきてました。
駐車場には自分たちの車しか残っておらず。
よくがんばった〜
5時出発19時下山。歩いていたのは実質10時間ほどか。
フォロワーさんと楽しくお話しながら登っていたので、疲れはほとんど感じませんでした。
日の長いこの時期のメリットを精一杯活かしたかな。
この山が「エキスパートの山」ということが分かりました。
これまで登ったどんな山よりも達成感があります。
地図がないという不安と普通の登山道ではありえないような岩登り。
緊張の連続です。
そして、木の枝や尖った岩があちこちに露出しているため、服やザックに傷がつくことを覚悟しておかないといけません。
実際、自分はお気に入りの登山ズボンを尖った岩で10cmほど破いてしまいました。
間違っても、初めて山に登る人をここに連れてきてはいけません。
山ガールの方も山スカートでここに来てはいけません。
次回は甲武信ヶ岳にアタックできる準備を整えていこう。
今度は紅葉の秋かなぁ。
泊まりで行くと余裕はありますが、重たいテントを背負ってあの岩を登るのはかなり困難かも。
出来るだけ荷物が少ないほうがいいです。
日帰りか、小屋泊まりを考えておいたほうが良さそう。
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