雁坂小屋で快適テント泊 奥秩父主脈縦走の宿題のひとつを片付けに
- GPS
- 32:00
- 距離
- 28.9km
- 登り
- 2,374m
- 下り
- 2,370m
コースタイム
- 山行
- 7:35
- 休憩
- 0:30
- 合計
- 8:05
天候 | 6/3 晴れのち曇り 6/4 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
危険箇所はありません |
写真
感想
一昨年に奥秩父主脈縦走路を歩いた時に、北奥千丈岳、古礼山、飛龍山は時間的・体力的に省略してしまいました。また、日本三大峠のひとつなのに真っ白で何も見えなかった雁坂峠。そして、立ち寄らなかった雁坂小屋。これらが宿題となりました。
その後、飛龍山は三条の湯と絡めて登ったので、次は雁坂小屋でテント泊し、雁坂峠と古礼山を計画していました。本当は昨年の営業終了直前の11月の19日と20日に実施する予定でしたが、19日が生憎の空模様だったので、年明け以降に延期したのでした。
最近ユルユルが続いていたこともあり、先週末に参加した飯能新緑ツーデーマーチの破壊力は抜群でした。左足の裏の皮がズル剥けとなり、右膝裏の筋が張ってしまい、痛みによってまるでロボットのようにカクカクした動きでした。よって、今週末は休養しようと考えていましたが、痛みが木曜日には回復したこと、さらには来週から梅雨入りしてしまうとのことで、湿気が無くて爽やかな今のうちに今年初のテント泊山行をしておきたい。
道の駅みとみから雁坂峠〜雁峠の周回なら、日帰りでも十分に可能であるし、そんなに疲れることはないだろう。でも、石楠花が気になる。欲張って甲武信ヶ岳経由にしてみるか…。徳ちゃん新道を無事にクリアできるかな?悶々としていると、いつも一緒に登っていただいているkazuruさんが急遽都合が悪くなってしまい、なんだかヤル気が無くなってしまいました。
しかし、夏山に向けたトレーニングだと奮い立たせ、5:00スタートを目指して少し早めに家を出ました。ところが、石川PAでトイレ休憩をした際に、まさかの靴忘れが発覚。八王子ICでUターンして自宅に戻りました。ヤル気のないまま準備をしてはいけません。
6/3
予定より2時間遅れでスタートとなりました。この時点で、甲武信小屋泊に変更しようと考えましたが、スタート時間が遅れたことで、何だか妙にヤル気が湧いてきました。
12:00までに甲武信小屋に着けば御の字。甲武信ヶ岳に登っても、遅くとも17:00には雁坂小屋に到着できるかな。雁坂小屋は諦めても、お昼頃なら石楠花の時期とはいえまだ甲武信小屋のテント場は空いているだろうから、疲労度と合わて考えよう。
この時間からだと鶏冠山に登る方が多いようで、ヘルメットを被った重装備のグループが多い中、明らかに浮いた格好で徳ちゃん新道入口に到着。この時点で、既に足が重い。ここまではほぼ平行移動なのに、おかしい…。ツーデーマーチの疲労が残っているのかな?徳ちゃん新道を登り始めると、これまでのテント泊山行時に感じるものとは明らかに違った張りが出てきました。
これは厳しい…近丸新道との分岐で敗退にしようかな。色々と考えながら登っていると、前日に小屋泊だったと思われる、下りの途中で休憩中の年配の団体さんに遭遇しました。挨拶すると、男性が「お〜い、ここから先はまだまだ長くて、もっともっと辛くなるぞ〜」と冷やかしの言葉を浴びせられました。すかさず女性が「ほら、それじゃ励ましにならないでしょ!上には石楠花が咲いているよ、とか言ってあげないと!」と男性を窘めました。
珍しい方だな…。無視するのも嫌なので、徳ちゃん新道は下ったことしかないけれど「ここは登ったことがあるから大丈夫です」と答えると「あぁ、そうかい」とつまらなさそうな態度をとられてしまいました。ただでさえ2時間遅れで落ち込んでいるのだから、つまらないことで精神的にダメージを与えないでください。
ようやく身体が解れてきたのか、このあたりから妙な張りがなくなりました。終わりかけの石楠花のトンネルを通過すると、近丸新道との合流。これで半分程度だな。張りが無くなったから、甲武信小屋までは行けるかな?
その先にある石楠花もトンネルも、なんだか寂しい感じ。もっと標高が上がれば咲いているかな?比較的楽に感じた日帰りで登った際のイメージを捨て、一定のペースで登り続けました。少しでも辛くなれば「餓鬼岳よりは辛くない、0号富士よりは辛くない」と念仏のように呟きながら…。
10名程度の方に道を譲っていただきながら登り、木賊山との分岐に出ました。少し雪が残っていましたが特に問題なく、木賊山を下って11:00に甲武信小屋に到着しました。おっと、身体がボロボロの割には、予定より早く到着することができたな。まだテント泊の受付が始まっていないようで、1張も設営されていませんでした。
ザックを置いて、甲武信ヶ岳に登ります。毛木平方面から次々に登ってくる方が多く、山頂は混んでいて、写真撮影のために並びました。少し霞んでしまっているけれど、360℃の眺望を楽しみました。甲武信小屋に戻ると、テントの設営が始まっていました。もう少し待っていれば、良い場所を確保できたのに、もったいないことをしたな。
昼食を取りながら考えました。疲れてはいるけれど、奥秩父主脈縦走時と甲武信小屋到着時刻がそんなに変わらない。あの時は、15:00前には雁坂峠に到着していた。今回は、さらに笠取小屋まで行く必要はなく、あとは破風山の登りを頑張るだけ。今日は甲武信小屋は混むだろうから、雁坂小屋でのんびりしたい。こうしているうちにも次々とテントが設営されていたので、当初の予定通り、雁坂小屋を目指すことにしました。
少し注意して賽の河原へ到着し、破風山が見えてくると、その先の雲取山方面に怪しげな雲が発生してきました。次第に涼しい風が吹き始め、秩父方面に嫌な色をした雲がどんどん発達してきました。
あれ?雨が降るかな?せっかくの雁坂峠はまた台無しかな?せめて、破風山を登り終えてから降ってほしい。破風山避難小屋を通過して、破風山の登り。反対側から数名のテント泊装備らしき方とお会いするのみで、この時間に雁坂方面を目指しているのは私だけかな?少し寂しく感じながら破風山を登り終えると、栃本から縦走しているという4名のグループにお会いしました。どこまで進むのか尋ねると「雁坂小屋です」とのことだったので、少し安心しました。
ここまでくれば、あとは雁坂嶺への緩い登りだけ。一度歩いたことがある安心感もあって、修行僧のように黙々と歩いた前回とは異なり、奥秩父らしい雰囲気を楽しみながら歩くことができました。
心配していた天気は大丈夫で、雁坂峠に到着した際は晴れてきて、これまで歩いてきた方面を眺めることができました。前回は真っ白で何も見えず、ベンチに座って寂しく行動食を食べただけだったな。kazuruさんがおススメの雁坂峠でようやく楽しむことができました。
時間は15:00前。日が長いから、ここから下山しても明るいうちにはゴールできる。どうしよう。テントを背負って来たのに日帰りでもいいかな?でも、古礼山に行っていないぞ…。少し考えて、雁坂小屋で泊まることにしました。
明日も雁坂峠に寄ってから下山する予定のため、今日のうちに雁坂小屋から水晶山への近道を歩いておこうと考え、ここから下らずに少し進んで雁坂トンネルの真上となる分岐から下りました。
雁坂小屋に到着すると、小屋番さんと作務衣を着たスタッフさんが、常連さんっぽい方と仲良さそうに話していました。忘れずにバッジを購入し、テント泊の受付を済ませていると、ペンキを片手に女性が登場。ここは女性のスタッフさんもいるのかな?
トイレを通過してテントの設営場所を探します。kazuruさんイチ押しのテーブル前は当然空いておらず、奥の方へ進むと別のスタッフさんが設営できそうな箇所へ案内してくれました。また、このスタッフさんから、食飲研修について説明がありました。
ビールを飲んで18:00まで寝るつもりでしたが、19:00過ぎに目を覚まし、夕食にしました。雁坂小屋のブログで見たことがある食飲研修。参加してみようかな?でも、常連さんだらけで、きっとつまらないだろうな…。このまま寝ようか散々迷った後、せっかくだから顔を出してみて、気まずい雰囲気だったらすぐに出ればいいやと、管理小屋に向かいました。おそるおそる扉を開けると…「おっ!いらっしゃい!」と温かく迎え入れていただきました。
その後、スタッフさんだとばかり思っていた方々は実は常連のお客さんだと知りました。参加料はなしというお言葉に甘え、食飲研修という名前の通り、たくさんご馳走になってしまいました。
最初は常連さんばかりで馴染みにくい感じでしたが、私自身がヤマレコを利用していることもあり、徐々に打ち解けることができました。もちろん、ヤマレコを利用していない方も参加していて、解散となった21:40まで楽しませていただきました。
6/4
今日も良い天気。これは古礼山に期待できます。小屋番さんにお礼し、雁坂峠へ。朝の澄んだ空気を感じることができました。
水晶山を通過して、古礼山への分岐で間違えないように進路をとり、少し登って古礼山に到着。楽しみの古礼山は…富士山がドーン!、南アルプスがドーン!ここは晴れているときに来るべきです。
少し進むと、良さげなベンチがありました。ここで、私の近くでテントを設営されていたソロの女性が食事の準備をしていました。雁坂小屋からそんなに遠くはないので、ここでのんびりと食事をするのも良いかもしれません。
少し咲いていた石楠花を楽しみながら、燕山を通過。雁峠に向けて下ります。ここも前回は真っ白で何も見えませんでしたが、今回は笠取山だけではなく、分水嶺まで見ることができました。雁峠で少し休憩。ここも爽やかな風が気持ちよく、のんびりしたい気分でした。
あとは下るだけ。「少し先にある水場のようなところが要注意」とkazuruさんに忠告されていたため、少しだけ注意して通過。あとは、沢沿いに歩き続け、いつの間にか亀田林業林道に入っていたようで、長い林道歩きを経て鶏冠荘の脇にから国道140号に合流。右折して木賊山と破風山を眺めながら道の駅みとみに到着。ゴールとなりました。
少し休憩して、食飲研修で話題となり、kazuruさんおススメでもあるはやぶさ温泉で汗を流して帰路につきました。
石楠花のピークには少し早く、少し残念でした。しかし、テント泊と小屋泊では対応に雲泥の差がある小屋がある中で、雁坂小屋ではテント泊かつ一見の客にも拘らず、温かく迎え入れていただき、感謝しています。ありがとうございました。偶然にお会いしてお話することができた皆様とまた再会できることを楽しみに、雁坂小屋に行ってみようと思います。
奥秩父主脈縦走で残る宿題は、北奥千丈岳のみ。いつ行こうかな?あと、雁峠まで進むと厳しそうですが、雁坂峠から下れば、道の駅みとみからの周回で日帰りが十分可能であることがわかりました。今後挑戦してみよう。
先日は雁坂へおいでいただきまして有難うございました。
また食飲研修にも勇気をもって出ていただき、楽しんでいただけて良かったです。スタッフさん?お客さん?・・・・いつも聞かれますが雁坂小屋にとっては大事なお客様であり、かつ小屋番があてにしてしまうスタッフさんです。皆さんここ数年の間においでいただき、いつの間にか山へ登る(ピークを踏む)ことから、小屋そのものへ来ることが目的と化しているようです。考えてみると作務衣の方もペンキ塗りの女性も、七ツ石から駆け付けた女性も、皆さん今回は雁坂峠には立たないまま降りてしまいましたから。またよろしかったらおいでください。お待ちしています。
先日は大変お世話になりました。
食飲研修はとても楽しかったです。
常連の皆様にも温かく接していただき、たくさんの情報交換をすることができました。
私の体験によって一見さんのハードルが下がり、多くの方が食飲研修に参加されるようになることを祈っています。
皆さんで雁坂小屋を良くしよう、盛り上げようとする雰囲気が気に入りました。
まずは「雁坂で逢いましょう」を目指そうと思います。
その際は、また食飲研修に参加させてください。
isisanさんからのお心遣いは、きちんとkazuruさんにお渡ししました。
3年前に雁坂小屋でテント泊したことを思い出しながら、とても喜んでいましたよ。
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