美ヶ原(勝手に唐松岳追想)
- GPS
- 01:47
- 距離
- 4.4km
- 登り
- 150m
- 下り
- 148m
コースタイム
- 山行
- 1:34
- 休憩
- 0:09
- 合計
- 1:43
天候 | 白馬:午前中、曇り時々雨 美ヶ原:午後、雨&ガス |
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過去天気図(気象庁) | 2017年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
本来はテン泊で五竜〜唐松の計画だったが、すでに悪天のため前日に断念。
昨日の夕方の気象庁の天気予報と小生の希望的天気予想により、朝一(6時半)の八方のゴンドラ、リフトを利用して唐松岳ピストン、とプランニングしてみたのだが・・・。
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唐松に登ったのは今から30数年前、まだ学生だった頃だ。
高校生の頃に読んだ加藤文太郎の単独行に憧れてちょっとだけ真似事。
初めて本格的?にソロでのテン泊で選んだのが、白馬の大雪渓から唐松、五竜への縦走。何故そこを選んだのかは覚えていない。
白馬と五竜で泊まる2泊3日の予定だった。
ところが勢いよく挑んだもののそうそう甘くはなかった。
まずは夜行列車。
その頃すでに車は乗り回していた。今考えると不思議なのだが、その時は車で行くという発想は無かった。今思えばその頃はまだ長野道もなく、塩尻あたりから下道しかなかったからかもしれない。
そして乗ったのは今となっては懐かしい中央本線、夜行の急行アルプス。
八王子から乗ったのは夜の11時過ぎぐらいだっただろうか。
何とかギリギリ席は確保できたものの、ほぼ満席状態。すでに宴会中のグループも。
もちろん席は向かい合わせの固い席。
一人では初めての夜行〜ソロ。
気負い、緊張、不安、周りの宴会、固い席、不慣れ、・・・。
ほぼ眠れないままに明け方白馬駅に到着。
見上げれば今にも泣き出しそうな空。
とりあえず、猿倉までバスで。
今のようにネットのない時代で情報は限られていた。
白馬の駅前だったか、猿倉だったか、4本爪の軽アイゼンを買った。たしか500円だったような。事前の情報では買うのではなく、借りて上の小屋で返すはずだった。ところが他の人と同じように上の小屋で返そうとすると受け取ってくれない。「あっ、それは買ったんだよ」って。???他の人は借りているのに何故自分だけは買った?今も謎である。おかげでそれ以降、必要のない荷物が増えてしまった(苦笑)。
ガスの中を列をなして大雪渓を歩く。しかも雨も少し降りだした。
一列縦隊で歩くということは自分のペースで歩けない。その頃はまだ若かったのでイライラしてくる。
そして、他の人たちは皆カッパを着ている。まだゴアテックスが出始めだったように思う。当然貧乏学生にゴアのカッパなど持てない。小生が持っていたのはハイパロンと言うナイロンの一種。着れば蒸れて濡れるのは判っている。カッパを着ず青いビニール傘をさした。
一人だけ青いビニール傘で、おまけに列からはみ出して歩いていた。
他の人からは随分と異様、非常識に見えたことだろう。
若いとはいえ、ほとんど寝ていなかったので最後は結構バテたと思う。
それでも途中で雲を抜けていきなり青空が広がったときは感動した。標高差にしてほんの数メートル程度で雲泥、いや晴と雲の違いだった。
テントを設営してから山頂に行ったのか、山頂に行ってからテントを立てたのか。
全く覚えていない。
たしか山頂の標柱はあまりたいしたことがなくてちょっとガッカリしたような気はする。
夜の風は怖かった。
テントが煽られ、本当にテントごと飛ばされるかと思った。慌てて大きな石をテントの隅に置いたりした。
そして近くの岩がゴロゴロと落ちる音が響いていた。自分のところに落ちてくるはずはないのだけれど、すぐ近くまで落ちてくるように思えた。
寝不足で疲れていたのになかなか寝付けなかった。
やっと寝付けたのは風が収まった頃、明け方近くだった。
朝、気がつけば明るくなっていた。時計を見てビックリ。たしかすでに7時ぐらいだったように思う。完全に寝過ごしている。
テントから出て周りを見渡せば、ほとんどのテントが既になくなっていた。
慌ててシュラフをたたみ、テントをたたんで遅いスタート。
この時点でおそらく予定より3時間は遅れていたと思う。
予定では唐松岳を経由して五竜まで。
とにかくスタートした。
朝はたんなる曇りだったと思うが、途中からガスった。風も出てきた。
唐松までの間、ほとんど人に逢わなかったと思う。
流石に不安だった。
白馬から唐松に行ったのだから不帰の剣を通ったはずだが、どんなところだったかは記憶にない。ほとんどガスって視界は5〜10mぐらいだったと思うので高度感も感じなかった。
ただ、岩から岩へ飛ぶようなところがあって、その瞬間に下からの風に煽られて宙をさまよったような感覚だけは覚えている。
唐松岳の山頂は覚えていない。
たぶんガスって何も見えなかったと思う。
唐松山荘が見えたときは本当にホッとした。
そして、それまでよほど緊張していたのだろう。一気に疲れがどっと出てきた。
歩いていたのは数時間だったと思うけど、精神的には相当疲れた。
もう五竜まで歩く気力も、テントを張る気力もなかった。
唐松山荘が小生の小屋泊まり初体験の小屋となった。
今は建て替えられて立派になったようだが、当時は数十人しか泊まれないような小さな小屋だった。
当日は小生含めて泊まったのは4名。
旅館の部屋を小さくしたような6畳ぐらいの畳の部屋だった。
翌日は八方尾根を下るだけとした。
ゴンドラを降りたところで実家が神城(五竜に行けばここに下りてくる予定だった)で旅館を営んでいるY君に電話。軽トラで迎えに来てくれた。その日の午後は彼と下手なテニスをして彼の旅館に泊まった。
残念だが今はM旅館もなく、彼もいない。
唐松岳の遠い日の追想だ。
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前日に唐松岳ピストンとして準備をしたものの、(こんなこともあろうかと思って日帰り用のザックも車に積んでいた)朝起きればやはり雨がパラついている。雲も前日の朝よりも低い。
残念だが諦めた。
暫く思案ののちに方針決定。
この地を離れることにした。
9時に道の駅の売店がオープンするのを待ってニンニクとズッキーニとその他野菜もろもろを買い(これって結構重要なのだ)、いざ美ヶ原へ。
しかし美ヶ原もやはりガスガス。
そして途中から雨。
そして小生はこの日もカッパを着ず、傘をさして歩いていた。
30数年前と同じように。
ここまで長文、拙文お読みいただきありがとうございました。
Keith-kさんの学生時代の追想。
夜行列車に乗り込んだ所から始まる物語は、実話だけに臨場感もあり、彼の心情がとても良く伝わって、読みながら終始胸がキュンとしていました。
素敵なお話をありがとうございました。
s-nakachuさま
コメントありがとうございます。
でも、あまり何回も読まないでください。
恥ずかしいですから。
意気地なしの独り言ですので。
ただ、最近のことはすぐに忘れるのに、
当時のことは今でも覚えているのは不思議です。
梅雨明け十日。
本来ならば20日頃に明けた梅雨から真夏の晴天が続き夏山計画にはベストな時期なんですけどね…
昨年、今年もちょっと不安定。本当に残念です(涙)
雨のち晴れ〜いつの日にか虹を渡れますように(*´∀`)♪
komorebi999さま
ご訪問ありがとうございます。
そうなんですよね。
昨年も今年も梅雨明け十日を狙って行ったのですが
さて来年は・・・。
二度あることは三度ある
三度目の正直
どちらでしょうか?
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