木曽駒ケ岳
- GPS
- 56:00
- 距離
- 11.4km
- 登り
- 2,209m
- 下り
- 654m
コースタイム
アクセス |
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感想
(メモより) 12/29 上松駅が近づくにしたがって電車の窓からこれから登る中央アルプス宝剣岳山頂付近の真っ白な鎧を付けているような岩が青空の下に遠望できるようになってきた。毎年年末には忘年登山で雪のある山に登ってきたこの3年ほどは滋賀県の北部にある金糞岳であった、息子(淳ー)が18歳になった高等学校3年、高校駅伝も終わり最後の冬休み少し高い山に登ってみたい、それで選んだのが中央アルプス駒ケ岳である。電車の中は暖かく近くの山にも雪はない、上松で下車した登山者は我々だけだった、駅前はのどかでゆったりとした空間だった、近くの店でパンを買い登山届を出しタクシーで二合目まで入る。いよいよ歩こうとしたら息子が「お父さん服がない」という、電車に忘れたようだ、暖かかったので二人ともボーとしていたようだ、山の上だ少し我慢をしないといけないようになった。歩きだしてすぐ沢沿いで昼にする、さらに一時間ほど登り敬神の滝小屋に着いた、すぐ近くまで林道が伸びてきている、ここで水筒に水を補給。道は明瞭で歩きやすい、途中の石碑や祠は歴史ある登山道であることを物語っているようだ。「金糞岳より雪が少ないけれどなんで」そういえば昨年の年末に登った金糞岳では腰から胸までのラッセルで二日間がんばって登ったが頂上に達することが出来なかった、それに比べると雪の量は少ない、「頂上に登ったら富士山は見えるかな」そんな話を時々しながら登る、久しぶりに重い荷物を担ぎ肩がいたい、ゆっくりとしたペースで歩く、少し雪が増えてきたと思いながら急な登りを越えたら金懸小屋に出た、正面に御岳山が雪の冠を付けているような感じで見える、一服のつもりで中に入っると先客が一人いた、二日前に入り今日前岳を往復してきたといていた。今日はこの小屋に泊まることにした、窓が破れているので小屋の中にテントを張り落ち着く。午後四時の気象通報では富士山でマイナス十五度風速二十メートル、明日から気圧配置が冬型になる見込みで気温は下がる様子だ。
12/30 朝起きたら昨日作った水が凍っていた、アイゼンを着け金懸小屋を出た、雪の着いた岩場の急な登りをすぎる灌木の中の登りに入る、向かいの御岳もこれから向かう稜線も雲の中、標高が上がると風と雪が舞ってきた「お父さん、雪の結晶がそのまま降ってきてる」と息子が言う、言われて改めてヤッケに着いた雪の結晶を眺める、こんな風に雪を観察したことはなかった。8合目まで来た、風も次第に強くなり気温が下がってきた、稜線に出るとゆっくり休めないと思い少し早めの昼食を取る。稜線が近いのか風が一段と強くなった、踏みあとも消えガスの中で視界がない、地図と磁石で方向を確認しながら稜線を外さないよう進む。前岳の頂上から玉窪小屋への下りは真っ白な中慎重にコースを選ぶ。駒ヶ岳までの登りは遮るものがないのでまともに風を受ける、岩にはエビのしっぽが発達している、山頂の岩陰でルートを確認、少し南に下ると小屋に出るはず、吹雪の中の行動は風もあり間違いやすい、さすがに3000m近くの稜線だ、まつげも鼻も露出しているところは風と雪で凍ってくる、位置を見失ったら雪洞にしようと進む。吹き溜まりでは膝まで潜るところもあるし足元の雪と氷の状態がコロコロ変化する、足跡もすぐに消えるので方向感覚がなくなるし氷結した部分から吹き溜まりに突っ込んで転んだりしながら南に30分ほど進んだところで東側が半分雪に埋まった小屋を見つけた。小屋風下で風を避け小休止、ここは風の通り道になっているのか強い西風がゴーゴーと音を立てながら吹き抜けていく。これから中岳を越え宝剣小屋まで歩くには視界が悪いのと風が強いので位置の分かっているこの場所で雪洞を掘ることにした。一時間半かけ二人ゆったり入ることができる雪洞を掘ることができた、中に入り入口を雪でふさぐと中は何の音もしない静寂の空間になる、気象予報では富士山は快晴、気温マイナス二十度、明日の天気回復を期待して休む。
12/31ピッケルで穴をあけ外の様子をうかがう、風と共に雪が舞いこんでくる、外は昨日と同じふぶいているようだ。とりあえず出発の用意をして外に出ることにした、入口のブロックを外すとい一気に寒気が入ってきた、外に出ると二人のパーティーが雪まみれで現れた、これから駒ケ岳を越える予定だけれど休憩できる場所を探していると言う、今朝宝剣小屋から中岳を越えてきたというのでコースの様子を聞き雪洞を入れ替わった。中岳の登りは昨日にもまして風が強い「お父さん指が動かない」という、岩陰に入り顔を見ると鼻の頭と風を受ける右頬の一部が白くなってなっていた。稜線を少し進んだ時今まで視界が全く聞かなかったがい一瞬ガスの中から青空が見えた、再びガスの中に戻ったが天気は回復に向かっているような気配がした。10分ほどで宝剣の小屋に着いた、10張ほどのテントと小屋も営業していたので1時間ほど小屋で休ませてもらう。明るく感じたので外に出てみると風はさらに強くなっていたが青空が広がっていた、吹雪のあとのあとの山の景観は素晴らしい、新鮮な感激だ。アイゼンを着け宝剣に向かう、強風でピッケルにすがりながら登るが氷結した岩場に差し掛かると風で飛ばされそうで進めなくなり引き返し和合山まで行ってみることにした。小屋の影から一歩踏み出すと強風にあおられ雪煙をあげ体を持ち上げられるような感じになる、顔に当たる氷片がいたい。何とか和合山を往復、ここから見る宝剣岳は近寄りがたい。南アルプスその奥に富士山が青空の下に見えるようになった。岩の影で景色を楽しみ千畳敷に下る、ここからロープウェーで下る。
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