火の御子峰(国内最難関峰の一つ)
- GPS
- --:--
- 距離
- 22.0km
- 登り
- 2,601m
- 下り
- 2,604m
コースタイム
- 山行
- 15:06
- 休憩
- 2:53
- 合計
- 17:59
0.21 1270m 別当出合発
1.51 2005m 甚の助小屋
3.03 2455m 室堂
4.21 2450m 御手水鉢
7.15 1750m 地獄谷
9.40 1950m 火の御子峰直下
10.30 1950m 火の御子峰直下下山開始
11.38 1750m 地獄谷
14.02 2350m 楽々新道登山道
14.52 2557m 七倉山
15.03 2450m 御手水鉢
16.28 2455m 室堂
17.10 2005m 甚の助小屋
17.50 1270m 別当出合
18.20 750m 市ノ瀬
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
自転車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
地獄谷は崩壊雪渓多し 地獄尾根はボロボロのナイフリッジ多し 地獄谷から地獄尾根に至るルンゼも岩は脆い、そのまま詰めると上部で進退窮まる |
写真
感想
白山開山1300年の目標、1月からの毎月登頂にも目処が立ち、白山と名の付く最難関峰南白山も踏んだ。最後の目標が国内最難関峰の一つで白山山系にある火の御子峰に登頂することだった。
このピークに立つには地獄尾根を下降すのが一般的だが猛烈な藪とボロボロのナイフリッジで敗退を余儀無くされるケースがほとんど、ワンディでこのピークを落とすには確たる戦略が必要。過去に撮影した写真分析に加え三日前には楽々新道に偵察に出かけて綿密な戦略を練った。ワンデイならこれしかないと言うルートを見つけていざ決戦の日を迎えた。
前日は気が高ぶりほとんど眠れなかったがなにわ君と市ノ瀬チャリ発深夜0時と約束してある。予定より30分早く市ノ瀬をスタートした。週末交通規制のおかげで出だしから余分に脚を使わされた。別当出合まで40分の深夜のヒルクライムを経てようやくスタートライン、重荷に耐えてガシガシ砂防新道を登る。
2時間半で室堂に着いたがまだ3時で真っ暗、しばし休憩して御手水鉢へ、ここもまだ真っ暗で崖マークを下っていく。下りれそうなコース取りは三日前に確認済みなので暗くても安心して下れた。
偵察通り藪もなくドンドン下り七倉山を源頭にする沢に入り込んだところでようやく白んできた。さらにドンドン下り地獄谷を目指す。下りるにつれ水が増え多くの渡渉や際どいヘツリ、崩壊雪渓が出てきた。雪渓を過ぎた直後に雪渓が大音響と共に大崩壊したのには肝を冷やした。
1750mで地獄谷に合流して見上げると火の御子峰が圧倒的な威圧感、この峰は下から見上げてこそ価値がある。目指すルンゼの出合まで到達。行けるかどうか?いや行くしかない!ルンゼは狭く岩も脆くて何度か掴んだ岩が剥がれてやばかった。お互い協力してロープを出しながらルンゼを詰めて少しずつ高度を上げる。鞍部まで残り標高差50mで斜度が増して進退窮まる。一か八か行ってみると言うなにわ君だが落ちたら助からない。岩が脆くて支点も取れないのでフリーでは危険すぎる。制して僕が100mほど下降して弱点を探る。何とか子尾根を乗り越せば緩い右又ルンゼに入れそうだ。際どく子尾根までハンマーで足場を作りながらトラバースした。子尾根から懸垂して右又ルンゼに降りた。
目指す鞍部が下から見えた。何とか這い上がれそうだ。ガシガシ詰めてようやく1940m地獄尾根鞍部に着いた。目指すピーク1980mがすぐそこだ。モチを上げボロボロのナイフリッジを馬乗りになりながら先を目指す。脆い岩が剥がれて左右の谷底へガラガラと何度も落ちて行く。
鞍部からピークまでの三分の一を過ぎた地点でなにわ君がもう進めないと言う。ボロボロのポコの先が下りれない。ここまで来て諦められるわけがない。先頭を代わりポコをハンマーで削ってポコを固定ロープで輪っかにしてこれを手がかりに何とか下りた。しかし眼前に絶望的な光景が、、、10mのボロ壁が立ちはだかった。ハーケンの効かないボロ壁では支点が取れずフリーで登るしかない。多分50%の確率で岩が剥がれて地獄に落ちそう。たくさん持ってきたハーケンだが特注でないと長さが足りない、この先は余りにもリスクが大きすぎる。距離にして80mすぐ先にピークが見えるのだが、、、、、
ピークを目の前にして無念だがここまで全力を尽くしたので悔いは無かった。逆に清々しい思いにもなった。この峰は神の宿る山なのかもしれない。
そう決まればあとは安全に帰還するだけ。ルンゼは懸垂下降の連続で下った。地獄谷まで降り立ってようやく安堵した。あとは時間との戦い、楽々新道に登り上げられそうな沢を地図からチョイスして無事ほぼ藪漕ぎなしで登山道に合流。
七倉山に登り返して室堂までこの辺りは紅葉の盛りで綺麗だった。室堂休憩後はダッシュで別当出合へ、もう薄暗くなっていた。ここからチャリで閑散とした市ノ瀬へ
しめて18時間を超える完全燃焼だった。
今日という日は僕の登山人生の中でも一生忘れることはない強烈な1日になった。
火の御子 万歳!
こんばんは、初めまして。
夏に楽々新道から中宮道と歩き、その間の地獄尾根を眺めて、すごいなあと思いました。
まさかあそこを歩くなんて思いもしませんでした。
それにしても誰が名づけたのでしょうか。
地獄尾根、火の御子峰・・・
地図を見て、ワクワクしました。
名前が違ったら、関心持たなかったかも知れません。
それに比べて楽々新道、なんて安易な命名なのかしら。
正直、こんな名前の道は歩きたいとは思いませんでした。(笑)
火の御子峰 こんな素晴らしい名前の山は他にはないのでは?きっと神宿る山なのだと思います。白山の北縦走をを歩く際はこれからも是非とも気にして頂ければ嬉しいです。楽々新道と尾根を挟んで反対の中宮道からもよく見えます。
先生、おはようございます。
敢えて「踏破」と呼ばせていただきましたがこのルートを薮と沢と雪渓も含めて歩かれるなんて早々できることではありません。
楽々〜中宮を歩きながらかなりの頻度で立ち止まって「センセーいないかなー」と火の御子峰を眺めていました。
多分トータル1時間くらい(笑)
写真も臨場感があってこれだけ間近で火の御子峰の姿を見られる機会もないわけなので貴重な疑似体験をさせてもらいました。
おかげさまで冬に向けてモチベーションアップしてきました。
お疲れ様でした!
楽々新道からルンゼにいる僕たちに気が付いてくれるかなと内心期待していました。今回の経験を糧に再戦略を立てて装備を揃えれば次はピークに立てる可能性もありますがこの峰は神宿る峰として僕のハートに刻み付けておきたいと思います。
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